バカとテストと召喚獣〜The Another Story〜   作:ぷろとうぃんぐ

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アテンションっ!!

※今回のバカテスTASはアンチ・ヘイトもしくはシリアスシーンが大きく含まれています。
※原作キャラクターが崩壊している恐れがあります。(いい意味でも用いられる)

翼「………ということらしいよ」

蓮「らしいよ、じゃないわよ。文字数も4000文字超えてるのに何でアンチになるのよ」

鳥花「ここだけは不可避だったようですね。ちなみに、アンチは『島田美波』、『その他の女子』……ですかね」

蘭「これ………大丈夫なのかしら………ここまで来ると後にはひけないわよね………」

鈴「え、えええと………感想返し行くよっ!まずは”蒼龍”さんから!」

翼「召喚獣版ラグナロクだったよ」

鈴「え、何それ怖い。最後はマリクさん!」

蓮「余波は今の所起きてないようね。小規模ビッグバンなら起きそうだけど」

鳥花「巻き込まないで下さいよ………」

鈴「それじゃ、上記の点に注意して本編どうぞー!」



89話 全力と信頼

バカテスト 古典

【第二十八問】

以下の意味の古事成語を答えなさい。

 

「1度失敗してしまったことは取り返しがつかないこと。」

 

姫路 瑞希の答え

『覆水盆に返らず』

 

教師のコメント

正解です。

 

東雲 蘭の答え

『失敗、元に戻らず』

 

教師のコメント

そのままですね。

 

吉井 明久の答え

『失敗は災いの元』

 

教師のコメント

恐らく災いは起きないので安心してください。

 

 

「………Cクラス代表はいないみたいですね」

 

目を怪しく光らせて周辺を見る鳥花さん。やっぱり用心深く前線には出ていないようだ。

 

「さて、ここで貴女たちに交渉しますわ。もし今潔く降参するなら、補習は免除してあげますわよ?」

『『『……………(ざわざわ)』』』

 

咲未さんは真ん中に固めた女子の輪に向けて交渉を持ちかけた。

そう、この戦争は『試召戦争』。当然点数な0になれば、どこからともなく西村教諭がやってきて、補習室に連行される。

だけど、咲未さんもとい、坂本君は『今ここで投降すれば、攻撃はしない。ただ、戦線から外れてくれればいい』という条件でなら、補習室への連行はしない、ということだ。

あくまで、私たちの狙いはただ1人、小山友香のみ。

 

「ちょーっといいかしら?」

 

すると、ざわつく女子の中から、貫禄のある女子が1人、前に出た。誰だろう、見たことないけど。

 

「私はCクラス副代表の小山内恵(おさないめぐみ)。質問、あるんだけど」

「質問だけならいくらでも。それに答えるかどうかはあたしたちの自由ですが」

 

咲未さんはあくまで冷静だ。私たちはその質問に耳を傾ける。

 

「何故貴女たちは男子の覗きなんかに加担してるわけ?もしかしてそういう性癖でも持ってるの?」

「………何を馬鹿なこと言ってますの?あたしたちをそんな露出狂なんかと混同されても困りますのよ」

 

つまらなそうに吐く。そりゃ、変態と一緒にされてもたまったものじなない。あくまでノーマルの趣向だ。

 

「私はあくまで真実が知りたいだけだよ。貴女たちだって、証拠すらないのに私たちのクラスの男子だと決めつけたようなものだよね」

「はっ。覗きなんて愚かなことをする人間なんて、どう考えてもあの変態たちしかいないじゃない。そう疑われても仕方のないことを普段からしてるのが悪いのよ!」

「明久君たちはそんなことしませんっ!!」

「………雄二はそんな卑劣な真似はしない」

 

終始うたぐっていた姫路さんと翔子さんもそう反論する。他者の弁論も聞かず問答無用で制裁を加えるのはやりすぎだ。

その中には、島田さんの姿もあった。

 

「瑞希!アンタは吉井たちの言い分を信じるっていうの!?」

「信じますっ!明久君がやってないって言うなら、私は信じますっ!!」

「………とにかく、別に私たちは覗きに加担してる訳じゃない。本当の盗撮犯は誰なのか知りたいだけ。貴女たちと協力しないのは、やりたいことも、考えてることも真逆だからだよ。他に質問は?」

 

私は纏めて返す。

向こうがやりたいことは『明久君たちのお仕置きと言う名の私刑』。私たちがやりたいことは『明久君たちを助けること』だ。

目的が違うからこそ、違った価値観の元で行動する。

………単に向こうのやり方が気にくわないだけなのも理由の1つ。

 

「………ないようですわね。それなら選びなさいな。『投降』か『補習室送り』か………!!」

「……まさか。投降なんてするわけないじゃない。覗きは最低の行為なのよ。それに、今貴女たちの方が人数差的に不利なの、分かってるの?」

 

刹那、60人ほどの女子たちは召喚獣に獲物を構えさせて前に踊らせる。それに引き換え、こっちは5人。今いない蓮と鈴さんを含めれば7人。戦力差は歴然ではある。

 

「ま、例えここで倒されても、まだAクラスの人もBクラスの人もいるのよ。少しでも点数を削っておかないといけないわけ」

 

『普通だったら勝てないけど、これだけいれば奇跡を信じるわ!』

『ここで一矢報いるんだから!!』

 

「………交渉は不成立ですね。こうなるとは思ってましたけど」

 

隣の鳥花さんは苦虫を潰したような顔で召喚獣を構えさせる。

全く………口で言っても分からないのかな。

私もTASシステムを最大火力まで引き上げてから、階全体に聞こえるような声で言う。

 

「………文月学園は試験の点数でクラスが決まる。例え召喚獣の扱いが優秀でも、運動に秀でていようとも、点が取れないとクラスも下になっていく。まさか忘れたわけじゃないよね?」

「……それが何か?」

「奇跡を信じる?一矢報いる?ロクに召喚獣の扱いにも慣れていないのに、点数だって上回れないのに、どうやって戦うつもりなの?」

「それは-------------!!」

 

「考えても見れば分かるはずだよね?点数の低い人は高い人を倒す奇跡(・・)を信じて全力を注ぐ。点数の高い人は低い人に奇跡(・・)を起こさせないように全力を注ぐ----------------」

 

 

【Fクラス 小林 翼 現代文 796点】

VS

【Aクラス 源 清花 現代文 287点】

【Dクラス 旭 若葉 現代文 128点】

【Dクラス 宮崎 来夢 現代文 139点】

【Eクラス 井口 星奈 現代文 91点】

 

 

「------どっちが簡単なことだか、計算しなくても分かるよね」

『『『………!?』』』

 

残像にも残らない音速のような速さで眼下の4人を迷わず斬り払った。

それがトリガーとなり、更に混戦となす。

 

 

【Fクラス 小林 翼 現代文 796点】

【Fクラス 月風 鳥花 現代文 381点】

VS

【Aクラス 山坂 瑞穂 現代文 309点】

【Aクラス 紅 仄華 現代文 281点】

【Dクラス 斎藤 椎菜 現代文 140点】

 

 

「言われてみれば、確かにそうですよね。低得点者が高得点者に勝てるのは代表みたいに策士に優れてるか、吉井さんや蘭さんのように召喚獣の扱いが上手い人くらいしかないですから」

「それか賄賂かな」

「湾城さんでも賄賂は使いませんよ、多分」

 

もう戦うというよりもなぎ倒して行くように無双していく。目の前に来た召喚獣をひたすらに斬りまくる。それほどまでに戦力差がありすぎる。

更に、

 

『うおおおおっ!!姫路さんたちに続けぇぇぇ!!』

『俺たちの戦いだ!!協力されっぱなしなのは心が痛むんだよぉぉ!!』

『行くぞお前ら!!俺たちの勝利の為に!!』

『『『ジーザスッ!!!』』』

 

ドドドドドッ!!と地面を揺らすかのごとく、東階段・西階段両サイドから男子たちが一斉に戦地へとやってくる。

人数差の問題もこれで解決だ。

 

「遅くなったな、咲未。坂本から連絡があって、男子前線メンバーの隊長に任命されたから、慌てて引き連れてきた」

「……べっ、別に来てくれなくてもあたしたちだけで何とかなりましたわよっ……!」

「ふぅ……遅れたわね、翼。今の所は問題ないかしら?」

「この人数を相手するのは大変だろうからって、坂本君が」

「間違って私ごと切らないようにしなさいよ。即死だから」

「蓮、鈴さん、蘭!高橋先生は!?」

「無理矢理人数で押し勝ったわよ。この力って便利ね」

「ラストアタックはお姉ちゃんに持ってかれちゃったけどね……」

 

蓮たちが一足遅れてやってきた。向こうでは、根本君がAクラス・Cクラスの不参加メンバーを引き連れて突撃したようだ。

そして、

 

「………これ僕たち要らないんじゃ……」

「………………既に混沌」

「だからこそ来た。代表として傍観するためにな」

 

近衛部隊である坂本君たちも後から続くようにして到着していた。各々戦地を見ているのだが、混沌とした戦場から抜け出して明久君を狙う影が1つ。それは勿論--------

 

「吉井ぃぃぃ!!覚悟しなさいぃぃぃ!!!」

「美波!?」

 

現代文での勝負では明久君といい勝負をしている島田さんが相打ちとばかりに飛びついた。

明久君の召喚獣にはフィードバックが常時着用されている。召喚獣同士で受けた痛みも、何割か体に返ってくる。これが目的か--------!!

 

 

【Fクラス 吉井 明久 現代文 31点】

VS

【Fクラス 島田 美波 現代文 38点】

 

 

「くっ………!!」

 

突然の奇襲に体勢を崩しながらサーベルを弾くも、島田さんはすぐに二撃目に移ろうとしていた。間違いなく、二撃目までは避けられない。

 

刹那、ガッギィィンッ!と鈍い音が交差する。

 

 

【Fクラス 吉井 明久 現代文 23点】

【Fクラス 姫路 瑞希 現代文 276点】

VS

【Fクラス 島田 美波 現代文 38点】

 

 

「----------姫路さん!?」

「明久君は下がってて下さいっ!!」

 

その戦闘の合間に挟まったのは姫路さんと召喚獣だった。召喚獣の体長よりも倍はあるくらいの巨大剣を振って距離を取る。

 

「瑞希っ!!邪魔をしないでっ!!私は吉井に調教-------お仕置きしないといけないんだからぁ!!」

「調教!?今調教って言ったよね!?絶対に無事じゃすまない言葉が聞こえたんだけど!!」

「私も最初は疑いましたけど……!でも明久君は全て話してくれたんです!覗きはやってないってことも!昔から明久君は、嘘は絶対につかない人なんですっ!!!」

 

大振りの一撃。私の方にも空気の振動が伝わってくるほどの渾身の一振りだった。

 

 

【Fクラス 姫路 瑞希 現代文 275点】

VS

【Fクラス 島田 美波 現代文 19点】

 

 

「っ…………!!」

「わっ、私は明久君のことを信じてますっ!!昔も、そして今もっ!!」

「…………姫路さん………」

 

後から聞いた話。

姫路さんと明久君は幼馴染だったらしい。昔の明久君を知っているからこそ、分かっている。

ここまで姫路さんが、本気になって心中を吐露したことは、私の記憶の中では、ない。

それほど姫路さんは明久君を大切に思っている。

 

だから、守られる(・・・・)側ではなく、守る(・・)側に立った。

 

「私はっ、明久君のことを---------------!!!」

 

一閃。

駆け抜ける稲妻のようなスピードで。

島田さんの召喚獣を両断する。

 

 

【Fクラス 姫路 瑞希 現代文 375点】

VS

【Fクラス 島田 美波 現代文 0点】

 

 

「戦死者は補習!!」

「はっ、離して下さいっ!私は吉井をお仕置きしないといけないん……」

 

何処からか現れた西村先生に担がれて退場した島田さんを見送りながら、姫路さんは、

 

「……ごめんなさい、美波ちゃん」

 

誰にも聞こえないような声で、そう呟いた。

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