仮面ライダーギーツ ウマ娘・クロスオーバリング   作:玉ねぎは大正義ッ!

4 / 11
ついでに幕間話も投稿しときます
時系列としては作中の21宝塚(史実の16宝塚)の前のお話です
なので今投稿してる本編ぶんよりは先の話になります

道長とクラちゃんのお話です、よろしくお願いします


謀略B&C:空腹に苛む

『ミッチーへ、今日トレーナールームに来て』

 

 

ある日のトレーナールーム、道長はクラウンにLANEで呼び出されていた。

普通は道長が呼び出す側なのだが何だろうという疑問を伴いつつ入ってみたら、そこには私服姿のクラウンがソファに座って軽く手を振っていた

 

 

「…何のつもりだ?」

 

「今さら隠さなくても大丈夫よミッチー?」

「…好きなんでしょ、私のお腹の音?」

 

 

どうやら道長はクラウンの空腹時の音が好きらしい、初耳である。

 

 

「⁉︎…別に、そんなんじゃ…」

「…今からよーく語って聞かせてあげるから」

 

 

当然彼もそれを否定するものの、どうやら証拠をきっちり揃えてきたらしいクラウンはそれを認めず、長々と語りだすのだった──

 

 

『ふぅ、今日もよく体をほぐせたかしrキュウウウウウ…ああもうお昼、ね……みっちー?』

『…今の、聞いた?』

『…何のことだ』

『…そう、ならいいわ』

 

「うっ…」

 

 

まずはある日の昼下がりのちょっとした珍事をバラし。

 

 

『クラウン、ちょっとこの荷物を運ぶの手伝え』

『もう、ウマ娘使いが荒いんだから♪(まあミッチーだから構わないんだけど)』

 

『──んっしょっ。ふぅ、私でも重たく感じるなんてなかなかにウェイトのある荷物だったわ』

『なんか飲むか?』

『そうね…じゃあ私のトレーナーと同じやつで♪』

 

『BOSSか』

『そ、私は苦み渋みも楽しめるほうだから』

 

『そうか、分かった』

 

『…褒めてほしかったんだけどね。まあ、それが彼の可愛いところでもあるから難しいんだけど』

 

『ほれ』

『ありがt『キュルルルイィ』…』

 

『///…ミッチー、聞いたわよね?』

『…聞いてねえ』

『いや前と違って避けようがないタイミングなうえに間近で聞き耳まで立ててたじゃない⁉︎』

『聞いてないったら聞いてないんだよ!』

 

「なんで覚えてんだよ…」

 

『ようやくお昼休みね』ピロリン『ん、誰からかしら…ミッチー♪』

 

『飯が余ったからやる。トレーナールームに来い』

 

『! 着飾らないけど優しい文面…ふふ、あの人らしいわね』

『キタサン、ごめんなさい。私トレーナールームでお昼を取らせてもらうわ』

『別にいいけど、吾妻トレーナーに呼び出されたの?』

『そ、なんか私にお昼をお裾分けしてくれるらしいの』

『えっそれって…///』

『ふふ、そういうことなら個人的には嬉しいわね♪』

 

『ミッチー、入るわy『キュルイルルルイィ…』…』

『…間一髪、よね…』

 

『…失礼するわね、ミッチー』

『ん、まあ座れ』

(徹夜したのかしら、目にクマが…今度労ってあげたいな)

 

『はーい♪ ってなるほど、これが残りね。ふふ美味しそう…って、ん?』

『…なんで顔を背けてるの?』

『別に』

 

 

最後にまたまた別のある日の珍事を語って聞かせだす。

 

 

『…顔まで赤らめておいて?』

『…そうだ』

(…これ、確実にさっきのお腹の音を聞かれてるわね。ただ逸らかされそうだし…後日なんとかしちゃうか)

 

「もうやめてください…」

「だーめっ♪」

 

 

ちなみにこれが一番長いのにクラウンは直観像記憶でも持っているのか、まあ一言一句違わず口頭と身振り手振りで再現してみせる。

 

 

『…分かったわ、じゃあ早速ミッチーのお手製お弁当をいただこうかしら♪』

『んむ…この中国風肉じゃが、美味しいのはそうだけど、何よりお出汁が凄く優しくて暖かくてほっとするわね…。香港の実家を思い出すわぁ、妈妈…』

 

『腹を空かせてた透にもよく作ってやったのをお前に合わせてカスタマイズしたからな、当然だろ』

『透さんの…』

(そっか、ミッチーの青春の味なんだ…)

 

『…今でも透さんのことは大切?』

『なんだ急に。…そりゃ当たり前だ、あいつと過ごした時間が俺の過去で1番楽しい時間だった』

 

『…そっか』

『食べ終わったなら早く教室に戻れ、俺は一眠りしたらお前用のトレーニングスケジュールを組み直す』

(これってやっぱり…)

 

「まだ語るのか…」

「うん、まだまだ語るわよ♪」

 

 

道長はすでに黒歴史じみたクラウンの読み聞かせに精神的にやられつつあった。

 

 

『…ミッチー、疲れてる?』

『いや別に』

 

『…そう。じゃあもう一つだけ、透さんってよくお腹の音をミッチーに聞かれてたんじゃないかしら、どう?』

『なんなら安心感さえあったんじゃない?』

(お願い、当たっててちょうだい!)

 

『…そうだがなんだ?』

『あっ…い、いえなんでもないの! あっもう午後の授業まで間もないし戻るわね、それじゃあ!』

 

『あっおい!…行っちまった、何だったんだ…』

 

『…やっぱり、そういうことよね…ヨシ!』

『桜井トレーナー、明日の午後に家庭科室に来てもらえないかしら、実は──』

 

「めちゃくちゃ覚えてんじゃねえか…」

 

 

そうやっていく中で道長のなかなかに厚い鉄面皮を彼女が得意な手品のように、とは行かないが、スムーズに鮮やかに地道にひっぺがしたのだった。

そしてどうやら景和を呼び出しお弁当を教わっていたらしい。思いついてからそう間がないにしては、用意周到というかなんというかである。

 

 

「…全部、バレてたのか、くそぉ…」

「貴方のことなら誰にも負けないくらい詳しい自信あるもの」

「何だそれ」

 

 

初耳その2である。まあ道長は普段自分にさえ意外と無頓着なので、細かい気配りが周囲にできるクラウンからすれば、とりわけ異性として実は好きな彼のことならば詳しくもなろうというものなのやもしれない。

 

 

「というかミッチー、私のお腹の音が好きなのはそうだけど…端的に言って酷く疲れてるでしょ」

 

「あ?何言って「自分に厳しい貴方が過去のことを漏らしたり隙を出すとしたら、もうそんなこと分からないぐらい疲れてるときしかないと思ったの」…そう、なのか…」

「貴方、透さんと私を被らせてるところあるし。何よりそうやって素直になってるのもその証拠ね」

 

 

そもそもが連日連夜労働を積み重ねて酷く疲弊しているからだという道長自身さえ分かっていない原因さえ当ててみせた。

友人をクラウンに重ねて見ているというのも意外だったが。

 

 

「…で、だからどうしろってんだ?」

「…こっちに来て」

 

「///今私、空腹なの。だから…私のお腹の音、日頃のお礼に聞かせてあげるから…ホラ、膝枕」

「…‥……いい、のか?」

 

 

そしてどうやらそれを解消してあげたくて、わざわざ呼び出したらしい。

道長としても恥ずかしいが悪い気はしなかった。

 

 

「…貴方以外にこんなことしたくないぐらいには珍しいわよ。正直恥ずかしいし…///」

 

「でも、そのぐらい貴方が大事なの…」

「…分かって、ほしいな」

 

「……分かった。じゃあ、その、何だ、よろしく、頼む…」

「! こ、こちらこそよろしくお願いします…」

 

 

意外とすぐに受け入れてお願いをする。なんなら言い出しっぺのクラウンも照れてみせる。

こういうところは似たもの同士かもしれない。

 

 

『キュルイルルルイィ…』

「ああ、なんだか眠く…透、ごめんな…』

 

「…うぅ、恥ずかしいけど。…でも、貴方がこれで安らいでくれるなら、一時でも過去の自分の弱さから背を向けて気を休められるなら、悪く、ないものね…」

 

「そう、これも私のトレーナーと私の…延いてはサトノに関係しない私自身の願いのため…!」

「起きたら私お手製の卵粥弁当も一緒に食べたいし…うん。ここが勝負どころよ、クラウン!」

 

 

そうして道長は一時過去から身を投げ出し、クラウンはそんな自分の担当を見て安堵の念を浮かべ、この後の軽いデートじみたプランについて上手く実行すべく気を引き締め?る。

 

21年の宝塚記念も近いある土曜日の出来事だった。




何個かこうしたオリジナル幕間話や過去エピソードも作ってありますので本編投稿の隙を見て投稿していこうと考えてます
まあ本編よりは文字数少ないですが、そこは本編より気軽に見ていただけたら幸いということです

ではまた
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。