バカとテストと召喚獣〜The Another Story〜 作:ぷろとうぃんぐ
Aクラス戦、前日-----------
『ねぇ、代表』
『どうした?東雲?何か用か?』
『ええ。大有りよ。Aクラス戦について』
『……ほう?』
『……………本音を聞かせて。周りには誰もいないから。本当に勝てるの?』
『……お前にしてはやけに疑るな。俺には策がある。だから勝てる』
『そう………一騎打ちよね?勝負するのは代表と代表………相手はあの
『実はな……俺はあいつの幼馴染だ。小学校からの付き合いでな』
『そのこと知られると、うちの
『小さい時に、俺は翔子に嘘を教えていた………あいつは、今だにそれを覚えている。それは、『大化の改新』の年号だ』
『…………テストは、日本史。しかも小学校レベルの100点満点……上限ありね』
『そうだ。それなら、絶対に勝てるだろ、東雲』
『………ええ。間違える、と分かってるなら。問題は、貴方の技量よ、代表』
『どういうことだ?』
『向こうは確実に間違える。でも、それ以上に貴方が点数を取れるかしら?少なくても、今はあの『神童』と呼ばれた頃の………
『………そうだな……確かに俺は堕落してしまったかもしれない……だが』
『そう思ってるんだったら……確実に満点を取らないと……勝てないわよ?』
『………それもそうだ。反論が出来ない』
『貴方だって分かってるはず。Bクラス戦の時のように真っ正面でぶつかっても、あのクラスには勝てないことを。だから回りくどい一騎打ちの作戦を考えたんでしょ?』
『あぁ……当然だ。全ては俺たちの勝利のために-----------』
『----本当にそれだけかしら?』
『ッ!?』
『昔の貴方を私は知ってる。それだけじゃないはず』
『………それだけだ』
『……そう。すまないわね。最近人を疑うことが癖になりつつあるのよ。悪気はないの』
『なぁ、
『私は変わらないわよ、雄二君。『強者に弱者の強さ』を思い知らせること。才能に奢って努力を慮る人に、一矢を』
『……そうか………まだあの時の事を………』
『……私は、学力で人間が決まられるこの学校が大嫌いよ。だから勝ちにはこだわりたい。ただそれだけ』
『そうだな………それには同感だ。だがそれは表面上だけで、実際は------------』
『……………。』
『-----悪い。お前も分かってるんだよな。その辺りは』
『……………私はあの子の姉だから。私の所為であの子が甘く見られるのは嫌なのよ。ただでさえ、迷惑をかけてるっていうのに』
『……だから、勝つ。私は、Aクラスに、勝たなきゃ……』
『もし、お前が鈴と当たることになったら………どうするつもりだ?』
『無論、本気で挑むわ。そこは鈴にも言ってある。勝とうが負けようが、全ては結果で決まるのよ、世の中は狭いものよね?だから……私が頑張らないと……』
『蘭………俺は、お前のことを、ずっと--------』
『……雄二、君……?』
ガタ、ン
『!!』
『聞かれた!?』
『いや………足音が無かった。盗み聞きの類じゃないはずだ』
『そう……今日はもう遅いから、帰りましょう?』
『……そうだな』
「………………」
これ以上は聞いてはいけない。私は自分自身に自制をかけて、あの学校から後にした。
外から電気の消えたFクラスを見ながら、私は複雑な気持ちになりながら、帰った。
ごめんね………私は、蘭さんの嫌う強者なんだよ……私のことは、嫌いになって、当然なのかな……
外は、土砂降りの雨が降り続いていた。これは、暫く止みそうにないね……