バカとテストと召喚獣〜The Another Story〜 作:ぷろとうぃんぐ
蓮「下書き残ってて良かったわね」
不幸中の幸いですよ本当……………
蘭「ガンガンいきましょ。じゃ、本編よ」
西村先生から激励の言葉を貰い、学園の中へ侵入………もとい進入する。
地図を見ながらオリエンテーリングの真似事をする。まずは把握しておかないと。
私、方向音痴なんだよね。
「え、と………2Fは………」
「ここね。この……………通常の2分の1しかない教室」
「2A大きすぎじゃない?これが普通?」
「この学校の常識はズレてると聞くし、これが普通なのよ。……きっと」
学年ごとに階層が違うのは、まぁ至極普通のこと。でも、どこの教室も同じ大きさの間取りではなかった。2Aの存在感がありすぎて困る。
そう思い、例の学力の高い2Aクラスの前を通り過ぎた。
………私達は絶句してしまった。
まず、ここは果たして学校なのだろうかと思わざるを得ない広さの教室。
更に机や椅子ではなく、システムデスクとリクライニングシート。
壁には汚れ1つなく、絵画や彫刻が飾られ、1人ずつにエアコンが支給されているようだ。
「何なのよ………このお嬢様空間は………」
「これが、格差社会ってものだよ蓮………」
「そんな………私は今見てはいけないものを見てしまったわ……」
「っていうか、見たくなくても目に付くんだけど。場所からして」
数秒間のショックから立ち直る。世界的に注目されている、というのは施設の良し悪しもあるのかな。
しかし、2B、2Dを順に回って見ても、2A程ではなく、広さもアルファベット順に小さくなってしまっている。かろうじてDクラスは普通学校の原型をとどめていた。
「…………………」
「…………………」
そして………辿り着いたFクラスは、それはもう災難だった。
半壊になった廊下の窓から中を覗き込む。見えたのは机……ではなく卓袱台が数十個置かれ、半分くらいは腐敗が進んだ畳、壁には落書きが絶えず、黒板には蜘蛛の巣が張る。
さっきの、Aクラスよりも衝撃が激しかった。
「……は、廃屋?」
「もう私、生きていける気がしないわよ翼。後は任せるわ……」
「ちょっ、蓮だけずるい!私も気を失えるなら失ってるよ!」
ここまで酷いとは思わなかった。いや、思えなかった。多少ありしもまだちゃんとした教室なのかと思ってたけど、酷すぎる。私達も女子だし、蓮に至っては軽い潔癖症だ。
入ろうか逃げてしまおうか、頭の中で激しい葛藤が行われている最中。
『はわわわわぁぁぁぁーっ!!初日から遅刻は嫌ですーっ!!』
ふと私達が来た道の方から声が聞こえたので振り返ると、何故か口にコッペパンを加えた少女がこちらに突っ込んで来た。さらに、
「……!ひゃうっっ!」
何にもないところで躓いたかと思えばあら不思議、こちらに突っ込んで来た。
私と蓮を巻き込んだコッペパンミサイル(仮称)は脆い教室のドアを突き破って中へ強制的に入る。
ゴシャッ、という地味であり致命傷な音が私の脳を揺さぶった。
既に時刻は8時40分を指す。遅刻ギリギリの状態。私はコッペパン少女の下敷きになって痛ッ!体動かない!
「……………お、おい……大丈夫か………」
誰が話しているのかわからないけど、満身創痍の体を揺すぶって目を開けると、鬣のような髪をした男子が立って、心配そうに眺めていた。少なくとも、大丈夫じゃない。これ重要。
でも、これ以上心配かけるわけにもいかないし………
「だ…………だいじょうぶ………」
「わ、わぁっ!?大丈夫ですか?一体誰に!誰にやられたんですか!」
「貴女よコッペパンミサイル。通り魔に轢かれたわ……しかもダブルラリアット……」
蓮は既にボロボロながら、対して怪我もしていないのか、砂埃を払う。私の方は無事じゃないけどね。
「す、すみませんっ!慌てててつい足が!足が絡まって!」
「タコじゃないんだから………」
「病院沙汰にはならなかったようで安心した……」
「貴方は?」
「俺は