バカとテストと召喚獣〜The Another Story〜   作:ぷろとうぃんぐ

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7話 開戦と善戦

昼休みが終わったらすぐにDクラス戦が幕を開けた。

私にとって初めての試召戦争で、分からないこともあるけど、教えてもらった範囲内なら、分かる。

召喚獣を召喚するには、『試獣召喚(サモン)』と言えば現れる。

細々したルールは色々あるけど、やって見た方が早いみたいだね。

私と蓮については、南山高校に居た時の成績を元に作ってくれたらしい。

戦争最中に点数がなくなったら、戦死者扱いとなり、戦争には参加出来ない。西村先生による補習に強制参加。

点数が減ってきたら、再試験を受けて、点数を補充しなくてはいけない。

 

さ、私たちの戦局を纏めてみよう。

吉井君や島田さんは前線部隊の隊長と副隊長に。木下さんは中堅部隊隊長として既に戦っている頃かな。

坂本君や私、蓮、姫路さん、蘭さん、月風さんは教室で待機。現在は少し劣勢にある。

今まで達観していた蘭さんが、状況を見て口を開く。

 

「ねぇ。私、出た方がいい?」

「そうだな………だが、1人じゃ辛いだろう。翼と蓮を連れて行ってあげてくれ」

「了解よ」

 

蘭さん始めとする近衛部隊も追撃にかかった。一気に抑え込むつもりなのかな。

戦場は、クラスを出たらすぐに広がっていた。召喚獣は先生の承認があって初めて出現させることが出来る。

 

「で、私はどうすればいい?蘭さん」

「私の護衛を頼めるかしら。いくらスピードが速くても油断ならない点数だから。……一応、ここは承認領域に入ってるから、召喚してみればどう?」

「そうね………それじゃ」

 

「「試獣召喚(サモン)!!」」

 

私と蓮はそう口を合わせる。すると、私の顔のデフォルトだが、ミニサイズの召喚獣が現れた。

両手には鋭利な剣が握られていて、服装はブレザーを着ている。戦争にブレザーって、ちょっと相応しくないような………

蓮の方は、片手に斧を装備していた。それがかなり大きさで、これを持つだけに相当の力がかかってそうだ。服装は白色の軍服姿。

それを見た蘭さんは、へぇ、と声を上げた。

 

「結構丈夫な武器じゃない。私の短剣よりかは」

「翼に至っては二刀流だものね……」

「武器の強さも成績で決まるんだ……なんて実力主義なんだ……」

「そ。そこでひっくり返せるのが『観察処分者』なのよね」

「なんでその名前が………?」

 

観察処分者。確か罰的な係にあって、吉井君が現在勤めているとか。

明らかに戦争には不利だって言ってたのに。

蘭さんは真っ直ぐ前を向きながら言う。

 

「ただ単に雑用して、言いなりになって、あちこち振り回されて……確かにいいことなんてないわ。でもね、召喚獣の操作には1番慣れている(・・・・・・・)と言っても過言ではない……そういうことよ」

「あ………そうだよね。召喚獣を操るのは私達自身だから………」

「完全に実力主義じゃない。とんだ足枷が、実は鍵になったりするものよ」

 

例え点数が低くてもかわし続けることが出来れば、戦死扱いにはならないよね。

だから坂本君は吉井君をあれだけ推していたんだ。

 

「私も、点数は低いけど道を切り開くことくらい造作もないことよ」

「アンタ、なかなか策士ね」

「点数で補えなきゃ、別のものでフォローするしかないじゃない。弱者は強者には勝てない、なんて一体どこの誰が決めたのよ」

「弱者には弱者なりのやり方がある………か。結局、それを見つけるのは自分ってこと」

 

そんな話をしながら、吉井君達と合流した。ここが前線だ。

 

「今どんな感じよ?押してる?」

「風前の灯火………って感じだね」

「………それってまずくない?」

 

私が冷静にツッコミを入れる。既にピンチに陥っているみたい。

その時、相手のDクラスに動きがあった。

 

『隊長!どうやらDクラスは数学の木内を連れ出したみたいだ!』

「木内って言うと………やたらと採点の早い先生ね?」

「一気に畳み掛けるつもりなのかな………」

 

召喚獣の強さがテスト結果で決まるということは、採点は先生がしなくてはいけない。

当然、採点の甘さも、速さも、それぞれ異なるらしい。

木内先生においては、採点が速いが厳しい先生みたいだから、私たちのクラスは時間潰しをしてるんだけど、一気に片付けようとしているようだ。

今、周りに広がっている教科フィールドは化学フィールド。つまり、化学の点数で競い合っている。

 

「木内先生は数学担当だから………そのうちに数学の先生を連れてきそうね………」

「その前に………よし、須川君」

「何だ?」

 

吉井君は手近にいた参謀の須川君に声をかけた。何をする気なんだろ?作戦があるのかな。

 

偽情報(フェイク)を流して欲しいんだ。時間稼ぎのために」

「構わないが………それだと後で面が割れるんじゃないか?それに弱くて動かない先生もいるだろう」

「代表にも相談してみるといいわ。代表なら、何か妙案がありそうだし」

「りょ、了解!」

 

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