一章
まず光があった。光が無ければこの世界も無かったのだから、光の無かった世界が語られることはない。
その光が集い、日の神が産まれた。その神は炎の髪と融けた鉄の血を持ち、光を織った銀の衣を羽織っていた。その体の奥底からは穏やかで暖かな光が溢れ、その光から神が一柱産まれた。
その神は雲の髪とラピスラズリの血を持ち、好奇を織った紫の衣を羽織っていた。
その神は様々なものをねだり日の神を困らせたが、ねだった物から生み出された物は日の神を大いに楽しませた。
例えばその神が、「私の衣の切れ端で声を作ってくれませんか?」
と言い。声が作り出されたとき、その神は素敵な歌を歌った。
例えばその神が、「私の髪の一房で紙を漉いてくれませんか?」
と言い。紙が漉かれたとき、その神は素敵な物語を綴った。
例えばその神が、「私の血の一雫でインクを絞ってくれませんか?」
と言い。インクが絞り出されたとき、その神は素敵な絵画を描いた。
その作品の数々に感動した日の神は、その神に芸術の神という名とこの世の全てを見渡す目を与え、この先のことを愉快に綴らせる事にした。それがこの物語である。
ある時、芸術の神は聞いた。「日の神様はなにか作りたい物はありませんか?」
日の神は言った「それならば、竜を創りたい。何よりも強く、誰よりも気高く、強欲で傲慢な最高の竜を」
それから二柱は世界を創り始めた、支配者たる竜に相応しい世界を。
二章
二柱はまず玉座を創った、天を突く程の高さとどこまでも続く広さを持つそれは山と呼ばれた。
そして次に屋根を創った、抜けるような高さとどこまでも続く広さを持つそれは空と呼ばれた。
世界の始まりを喜んだ芸術の神が髪を一房空に向かって吹き散らすと。息吹は風に髪は雲になった。
これは良いと思った日の神は、己もなにか作ろうと土で人形を作った。それは一人でに動き出し、山の神となった。その神は草の髪と溶岩の血を持ち、岩を織った紅の衣を羽織っていた。
日の神は言った「山の神よ、山を豊かにしなさい。木を植え動物を作り竜に相応しく玉座を飾りなさい」
そして器用な手先と山を投げ飛ばす程の力とその力で殴りつけてもビクともしない皮膚を与えた。
暫くすると風が集まり風の神に、雲が集まり雲の神になった。風の神は暴風の髪と春風の血を持ち、嵐を織った白の衣を羽織っていた。雲の神は積乱雲の髪と雨雲の血を持ち、嵐を織った黒の衣を羽織っていた。
それを見た日の神は言った。「雲の神よ、あなたは地より昇る魔力を雲に溜め、雨や雪や雷にして地に落としなさい。風の神よ、あなたは地に満ちる魔力を撹拌し各地に行き渡る様にしなさい」
そう言うと雲の神に知識と魔力を蓄え守る髪を、風の神に魔力を乱す風を起こす羽を与えた
そして二柱は日の神より与えられた使命を全うしようとしたが。風の神が誤って雲を吹き飛ばしたり、雲の神が落とすべきでない場所に雷を落としてしまったので二柱は大喧嘩を始めてしまった。
二柱は遂に戦い始めた。風の神が雲を散らし、雲の神が雷を落とす。その余波で嵐が起き、雨が降り注いだ。降り注いだ雨は地に溜まり、やがて海となった
いつまでも続くと思えた戦いは、六日戦い一日休みまた六日戦うということを三回程続けやっと収まったが。結局決着は付かなかった。
しかし今度は山の神が怒り出した。
山の神は言った、「人様の頭上で喧嘩をするとは何事だ、折角の木も動物も台無しだ」
すると芸術の神が言った「私の子が申し訳ないことをした。これからはこの二柱にも手伝わせる、望むのなら何だって作ろう、どうか許してはくれないだろうか」
ならばと山の神は二柱を許し、芸術の神に美しい番を望んだ。
芸術の神は先の争いで生まれた海を使い美しい番をつくった。その神は荒波の髪と細波の血を持ち、河を織った蒼の衣を羽織っていた。
芸術の神はその神を海の神と名付け、山の神によく尽くすよう言い付けた。
それを見ていた日ノ神は言った「海の神よ。貴方は山に残る魔力を洗い流し、海から空へ送りなさい」
そう言うと。海に一滴垂らすだけで荒波を鎮め、魚を蘇らせ、止まることなく死ぬまで泳がせることのできる血を与えた。
海の神は山の神が作った盃に己の血を一雫垂らし、山の彼方此方に溝を掘った。
そして盃を山に埋め、瓶一杯の水を注ぎ入れると。奥底から水が溢れ出し、溝に向かって流れ出して川ができた。
川は山に命の恵みと潤いをもたらし、生命を生き永らえさせた
各神のイメージ
日の神:ほんわかお兄さん(かわいい)
芸術の神:ほんわかふわふわロリ(かわいい)
山の神:豪快で優しいお父さん(かっこいい)
風の神:元気でお調子者のショタ(かわいい)
雲の神:クールビューティイケメンお姉さん(むちむち)
海の神:あらあら系お母さん(やさしい)