バカとテストと召喚獣〜The Another Story〜   作:ぷろとうぃんぐ

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28話です。

翼「今回は作者さんがお疲れなので、後書きはないんだって」

蓮「何よ、その手抜き投稿は」

翼「ま、まぁ感想いくね。”蒼龍”さん」

蘭「鈴は怖いわよ…………」

蓮「翼も同じよ。普段怒らない人が怒るの、本当に恐怖よね………」

じゃ、本編始まりますよ!


28話 寸劇と逆光

『旧校舎はボロいからあんな店になるのは当然だよなー』

『そうだな、食中毒にでもならなければいいな!』

『あの喫茶店には気をつけろってことだよな!』

 

10分経過して、まだ大声で悪評を広げる2人。監視してろって言われたからコッソリアッサムティーを飲みながら傍観。

よく考えたら、私たちのクラスだけじゃなくて、2年全学級敵に回している節々も見受けられる。今なら試召戦争も起こせるかも。

学年VS学年の勝負って出来るのかな。規模広いけど。

 

「ほら、キビキビ動けよ!」

「似合ってますわよ、代表ちゃん?」

「くぅ………お前ら………」

 

そんなことを考えていると、奥から女装した根本君たちが出てきた。

うん、やっぱ慣れない。

 

「小林!お前一目見ただけで口を抑えるのをやめてくれないか!?」

「煩いぞ恭ちゃん!お前はこれから1人称はわっち、口癖は「どす」を使え」

「何だその統一性のない特徴は!」

「使わないとそこの元彼女に女装集を無償で手渡すぞ!?」

「追い打ちだぁぁぁぁぁ!!」

 

根本君が不憫に見えてきた。頭にリボンをして、完璧なショートスカートなのに顔の方は手遅れだ。

応援で、土屋君や秀吉君にも協力してもらったのに、完成度が低すぎる。

一目見て、女子がいるっていうよりも、男女がいるって思う。

 

「…………似合ってるわよ」

「嬉しくねぇ!!」

「いや、似合ってるわよ」

「うん、似合ってる」

「だから嬉しくねえ!!」

 

これはこれでと諦めたのか、小山さんや東雲姉妹も同意。精神的に追い詰める戦法だ。

 

「ほら、行ってこい」

「………後で何か奢れよ、坂本」

 

根本君は踵を返して、坊主とモヒカン先輩の机に向かう。

作戦も伝えてあるし、上手くいくといいんだけど。

 

「お客様」

 

あくまで悟られないように接触する。私たちはいつでも出ていけるようにそれぞれの位置にスタンバイ。

緊張の一瞬だ。

 

「何だ?………お前、ここの従業員か?」

「そうどすえー。わっちは根本恭子いいますー。足元を掃除しますどすどすー」

 

やばい。もうこの時点で緊張モードが解けた。棒読みだし、何か全体的にジワジワくる………!

 

「頭に猫耳とか仕掛けるべきだったか…………」

「坂本君。それはイジメって言うんだよ?」

 

これ以上笑いの種を増やしたら、作戦云々の問題じゃなくなるね。

かく言う私も坂本君も笑いを堪えながらの会話だけど。

 

「掃除だぁ?……まぁいい。さっさと済ましてくれよ」

 

重たい腰をどかす2人。名目通りモップがけを行う恭子ちゃん。

しかし、これも作戦の一端。ここまでは計画通り。

 

「きゃっ!!」

 

根本君らしからぬ声を出して大きく後ろに滑ってこける。

ここでのワンポインツアドバイスはなるべくやりすぎなくらい大きく転倒すること。そうすれば、乙女の絶対領域(仮称)が見えるわけで。

もはや見せつけるって感じになってるのが気にかかるけど。

 

「あ…………」

「きゃ、きゃぁぁー!!この人たち私の下着見たどすえーーーー!」

「は、ま、ちょっ!!今のは事故だろ!?不慮の事故!」

 

強引でも、この作戦の肝はこの2人に下着を見せることが大切になってくる。そうしないと、大義名分が発動しないから。

普通に殴り飛ばすだけじゃそれこそ大惨事になりかねない。

だからこそ、こんな手間がかかる作戦を実行中。

その大義名分を得、影に身を潜めていた蘭さんが坊主先輩に上段蹴りを決める。

蘭さん曰く、武術は相当凄いそうです。

 

「せいっ!!」

「事故おぶァッ!?」

「えぇぇいっ!!!」

 

空を掻っ切る坊主先輩に追撃とばかり、鈴さんも一撃を入れ込む。教室の壁にめり込ませる。

この2人、体育の成績は抜群いいらしい。特に武道。

 

「待てって!どう考えても事故だろ!それとあいつ女かぅぼぉ!?」

「はっ、公衆の面前で破廉恥行為とはついに堕ちたな先輩さんよぉ」

 

残ったモヒカン先輩がたじろぐ。でも、坊主先輩に目線を誘導させて、私と坂本君も大義名分。

床に叩き込む。

 

「お、お前ら………!っつかこっちは被害者だろうが!どこ見てたんだ!」

「それだけじゃねえ!ローアングルでスカートの中を盗撮とは酷い事案じゃねえか!」

「してねえよ!!」

「言い訳は見苦しいよ、先輩。馬鹿なの?死ぬの?逮捕されたいの?」

「お前は笑顔で凄まじいことを言うな!!」

「それと先輩方。女性の胸を揉みしだいたらしいな!」

「誰がいつそんなことをした!!」

 

こんな茶番のやり取りの間に、吉井君と根本君は、壁に叩きつけられた坊主先輩の頭に咲未さんから受け取った、女性用のブラを瞬間接着剤でくっつける。

これで社会的にも抹殺完了。

 

「きゃぁぁ!この人、変態どすーー!!」

「く………な、何だこれ………取れないぞ………!?」

「「ほら、揉みしだいてるじゃん(だろ)」」

「かなり違うだろうがぁぁぁ!!」

 

坊主先輩はブラを外そうとするも、完全に固まっているようで、取ることが出来なくなっていた。

これじゃ本物の変態さんだね。

気付けば、周りの人々もザワザワと騒がしくなってきた。

一瞥してから、

 

「ちっ、くそ!分が悪い!いくぞ!」

「これ取れねえじゃねえか!!チクショォォォ!!」

「待てこら!逃がさねえ!いくぞ根本恭二--------じゃねえ、恭子!」

「お前絶対わざとだろ!?」

 

吉井君と坂本君、根本君………じゃなくて恭子ちゃんと東雲姉妹は慌ただしく先輩2人を追う。

吉井君たち、試召戦争大丈夫かな……もう2回戦始まるんだけど………

ちなみに、残された私は………

 

「協力ありがとう。そういえばまだお茶のお金払ってなかったね。何円?」

「……そうですわね、無料でいいですわよ」

「え?」

「あたしたちとしましても、喧しい客が居なくなって清々してますの。撃退分ってことで、今回は無料にしてさしあげますわ」

「……納得いかないけど、咲未が言ってるんだし……仕方ないわ」

 

小山さんも溜息をつきながら妥協。元彼氏の生まれ変わった姿を見て衝撃的だったんだろうなぁ。

 

「……んー、じゃあ今度鈴さんと仲直りする算段を考えとくよ」

「………………そうしてくれると有難いわね………別に敵対する気はないんだけど………」

 

あ、仲を修復する気はあるんだ。それなら協力の余地あり、かな?

両方仲直りする気がないんだったら、小癪な手を使っても無駄だろうしね。

 

「そういうことですわ。あたしたちも出来るだけ貴方方の悪評を訂正しますので」

「ありがとう。今度恭子ちゃんを1日自由に!」

「………のーさんきゅーですわよ、あんなゲス男女のどこが(ぶつぶつ)」

 

去り際にそんな声が聞こえたけど、男女にさせたのは、私たちだけどね………

 

 

試召戦争2回戦後。もうそろそろ1時になる、と言った具合だ。

しかし、相変わらずこの2A2Fの喫茶店は空席が目立つ。悪評の元は絶ったけど、流れた噂は止められない。

 

「-----で、どうするのよ。流石にこのまま放置もないわよね?」

「そのために、何か新しいサービスでもする、とか」

 

蓮は厨房からホールを眺める。

ストックは既に有り余っていて、若干甘党の鳥花さんたちに食べられてはいるけど、まだまだ減っていない。

鈴さんの提案に頷く。

 

「それ、いいかも。半額にするとか?」

「それだと赤字だろ。服装でも変えてみるか?メイドとか着せる」

「め、メイド喫茶………?」

「肝心のメイド服はどうするんです?今からじゃ到底調達なんて間に合いませんよ?」

「…………………ここに準備してある」

「何でまた………」

 

土屋君が奥からメイド服を運搬してくる。それ、何に使うつもりだったんだろう。常備してたみたいだけど。

更に土屋君の技巧を凝らしたメイド服の説明が続く。

 

「…………それだけじゃない」

「え?」

「…………猫耳つき」

「ねこみっ…………!!」

「…………しかも裾はベリーショート」

『『『うおおおおおおおおお!!!』』』

 

メイド服って普通は短くない?って突っ込む前に盛り上がる男子各クラス。

しっかり男子用と女子用も分けてある。流石土屋君。やることに手抜かりがない。

 

「……はぁ。それじゃいっそ指名制にしてみる?」

「し、指名制?」

「そ。メニューに『女性店員』を全員入れとくのよ」

「ホストクラブみたいですね」

 

鳥花さんは中に小豆の入った饅頭を頬張りながら蘭さんの提案を聞く。

いや、別に構わないけどもさ……

 

「それ、どんなサービスなのよ?冥土に送る簡単な仕事?」

「屠っちゃ駄目でしょ………例えば----------『にゃぁ』と鳴くサービス。ケモナーには大人気よ」

「猫耳つけてるからねぇ………」

「競い合いにもなるし、結構面白いかもな。推しメンとか作ってみるか」

「あぁ、どんどん喫茶店から離れてくね………」

 

どこの集団歌手だよ、とツッコミを入れる。問題はやる気の問題だよ。

 

「この際仕方ないだろう。既に店員を売りに出すほど人気が落ち込んでるんだ」

「まぁ、それは」

「てなわけで、どうだ?反対意見はあるか?」

「いいんじゃない?評判は上がりそうじゃん」

「…………反論なし……」

「構わないわよ……」

「ボクも賛成。面白そうだしね」

 

Aクラス各意見は全て同意のものだった。ここで新しいことをしないと、始まらないのは事実だろうし。

特に反対もないから着てみた、のはいいんだけど………

 

「裾短いわね…………」

「す、すごいスースーする………」

 

ギリギリの長さで調節されたスカート。普通に歩くだけで見えてしまいそうな程短かった。

 

「な、何故ワシまで着替えなければならんのじゃ………」

「は、恥ずかしいです………」

「色を黒にしたのは正しかったみたいだね。上が猫耳だし、見事にマッチしてるし」

「ええ、これで接客は厳しいものがあるわよ………」

 

蓮は裾を気にしながら言う。何かの拍子にめくれてしまいそう。

すると、島田妹さんもその衣装を見て食いついた。

 

「わー、お姉ちゃん達すごく似合ってます!葉月の分はないですか?」

「え?うーん、あった?ムッツリーニ?」

「…………今から作る」

 

その言葉を聞いた土屋君は一瞬で裁縫道具を取り出して、空いている椅子に腰を下ろした。わぁ、サイズも聞かないでよく作れるなぁ。

 

「間に合うの?」

「…………俺の嗅覚を舐めるな」

「どう考えても裁縫に鼻はいらないですよ?」

 

鳥花さんは首を傾けながら聞く。かっこいいのかかっこわるいのか……

 

「…………………雄二」

「ん、あぁ。翔子か。存外似合ってるじゃないか」

「…………………ありがとう。それじゃ雄二もこれを」

「待て。その右手に持っているものはなんだ」

「…………………手錠」

「それ拘束具じゃねえかぁぁぁ!!!」

 

そのままの勢いで3回戦へと駒を進めている彼女たちだった。

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