バカとテストと召喚獣〜The Another Story〜 作:ぷろとうぃんぐ
紗瑛『……ほえ?』
翼「4357文字だね。現時点では。ついに覚醒したのかな?」
紗瑛『あ、してないです。むしろ会社から送られてきた宿題が終わらなくてテンパってます』
鈴「4月から働くんだってね、頑張ってね。小説を片手間に」
紗瑛『そんな無茶なぁぁぁ』
蘭「…さ、感想返しするわよ。まずは”蒼龍”さん。………原作でも高橋先生を倒せた人っていなかったわね、そういえば」
鳥花「あの人に勝つとか無理です。断じて」
蘭「断じられたわ………次。ガンガンさん。久しぶりね」
翼「………長引かせてしまってすみません。まだまだ戦争は終わりそうにないです」
蓮「この感想を見ていっそう文字数を増やしたけど、話は進んでいないという」
鳥花「………文字数意味あったんですか?」
蘭「最後はマリクさんね。…………余波までは想定してなかったけど、今なら「オーバーキル」が発動しそうね」
翼「どんな鬼畜なスキル!?」
蘭「さ、本篇行くわよー」
バカテスト 化学
【第二十七問】
燃料の他、化学工業でも使用される、コークス(炭素)に水蒸気を吹き付けることで得るものは何か答えなさい。
また、それは何と何の混合物で構成されているか、合わせて答えよ。
東雲 鈴の答え
『水性ガス………水素と一酸化炭素の混合物』
教師のコメント
正解です。
吉井 明久の答え
『熱された油』
教師のコメント
ちなみに、知っていたかは分かりませんが、高熱の油が水蒸気に触れると水蒸気爆発が起こります。
要するに、鎮火しようとして水をかけるとさらに燃え上がる現象がありますが、それと仕組みは同じです。
土屋 康太の答え
『塩素と水素』
教師のコメント
化学式HClで記される塩化水素こと塩化水素酸は塩素ガスと言われる、所謂『有毒』です。
そんなものが流出してしまうと、もはや「公害」になってしまいます。
☆
右手を強く握ってから、私は1歩近づこうとした。
その時、高橋先生が私に徐に話しかける。
「………貴女が使用しているそのTASシステムは、昔は暴走する危険性があった為に、改正されていった……そんな話はご存知ですか?」
「……学園長が言ってました。現在のを完成形である『ニュータイプ』だったら、その試験型は『プロトタイプ』……」
「貴女の召喚獣の元となっている『ヴァルキリー』……正確には試験番号7093……」
やっぱりそうか。昔に神話なんてものは拡散されていなかったはず。『ヴァルキリー』なんて名称は無く、番号だった時代もあったんだ。
……いや、今の
「……それが、どうかしましたか?」
「つまり、今こそ力を抑えられてはいますが、そのシステムは単に『貴女だけに搭載されている便利システム』ではない、ということですよ。………
「!!」
私は息を飲んだ。まさか教師もTASシステムが組み込まれているなんて----------!!
予想外だった訳じゃない。私だけに使える都合のいい兵器とも思ったことはない。
高橋先生の召喚獣は、現在のものとは大差はない。ただ、唯一違うものは握られている武器。
鞭ではなく、
掠っただけでも、かなりの大ダメージだ。想定してたより、教師の召喚獣は神話の復元度が高すぎる。
しかも、縄を武器に使っていた神なんていた覚えはないんだけど……
その心中を知ってか、高橋教諭が懇切丁寧に説明してくれた。
「聞いたことがありますか、中国の神話では、土と縄から人間を作り上げた創造神がいると」
「……………もしかして、女媧………!?」
「……知ってましたか。流石は小林さんです。普通はそんなマイナーな神、聞いたことすらない人が大半ですよ」
本か何かで見た記憶がある。
神話はそこまでは詳しくはないけど、中国の歴史小説を読んでいたりするとたまに出てくる女神の1人だ。
それにしても、1本だけとはいえ、荒縄を持った神に勝てる気がしないのだけど………!!しかも縄の使用方法違うし……!
「では、不本意ですが……」
「く………っ!!」
【学年主任 高橋 洋子 総合科目 16832点】
VS
【Fクラス 小林 翼 総合科目 20684点】
点数こそ勝ってはいるけど、相手は荒縄持ちだ。近付けばリスクが大きすぎるし、TASシステムにはプラス効果がある。私の場合は点数が2倍。
だったら、高橋先生のプラス効果は一体………?
ええい、考えてても戦局は覆らない!今のところ、逃がした人はいないらしいし、ここは特攻をかけてみるしか………!
「はぁぁぁっ!!」
二刀流を構えて、仁王立ちなうの高橋先生へと突っ込ませる。ここは大胆不敵の突撃。相手の攻撃方法を知るためが主なんだけどね。
すると、僅かに右手側に嫌な風が吹きすぎった。
無理やり体勢を崩しながら右手の剣を横に傾けると、例の縄が飛んでくる。
剣に弾かれる荒縄。
「な…………!?」
一瞬呆気に取られる高橋先生だったが、すぐに第二波を飛ばす。
今度は1度だけではない、それこそランダムらしく、嫌な風が私ごと包んだ。
縄だ。地上には逃げ場はない。
…………
点数そのものの問題もあるのか、空中へ避難した時には、私の目でも捉えられないほどの斬撃が空を切っていた。
「何故------くっ!!」
縄を振り回すのはやはりかなり隙が生まれるみたいで、私に当たる前に細々とした風が生じる。
さらに、1度大雑把に避けられた縄を再び構え直すのはなかなかに難しい大振りの武器だということ。
だからこそ、当たれば必中だけど、外した場合が大きすぎる。
私は今しかない、と呟いてから二刀流を振り下ろす。
「--------シューティング・スター!!!」
斬撃およそ7連撃。その素早き剣先は簡単には避けることは出来ない。
全部は当たらなくても、少しくらいは点数を削れる------
しかし、その敏速な攻撃が当たる前に、肩から胸にかけて、物凄い激痛が走った。
「………!?!」
肉を引き裂かれるような猛烈な痛み。私は五体満足で立っていられなくなり、思わず竦んだ。
送れてバチィィンッ!!という轟音と、私の召喚獣が壁に追突する音が同時に聞こえた。
状況が理解出来ていない私。ズキズキとした痛みを食いしばって高橋先生の召喚獣を見ると、
背中からは羽根のように2本の
「………か、隠し………刃……!?」
「付け焼き刃、とも言いますね。貴女が体力の向上のシステムなら、私はこの隠し縄----------」
【学年主任 高橋 洋子 総合科目 16822点】
VS
【Fクラス 小林 翼 総合科目 5164点】
「!!」
たった一撃で15000も削られるなんて……!!恐るべし荒縄……!
すると、高橋先生が話し出す。
「……このTASシステムはあまり得意勝手には発動出来ない代物です。何故なら、あまりの集中力を削ぎ、さらには観察処分者と同じく『フィードバック』の効果が付与される……」
「………きょ、教師は何1つ、変わらないですよね……」
「疲労は膨大ですが、結局は条件は同じです。フィードバックが付いている分、私とは戦わないことをお勧めしますよ」
そう。何割か私自身にダメージが返って来ることをフィードバックという。
明久君の召喚獣、そして教師はこのフィードバック機能が稼働している。更に言えば、現実の物に干渉出来るが故の副作用なのかもしれない。
そして、このヴァルキリーも現実の物に干渉可能だ。
どうする-----3本の縄を全て切断出来れば怖いことなんてないんだろうけど、召喚獣の武器は基本は『壊れない』。剣先もかなり丈夫にコーティングされている。
というか、あの荒縄相手だと、私の剣の方が折れる可能性の方が高い。
そうあれこれ考えていると、その隙を伺って3人ほどの女の子が脇を抜けていった。
「しまっ…………!!ぁ、ぅ……!?」
確実に袋の鼠にするつもりだったけど、この激痛は正直至る所がない。
私には心臓器官がないからあれだけど、お腹らへんがかなり痛む。この人は手加減ってものを知らないのかな………
刹那、それは一瞬のことだった。
【Fクラス 霧島 蓮 総合科目 7463点】
VS
【Bクラス 中目黒 可音 総合科目 0点】
【Eクラス 伊邪内 薫 総合科目 0点】
【Eクラス 渡辺 美怜 総合科目 0点】
「……間に合ったわね。まだ、処刑されていないみたいで」
「れ、蓮!?」
私は目を見開いた。いや、高橋先生でさえも驚いているように感じる。
傍らで両手剣を構える召喚獣の目が赤くなり、神の姿に変化した蓮の召喚獣の姿が目に入った。
「TASシステム………!?何故貴女までそれを……!」
「あら。先生なら存じてるかと思ったわ。
蓮は蒼く極光する剣を見る。この剣の形から見てレーヴァテイン……?
小人から貰ったとされる首飾りもしてることから、恐らくこの神、女神はフレイヤなのかな?
フレイヤの所持していた武器は直剣であるレーヴァテインと同一視されているらしいから。
それにしても、ヴァルキリーにしてもフレイヤにしても、同じ北欧神話の神となると………
「さぁて、ここは私に任せて、さっさと袋小路にして来なさい。そんな隠し手なんて、使えるのは1回きり。その縄を2つも3つも制御なんて簡単には出来ないわよね?」
「蓮、問題はそこじゃなくて、あの縄1回直撃しただけでも充分凶器なんだよ。その両手剣だとどうしても動きが鈍るんじゃ--------」
「数学の点数は大部分削られたし、TASシステムもないけど、総合科目は大丈夫だから、鳥花さんと突破しちゃってよ!」
「そうです!行きましょう、翼さん!」
「だからいつの間に背後にぃぃぃ!?」
私の言葉が終わる前に背後から鳥花の手によって拉致られた。気配すら感じさせずに近づくなんて、この人たちこそ凄いのかもしれない。
「この先へは行かせませんよ!」
「おっとっ!」
高橋先生の召喚獣を素早く避けて、満身創痍の私の召喚獣ともども鳥花は引きずるようにして横を抜けた。それと同時、剣先の衝突音が激しく響いたが、私は振り返ることなく先を目指す。
蓮と鈴さんが文字通り身体を張ってまであの高橋先生と戦ってくれている。だったら、お腹が痛いくらいで止まる訳には…………!!
【Fクラス 小林 翼 現代文 682点】
【Fクラス 月風 鳥花 現代文 307点】
VS
【Aクラス 蘇我 愛華 現代文 276点】
【Aクラス 斎藤 圭菜 現代文 281点】
【Aクラス 千堂 雪穂 現代文 269点】
「………行かないッ!!!」
TASシステムの起動状態により、鳥花の手を借りなくても一閃。
今の私は止まることを知らない闘牛に近い感覚がある。というか、無双?分からないけど。
『何で……!?私たちAクラスが束になっても勝てないなんて……』
『勝てないだけじゃないよ愛華……触れることすらままならなかった……』
「……翼さんも、結構強引なところがあるんですねぇ。てっきり文学少女の草食動物だとばかり」
「……私はしないといけないことが沢山あるからね」
剣先すら交差しなかったAクラスの女子を尻目に、私たちは補習室の前まであと少しにせまる。
その補習室の真前でうろついているのは、およそ50人くらいはいるかな。
それもそのはず、当初の予想通り既に姫路さんと翔子さん、それに頼まれたのか咲未さんまでいた。
「………遅かったじゃないの。翼さん」
「高橋先生を止めただけでも褒めて欲しいんだけどね。お陰で心身共にボロボロだよ」
咲未さんにそう返事をする私。当の咲未さんの方にも少し疲労が見えた。