虎杖シリーズ強さ表
黒影杖>>>黒桜杖=部品杖>イ杖>>鉄杖>凛杖>>士郎杖
なんで主人公同士で組ませたのが最弱なん?
「ハンバーグだ」
「いや、つくねだ」
「つくねは鳥じゃないと邪道だろ」
「悠仁こそ。合挽きじゃないハンバーグなんて異端審問モノだ」
夜の衛宮邸、遠坂の自室にて。
夕食に風呂をトントン拍子で終わらせて、現在時刻は夜の十時。桜は病気で疲れていたのか寝室に戻っており、先ほど遠坂によって眠りについたのが確認された。昨日に比べて三時間も早い集合が出来たのは嬉しい限りだ、こうして夕食の冗談を言い合う暇もある。
「戻ったわよ.....って、何騒いでんのよ」
「「今晩の豚挽き肉の使い方について」」
「緊張感!今から巡回に行かなきゃならないって分かってんの!?」
火山が噴火したかのように怒りを爆発させる遠坂に、呆れたようにため息を吐くセイバー。いやいや、食とは生きることそのものなのだから拘りを徹底させるのは大事なんだぞ。イギリスのマズ飯を毎食出されたら、流石の遠坂だって三日で元気を無くすだろうに。
.....そうだ、遠坂に聞かなきゃいけない事が有った。
「遠坂。真面目な話なんだけど、二つ質問良いか?」
「はぁ.....なによ?」
「んじゃ、一つ。魔術の特訓を一回すっぽかしたけど、大丈夫なのか?」
一つ目は、午後の特訓の話。
遠坂が昨日、士郎の回路を開いたという事は覚えている。しかし今日、俺はセイバーとの特訓ですっぽかしてしまったし、士郎も桜の看病につきっきりになっていたのだ。少し怒られるかと思っていたのだが。
「ああ、それね。今日は無しで良いわよ」
「理由も聞いてもいいか?」
「貴方はともかく、士郎に魔術の特訓をさせるのは予想以上に負荷がかかるから。夜からやれば確実に数時間はダウンして使い物にならなくなるんだし、それにフルマラソン走り切った人間に戦えって言うくらい鬼畜じゃないわよ」
昨日の士郎の容態を思い出す。そういや、藤ねえの持ってきた牡蠣で腹を壊した時も台所に立っていたこともある程の意地っ張りが、あそこまで目に見えて体調を崩していたのは珍しい。魔術回路を強制的に開かれる、というのは余程苦しかったのだろう。
「それで、二つ目の質問は?」
「今日の報告がまだだろ。間桐邸に行ってたんだろ?」
「......アレね」
頭を抱え、ため息を吐きつつ俺たちに向き直る遠坂。しかし、その息は呆れというより苛立ちに近いモノのように見える。一体、間桐邸で何を見てきたのだろうか。
「成果は....特にないわね。ちょっと大きめの魔術家ってくらい。間桐の秘伝書とかそういうのは無かったし、慎二が持ってたっていう令呪の本の写しは見つからなかったわ。それに、本人からも聞いたしね」
「そうか、本人......本人!?」
「そうよ。単刀直入に言うと、慎二がいた」
「ハァ!?アイツ、まだ教会に行ってなかったのか!?」
「そうよ。ふざけた事も言ってきたもんだから、ちょっとシメてきた」
どうしたんだろうと考えていると、シッシッと右腕でジャブを打つ真似をされた。成程、そういう分からせ方は悪くないと思う。ああいう慎二みたいなタイプの人間とは、とことん喧嘩しなければ分かり合えないのだ。
「それじゃ、質問は終わり?」
「ああ、大丈夫だぜ。では、本題に入ってくれだぜ遠坂氏」
「.....まあいいわ。今日のチームだけど、私はアーチャーと一緒に新都を調査。士郎と虎杖君は、学校の結界をセイバーが壊せないかどうか確認してきて」
「学校か。となると────」
「ええ。向こうの結界が有るところに出向くんだから、自分から蛇の胃袋に飛び込むようなものね。戦闘になったら激化は不可避、だから一人でも多くの戦力が必要になるってわけ」
成程、組み合わせの変更には驚いたが、ちゃんと理由が有ったものだったのか。変に邪推してしまった自分に恥じつつも、続く遠坂の言葉に耳を傾ける。
「それと、セイバー。貴方から見て虎杖君はどう?」
「どう、と言われれば.....はい、戦力としては満足です。彼の補助が有るのはとてもありがたい。ですが、その性質上かなり荒っぽい運用となりますが」
まあ、俺の性質から考えると当たり前か。サーヴァントがサーヴァントと戦うというのは、決戦兵装の宝具のぶつかり合いを意味している。それを持たずに戦場に立っているのだから、盾代わりになれるだけでも上出来だ。
「ま、待てよセイバー!悠仁は人間だぞ!?そんな使い方をするんなら俺だって出来るだろ、多少は再生できるんだし、それで────」
「シロウ。貴方の気持ちは分かりますが、サーヴァント戦で必要なのは戦闘技術と頑健さです。いくら貴方でも首を断たれれば、回復魔術も役には立たなくなるでしょう。今のシロウには、その"首を断たれない技術"が足りていません」
「......じゃあ、黙って見てろってのか」
「心配すんなって。そう簡単に死にはしないからさ」
両の手を握りしめる士郎を諫める。流石に、魔術の鍛錬の足りていない生身の人間を戦場に放り出せるほど間抜けではない。遠坂ならある程度は信頼できるが、強化の魔術の使い手の士郎は無理が有る。武器を作る事は出来ても、それを使うのはあくまで士郎自身なのだから。
「最後に。あの影を見かけても、絶対に倒さない事。もし襲われても反撃は最小限で様子見に徹して。魔力を吸い込むっていう性質が有るから、エーテルで身体が構成されているサーヴァントも危ないかもしれない」
.....成程。そういう性質なら、確かにサーヴァントに対しても有効打になりうる。人間にとって人喰いエイリアンが恐怖になるように、サーヴァントにとっての天敵は魔力喰らいというわけになるわけか。
「じゃ、解散。生きて帰ってきなさいよね」
しかし、サーヴァントの天敵という概念の話であれば、遠坂は何か見落としているような気がするのだが..........
「.....着きました、二人とも」
「こう見ると、ウチの学校って結構大きいよな」
「ああ。そりゃ、ここらじゃ一番の公立高校だからな」
日が暮れてから学校から帰る事は多々あれど、ここまでの深夜に学校に来たのは初めてだ。月光も無い闇の中にそびえ立った校舎は、まるで処刑場のような威圧感を放っている。校内に光が灯っていないのを見る限り、警備員の人はいないようだ。
そういえば、人目に付くような行動をすると教会が対処するという話が有った。この校舎に結界が有るという報告が何処かしらから入って、昼間は無理でもマスターが活動する夜の間くらいは人払いをしてくれているのかもしれない。
「マスター。私から離れないで下さい」
「待ってくれ、セイバー。少し調べたい所が有るんだけど、そこを探しに行ってから屋上に行っても構わないか?二人は先に行ってても構わないからさ」
「なっ.....正気ですか、マスター!」
突拍子もない事を言い出す士郎。いつもは安全策を優先する彼にしては、これまた珍しい。しかし、敵の根城で単独行動というのは少し危険だと思うぞ。
「リンが敵の胃袋の中に飛び込むようなものと言っていたのを、もう忘れたと言うのですか!目的を済ませて帰還するのが最優先です!」
「大丈夫だって、すぐに追いつくから!それにセイバーなら、サーヴァントの気配を感知できるんだろ!?反応が無いってんなら、今はまだここにはいないから大丈夫だって!」
敵地で揉め合いを始める二人。こうして見ると効率主義のセイバーとお人好しの士郎で、相性が悪いのやら.....いや、一周回って関係自体は良いのかもしれないな。
しかし、いつまでもこれでは夜が明けてしまう。
ここは─────
今回はクッション話なので少なめです。
ここは────
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セイバーに賛成する
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士郎について行く