バカとテストと召喚獣〜The Another Story〜 作:ぷろとうぃんぐ
昼休みが終わったらすぐにDクラス戦が幕を開けた。
私にとって初めての試召戦争で、分からないこともあるけど、教えてもらった範囲内なら、分かる。
召喚獣を召喚するには、『
細々したルールは色々あるけど、やって見た方が早いみたいだね。
私と蓮については、南山高校に居た時の成績を元に作ってくれたらしい。
戦争最中に点数がなくなったら、戦死者扱いとなり、戦争には参加出来ない。西村先生による補習に強制参加。
点数が減ってきたら、再試験を受けて、点数を補充しなくてはいけない。
さ、私たちの戦局を纏めてみよう。
吉井君や島田さんは前線部隊の隊長と副隊長に。木下さんは中堅部隊隊長として既に戦っている頃かな。
坂本君や私、蓮、姫路さん、蘭さん、月風さんは教室で待機。現在は少し劣勢にある。
今まで達観していた蘭さんが、状況を見て口を開く。
「ねぇ。私、出た方がいい?」
「そうだな………だが、1人じゃ辛いだろう。翼と蓮を連れて行ってあげてくれ」
「了解よ」
蘭さん始めとする近衛部隊も追撃にかかった。一気に抑え込むつもりなのかな。
戦場は、クラスを出たらすぐに広がっていた。召喚獣は先生の承認があって初めて出現させることが出来る。
「で、私はどうすればいい?蘭さん」
「私の護衛を頼めるかしら。いくらスピードが速くても油断ならない点数だから。……一応、ここは承認領域に入ってるから、召喚してみればどう?」
「そうね………それじゃ」
「「
私と蓮はそう口を合わせる。すると、私の顔のデフォルトだが、ミニサイズの召喚獣が現れた。
両手には鋭利な剣が握られていて、服装はブレザーを着ている。戦争にブレザーって、ちょっと相応しくないような………
蓮の方は、片手に斧を装備していた。それがかなり大きさで、これを持つだけに相当の力がかかってそうだ。服装は白色の軍服姿。
それを見た蘭さんは、へぇ、と声を上げた。
「結構丈夫な武器じゃない。私の短剣よりかは」
「翼に至っては二刀流だものね……」
「武器の強さも成績で決まるんだ……なんて実力主義なんだ……」
「そ。そこでひっくり返せるのが『観察処分者』なのよね」
「なんでその名前が………?」
観察処分者。確か罰的な係にあって、吉井君が現在勤めているとか。
明らかに戦争には不利だって言ってたのに。
蘭さんは真っ直ぐ前を向きながら言う。
「ただ単に雑用して、言いなりになって、あちこち振り回されて……確かにいいことなんてないわ。でもね、召喚獣の操作には
「あ………そうだよね。召喚獣を操るのは私達自身だから………」
「完全に実力主義じゃない。とんだ足枷が、実は鍵になったりするものよ」
例え点数が低くてもかわし続けることが出来れば、戦死扱いにはならないよね。
だから坂本君は吉井君をあれだけ推していたんだ。
「私も、点数は低いけど道を切り開くことくらい造作もないことよ」
「アンタ、なかなか策士ね」
「点数で補えなきゃ、別のものでフォローするしかないじゃない。弱者は強者には勝てない、なんて一体どこの誰が決めたのよ」
「弱者には弱者なりのやり方がある………か。結局、それを見つけるのは自分ってこと」
そんな話をしながら、吉井君達と合流した。ここが前線だ。
「今どんな感じよ?押してる?」
「風前の灯火………って感じだね」
「………それってまずくない?」
私が冷静にツッコミを入れる。既にピンチに陥っているみたい。
その時、相手のDクラスに動きがあった。
『隊長!どうやらDクラスは数学の木内を連れ出したみたいだ!』
「木内って言うと………やたらと採点の早い先生ね?」
「一気に畳み掛けるつもりなのかな………」
召喚獣の強さがテスト結果で決まるということは、採点は先生がしなくてはいけない。
当然、採点の甘さも、速さも、それぞれ異なるらしい。
木内先生においては、採点が速いが厳しい先生みたいだから、私たちのクラスは時間潰しをしてるんだけど、一気に片付けようとしているようだ。
今、周りに広がっている教科フィールドは化学フィールド。つまり、化学の点数で競い合っている。
「木内先生は数学担当だから………そのうちに数学の先生を連れてきそうね………」
「その前に………よし、須川君」
「何だ?」
吉井君は手近にいた参謀の須川君に声をかけた。何をする気なんだろ?作戦があるのかな。
「
「構わないが………それだと後で面が割れるんじゃないか?それに弱くて動かない先生もいるだろう」
「代表にも相談してみるといいわ。代表なら、何か妙案がありそうだし」
「りょ、了解!」