仮面ライダーギーツ ウマ娘・クロスオーバリング 作:玉ねぎは大正義ッ!
出会い部分に関してはこれを多少踏まえた話も後々に本編で出てきますので幕間に別途投稿しときますよろしくお願いします
黎明N&S:彼女たちの出会いと現在
──────これは祢音とシュヴァルが互いにまだまだ幼かった時期のお話。
「うぅ…ここどこぉ?」
その日、両親に連れられて横浜のほうにシュヴァルはショッピングモールに買い物に来ていた。しかしまだまだあどけなく物心付かない時期の彼女だったからか、3人が目を離した直後に怪しい男に攫われ、気づけば道に少し離れた場所にいた。ただ攫った男本人はというと、何やら所持していた携帯らしき機体が鳴ったのを見たかと思うと、シュヴァルを置き触りにしてどこかへ行ってしまい、それきり。
とりあえず連絡を付けたが、それでもか細いことに変わりはなく、時刻は夕方である
「おねえちゃん、おとうさん、おかあさぁん…グスッ!」
「独りぼっちは、いやだよぅ…」
当然泣きだす。元々優しいが甘えん坊で内気でコミュニケーション下手な子なので、周りに置いていかれることにとりわけ怖さを持っている。ゆえにこうなると恐怖することへの歯止めが効かない。
そしていよいよ大声で泣き出しそうになったとき、窮地を照らすネオンライトが差し込んだ。
そう、当時10歳だった祢音がたまたまこの辺に来ていたのである。ちなみにこの頃の祢音はどちらかと言えば男にも見える髪型や服装をしていた
「君、大丈夫?」
「ぁえっ?」
(だれだろう、この子…)
「…だいじょうぶ、じゃないです」
ただ当時のシュヴァルは、初めて会う誰かなのにこの少女に対しなぜか凄く安心できた。
さながら夜道を初めて歩いたときの星明かりのように。
「やっぱり! なんだか、すごく寂しそうに見えたから」
「…お父さんやお母さんの迎えが遅いのかな?」
「…うん。でもまってれば来てくれるって…」
「なるほど。…じゃあ私が一緒にいてあげる!」
「えっ、いいんですか?」
「うん、誰だって独りぼっちは寂しいよ。私もそう」
「だから貴方をほっとけない」
「…ありがとう、ございます」
短いながら、彼女の優しさに触れシュヴァルは早くもどこか気を許していた。
「そしてこれをあげるね!」
「わぷっ⁉︎ ぼ、ぼうし…?」
「私のお守り!」
「私、よく家出するんだけどこれを被ってれば私がもう1人いるみたいで寂しくないんだ!」
「私が生まれた時に初めて触った物らしいんだけどね」
「だから私のお守り!」
「でも、じゃあおねえさんが…」
「うっ⁉︎ ま、まあそこはおいおい、ね?」
そして水平帽や学生の帽子にも似た水色と白が基調の帽子を託される。初めて被ったはずなのに妙にしっくりくるシュヴァルだった。
「それに…今は君と一緒だから!」
「ぼく、と…」
「独りぼっちは辛くても2人ぼっちなら寂しくない。世界中の皆が私たちの敵になってもきっと」
「今の私と初めて会った貴方とでも、それは変わらない」
「だから一緒に君のお父さん、お母さんを待つのも大丈夫だよ!」
(ふたりぼっち…)
「…つよいですね、おねえさん」
「そう?」
「うん、ぼくはいつも泣き虫でだれかをたよれなくて…」
「おねえさんがいなかったら、今だってきっと…」
自分と少しぐらいしか違わないように見えるのに、どこか年相応以上に気丈に理知的に振る舞う眼前の少女にシュヴァルは驚きと劣等感を隠せないでいた。なまじ相手が善人だからかもしれない。
「…私はそんなに強くないよ」
「えっ?」
「私の名前は祢音って言うんだけどね。さっきも言ったんだけどよく家出するの」
「…そのたびにいつも怖くて震えてるの。帽子があるから最後は我慢できるけどね」
「だから、私も君も同じだよ」
「そう、なんだ…」
「でも、誰かが寂しそうなのは我慢できない」
「私が寂しいのは私のせいだけど、他の誰かが寂しいのはその人のせいとは限らない」
「だからほっとけないし、いろいろお話ししたいって思うんだ」
「同じ理由で動画投稿もやってるの。祢音TVって言うんだけどね」
確か今で299人、だったかなと呟く祢音。シュヴァルはちょっとだけ気になったのだが、チャンネル登録したのはまた別の話。
「だからさ、出会ったばかりで難しいかもだけど君ともお話ししたい」
「だめ、かな?」
(…うまくいえない。でもさっきからはなしててわかる。この人は、きっとやさしくていいひとだ)
(だから、ぼくもゆうきをださなきゃ…)
「…シュヴァル、グラン。ぼくのなまえとみょうじです」
「! 私は鞍馬祢音、誕生日は4月1日」
「シュヴァルちゃんのお誕生日は?」
「ぼくは、3月14日です♪」
「そっか。ふふ、なんか楽しくなってきたね」
「はい、祢音ちゃん」
「! なんかこそばゆいね…でも、悪くないや♪」
「ねえねえ、もっとお話ししよう!」
「うんっ…」
気づけばすっかり心を許し、まるで実の姉妹のように振る舞っていた2人。こうしたことが彼女たちの過去にあったのである。
「──そうやって、両親が迎えに来てくれるまでずっと話してたら不思議と気持ちが明るくなって」
「まるで心を灯りで照らされたみたいに」
「その時から、祢音ちゃんはトレーナーより何より、僕の友達」
「…シャインと同じで他の誰かに自慢したって惜しくない、僕の一番の」
「この帽子も…その時からずっと持ってる」
「彼女とトレーナーとして再会した時に話したら、凄く喜んでくれたのを覚えてる」
「…うん。祢音ちゃんはほんとに、僕にはもったいない…でも、絶対守りたい輝きで、夢なんだ」
「あの子が望んでくれるなら、どんなレースだって怖さを殺して戦える。どんなに偉大なことでも成し遂げられる」
「これが、僕のトレーナーさんに関する、僕しか知らないこと」
「…上手く言えてた、かな?」
そして、実を言えばこれはシュヴァルの回想。ある日の放課後、英寿・景和・道長らは各々の都合でトレセンを留守にしており、彼らの担当であるキタサン・ダイヤ・クラウンはトレーニングをできるようでできない状態。
そんな彼女たちを気遣ってかシュヴァルが自らフリートークを提案。幸い祢音とトレーニングを始めるまでにはまだ幾許か時間に余裕があり、3人もこれを快諾。我先にと自らのトレーナーの秘密を暴露し始め、そうしてシュヴァルは最後に言うこととなり今に至るというわけである。
「「「……」」」
「…皆大丈夫?」
「──かった」
「えっ?」
「良かったねえ、シュヴァルちゃん!」
「⁉︎⁉︎⁉︎」
「…シュヴァルさんにとって祢音さんはそんなに大事な存在なんですね」
「私たちは元々財界の一員として彼女とは小さい頃から付き合いがあったのだけれど、なるほど。シュヴァルはそうやって知り合ったのね」
「…うん、本当にいいトレーナーに小さい頃に巡り合ってたのね。シュヴァルは♪」
「…うん。クラウンさんやダイヤさんみたいにというか、日本を代表する財閥のご令嬢なんだけど、祢音ちゃんはそんなの関係なしに凄く「シュヴァルちゃーん!」!」
「祢音ちゃん!」
「すっごく楽しそうだね、シュヴァルちゃん」
「うん。4人でそれぞれのトレーナーさんの自分しか知らない秘密を話しだした時はこうなるとは思わなかったもん」
「それだけあの子にとって祢音さんの存在はかけがえのないもの」
「私にとってのミッチー、キタサンにとっての浮世トレーナー、ダイヤにとっての桜井トレーナーみたいにね」
「まあ何にせよ、シュヴァルのあんな笑顔はなかなか見れないからそれだけでも貴重な経験だったわ♪」
そして3人とも凄く聞き入ってくれており、べた褒めに近い評価をしてくれたからか、シュヴァルも悪い気は当然しなかった。
おまけにそのまま祢音がやってきたからか、もう嬉しさが彼女なりに極まっていた。本当にシュヴァルは祢音が大好きなのである。
「何話してるの〜3人とも?」
「あっ祢音さん、シュヴァルちゃん、すっごくいい子ですね!」
「祢音さんのこと、凄く大切に思われてるみたいですしね」
「ええ。私とダイヤも祢音さんとはわりと付き合いが長いほうだけど、シュヴァルのそれは付き合いを超えた何かを感じてちょっと羨ましくなっちゃったわ♪」
「でしょー! シュヴァルちゃんはもうほんっとに、私にはもったいないぐらいいい子なの!」
「ね、シュヴァルちゃ「ぁ、ァッ、あひょう‥」
「きゃー大変!すぐ保健室に運ばなきゃ!」
「あたしも手伝います!」
「あはは、凄く褒められるとすぐテンパって気絶しちゃうのは相変わらずね…」
ただ祢音がキタサン・ダイヤ・クラウンとシュヴァルを褒め始めると流石に耐えきれなくなったのか気絶してしまうのだった。
ある時ふと思いついたお話です
確かシュヴァち実装よりもそれなりに前だったはず
こんな感じで景和とダイヤちゃん・道長とクラちゃんの出会いも書けたらいいんですかが、なにぶん衝動的に書いたものなので二組の出会いの話も思いついたら書いてあげる不定期投稿になりそうです…
あとはこの話も含めて既存話の感想・質問を感想欄に
ちょっとでもいいのでくれたらすごくすごい嬉しいで
す
ではまた