バカとテストと召喚獣〜The Another Story〜 作:ぷろとうぃんぐ
翼「わ、私だけじゃなくて、今回は清涼祭の裏も暴かれるかな」
蘭「裏?そんなのあるの?」
翼「(そうだ。蘭さんは無知だった)」
蓮「それじゃ、感想が届いてるわ。”蒼龍”さんね」
翼「今回は私のターンになってます!」
蘭「やっと主人公っぽさが出て来たわね。今まで地味に動いてたから………」
翼「地味って!」
蓮「それじゃ、29話、始まるわよ」
「翼。続報が入ったわよ」
「蓮?どしたの?」
小麦粉が切れたから倉庫へ向かった私を待っていたのは、蓮だった。右手にはノートパソコンを持っている。
ちなみに、彼女ほど黒が似合う女の子はいないような気がする。
ところで、続報って?
「前に言ったでしょ。文月学園は如月グループとコネだってこと」
「やけに優勝賞品が豪華だって話だよね。結構他の人も驚いてみたいだよ。学園長にしては太っ腹だって」
「そう。そしてこれは………USBメモリよ」
「………………ん?」
メイド服のスカートから取り出した1つのメモリースティック。同時並行で、パソコンを起動させる。
「それ、もしかして………?」
「私がここ1週間でやってきたことの集大成よ。盗聴とか盗撮とか、情報のハッキングとか。見つかったら刑務所は免れないわね」
「危ない橋、渡るの禁止」
「あたっ」
カタカタっ、と高速でパスワードが打たれて、見慣れたディスプレイが現れる。
蓮はフォルダからUSBメモリの枠を開き、調節する。
「これが1番情報量が多くて、裏話も聞けた学園室の会話」
カチ、とクリックすると、女性の声が流れる。
『アンタ達、その優勝景品は知ってるかい?』
『え?優勝景品?』
「この声………吉井君?」
「正解よ。前に設備投資の件で学園長に相談しにいったようね」
『如月グループは如月ハイランドに1つのジンクスを作ろうとしているのさ。『ここを訪れたカップルは幸せになれる』………とね。そのジンクスのためにプレミアムチケットを使って結婚までコーディネートするつもりらしい』
蓮の推測(?)は合ってたのか………企業にはそういう裏って、必ずあるよね。
「これね。そのことが気に入らなくて優勝景品を取ってこい、ってあの2人に命令した」
「………うーん、何であの2人?もっと優勝候補とかに絞ればいいのに」
「
「………は?」
蓮は新しいフォルダを出現させて、再びクリックさると、黒く輝いた腕輪が出てきた。
狙いはプレミアムチケットじゃなく、これ………?
「同じく優勝景品になってるこの『白金の腕輪』。まだ詳細までは明かされてないわ」
「新しい機械だから、最後までシークレットなんじゃない?」
「私にかかればこんなもの丸裸よ」
「(こわ……………)」
ハッキングして情報を手に入れたのか、新たなタグも表示される。どうやら手製の説明文らしい。
『不具合が多く、高得点者が使用すれば小爆発が起こる可能性もあるため、低得点者に確保してもらう必要性がある』
「…………完全だろうね」
「そりゃそうよ。だから学園長は吉井君たちに頼んだんでしょうね。低得点者だからこそ使える白金の腕輪…………」
折角作り上げた新製品が欠陥をもっていれば、確かに学園長としては出回りを阻止したい。
それに、と蓮は目を細める。
「私たちの邪魔をしてきた人、いたでしょ?」
「あの常夏コンビだよね?3年の」
「あれが教頭側に回ってるわ」
「…………………?」
「そうね、簡単に言うなら、『その事実を明かすための手駒』よね。そんな欠陥があったなんて知れたら、それこそ不本意だろうし」
「教頭側ってのは………」
「だって、そんな事実、普通は隠しておきたいわよね。学園としては」
再び音声ファイルを開く蓮。そこから聞こえたのは、
『おい、本当だろうな。俺たちが勝ったら推薦状を書いてもらえるっていうのは』
『ええ本当ですとも。白金の腕輪を回収し、それをその場で発動させてください。責任は私が取りますので』
『ちっ。まぁ面白そうな話だな。それに………この2年、気に入らねえしな………』
常夏コンビの声。そして残りの男の人の声は…………
「教頭の竹原先生。声紋チェッカーって便利よね」
………蓮が仕事してる顔してる。
「つまり?」
「元々教頭は他校を出入りしてたみたいだから。他校との内通者として、学園長の失脚を狙ってるってとこかしら?」
「………はぁ。成る程理解は出来たよ。吉井君たちは学園長に上手いこと使われてるわけね」
「強ち間違ってはないけど、お互いにメリットがあるもの。不利な利益なのに、協力する意図なんてないじゃない」
「結局、あれは教頭の指図ってことだよね」
「あの2人だけじゃないわ。色々な人を手篭めにして動かしてるそうよ。自分の口からポロポロ喋り出すのは死亡フラグだとあれほど………」
盗聴完備の蓮には騙し討ちはきかないだろう。
例え不意を突こうとも、何重のロックを組み立てようと、蓮にかかれば全て解除する。それが彼女の恐ろしいところでもある。
「それじゃ、私は何をすればいい?盗聴?それとも作戦の阻止?」
「アンタがしたい方にすればいいんじゃない?私は基本傍観よ」
「え、いや………」
「放っとけば、このまま試召戦争を勝ち上がってる吉井君や坂本君にまで魔の手が来るわよ。もしかすれば私たちの喫茶店にも強硬手段が入る可能性もあるわ」
蓮は真剣な表情で臆面もなく言う。そうだ。まだ妨害は続いてるのか。
少なくとも、これで完全撤退したとは考えられないし。
その時だった。
『お嬢ちゃん方、ちょっとこっちに来てもらうよ?』
やけに野太い男の人の声。クラスメイトの声ではなく、20代………
一般開放もしているこの清涼祭だから、来ているのは不思議ではない。もしかしたら、生徒の兄とか、卒業生かもしれないし。
でも、明らかにおかしい………
私は男の人を睨むと、蓮を引っ張って階段を上がろうとする。しかし、今度はこの学校の先輩がゆっくりと降りてきた。
男の人は若干楽しそうに微笑む。
『逃げ場はないよ。それに、そこまで知られたんだったら、無事に返すわけにも行かない』
「………………貴方方は、何が目的なの?」
『人によるな。例えば俺の場合は優遇だな。言っちゃえば、成績操作さ。教頭が後ろについてるから、それくらいは容易いってもんだ』
くっくっく、と笑う先輩。全部今の会話は筒抜けだったんだ………!
『ま、そういうことだ。結局---------自分の利益の為だけに動いていることになる。誰を犠牲にしても、だ』
「………話し合いの余地は、なさそうだね」
「いい的じゃない。ぱぱっとやっつけて、詳しい事情を事細かに聞き出しましょうよ」
蓮はノートパソコンを手元から離すこともなく、不敵に笑う。
どうせやっつけるの、私なんでしょ………?
私たちは普通の女子高生だと思われてるわけだから、逆に好都合。
妥当な判断だけど、当然挑発に乗ってくる。
『あぁ?たかが女2人だろうが。こっちは10人いるんだぜ?小学生でもどっちに分があるかなんて、分かり切ってるだろうが?』
確かに10VS2では明らかに分が悪い。しかも相手は成人男性が1人と、階段から降りてきた先輩が10人ほど。
たかが2人を捕まえるだけなのに、また豪華な手勢でございますこと。
でも、それは間違っている。
「先輩。10VS2じゃありませんよ」
『な、何だと………!まさか』
『援軍か!?』
「10VS1よ」
『『……………………あん?』』
蓮の言っていることが分からないのか、全員疑問を浮かべる。
「私は生憎殴り合いは嫌いなのよ。全部任せるわ」
『は、てめぇ!1人でこの人数を相手に出来るとでも-----------』
「出来るわよ」
先輩の言葉を遮って蓮は笑みを崩さない。
蓮は私を信頼している。
逆に私は蓮を信頼している。
そんな自分自身の利益しか考えてない、この人たちに負けるわけない。
「ここにいる、私の
『舐めやがって………!!痛い目見せてやる!!』
先輩の1人が一気にこちらに駆ける。私は蓮を後ろに退避させて、階段を上がる。
そんなの、簡単に避けられるよ。
「痛い目を見るのはっ、そっちっ!!」
所謂クロスカウンター。相手の攻撃を避けると同時に、自分の拳を相手の顔面に叩きつける。
普通、運が悪ければ頬骨が折れるのかもしれない。
でも私の場合、運がよかろうと……
『ぐぉぅぶぁ!?』
後ろへ吹っ飛ぶ。
空気が振動するほどの威力で貫かれた先輩Aは仲間の元へ一直線に吹っ飛ばされ、その仲間ごと吹き飛ばした。
運がよくて、頭蓋陥没レベルだったなぁ…………
『なんだこの女………!』
『怯むな!たかが1人だ!一気に潰すぞ!!』
まるで戦場のようにダダダダッと一気に階段を下る先輩たち。
いくら何人集まろうと、ただの正面からの突撃じゃ………
「私には、絶対に勝てない……!!」
瞬時に相手の攻撃パターンを把握して避け、そして攻撃を打ち込む。
その私の攻撃は、一撃で戦闘不能にする持ち前の怪力の能力が元凶だった。
見事に返り討ちにあった回でした。
蓮「もう、なんか………災難ね」
実は、翼と蓮が負けて敵陣に捕まって(わざと)、明久たちに助けてもらう…………っていうのも考えてたんですけどね。
蘭「でも、そっちは原作ともクロスオーバー出来るからいいんじゃないの?姫路さんとか捕まってた訳だし」
展開上没りました。あくまでも翼さんは私の定義だと魔王なんで。
翼「嶺上開花ツモ!三暗刻、三槓子、対々、嶺上開花、清一、赤一…………!!」
蓮「その魔王じゃないわよ。某麻雀娘じゃなくて」
蘭「スターライト・ブレイカー!!!」
蓮「だから違うわよ。ってか、2人してボケないでよ。私がボケ辛いじゃないの」
ではでは、30話もお楽しみに。