バカとテストと召喚獣〜The Another Story〜   作:ぷろとうぃんぐ

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翼「お、コメントが来てるよ。いっぱい」

蘭「紹介してくわね。”蒼龍”さん」

蓮「まぁ、マトモなのがいなくなっちゃって、コメント欄の通り結構ごちゃるから、居てくれないと困るわよね」

翼「ら、拉致の件には触れないんだ………」

蘭「次。藤崎海斗さん」

蓮「まさかあの先輩方がロリコンとはねぇ(にやり)」

蘭「何よその笑み。『弱み握った!』みたいな顔ね」

翼「まだまだ行くよー!アクアマンさん!久しぶりになるかな?」

蓮「何とか要望に答えることに成功したと思うけど……また言って頂戴ね」

翼「最後は太郎丸勇大さんだね」

蘭「オリキャラはあんな感じ。第2章終了後に纏めるから、詳しくはその時にね」

翼「それじゃ本編始まるよー!」


42話 忘念と追走

それにしても、消えたっていうのはどういうことだろう。

すると、さらに決勝戦を終えたらしい吉井君と坂本君がこちらに走ってきた。

表情からして、相当焦っているようだ。

 

「どうだったアキ?」

「勝てたよ!………じゃなくて!」

「姫路と秀吉、チビっ子と翔子が………誘拐された」

「……うん。知ってる。そうであっては欲しく無かったけどね」

 

周りを見渡しながら私も言う。

それはあくまで可能性の話だった。しかし、当然情報源は対戦相手の先輩。教頭側の人間だから、フェイクの可能性もあるけど、事実、今ここに誰もいない。

パソコンのサーバーに入る蓮も鈴さんも別件で追われてるし………

 

「……もしかして、初めからこうするつもりだったの………?」

「えっ?」

 

優子さんは独り言のように呟く。

そう、これこそが、相手の狙いだった。

 

「……わざわざ強力なハッカーを準備したのは、蓮と鈴がすぐに動けないようにするため……囮か!!しまった、完全に嵌められた!」

 

恐らく、相手の方のハッカーも今頃反撃をしているころ。学内サーバーにハッキングなんて暇がないだろうし、この広い学校の中でまさか探し回ることも出来ない。

詰んでいる。

 

「………………任せろ。サーバー解析なら俺の義務」

「ムッツリーニ!!出来るの!?」

「………………学内およそ145箇所に監視カメラを仕掛けている。それを利用する」

「……なんでそんなに仕掛けてあるのか、は聞かないで置くわね………」

 

蘭さんは頭に手を当てる。そもそも何をするつもりだったんだろう。

土屋君のことだし、盗撮とか?

そ、それはそれで大問題だけど、突っ込んでいる時間もない。ここは任せた方がいいみたいだね。

 

「ここは?」

「…………………俺の秘密基地」

 

土屋君に連れこられたのは、パソコンが10数台にも置かれた情報処理室の裏手にある空き教室。

元は情報処理室準備室として使用されていたんだとか。

よくこんな場所見つけたよね。

 

「まぁ、校内にいる可能性の方が高いわね。まさか校外でカラオケ屋に捕まってるわけでもないだろうし」

「…………………だから、これを使う」

 

土屋君はイヤホンのような形状をした小型マイクを取り出し、音源を聞き取る。

多数の部屋や廊下、はたまたグラウンドからも音声が聞こえる。音源だけで特定するのは厳しいみたいだ。

 

「何か手掛かりが掴めるといいんだけど………」

「…………………相手がどんな奴か分からないと難しい」

「普通に考えると、教頭先生の手の内の人………よね」

「だが坊主先輩たちは反対していたようだ。少なくとも乗り気では無かったな」

「まさか教頭独自………って訳でもないよね」

 

私は口に手を当てて考える。そもそも、姫路さんたちを拉致った動機、それから目的が不明確だ。

ただ単に動きを封じるだけなのか、それとも………

 

「仕方ねえ!俺たちは学内全てを回るぞ!ムッツリーニは情報を手に入れ次第すぐに連絡してくれ!」

 

大事件となった拉致事件。

犯人は、誰なの-----------?

 

「くっ…………なんだ、何故妨害される……!?作戦は完璧のはずなのに、何故侵入出来ない!!」

 

とある一室。周りが明るく照らされた学内のどこか。

パソコンを激しくタイプしながら獰猛に吠える男がいた。

その名を『Ω』。また、<終焉を誘いし侵攻者(エンドレスクラッカー)>。

ハッカー世界では相当名の知れた手練れで、彼に侵入出来ないサーバーはかつてないとされていたはずだが、文月学園のトップサーバーに、何者かが防衛にかかっていて、踏み込むことが出来ない。

彼は、相当数焦っていたはずだ。

 

「このフリーザーコール……ファイアウォールとほぼ同じもの、か?応用を効かせたソフトウェアでも使ってんのか!!くそがっ!」

 

目で追うことすらやっとのタイプを持ってしても、目の前の絶対障壁は破ることが出来ない。

自分は、ハッカー界では最上位の存在だ。

なのに、何故突破することが出来ないのか---------

 

「教えて欲しい?」

「………ッ!!?」

 

目の前の暗闇から現れた2人の少女。思わずパソコンを手放して、距離を取る。

警戒色を強めながら、彼は言う。

 

「貴様ら…………誰だ」

「あら、そんなに警戒しなくてもいいのに、”Ω”さん?ハッカー同士、仲良くやりましょうよ」

「な……………」

 

唖然とした。

目の前が急に殴られた時のように朦朧となる。

この………通称「ハッカーネーム」と呼ばれる名前は、同士、つまりハッカー仲間しか確認することが不可能、ということか。

わざわざ自分の名前を明かしてハッキングする人はまさかいないだろう。大抵は自分の名前を文字って名乗るのが筋であるらしい。

そんな彼の様子を知ってか知らずか、続けてもう1人の少女は微笑みを崩さずに言う。

 

「確かに苦労はしたよ?これまでにないくらい強行突破してくるから、慌ててタグ仕掛けたり、ダミー仕掛けたり、本当1人じゃおっつかなかったかもね」

「まさか、貴様らが防御に回っていたのか………!?名を名乗れ!」

「ハッカーネーム……よね?私は『SUTOL』……こっちは『NIR』よ。知ってるかしら?」

「………………」

「ま、他人との接触を拒絶してきたアンタに知るはずないけど。己の目的のみを見据えて頑張ってきたらしいけど、これでもう終わりよ」

 

少女は、USBメモリを取り出して掲げる。

そのメモリは単にデータが入ったメモリではない。全ハッキングリストが書かれた”メモ帳”だ。

 

「………………は?」

「ん?これは貴方がこれまでやってきた悪事の証拠だよ。こういう人に限って証拠だの何だの言うから、先に用意しちゃった」

「しかし緩かったわね………アンタ」

 

少女はにやりと不気味ともいえるが、とても心から愉快そうに微笑む。

 

「攻撃重視で黙らせるのも確かに戦略ね。面白いじゃない。でもね、それは誰か協力者(・・・)がいた場合のみよ。1人で単体突っ込んでも撃って下さいなんて言ってるようなものなのに」

「攻撃に賭けるから、防御が手薄になるんだよ?」

「まっ…………ばっ…………」

 

言葉にならず、パクパクと口を開く彼は、内心穏やかではない。

彼のパソコンのフォルダの中身全てが、目の前のハッカーによって奪われた。これは由々しき事態だ。

 

「貴方が頑張ってきたそのサーバーは残念ながら囮よ。ダミーよダミーデータ」

「攻撃も出来ないし面も割れた。証拠も揃ってる。さて………どうするのかな?降参する?」

 

少女は子どもに言い聞かせるように諭す。

この勝負は既に見えたも同然だ。

例え逃げても、証拠を渡されればそれまでだ。

 

ならば。

奪い取るまで(・・・・・・)

 

「…………ガキが……調子に、乗るなァァァ!!!」

 

一直線に2人の少女に向けて飛びつく。全てを投げ捨てて、彼女らの元へ突っ走る。

せめてUSBメモリを破壊してしまえば、打つ手はない。

だがそれは、彼女たちに勝てれば、の話だ。

 

「はぁぁぁっ!!」

 

一直線に向かってきた彼だが、回避した少女によって鳩尾に渾身の蹴りを見舞わされる。

まるで食い込むような一撃に、男は横の壁にまで吹っ飛ぶ。

声にならない悲鳴をあげながらのたうち回っていると、2人の少女は声を揃えて言い放った。

 

 

「「これで終わりよ(ラ・ファン)!!」」

 




ハッカー編、完結ですね。

蘭「………かっこいいわね」

翼「…………ねぇ、なんでフランス語なの?」

蘭「え?………あぁ、あのラ・何とかってやつ?」

蓮「ラ・ファン。La Fin(ラ・ファン)よ。フランス語。Ωはフランスからの留学生だったのよ」

翼「あ、あの2人のコンビネーションには勝てそうにないかも………」

蓮「共闘は初よ。あ、それじゃまた会いましょうね」
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