バカとテストと召喚獣〜The Another Story〜   作:ぷろとうぃんぐ

36 / 108
翼「早速だけど、感想紹介!藤崎海斗さん。感想ありがとうね!」

蓮「ストラップを壊させたのは、宝探しゲームの伏線ね。別にストラップに殺意を抱いているわけではないわよ?」

蘭「次。”蒼龍”さん」

翼「可愛いは正義!」

蓮「そうね。可愛い花には棘があるわよ」

蘭「………辛辣ね」

翼「じ、じゃ35話!少し複雑だけど、ついていってね!」


35話 真相と協力

「…………え、あれは何です?」

「あれは学園の中枢さね。管制室って言えば分かるだろう?学園の全情報がこの部屋で管理されているのさ。そして、あれがメインコンピュータさね」

 

私たちが連れて来られたのは、なんと学園の中枢区だった。正確に言えば、管制室と直結している校長室の隠し通路、ガラス張りになっている床の下にある。

そこは、幾重にも束ねられたロックに、真ん中に聳えるのは大きなロケットの形状をしたメインコンピュータ。

見下ろしながら、吉井君は感嘆の声をあげる。

 

「学校にあんなSFみたいなコンピューターがあるなんて……」

「それで、私たちを呼んだのは?」

「そうさねぇ………今の現状…っても、どこまで説明すればいいやら」

「ある程度の状況は把握しているわよ。教頭からのネチネチした嫌がらせを受けてることも、あのメインコンピュータとやらが攻撃されてるのも、大体ね」

「え…………」

「安心なさい。知ってるのは私と翼だけだから」

 

蓮からの情報。

しっかりした手回しと、狂いのない情報を引き出す蓮の力は、かなり強靭なものがあると思う。

蓮は退屈そうにメインコンピュータを見やる。

 

「大方、私を呼んだのは、あのメインコンピュータの攻撃を止めろとか、そんな理由よね?」

「………あぁ。その通りさね。現在も攻撃が行われている。あのメインコンピュータが落とされれば情報だけじゃない。召喚獣システムにも支障をきたす恐れがあるのさ」

「流石中枢区だね……召喚獣の制御もあのコンピュータが………」

「だから、霧島蓮-----アンタの力を貸して欲しいって訳さ」

 

ハッカーにはハッカーを。

1番パソコンを使えるのは、この学校では蓮かも。

5分で3分のパソコンをクラッキングすることが可能なんだからね。もさはや神だよ。

 

「………そうね。じゃあ情報提供を1つ。今攻撃しているユーザーネームは別名Ω(オメガ)よ。ハッカー界でも随一の腕を持つと言われてるわ」

「お、オメガ?」

 

吉井君は、話についていけない、とばかりに口を開く。

吉井君が知ってるのはあくまで、今回の試召戦争の下回りだけのはずだし。

蓮は逆に全ての情報を知っている。一瞥したあと、告げる。

 

「ええ。オメガ。『全てを終わらせる終焉の貴公子』らしいわ。自称。昨日サイドバックしたら偶然にも手口が同じだったから。あんな特徴的な攻め方はオメガくらいしか考えられないわよ」

「そうかい。それは好都合さね。ただとは言わないが、そのオメガとやらを撃退してくれると嬉しいんだがね」

「元々そのつもりよ。でも、私でもアイツは止められるか………」

 

蓮は、幼少時代からパソコンをいじりだして、はや8年が経過する。

そんな蓮でも勝てないオメガって一体………

すると学園長は、それを待っていたかのように口元を歪ませる。

 

「………入ってきな」

 

その言葉と共に、この校長室の下にある隠し通路に入ってきたのは、私たちも周知している人物。

 

「あ。翼さん。蓮さん。吉井君も」

「え、鈴さん!?なんで!?」

「東雲鈴…………彼女もまた、ハッカーらしいんだよ。既に許可は貰っているさね」

 

そういえば、ハッカー仲間として盛り上がってたっけ。殺し合いに発展しなくて良かったと思ってたけど……

 

「頼んだよ、2人とも」

「やれることはやってみるわよ。元々オメガって言うのは、学校や地域のコンピュータにウィルス送ったりしてたけど………」

「まさかここまで来るとはねぇ……一体誰の差し金なんだか」

 

2人は何やら怪しい笑みを浮かべながら、中枢区へ入って行った。

残された私と吉井君は、

 

「な、何がどうなってるんだ……」

「え、えーっと………今の現状はどれくらい………」

「如月ハイランドのプレミアムチケットの奪還………とだけ………」

「……はぁ。学園長。どうせここまで来たんだし、話してみては?」

 

私は学園長に問う。吉井君も少なからず関係が無いわけじゃないみたいだし。

暫く渋っていた素振りをする学園長だったが、少し間を置いてから長い溜息をついた。

 

「………仕方ないね。1回しか説明しないからよくお聞き」

「まぁ、分からなかったら私が纏めるから問題ないよ。なんでも聞いて」

「う、うん…………」

 

若干複雑かつ婉曲された今回の出来事。私も全部が全部把握しているわけじゃないから、大まかなことしか言えないけどね。

 

「まずは……そうだね。アンタの目的はプレミアムチケットなんかじゃないのさ」

「違うんですか!?……ってことは、もう1つの優勝賞品の……」

「『白金の腕輪』さね。あれは低得点者にしか使いこなせないんだよ。生憎調整不足でね」

「そこで、低得点者でかつ優勝出来そうな吉井君と坂本君を選んだってこと」

「…………えーと、それは褒められてると取っていいの?」

「いや、真逆。貶されてる。お前はバカだって」

「何だとこのババァ長!!」

 

吉井君は学園長を睨みつけた。低得点者の時点で大幅に貶されてるよ。

 

「……それで、白金の腕輪は本当に低得点者なら使えるの?」

「そのはずだよ。それ以上の高得点者じゃ………まぁ軽く壊れるってところさね。そこを教頭に握られたのさ」

「教頭先生が………なんでまた?」

「元々教頭は他の学校から転任してきたからね。大方、アタシを辞任させたいんだろう。それすれば思いのままに操れるさね」

「確かに……そんな欠陥品が優勝賞品に出て、しかもそれが爆発するとなったら-------」

「大問題だよ。しかも、吉井君たちと決勝戦で戦うのは、誰だか分かる?」

「………!坊主とモヒカン先輩……!!」

「聞いた話だと、あの2人は推薦状を書いてくれる、って名状の元に協力してるみたいだね」

 

Aクラスなんだし、多少なりとも実力行使でも合格を目指せるだろうに、コネにあやかろうとしている。

それって、どうなんだろう。

 

「もしあの2人が優勝すれば、大勢の集客の前で腕輪を使うだろう。そこで不祥事が明るみになれば………」

「なるほど。玉砕、か」

「だからこそ、アンタ達には優勝して腕輪を貰って欲しいってことさ。条件は飲んできただろう?その理由がこれさ」

 

しかし、と学園長は頭を下げた(・・・・・)

 

「メインコンピュータにハックを仕掛けたり、バックドアを仕掛ける連中だったが、まさか強硬手段に出て来るとは………すまなかったね。私の失態さね」

「学園長………」

 

思えば、先輩による営業妨害や、私と蓮に対して強硬手段を図ろうとしていた。

つまり、それだけ相手も八方塞がりだったわけだ。

 

「相手もそれだけ焦ってたんだろうね。まさかFクラスのバカ2人が決勝戦に出場なんて思わないからね」

「…………翼さん。今度は褒められてる?」

「………貶されてるよ。いい加減気付いてよ……」

「んだとこのクソババァ!!」

「せめて長をつけてくれないさね!?」

 

もはや学園長の扱いをされていない学園長に同情の視線を送りつつ、私は言う。

 

「でもそれって………かなり大事ってことだよね………」

「そうだね……学園の存続すらかかってることになる………」

「……わるいが、アンタたちには何としても優勝してもらう以外ないんだよ。それに向こうもだ」

 

学園長が見た先には、メインコンピュータに繋げたコンピュータを操作する蓮と鈴の姿だった。

オメガというユーザーに心当たりでもあるのか、やけに気合いが入っている。

 

「つまり、2方向から攻められている………そういうことですか」

「その通りだよ。相手は手段を選ばないからね。いっそアタシの命すら狙って来る可能性もある」

「………っ!!」

「………ま、そんな簡単にはくたばらないけどね。あたしゃ丈夫なんだよ。それよりも……あの2人は悪いが今回のイベントには参加出来そうにないね。上手いこと言っておいてくれないかい?」

『いーや、その必要はないな!』

 

刹那、やけに野太い声が、隠し通路内に響いた。声のした方を見ると、霧島さんと坂本君。そして蘭さんを含めて一部のA・Fクラスのメンバーだった。

驚いて、目をパチクリさせる私。

 

「え、えええ!?」

「ババァ長!話は全て聞かせて貰った。学園の危機なんだってな!」

「雄二!?いつからそこに……」

「道理でお前らが遅いなと思ってたら案の定ババァ長に捕まってたか。ま、大体想像通りじゃあったが、まさかメインシステムにまで侵入されてるとは」

「アンタ達は本当小賢しいねぇ……隠れ聞きなんて趣味が悪いんじゃないかい?」

「それはこっちの台詞だ。俺たちを使うだけ使うとはな………」

 

まだ全ての状況は明かされてはいない。これでもほんの一部だけだけど、大まかな現状は伝わったみたいだ。

優子さんは腰に手を当てながら言う。

 

「で、私たちには何が出来るのよ?」

「……そうさね。メインシステムの方はあの2人に任せてる状況だ。……この宝探しイベントにも妨害が入る恐れがある。変な動きを見せる輩が居たらすぐに報告して欲しい」

「…………分かった。協力する」

「はわわ………物凄いことになって来ましたね………!!」

「アンタ達にはあくまで自然体で、ヤツの動向を探って欲しい。どんな情報でもいい」

「善処するさ。ただ、前みたいに喫茶店に先輩が入って来たり、直接手を出すようなら…………俺のパンチから始まる交渉術・改をくれてやる………」

「そこは勝手にしても構わないよ………」

「ふふふ………サンドバック…………」

 

まだまだ清涼祭は荒れ模様みたい…………




翼「本当に休まる時がないね…………」

蘭「今回の展開は、少し難しかったかもしれないわね。メインコンピュータが襲撃+教頭の手回しが入って来るから」

翼「結局変わりなしだよ。どっちも教頭の指示なんだろうし」

蘭「それもそうね。………ところで、オメガって何者なのかしらね」

翼「さ、さぁ…………」

蘭「……ま、いいわ。36話もお楽しみに」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。