バカとテストと召喚獣〜The Another Story〜   作:ぷろとうぃんぐ

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翼「今回の話は少しキャラ崩壊注意で」

蘭「えぇ………まぁいいわ。”蒼龍”さん」

鈴「今回は私も出てるし、あのバカップルに制裁を下したよ!刮目せよ!」

翼「く、下したのは私なんだけどね………」

蓮「次はアクアマンさんね。ありがとう」

鳥花「今回は残念ながらあの審問会さんはお休みですよ」

蘭「でも混じってたらどんなのになってたのかしら………」

鈴「最後ー!太郎丸勇大さん!」

翼「ばっちり本編に入ってるよ!」

蓮「それじゃ、本編どうぞ」


62話 論戦と縮愛

バカテスト 番外編Ⅰ

【心理】

目の前で口論から殴られそうになっている友達がいます。

貴方ならばどう対処しますか。

 

小林 翼の答え

『殴られる前に殴り返す』

 

教師のコメント

その反射神経は小林さんか東雲姉妹しか発揮されません。しかし、貴女は正義感が強く、リーダーシップ性があるようですね。

 

 

月風 鳥花の答え

『見守る』

 

教師のコメント

助けてあげて下さい。

 

 

坂本 雄二の答え

『殴られそうな相手にもよりますが、吉井明久なら一緒に殴ります』

 

教師のコメント

参加しないで下さい。

 

 

吉井 明久の答え

『殴られそうな相手にもよりますが、坂本雄二なら一緒に殴ります』

 

教師のコメント

これぞ以心伝心。

 

 

一方、まさかそんなことになっているとも知らず、留守番している蓮とマリ。

 

「ただいまー……」

「お帰りー」

 

そこに私の居候3号である髪留美鈴(かみどめみすず)がご帰宅。

私の昔からの幼馴染でもあって、更に大切な人でもある。

語弊があるかもしれないけど、現在は美鈴のおかげで生きていられているようなものだからね。

蓮はあのジグソーパズルに苦戦を強いられながら、美鈴に聞く。

 

「どこいってたのよ?朝起きたらもう居なかったけど」

「隣町のジャンク屋よ。この辺にジャンク屋なんてないらしいし」

「ジャンク屋?」

「そ。電子機器の部品だとか、当然エアコンとか、そういうのまで置いてある私ご愛用の店よ。ちょっとマウスが壊れちゃってね」

 

美鈴は左腕にぶら下げた袋をドサドサと床に置く。

 

「………その割にやけに大荷物ね。この際新物でも作ってみれば?」

「簡単に言ってくれるわね。まぁ、面白そ〜なものもあるから、マリにあげるわよ、これ」

 

美鈴は袋からプロペラのついたアナログ時計のようなものを取り出して、疑問形のマリに手渡す。

 

「………何これ?アナログ時計?」

「時計よ。隠微な機能がついた」

「どういうことよ、美鈴?」

「簡単よ。マリ、手を2回叩いてみて」

「う、うん?」

 

マリは時計を机の上に置いて手を2回叩く。

すると、その音源を察知した時計はプロペラを回転させながらマリの元まで一直線に飛び寄る。

 

「えっ、何この優れもの!?可愛い!」

「手を叩くと側に寄ってくる『アナログ時計ちゃん』よ。届く範囲は3メートル」

「これもジャンク品なのね……」

「ええ。私、掘り出し物を掘り出すのが好きなの」

 

ふふん、と胸をそらしていう美鈴。でも大抵要らないものなんだよね。

 

「あ、ところで翼は?渡したいものがあるんだけど」

「今クラスメイトと出かけたわよ。つい30分前くらいに」

「抜かったわ……あ、でもこれもしかして千載一遇のチャンス?」

「何を買って来たの?」

「何もない箱から下衆な笑い声が聞こえる『ゲスボックス』。ビックリ箱として使えないかしら?」

「要らないわね…………」

 

その頃、仕掛け人である吉井君たちはといえば、想定外な事情が起こり焦っていた。

 

「あわわ……どーしよ、お姉ちゃん。代表がどっか行っちゃったよ!?」

「無理もないわね……!あの変人猿の所為で…っ!!」

「如月ハイランドスタッフフル動員で探してるけど、まだ見つかってないみたいよ!」

 

島田さんが待機部屋に乗り込んで言う。

思ったよりも事件は深刻そうだ。何分主役のはずの花嫁が2人、居なくなっちゃったわけだからね。如月ハイランドのお偉いさんも焦る焦る。

 

「……じゃが、どう手を打ったものかのぉ………」

「如月ハイランドのどこかにいるみたいですけど………」

「………よし、ここは助けを求めようじゃないの」

 

蘭さんが携帯を取り出して、コールし始める。

 

「誰にかけてるの?」

「翼よ。この場にはいないけど、何処にいるかの目星くらいはつくはずよね………」

「超人じゃないんだから……あ、いや超人か」

 

頭の回転も早く、耳もよく、運動神経は抜群。

それは当たり前だよ。私は人間とは少し構造が違ってるんだから。

 

「………と、電話?」

 

そして私は携帯電話にかかってきた電話を取る。かけてきたのは……蘭さん?

 

「もしもし、翼だけど」

『翼さん?あ、ちょっと相談があるんだけどいいかしら?』

「………ん?」

 

ちなみに私と鳥花さんは今如月ハイランドにある入り口付近の噴水のベンチに座っている。

鳥花さんはそこらで売っていたチュロス(ストロベリー)をモグモグと無心で食べていた。

ってか、こんな時に相談なんて、どうしたんだろう。

 

『落ち込んだ花嫁って、普通何処に行く?』

「………お、落ち込んだ花嫁?クイズかなにか?それ」

『も〜っ!お姉ちゃん回りくどいっ!私が説明するっ!』

 

奥から鈍いような音と鈴さんの声が聞こえる。声質からして、相当焦ってるみたいだけど………何かあったのかな?

 

『もしもし?翼さん。ちょっと緊急事態だよ。エマージェンシー』

「どうしたの?」

『代表がいなくなったの!あと咲未さんも!』

「霧島さんと咲未さんが!?どうして?」

『ウエディング体験の時に邪魔が入って………!』

 

ウエディング体験……あぁ、ウエディングシフトの最終段階になるはずだった最終関門だよね。

確か最後は霧島さんと坂本君を付き合わざるを得ない状態を作って終わりにするっていう、強引なプランだったね。

そこに茶々を入れられたっことか……

 

「それは分かんないけど……私たちも探してみる」

『え?あ、いいよいいよ。多分如月ハイランドからは出てないはずだから』

「いや、ちょーっとこっちも事情があって、如月ハイランドにいるんだよ。私と鳥花さん」

『嘘っ!?』

「とりあえず探してみるよ。見つかったら連絡する」

『あ、ありがとう!私たちがいるのはDエリアのスタッフ待機場所にいるから、そこで合流しよっ!』

「りょーかい」

 

通話を切って、チュロスを食べ切って満足そうにしている鳥花さんに纏めて話す。

 

「霧島さんと咲未さんがどっかいった!」

「えっ!?」

「理由はあとだよ!とにかく早く見つけないと!」

「う、うん!」

 

ベンチから立って、周りを見渡す。ただ、この如月ハイランドの円周は相当大きく、東京ドームが約8つ入るようなアミューズメントパークだ。その中にいる霧島さんと咲未さんを見つけるなんて砂漠の中で1つの石を見つけるよりも難しい。

この如月ハイランドに出口・入り口は合計4箇所。それぞれ東西南北上にある。

恐らく、それはもう刑務所から脱獄犯が出た時のように厳重な警備だろうから、脱出もままならない。

 

「どこから探すんですか?」

「ホテルやレストラン街が優先かな。いや、服を着替えるとすればホテルか………」

「知ってますか翼さん。如月ハイランドには64箇所ホテルがあるらしいですよ」

「どっ、どんだけ……!!」

 

その刹那の数字を聞いた私は言葉に詰まった。

 

「お陰様で目星すらつかなくなっちゃったよ………」

「翼さんの洞察眼でも無理ですか?」

「今この状況で洞察眼は必要じゃないよね。必要なのは----------」

 

『ちょっとお待ちなさいな、そこのパイナップル頭』

 

「--------運だよ」

 

聞き覚えのある声が私の耳に入った。慌てて周囲を見渡すと、男女のカップルを睨みつける咲未さんの姿が目に入った。

私たちは話の内容を聞くためと、様子見のために巨大な噴水の脇に隠れる。

 

『リュータ。コイツってさっきの花嫁じゃない?』

『あぁ、もう一方の方か。オレたちに何か用か?』

「えぇ。大有りですわよ。長ったらしい文句の山が永延と出てきますわ」

 

あそこまで怒髪天の咲未さん初めてみた……鈴さんくらい怖い…!

まるで周りに『ゴゴゴゴ……!』とかいう謎のエフェクトが現れそうだ。

 

『何だ?オマエらの結婚式だかぶち壊したことでも怒ってんのか?』

あたし(・・・)らじゃない方をぶち壊したのが気に入りませんの。誰があんなしゃれこうべなんかと」

「………骸骨?」

「きっと根本さんのことですよね」

 

私たちは聞こえないようにひっそりと話す。それでも周りの喧騒やら音楽やらが邪魔になって聞こえないんだろうけど。

下僕の次は骸骨になったか……どんどん落ちてくよね……うーん、なんて黒点郷里。

 

『あのクソみてえな奴か。バカだよなアイツ!お嫁さんが夢です、だとよ?』

『そうよね〜、マジ傑作じゃな〜い?超ウケたよね!』

『オマエらがどういう経緯であの場に立ってたか知んねえけどよ、理解出来ねえよな!』

「……………理解出来ないのは、貴方がたの性根ですわ」

 

バカ笑いするカップルが動きを止める。翔子さん、あのカップルに言われたのか………

 

「ずっと、いつからかは知りませんが、1人の人を想い続けて、夢を持って生きてきたんですのよ。長い間1人の人だけを想い続けるなんて芸当、貴方がたに出来ます?」

 

顔色1つ変えずに、咲未さんは食ってかかるように言う。

 

「あたしはあの方の夢は大層なものだと想いますわ。それが………貴方がたみたいなド低脳カップルに馬鹿にされればムカつきますわ……!」

『あァ?何だこのアマ、調子乗ってんじゃねぇぞ。殴られてぇのか!?』

「……っ!まず……!!」

 

私は噴水横の木陰から急いで止めに入る。挑発しすぎだよ咲未さん……っ!!

でも咲未さんは目を見開いて告げる。

 

 

「あら………あたしを誰だと思ってるんですの?低俗な貴方がたなんて、一瞬で殺せるんですのよ?」

 

 

『だ、とコラァ!!いい気になんじゃねえぞクソ女がァ!!』

 

彼女なりの強気の言葉か、憤怒と殺意を買った男は腕をふりおろした。

咲未さんは反射的に目を瞑る。

そこに、私と同様に走り込む男の人の姿が目に入った。

 

「咲未ぃぃぃっ!!」

 

タキシード姿が全く合わない根本君が横槍を入れ、咲未さんを庇うようにして男に殴られて吹っ飛ばされた。

 

「ふぐぅっ!?」

 

身長は高いのに体重は軽いのか数十センチは飛ばされた気がする。しかも地面に頭からいった。

根本君自身としては、庇うというよりどけるつもりだったんだろうけど、ナイスタイミング。

これで、私が殴りやすくなる-------!!

手を固く握りしめて、男の左頬にパイルドライバーをねじ込んだ。

 

「はぁぁぁっ!!」

 

身体を捻じ曲げて入れた所為か思いのほか威力はついた。

同じく地面に倒れた男だったけど、これが逆に火をつけたみたいだ。

上等。だったらこっちも正当防衛で思いっきりぶん殴る。

 

『こ、の野郎がァァァ!!』

 

立ち上がって真っ直ぐ拳を打ち込む男。そんな攻撃簡単に避けられる。

スッと右に躱して、鳩尾に向けて靴のまま回し蹴り。

俗に言うローリングソバットって奴かな。

 

「これは咲未さんと根本君の分でっ!」

 

このまま終わるのは勿体無い気がしたから、更に右手を構えて今度は右頬に向かってグーを突き出す。

 

「これが坂本君と翔子さんの分……!」

 

ゴツッ、という鈍い音が響き、短い悲鳴を漏らしながら倒れる男。

その取り巻きの女は「きゃぁぁリュータぁぁ」と涙まじりに叫んだ後、伸びた男をズルズルと引きずって行くように逃げた。

私もあれ以上追い打ちはかけれない。まずは殴られた根本君が心配だ。鳥花さんもおっかなびっくりしながら木陰から出てくる。

 

「根本さん、大丈夫です?」

「あぁ………大丈夫だ。これくらいなんともない。咲未は?」

「………何で、貴方があたしを庇ったんですの………?」

「痛つ……そりゃ女の子が目の前で殴られる寸前だったら、誰でもああするんじゃないのか……?」

「どうだろう。少なくともあのさっきのパイナップルはそんなことしないんじゃない?」

「自分の身が大切ですからねー、ああいうタイプは」

 

確かに頭がパイナップルみたいになってた。言い得て妙な訳だったか。

 

「さて、と。まずは合流しないとね。早いとこ移動しようか」

 

私と鳥花さんは足を進める。確かスタッフの待機部屋……だったっけ。

一方、咲未さんは歩を止めて根本君を向き直る。

 

「そのっ、根本恭二っ!」

「………なんだ?」

「……あ、ありがとう……おかけで助かりましたわ………」

「………あぁ」

 

晴天の下、まさに一瞬の出来事だったという。

 




鈴「おお!かっこいい!」

蓮「もしかして、キャラ崩壊って根本君のこと、よね。もしかしなくても」

鈴「あー、原作の性格じゃ、こんなことしないよね」

蓮「でしょうね。自分を捨てて誰かを守るなんて難儀なことしないわよ」

鈴「こっ、これは恭二×咲未の予感が………!」

蓮「さ、いよいよクライマックスよ。次回をお楽しみに」
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