透き通るような世界に紛れ込んだミュータントヒーローとその他のヒーローたち 作:Be Cows
今回は長めです
サブタイトルの元ネタは映画『ベスト・キッド』から。
トリニティでの初仕事から数週間。依頼の件数は読みやすい波になり、俺の賞金がアビドスの借金返済に回る割合も“十数パーセント”で落ち着いた。今朝も廃寺の台所で食器を流しに移し、玄関へ向かったところでインターホンが鳴る。モニターには、あくび混じりに手を振る小鳥遊ホシノと、その肩越しに柔らかな笑顔の梔子ユメ先輩。
「おはようトモユキくん!」
「…おはようございます。早く着替えてください。遅刻しますよ」
「おぅ、悪いな……って、わざわざ迎えに来るなんてどういう……」
「登校しながら話そっか。大丈夫、お説教じゃないよ~」
「ウッス。朝食は済んでるんで、すぐに着替えてきます」
「ハァ…」
制服の襟を正して外に出る。廃寺の石畳を抜け、砂塵に白くかすむ通学路を三人で歩く。
「しかし、あんな立派なお家を買ったんだねぇ!随分かかったんじゃない?」
「退去時の清算があったみたいで、思ったより安く。今月からは維持費もほぼゼロです」
「……そうですか」
ホシノが目を細める。
「トモユキくんが暮らしを安定させてくれると、アビドスも少し息がしやすいからね」
「バイトも見つけましたし。場所は毎回変わるんですけど。移動は自費なんでまぁ手元から少し減るんですけどね」
「うんうん。若いうちから頑張ってていいね!」
「先輩、俺たちまだ10代ですよ」
まぁ俺だけ中身は30代ですっては言えないし、言う必要はない。
そうやって雑談しながら歩いて、駅前に差しかかると、ホームの階段手前に対物ライフルを背負っている少年が立っていた。ヘイローのシルエットがユメ先輩に似ている。髪色も同じ。ホシノより少し背が高いが、骨格はまだ線が細い。こちらに気づくと、少年はまっすぐユメ先輩の方へ歩み寄った。
「この人たちが、姉ちゃんが言ってた新入生か?」
「そうだよ~!こっちのおっきい方がトモユキくんで、小っちゃい方がホシノちゃん!」
「小さいって言わないでください!」ホシノがむくれる。「小鳥遊ホシノです」
「豊嶋智之です。いつもユメ先輩にお世話になってます」
「……俺は梔子ユメの弟、ゲンジ。よろしく」
名乗り終えるや、ゲンジは紙袋を二つ差し出した。
「姉ちゃん、忘れ物。生徒会の決裁書類と、予備の印鑑。昨日“机の森”に埋まってた」
「う……助かったぁ。ありがとね、ゲンジ」
「しっかりしてくれよ。…姉が何か迷惑かけてたら、遠慮なく言ってください。」
梔子ゲンジは中学生だった。通学路の途中でゲンジと別れた俺たちは生徒会としての活動をする。ホシノはまだ生徒会ではないので、別の教室にいる。ユメ先輩はゲンジから渡されてた書類を持って別の部屋*1に入る。そこにはミオ先輩が使っていた席が。俺とユメ先輩で書類を処理していくのが大半だ。書類の扱い方は一回聞けば俺の【超学習】*2
――だから、書類の扱い方も、一度噛んで飲み込めば終わる。法律だの規則だの形式だのは、好きじゃないが嫌いでもない。嫌いなのは“無意味なミスで人が死ぬ”方だ。
俺はペンを走らせながら、生徒会室――というより、廃校寸前の学舎で生徒会が居座っている空き教室に目を走らせる。
壁は乾いた砂が吹き込んで、窓枠の隅に白い筋を作っていた。黒板の端には、いつの間にか誰かが描いた落書き。消そうとした形跡もあるが、チョークの粉が残っている。机は元々三十は並ぶ教室のものが、今は十もない。使っているのはそのうちの三つ。
ひとつはユメ先輩。ひとつは俺。そして、空席がひとつ。
その席に置かれた名札は、もう外されて久しいのに――その場所だけ、なぜか整っている。
ミオ先輩が使っていた席。
ユメ先輩は、ゲンジから預かった紙袋を胸に抱えたまま、少しだけその席を見て、それから何事もなかったように書類の山へ向き直った。
顔は笑っている。笑っているのに、まぶたの裏に疲労が溜まっている。眠れてないときの顔だ。
「……ユメ先輩、昨日も徹夜ですか」
「えっ? してないよ~。……ちょっとだけ、うん。ほんの、ちょっと!」
“ちょっと”の範囲が宇宙規模で広い。俺は指で書類を揃え、朱肉の蓋を開ける。
「印鑑、ここですね。……あ、予備まで。ゲンジくん、ほんとに助かりますね」
「でしょ~? あの子、口は悪いけど、ほんとに優しいんだよ。……ねえねえトモユキくん、さっきの“机の森”って言い方、ちょっと笑わなかった?」
「笑いました。物理的に森でした」
机の上は、書類の層が地層みたいに積もっていた。重要度の違う紙が同じ地層に混じっているのが、なお悪い。
俺はまず、分類から入った。
件名、提出先、期限、金額、担当者。
この五つで一次分け。次に期限で並べ替え。最後に決裁フローを確認し、押す順番を決める。
たったそれだけで、地層が“棚”になる。
ユメ先輩は、俺が分類し終えた束を見て、目を丸くした。
「……すご。トモユキくん、これ、前世で会社員だった?」
「前世って言うな。……いや、似たようなもんです」
似たようなもん、というか、前の世界でも俺は“現場”の人間だった。
ただし、現場はオフィスじゃない。
血と瓦礫、それと悪意の匂いがする現場だ。
ペン先がカリカリと鳴る。
判を押す音が、乾いた部屋にやけに大きく響く。
外では、砂嵐が遠くで唸っている。
「……トモユキくん。今日、放課後、ちょっと時間ある?」
「あります。依頼は夕方からです」
「うん。じゃあね、生徒会で会議しよっか。……ホシノちゃんも呼ぶ」
「会議ですか」
ユメ先輩の笑顔が、少しだけ“仕事の笑顔”になる。
その顔は、優しいのに、強い。
「うん。今月の借金返済、進捗がいいから。……それと、ちょっと困ってることもあるんだ」
「困ってること、ですか」
「困ってることっていうか……“困らせに来てる人たち”がいる」
その言い回しで、だいたい察した。
ここでは困らせに来る奴らは、困らせ方が銃器対応だ。
「……ヘルメット団?」
「うん。今朝、駅前で“見た”って報告が入っててね」
報告。誰が報告を入れる。
生徒会だ。つまり、残った生徒が、生活と引き換えに目を光らせている。
俺はペンを置き、窓の方を見る。
砂に霞む通学路の先で、アビドスの校舎が黒い影みたいに立っていた。
「数週間前、俺が賞金首を持ち込んだので、目をつけられた可能性がありますね」
「うーん、そういうのもあるけど。……たぶん、それだけじゃない」
ユメ先輩は、机の角を指で軽く叩いた。癖だ。考えるときの癖。
それから、わざと明るく言う。
「だいじょうぶ! とりあえず午前中は書類を片付けよ! ねっ!」
「現実逃避ですね」
「げ、ばれた!」
俺は肩をすくめ、再びペンを持つ。
逃避でもいい。逃避のふりでもいい。
少なくとも、書類が片付けば、余計な事故は減る。
そのとき。
教室の扉が、控えめにノックされた。
「……入るぞ」
声。
さっき聞いた、あの低めの声。
扉が開き、梔子ゲンジが顔を出した。対物ライフルは持っていない。かわりに、肩に小さめの鞄と、やけに分厚い封筒の束。
そして、目の下に薄いクマ。
「……ゲンジ!? どうしたの、授業は?」
「早退。同級生が“お前は仕事しに来てるのか”って言ってた」
「えぇ……」
ユメ先輩は困ったように笑う。
ゲンジは気にせず、封筒束を机に置いた。ドン、という鈍い音がした。
「生徒会宛。……朝、ポストに突っ込まれてた。見たことない印が混ざってる」
俺は封筒の一つを手に取った。紙質が妙にいい。印刷が濃い。
それに、封緘の蝋――いや、蝋じゃない。樹脂のようなものが、やたら丁寧に押されている。
「……嫌な予感しかしませんね」
「だよな」
ゲンジは短く言い、視線だけで姉を見た。
ユメ先輩は、苦笑いを貼り付けたまま、椅子に座り直す。
「……ねえゲンジ。学校、ちゃんと行かないとダメだよ」
「姉ちゃんがちゃんと寝ないとダメだろ」
即答。
ユメ先輩が、言葉に詰まった。
「……うぐ」
俺は封筒を机に戻し、ゲンジを観察した。
中学生。線が細い。だが、姿勢がいい。視線がブレない。
何より、“場を読む”より先に“場を支える”ことを選ぶタイプの顔をしている。
「ゲンジくん、あなた、普段からこうやって生徒会を手伝ってるんですか」
「姉ちゃんが倒れたら終わりだろ。……俺がやるしかない。あとトモユキさんその敬語気持ち悪い」
「ごめんなさ…悪い」
その言い方が、妙に大人びている。
俺は一瞬、自分の胸の奥がチクリとするのを感じた。
――“やるしかない”。
それを理由に、いろんなものを背負ってきた人間の顔だ。
「……ありがとう。ゲンジ」
ユメ先輩が小さく言う。
ゲンジは、照れ隠しみたいに顔を背けた。
「別に。……で、こいつら、開けるのか?」
「開けるしかないでしょ」
俺が言うと、ゲンジは頷いた。
ユメ先輩は深呼吸して、封筒の一つを選び、封を切る。
中から出てきたのは――紙一枚。
そして、写真。
写真には、校舎裏の貯水タンクが写っていた。
タンクの下に、何かが置かれている。
黒い箱。金属の留め具。
そして、箱の上に置かれた、小さな紙片。
ユメ先輩の手が、わずかに止まった。
「……これ」
紙片の文字は、乱暴な筆跡だった。
でも、読みやすい。わざと読ませる字だ。
――「生徒会長に用がある。夕方、ここに来い。来ないなら、タンクの下がどうなるかは知らない」
脅迫。
子供がやる脅迫の字じゃない。
そして、脅迫の仕方が、ここでは最悪の部類だ。
「……水か」
ゲンジが低く言った。
アビドスで水は命だ。
タンクを壊す、毒を入れる、爆破する――どれでも詰む。
俺は写真を覗き込み、位置関係を頭に描いた。
タンクは校舎裏、崩れた倉庫の近く。見通しが悪い。狙撃には向かないが、待ち伏せには最適。
そして“夕方”。砂塵が濃くなる時間帯。視界が落ちる。
「ユメ先輩。これ、行くのはやめた方がいい」
「……でも」
「行くなら、戦闘前提で準備です。ヴァルキューレ? あそこは……」
「うん、期待できない」
ユメ先輩は苦笑いした。
笑顔の裏で、胃がキリキリしている顔。
俺は立ち上がった。椅子が擦れる音がする。
「水のタンクの安全確認、今すぐやります。……ゲンジくん、案内できますか」
「できる。……俺も行く」
「ダメ」
ユメ先輩が即座に言った。
ゲンジは姉を睨み、姉は弟を睨む。
空気が、砂みたいに乾く。
「姉ちゃんが行くなら、俺も行く。姉ちゃんが行かないなら、俺が行く。……どっちにしても俺が行く」
「そういう脅し、やめなさい」
「脅してない。計算してる」
ゲンジの声は平坦だった。
でも、平坦なほど、決意が固い。
俺は二人の間に視線を挟み、息を吐く。
……こういう兄弟喧嘩は、止め方を間違えると長引く。
「ユメ先輩。ゲンジくんは戦力になる。……ただし、戦力として扱うなら、こちらも責任を持つ必要がある」
「……トモユキくん」
「俺が面倒を見ます。……いや、俺が“盾”になります」
ユメ先輩の目が、少しだけ揺れた。
俺がこう言うのは、あまり良くない。
ヒーロー気取りは、だいたい死ぬ。
でも――ここで引いたら、
「……わかった。条件つき」
「条件?」
「ゲンジは前に出ない。絶対。……トモユキくん、お願い。ゲンジを守って」
「了解です」
ゲンジが舌打ちしそうな顔をした。
だが、結局頷いた。
「……いい。前に出ない。けど、後ろでもできることはある」
「例えば?」
「観察。連絡。……それと、必要なら撃つ」
中学生の口から出てくる言葉じゃない。
でも、この場所じゃ、子供は子供のままじゃいられない。
ユメ先輩が封筒をまとめ、鞄に入れる。
俺は机の上の書類を整えて、最低限の“片付けた感”を作った。
「……ホシノちゃんは?」
ユメ先輩が言う。
俺は首を振る。
「巻き込まない方がいい。……いや、巻き込まれる前に、こちらから状況を共有すべきか。学校全体に関わる話ですし」
「うん。……でも、まずはタンクだね」
俺たちは教室を出た。
廊下は静かで、足音だけが響く。
窓の外の砂が、光を鈍く反射している。
校舎裏へ向かう途中、俺はゲンジに話しかけた。
「ゲンジ。さっき、駅前で対物ライフル背負ってたよな。中学生が持つ装備じゃない」
「ここじゃ普通だろ」
「“普通”の定義が死んでる」
ゲンジがほんの少しだけ口角を上げた。
笑った、というより“ギャグと捉えた”顔だ。
「……姉ちゃんが生徒会長になってから、変なのが増えた。だから、俺もそれなりに備える」
「姉ちゃんが生徒会長だから狙われる?」
「違う。……姉ちゃんが“守ろうとする”から狙われる」
言葉の刃が、妙に鋭い。
俺はそこで、ふと気づく。
ゲンジは、姉のことを“優しい”と思ってるだけじゃない。
“危うい”と思ってる。
守りたいのに、守りたいものが多すぎて、本人が折れる。
そういう人間を、弟はよく知っている。
「……ゲンジくん。あなた、いい弟ですね」
「……今さら褒めても、何も出ない」
「出なくていい。事実確認です」
ゲンジが鼻で笑う。
ユメ先輩は前を歩きながら、肩だけが少し揺れた。
笑ってる。
校舎裏に出る。
風が強い。砂が頬に当たる。
貯水タンクは、写真どおりの場所にあった。
そして――タンクの下。
黒い箱が、確かに置かれていた。
「……やっぱり」
ユメ先輩が呟いた。
俺は一歩前に出て、手を上げる。
「止まって。近づかないで」
箱の周囲の砂を観察する。
踏み跡がある。複数。
だが、足跡はわざと散らされている。
“ここに来るまで”を見せるための跡だ。
箱の留め具は新品に近い。
そして、箱の角――小さな穴。
嫌な穴だ。
圧力、あるいは破片の噴出口。
爆発物の箱にありがちな“逃がし”。
「……爆弾、ですか」
ユメ先輩の声が、少しだけ震える。
ゲンジは息を止めたまま、目だけで箱を見ている。
「可能性は高い。……でも、今は“爆弾”って断定しない。断定すると、判断が雑になる」
俺はしゃがみ、砂をつまんで風向きを見る。
箱の匂い――火薬臭はない。
だが、匂いがない爆弾なんていくらでもある。
問題は、箱が“タンクの下”にあることだ。
爆破すればタンクが割れる。
化学物質なら水に混ざる。
どちらでも最悪。
「……トモユキくん。どうする?」
「二択です。
(1)ここで処理する。
(2)脅迫に乗って“夕方に会う”ふりをして、相手を釣る」
「夕方に会うって、あれ……」
「行く“ふり”です。主導権はこっちが握る。……ただし、そのためには今、この箱が“起動してない”ことが前提」
俺は箱に手を伸ばさない。
代わりに、箱の周囲の砂を指でなぞって、微細な振動を感じ取る。
――静かだ。
タイマーの駆動音もない。
だが、音がしない起爆装置もある。
「ゲンジくん。さっき言ってた“後ろでできること”。今、やって」
「……何を」
「この場所の写真を撮って、座標――いや、目印をメモ。
それと、校舎裏の出入口を全部数える。逃走経路と待ち伏せポイントを記録」
ゲンジは即座に動いた。
スマホみたいな端末で写真を撮り、校舎の影に走っていく。動きが無駄に少ない。
ユメ先輩は、俺の背中の少し後ろに立ち、手を握りしめている。
「……トモユキくん。ごめんね。こんなことに巻き込んで」
「巻き込まれたんじゃない。俺が勝手に入り込んだ」
「でも……」
「それに、俺はこういうの、嫌いじゃない。……“嫌いじゃない”って言うと語弊があるけど」
俺は苦笑する。
ヒーローの現場は、いつもこうだ。
守りたいものが脅される。
そして、守る側が試される。
――ただ、違うのは。
ここには、俺の“当たり前”が通じない。
子供が、世界を回している。
そして、その中心に、今、ユメ先輩がいる。
ゲンジが戻ってくる。
息も乱れていない。
その顔に、ほんのわずかな怒り。
「……出入口、三つ。崩れた倉庫の裏から回り込める。待ち伏せなら、あそこが一番」
「了解。いい仕事です」
「……あいつら、姉ちゃんを狙ってる」
「そうだろうね」
俺は立ち上がり、砂を払う。
そして、ユメ先輩を見る。
「ユメ先輩。夕方、会う“ふり”をしましょう。
ただし、箱は今すぐ固定します。動かさない。振動を与えない。
……このタンクの使用も一時停止。校内放送か、掲示で。理由は“点検”」
「うん。……やる」
ユメ先輩の声が、震えていない。
決めた声だ。
その強さが、逆に怖い。
強い人ほど、折れたときに音が大きい。
「ゲンジくん。あなたは姉を守りたい?」
「当たり前だ」
「なら、今日だけは“命令”を聞いてください。
夕方の現場では、俺の指示が最優先。勝手に動かない。
……守るために突っ込んで死んだら、守れない」
ゲンジの目が細くなる。
反発するかと思った。
だが――彼は、短く頷いた。
「……わかった。
でも、姉ちゃんが死にそうなら、俺は動く」
「そのときは、俺が先に動く」
俺はそう言って、ユメ先輩の方を向く。
「ホシノさんにも共有します。……生徒会の話です。
それに、彼女は“気づく”タイプだ。隠しても後で拗れる」
「うん……そうだね」
ユメ先輩は、少しだけ笑った。
それは、朝の明るい笑顔じゃない。
“覚悟の笑顔”だ。
風が吹く。砂が舞う。
貯水タンクの金属が、ギシ、と鳴った。
俺は箱を見下ろしながら思う。
この世界で一番怖いのは、銃でも爆弾でもない。
――“優しい人が、優しいまま壊れていく”ことだ。
そして、今日の主役は、間違いなくこの弟だ。
口が悪くて、目つきが悪くて、でも誰よりも現実を見ている。
ベスト・リトルブラザー。
最悪の舞台で、最良の弟。
夕方が来る前に、俺たちは準備を終えなきゃならない。
折れる前に、守る。
折れるなら、俺が先に折れてやる。
――そう決めて、俺たちは校舎へ引き返した。
キャラクター紹介&解説
豊嶋智之/アテン
超学習を駆使して書類を片づけたり、現場指揮をした主人公。
ミュータントとしての能力は超学習とヒーリングファクターである。
梔子ゲンジ
本作オリジナルのキャラクターで、名字からわかる通りユメの弟で、髪の色がユメと同じ。今回の時点では13歳で中学二年生くらい。
名前の由来は”現実”から。使う対物ライフルはアキュラシー・インターナショナルのAS50で、名前は『クレイドル(Cradle)』元ネタはSub Urbanの楽曲。
梔子ユメ
色々あって公式だとピエロになってしまったな…と思ってしまう生徒。
この小説ではどうあがいてもアビドス3章そのままにはならないので、もういっそのこと自分の構想を書いてやろう、となった。弟のゲンジもそういった考えから。
小鳥遊ホシノ
今回はあんまり活躍しなかった。
超学習
智之のミュータントとしての能力。少量の観察・説明・試行から、脳内に“原理モデル”を形成し、誤差学習と神経化学の切替で短時間に運用まで到達する先天的能力。模倣や暗記ではなく、理解と一般化の速度が異常に高い。だが入力が悪ければ誤りも最適化し、身体・経験・精神が追いつかなければ限界は残る。
タスクマスターは観察→運動パターンのコピー(“再現性の高い模倣”が本体)
瞬間記憶は入力→そのまま保持(“記録”が本体)
智之の超学習は入力→“原理モデル化”→一般化→短時間で運用まで持っていく(“理解と適応”が本体)
ということである。
今回はここまで。次回が出来ればまた。
エンディングテーマ
Journey - Separate Ways
皆さんの智之のイメージCV.は誰ですか?
-
梶裕貴さん
-
櫻井孝宏さん
-
中村悠一さん
-
石田彰さん
-
細谷佳正さん
-
島崎信長さん
-
その他