バカとテストと召喚獣〜The Another Story〜 作:ぷろとうぃんぐ
翼「色々リセットした(ミスった)せいで作者のモチベが上がらないっていうのは秘密だよ」
蓮「………自業自得じゃないの」
蘭「そして、ついに第2章に突入するわね!」
翼「それじゃ、まず第1話だよ!」
21話 合作と準備
私がこの文月学園に転校してから約1か月も経って、大分私自身線を引いて居たけど、馬鹿らしくてやめた。
やっぱり、高校の学校生活あと2年なんだし、勿体無いからね。
個性的なメンバーに囲まれた生活に慣れて来た頃、まずは学校行事である『清涼祭』………いわば学園祭を間近に控えていた。
今年は何と学校の都合上、合作を行うことになっているらしく、抽選の結果、DクラスはEクラスと、BクラスはCクラスと、そして私たちFクラスはAクラスと共同の出し物をすることになっている。
各クラス、残り1週間に控えた学園行事に熱が入って、どこもかしこもお祭り気分だ。
ただし。
『吉井!お前の球なんて場外にすっ飛ばしてやるぜ!』
『上等だ!何が何でも打たせてたまるか!』
「…………」
「………………副代表。指示を」
「とりあえず納豆を準備して。顔面にぶつけてやるわ」
私たち女子に準備を任せて、Fクラス男子たちは皆グラウンドでミニ野球をやっていた。
当日使用されるAクラスの教室の窓からその光景を見ていた私たちは流石にイラっとせざるを得ない。
普通逆じゃない?なんで女の子が10mはあるだろう看板運んでるの?優しさがないよ優しさが。
思わず副代表、蘭さんに指示を仰ぐと、そんな返答が飛んできた。
「いや………流石にこの場に納豆なんて稀有なもの………」
「ありますよ。期限切れてますけど。1つだけ」
「なんであるの!?」
「お守りです!」
「………賞味期限切れの納豆に、何を守れるというのかしら……」
鳥花さんは鞄から納豆パックを取り出して放る。まるで猫型ロボットのような便利さだ。
蓮は呆れながら、黒板に絵を書いている。基本蓮は重いものを持つのが苦手だからね。
少し考えると、蘭さんは鳥花さんに手を伸ばす。
「とにかく、それ使わないなら貸して。ないよりマシだわ」
「……返して下さいよ?」
「分かったわ……新品で3パック58円の買ってあげるから………」
「納豆の神様か何かなの、鳥花さん?」
「そんなの私にはいません。ご飯のトッピングとしてふりかけ持ち歩く人と同じ魂胆です」
「………いや、分かるけど、賞味期限切れた納豆を何故にいつまでも大事そうに持ち歩いていたかを聞きたかっ………」
その時、ゴスッという鈍い音と、「痛っ!」という反射的な声で遮られた。
そこには、小道具を沢山詰めた小型ダンボール箱を持った鈴さんが立っていた。
その目はジト目であり、疑惑の目を感じられる。
「………お姉ちゃん達もサボり?」
「違うわよ!あの馬鹿共と一緒にしないでくれるかしら!」
「鈴さんはあの……男の子達にどんな制裁をしたらいいと思う?」
私は鈴さんに聞いてみる。蘭さんはこの答えが『納豆で悶絶』だったけど、鈴さんならもっと攻撃的なことを思いつきそうだ。
んー、そうですね……と少し思考してから頭に豆電球がつく。
「私は炭酸振ってぶっかけるかな。シュワーってなるよシュワーって」
「………なるけど、炭酸が勿体無いから、他にない?」
「それかドロッドロに煮込んだカレーを背中に入れる」
「あつっ!間違いなく熱っ!!」
背中で芋が踊りそうな場面だ。まずあまりの熱さに悶絶すると思う。
「しかもシャビシャビの」
「更に
「それがダメだったらライターで炙るよ」
「一気にバイオレンスに傾いたわね………!流石蘭の妹………」
「それはどうもだよ!」
「別に褒めてないからね?」
「遠回しに私がけなされてるわよね!?誰がバイオレンスよ!」
手紙によく用いられるライターでの炙りを人肌ですれば大変なことになるのは明白なので、却下。
「よし、カレーよ。ありったけのカレーを準備するのよ!」
「え、ちょっ…………準備はどうするの……!?」
「え……そうね………カレーは煮込む時間で味が変わるから、短時間じゃ出来ないわね………」
「熱ければいいんじゃない?」
「そこじゃないよ!議論点そこじゃないんだよ!」
「カレーならここにあります!」
「だからなんであるの!?」
鳥花さんが何処から出したのかドガン、という低音を立ててカレーの入った鍋を机に乗せる。
私はツッコミに大忙しだよ。
「違くて!喫茶店!もうあと1週間しかないんだから………」
と言いかけた時今度は鈴さんの方からゴスン、という音と「痛っ!」という声が合わさった。
あれ、これなんて
「…………まさかとは思うけど、鈴もサボり………?」
「え?……あ、あははは………そんなわけないじゃん……ねぇ?」
「う、うん…………」
私たちも見た目サボってるから、いいえとは言えない。
ちなみに鈴さんをどついたのはAクラスの優子さんと工藤さんだった。すっかりお馴染みのコンビになっている。
蓮は窓を見ながら、話をかえる。
「で、あの男子たちどうするのよ?このまま放っておけないでしょ?」
「とりもちで引っ掛ける、とか」
「そんなものがどこに!!」
「あ、ここにあります」
「なんであるんだよぉぉ!!!」
とりもちまで持ってるって、もはや天然とかそういう問題じゃないよね。
キャンプの時に心配だからって、色々使わないものを持ってくる人を彷彿とさせたけど、何をどう予測したら、とりもちなんて考えになるのだろうか。
鳥花さんの頭の中は難解な仕組みにあるようだ。
「さ、準備を進めましょ」
「あれ?そういえば霧島さんはどこに?」
私たちのクラスは合作で『喫茶店』を行うことになっていた。喫茶店というより、バーのような雰囲気らしいけど………
ところで、霧島さんはどうやら坂本君の一方的な婚約者(坂本君の許可はない)らしく、逃げ回ってるらしい。
大変そうだよねぇ(他人事)。
つまり。
『うごっ!翔子!!なんでここにいるんだ!?』
『………抽選の結果、AクラスとFクラスが合作になった。喫茶店をする』
『なにっ!?Aクラスと!?』
『………収益は分配。設備の改善も出来るかも』
『こ、こうしちゃ居られない……!お前ら、Aクラスに行くぞぉ!!』
『うおおおおおおおお!!』
「うわっ!何事!?」
急にグラウンドの方から雄叫びが聞こえたため、窓の外を見ると野球をやっていたはずの男子がドドドドドッ!と音を立てて目を光らせながら下駄箱に走ってきた。
何あれ、トライアスロンか何か……?
「もしかして、まだ男子達は知らなかったのかもね?ボクたちと喫茶店をするってこと」
「そ、そうだろうねぇ………」
「………とりもち準備、出来てるわね?」
「完了です!」
何と無く、あそこまでヤケになってる理由が分かったかも………
Fクラスは52人居て、女子が6人、男子が46人という比率的にとんでもないことになっている。
で。
Aクラスは49人居て、女子が27人、男子が22人の構成。女子の方が多い。
それにあの目………絶対変なこと企んでる目だし………鳥花さんが入り口に仕掛けたとりもちにツッコミすらしない。
新発売のとりもちらしく、透明で一見見えないけど、よく見たら見えるというもの。
ちなみに、後ろの扉に広範囲に仕掛けたらしい。
『うおっ!何だこれ!!』
『罠か!?全然外れねえ!!』
「………いやぁ、罠じゃないと思うけど………」
「翼!?丁度良かった!これ外し……って全員いる!?」
野球ばかりやってて他のことはアウトオブ眼中だからいけないんだよ……
女子たちは既に皆Aクラスに終結済み。ついでにAクラスは机を取りに行ってくれているらしく、で払い。
なんだかんだで、あと黒板や壁に飾り付けをするくらいで完成だった。
「……雄二君?貴方まで遊んでちゃ困るわ………指示が滞るから」
「すまなかった!だからわざわざとりもちというか、俺に飛び込んできた翔子を除けてくあだだだだ!」
首をがっちりホールドされている。思いの外、とりもちの効果は抜群みたいだ。
「もう貴方たちそこに住みなさないよ…………」
「水をかけると粘着が落ちるみたいですね…………」
「ほら、ちょっとどいて………」
蓮がバケツに水を入れてとりもちに流し込もうとした時だった。
足元に放置してあったモールが入った重いダンボール箱に足を取られ、蓮はとりもちに頭から突っ込んだ。
その際に手放したバケツはと言えば、後ろにいた私や鈴さんに吹っ飛んできた。
バッシャーンッ!! カラカラカラ………
大惨事。
「翼さん、鈴さん!大丈夫ですか!?」
「れぇぇぇぇんんん??」
「
妹をびっちゃびちゃにさせたからか、蘭さんが蓮の後頭部を鷲掴んで上に引っ張る。息もできないらしく、これはこれで大惨事。
普通前に飛ばすよね。
ちなみに、結構な量入っていたらしく、ほとんどの被害を被ってしまい、うっすらと下着が見えてしまっている。
「わー………これはなぁ………」
「大丈夫じゃないわね……翼、鈴。前扉から脱出するわよ!鳥花さん達は水でもかけといて!」
「ぴゅー!ぴぴゅー!!」
前途多難だ………
その後、私と鈴さんは保健室で制服を借りて、Aクラスに戻るところだった。
「今のとこは順調そうで良かったよ。めっきり進まないかと思ったけど」
「まぁ………会場準備が整ったら接客か、料理か、細かいことも決めていかないとね」
「私は……料理かな」
鈴さんは少し考えながら呟く。料理好きなのかな?
「得意料理とかあるの?」
「そうだね…………よく作るのはカレーかな。レトルトの」
「……と、得意………?」
「後はシュウマイとか!冷凍の」
それはあっためただけと違いますか、鈴さん。
よく食べるものと勘違いしてるのかな?
「日常で言えばデリバリーピザ」
「………色々ツッコミたい所はあるけど、まず喫茶店でそんなヘビィなものは出ないよ」
「……そうだった。一応パンケーキとか作るつもり」
「うん、ランチタイムに人気出そうだね」
そんな話をしていると、Fクラスから出てきた島田さんが、手招きをする。
「翼さん、蘭さん。ちょっといいかな?」
「私、鈴だよ?」
「…………ごめんなさい」
「いいよいいよ。昔からよく間違えられるんだよねぇ……」
頭を下げる島田さんにそう言う鈴さん。そういえば、二卵性双生児なんだっけ。
喋り方くらいしか違うところないよね。
「蘭さんと鈴さん、どう違うの?」
「う〜ん…………ヘアピンの色で判断してくれないかな?」
「ヘアピン?」
見ると、鈴さんの右の耳上にピンク色のヘアピンが付けられていた。そういえば蘭さんもそんなヘアピンを付けていたような気がする。
「私のがピンク、お姉ちゃんのが白だよ」
「遠目から見ればそりゃ間違えるわね」
「蓮と東雲姉妹は?」
「ヘアピンがあるかないかじゃない?それくらい似てる訳だし」
この世には、見た目が似ているドッペルゲンガーが3人いると言われている。
…………3人、ここにいるけど。
会うと死ぬらしいけど、やっぱ迷信だったみたいだね………
翼「ということで、第1話は準備+制裁で終わったね」
蘭「とりもちで引っ掛ける方がよりバイオレンスよ。取れないんだから」
蓮「いやぁぁドッペルゲンガー!!」
蘭「誰がドッペルよ!」
翼「第2話もお楽しみにー………」