バカとテストと召喚獣〜The Another Story〜   作:ぷろとうぃんぐ

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14話 斬撃と妹

信じられない、といった表情でこちらを見る3人。Fクラスからもそんな惚けたような声が聞こえた。

教科フィールドが日本史じゃなきゃ、500点も取れてないな、私。

明らかにその点数を見た瞬間、相手の余裕さが消えて、怯え出した。

 

「お、おま………なんだ、その点数は…………!?」

「……なんだ、って…見たままの点数だけど?」

「こんな、こんな点数なんて取れるかよ!さてはカンニングしたな、お前!」

「そんな貴方達の代表みたいなこと、私がするわけないじゃん、か!」

 

私に注意がそれてる間に、一瞬でハチマキさんに召喚獣を走らせる。

1回やってみたかったんだよね。

以前に私の友達がオンラインゲームで会った、すごい強力な二刀流の剣士。

その必殺技が、最高峰の16連撃で放たれる斬撃の雨-----------!!

 

 

「-------スターバースト・ストリームッ!!!」

 

 

刹那、私は今まで気がつかなかったけど、召喚獣の右腕にしている腕輪が一瞬光った瞬間、二刀流で敵をザクザク切り刻み始めた。

8回くらいのところから、完全なるオーバーキルが発生したけど、止めるつもりもない。

 

【Fクラス 小林 翼 日本史 497点】

VS

【Bクラス 鈴木 二郎 日本史 0点】

【Bクラス 佐藤 良英 日本史 81点】

【Bクラス 合間 雄大 日本史 170点】

 

「ぐ、なんだこの力は………二郎が一瞬で殺されちまった……!」

「覚悟は出来てる?次は貴方だけど」

「ひっ」

 

一閃。たった一発でも召喚獣の点数を0にすることが出来た。スピーカーさんには悪いけど。

もはや残虐行為に似ているよね、私悪どい………

 

【Fクラス 小林 翼 日本史 497点】

VS

【Bクラス 鈴木 二郎 日本史 0点】

【Bクラス 佐藤 良英 日本史 0点】

【Bクラス 合間 雄大 日本史 170点】

 

『戦死者は補習!!』

「た助けてくれーーっ!後生じゃぁーーーっ!!」

「う……うおおおおーっ!!!」

 

残った背高さんは、やられる一方よりも少しでも削った方がいいと思ったらしく、槍を振り回す。

私はワンステップをそれを避けてから、懐に入り込む。そしてキラリと光る水晶色の腕輪。

当然、最後の斬撃は『スタバ』である。

 

『ダメだ!こんな奴に勝てるわけがない!退け!退くんだ!』

「逃がさないよ!!」

 

私はさらに廊下の奥へ退避する2人を逃がさなかった。右手をすぅ、とあげるとFクラスの男子達がすごい剣幕で私の横を通って行く。

 

『俺の翼さんを人質に取ろうとするとは……許せん!』

『Bクラス許すまじ……!!』

「なんだ、お前ら……!?うわぁぁぁぁ!!」

 

戦力では圧倒的なはずのBクラスの2人が押されていた。多分威圧に圧倒されているんだと思う。

………ちなみに、私、誰かの所有物になってなかった?単なる空耳?

 

「お疲れ様、翼さん。目標はとりあえず達成したようね………ありがとう」

「うん。今日中に本丸を落とすのは難しいかもね………」

「おいお前ら、状況はどうな-------------」

 

心配になったのか、坂本君、蓮、蘭さんが後から来るけど、残念。ちょっと遅いかな。8割方制圧完了し終わってるからね。

 

「----完璧じゃねえか………俺の未来予想図と同じ構図になっている」

「あそこで私が行ってたら、絶対人質に取られてたんだろうけどね……」

「……?何の話よ?」

「危うく向こうのドツボに嵌るところだった………ってことだけ言っておくよ、蓮」

 

これ以上詳しいことは無用だよ。下手に説明して島田さんが責められでもしたら可哀想だし。

本人は吉井君のためを思って取ろうとした行動だからね。

危険な好奇心は身を滅ぼすんだよ。

結局この後、無理矢理Bクラスを教室に封じ込めて4時………即ち停戦、明日に持ち越しになった。

 

「色々あったが………あと何人だ?」

「生存者はFクラスが半分、Bクラスが3分の1………ってところかしら」

 

蘭さんが戦力分布を見る。Bクラスは全員教室に押し込んで、既に後がないものになっている。対してFクラスはかなり削られたものの、決定打であるだろう姫路さんはほぼ削られていない。

 

「さ………明日も早いし、帰りましょ?」

「そうだね。行こっか」

 

私たち4人はFクラス教室を後にする。その最中土屋君がCクラスが不穏な行動をしている、と坂本君に告げていた。

Cクラス………駄目だ。情報がなさすぎてよく分からない。Bクラスとは何の関係もないはずだよね。

階段を降りて、下駄箱へ向かう私達。そんな中、蘭さんが僅かに「げっ」と訝しげな顔をした。

目線の先には、髪をツインテールにまとめた少女がいた。

その少女も気付いたのか、蘭さんを見て言い放った。

 

「あ、お姉ちゃん」

「「「お、お姉ちゃん???」」」

 

私、蓮、鳥花さんは、2人を交互に見た。うん、蘭さんとも似てるし、蓮ともそっくりだ。

お姉ちゃん……ってことは、もしかして、もしかしなくても?

蘭さんははぁ、と重たい溜息を吐くと、紹介する。

 

「私の妹よ。別名双子とも言うわ………」

「お姉ちゃんの友達?私は東雲鈴(しののめりん)。いつもお姉ちゃんがお世話になって………」

「馬鹿……!そんなの要らないわよ……!」

 

小声で妹に突っ込む蘭さん。成る程、蘭さんと同じでしっかりしてるなぁ。出来た子だ。

ところで、蘭、鈴、蓮……名前までこうも似てくるとそのうち見分けがつかなくなってきそうだよ。3つ子じゃないのかな、本当は。

 

「私は小林翼。よろしくね、鈴さん」

「……霧島蓮よ。よろしく」

「月風鳥花です!いつもこちらこそご贔屓にして頂いて………」

 

鈴さんと同じくぺこりと深々礼をする鳥花さん。こっちもこっちでしっかりしすぎ。

すると鈴さんは、ポン、と手を合わせて言う。

 

「貴女が蓮さん?わぁ、お姉ちゃんから聞いてる通り、胸が大き……」

「こらこらこら!」

 

慌てて静止する蘭さん。うん。言わずもがな。すごく複雑な顔をしてるけど。

 

「で、翼さんは可愛いマスコットさんと聞いています。本当に可愛い!お人形さんみたい!」

「!?え、う、うーん………?」

「言わなくていいわよ、そんなこと私情!」

 

か、可愛いマスコット………要するにゆるキャラみたいな存在?

喜んでいいのかよく分からない。

 

「鳥花さんは『天然ミサイル(トラブルメーカー)』さん、と」

「誰ですか、それ!」

「……あってるよ?」

「そうね、合ってるわね。言い得て妙だわ」

「翼さん!蓮さんも酷いですよ!」

「貶してるわけじゃないよ?」

「褒めてもないけどね」

「ミサイルなんてあだ名つけられて酷いと言わずなんと!?」

 

あの時……私に激突してきた時から内心コッペパンミサイルなんて呼んでたからね……それは正解だよ、蘭さん。

 

「はぁ………この子はナチュラルに人を追い詰めるから、合わせたくなったんだけど………」

「別に構わないわよ。貴女が噂のAクラスの優等生さんね?」

「うん。そうそう。でも勉強以外は勝てなくて………」

「………勉強だけしか勝てないのよ、どうしても」

 

勉強で優っている鈴さん。

知略で優っている蘭さん。

お互いがお互いと競い合ってるんだ。姉妹だからこそ、負けたくないのかな。

 

「あ、折角なんで一緒に帰りませんか?」

「うん、いいよ。ねっ、お姉ちゃん?」

「ええ。構わないわ」

 

今日はいつもより一層騒がしく、私は無事帰路についた。

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