妹にやらされていた乙女ゲー世界に転生したら序盤で死亡するクズ貴族だった   作:泡沫幻想黒衣の人

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第25話 件の話が長い

 妖怪件は、不吉な予言または吉な予言をして数日の内(3日以内が多い)に死んでしまう人面牛で、前世での直近での目撃談としては大津波の上を走っていたとかいうのがある…。

 

その話が本当だとして、マッハ…なんぐらい出てるんかな。

 

 それはそれとして、目の前に現れた件の人面部分は少女のような顔をしている。

 

…ので、なんとなくあと長くても3日で死なれてしまうのは目覚め悪そうだなと思ったり。

 

件「何か聞きたいこと、頼みたいことなどはあるか?」

 

 正直いざ目の前にすると、やつの不思議な雰囲気に飲み込まれて、遭遇したときに頼もうとしていたことなんかが飛んでしまった…。

 

件「ないなら勝手に予言などしていくが?」

 

えーと、えーと、ちょっと待って、何頼もうとしてたんだっけ?

 

「ちょっとだけ待っててね、何頼むかド忘れしたから」

 

件「ま………未来を観ればいいか」

 

 ………それ、タイムパラドックス的なこと起きない?大丈夫?

 

「っ、思い…出した。何かこう…今まで装置?か何かで嫌われていた分、今は俺を英雄視するような、そんな揺り戻しか何かが起きてると思うんだけどそれ、失くしてくれる?」

 

件「既に少し過去にて聞き届けた、了解了解、しかしその結果割を食う人物が1人出てしまうがよろしいか?尚言葉を紡がなくとも分かるから、態々喋る必要もないぞ」

 

 そう…じゃあ喋らない、そっちの方が伝わりやすそう。

 

やっぱりあったか、あの装置?で嫌われていた分の揺り戻しが…それをもとに戻すと割を食う人?

 

 俺の知ったことか、何で割を食うかは知らないけど運がなかったとしか言えないね割を食う人。

 

 …察するに俺はまた嫌われる感じになるんだね?元に戻したら。

 

件「まぁ、お前さんの言う装置がなくてもラングは残念なやつなことだし…、それにお前さんの本質もそれ(ラング)に近いからなぁ?」

 

 っ!?!?!?何を言う、この清廉潔白で元超絶イケメンモテ男に向かって〜!

 

俺は原作ラングみたいに、気分屋で見栄張り(格好付け)で我儘放題、けちで傲慢という残念な貴族の代表みたいな男の子とは違うよ。

 

件「そうか、奴より日本育ち故、幾らかマイルドか?………話は変わるが奴隷達を綺麗にしたのは………」

 

 唐突………だけど答えるなら貴族やめてスローライフするにしても、元手が必要になってくるだろうから、その時のために態々借金までして、いつでも色付けて売れるようにしておいたってとこかな。

 

みんな元は滅茶苦茶に良いからね〜。

 

………もしあいつら今奴隷商とかに初物として売りだしたらどんくらい儲かる?

 

 初物……………だよね?

 

件「うん、そうだな、純潔を失っている者はおらん。それにそれぞれの魅力を際立たせるコーディネートを重ねて売り出せば………ざっと金貨12〜5枚だな」

 

 円で考えると最高15億!?!?!?うそやろ!?!?!?

 

件「アルニマ国の狼王女に、その側近になる為の教育を受けるはずだった希少な血(Rh -)を持つ猫少女、希少な闇魔法を操る犬少年、これまた希少なアルビノ元聖女に…人と魔物の間の子のため潜在能力がかなり高いハーピィ」

 

件「それに色んな意味で将来有望な生娘…それだけ揃えていればそりゃあ高く売れるだろう」

 

 だけど既に彼女らは奴隷という身を脱してしまった………さっさと売ってれば良かったかな………まぁ、そんなことしなくても、もっと簡単に、比較的楽してじゃんじゃん稼げる方法思いついたから別にいいんだけどね。

 

件「しかし、奴隷という立場から脱したのは彼、彼女ら…ひいては皇国にとって、はたして幸せだろうか…?」

 

 …うん?奴隷解放宣言は今後皇国や元奴隷達にとって確実に良い方向に向かうきっかけだったと思うけど?

 

件「…そろそろあらくれどもとして皇国内、元王国内で強盗やらなんやらやって暴れだすんじゃないか?解放された元奴隷達が…」

 

 ………なんでや!?せっかく解放されたっちゅうに!

 

件「奴隷達は奴隷としての役目を失ったあと、働き口を探そうにも元々多く居た元奴隷達の数に対して、仕事がちゃんとあるわけがなく…そういう行為に走るしかないと思い込んだ輩が出るのは時間の問題」

 

 なる程、働きたいのに働けない状況になったら、そういう事になるんだね…考えてみれば分かる事だ、そこは皇帝とかがなんとかするだろう。

 

件「それのことでお主が動くことはないんか?」

 

 なんで態々?…専門外だし、それを背追い込むつもりは…。

 

件「…仕事する場所も何もないから行き場を求めて彼女らがアウラウネの元にやってきた事に思い至らんのか?」

 

 …婚約が決まっているステラ(王女)以外はそうかもね………彼女らの就職に関して俺らがやれることはない、彼女らが頑張るしかないね。

 

ところでそんなことが分かるなんて、凄いね。

 

件「世の理まで見える慧眼を会得しとるからな」

 

 慧眼………鑑定スキルの超上位互換みたいなもん?

 

件「………まぁ、その認識でいいだろう。………ステラ王女の婚約者は把握していないようだな?」

 

 してないけど、それは皇国と併合される元王国出身の奴なんかが濃厚じゃあないか?

 

件「さよう」

 

 え、当たった。

 

 しかしそうなると政略結婚かな?とすると結婚は不可避、王族としての使命を彼女は背負わされるのか…、俺は王族に転生してなくてよかった。

 

ラングはラングで大変だったけど。

 

 結婚…といえば…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜この半年の間の何処かであった出来事を回想〜

 

 

 

アパート「グレーテル」

 

 

フェリル「えへへっ///」

 

…俺とフェリルの結婚が今秋にも執り行われることがついさっき決まった。

 

あのハレルヤきゅんも、この期間までに受けたラミィの猛アタックによって落ち、そっちは今冬結婚の予定。

 

 ちなみにラミィ曰く、寝とりではないと言っているので、それを疑うことはしないでおく。

 

 あとは、これまでに、スローライフに必要なものは、家、家具、畑、金…と一通り集めた…つもり。

 

金は畑でできた野菜を売ったり、そこらの魔物やダンジョンをドラゴン娘達に倒して貰って、その倒した魔物たちから得られる素材を売って得た。

 

 勿論、魔物たちの素材から得た金の方が多い。

 

…いずれドラゴン娘達に何かしらの形でお礼しないと、ね。

 

ここで暮らしていく地盤もしっかりしてきたし、これからは順風満帆なスローライフを皆で送っていくことになるだろう。

 

 未だ距離感が変わらないラビラビはおいといて…、アウラウネは今の暮らしを割と楽しそうに過ごしている。

 

フェリルとは結婚するまでイチャつきは抑えて、結婚後からは思う存分…。

 

 あぁ、あとアウラウネは…今冬になったら時々ラミィとハレルヤのに混ぜてもらおうかなぁ…とか思ってる。

 

 

 〜回想終わり〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんて事があって、それで、式場なんかはヒノモトがいいと思ってるから、そのためにもそろそろ出発しないと。

 

件「ステラの婚約者は、第二王子だ」

 

とと、勝手に思考の海に沈みそうになったところ、件の言に引き戻される。

 

 ああ、あのフェニックス姉妹のために両腕失ってる………推測するに元王国の王子と皇国のシャッテ王女の婚約は国民感情が追いつかなかったから、属国の王女と?

 

それで属国の大公的な立ち位置に元王族達を置くんだろうか…俺個人としてはリオン王女だけでも皇国側の人間達に受け入れられればいいな。

 

 そしてシャッテ王女と百合百合してて欲しい…。

 

件「そうは言うが、近づかんのか?」

 

 別に…彼女ら含めて原作勢に近づいて良いことがあるとも思わないし、これからはひっそり生きていくさ。

 

件「それが出来るかどうか…もし出来なかったら?」 

 

 俺を慕うフェリルを切り捨てる覚悟で俺の背後に居た悪役に仕立て上げ、此方の平穏を得ようとするかもねー。

 

件「…やめておいた方がいい(断言」

 

 …なんで?好きな人の望みのためにそれくらいはやってくれるでしょ、彼女。

 

件「人の心は無いのか?」

 

 …ちょっとよくわからない言葉だ。

 

件「………お前に金言を授けよう」

 

 あ、結構です〜。

 

件「人生は一切皆苦、異世界でもそれは同じこと」

 

 人生には苦しみしか無いって?…絶望した!今から死にます!

 

件「だからこそ、些細な事に幸せを見いだせるように…生きろ!!そして周りにその幸せを分け与え続けるような人生を…」

 

 俺にそんな高尚な生き方が出来るとはとても思えないけど、転生…というか前世の記憶持ちで異世界に呼ばれたんだ、やれるだけやってみてもいいかも?

 

…それをして、こっちに返ってくるようなものがちゃんとあったらだけど。

 

件「何か…〝見えるもの〟が返ってくることを期待して人に何かを与えることを良しとしない奴じゃなかったか?お前は…」

 

 あー、なんかそれっぽいこと言った覚えもあるなぁ、でも…誰かに何かをしてやって、返ってくる〝物〟がないとやっぱり苦しいよぅ…あぁ、人生はそもそも一切皆苦、だったね…。

 

お礼なんかが返ってくる事も無い事を前提にすると…うーん、やっぱり滅入っちゃうよな〜…。

 

件「…君の知る勇者は誰のお礼も期待せずに善行を積むだろう?それと同じで、君も誰のお礼も期待せずに生きればいい」

 

 だからそれがきついんだって…、でも、そうだね、お礼や褒められることが目的で人助けなんてしてたら、そのうち自作自演とかやりかねないかな…分かったよ。

 

そういうお礼とかのお返し度外視で生きていくよ…それがいいんでしょ…。

 

件「自作自演か、それもあるがまぁ………無理はせんように、だがまずは自分大事にだぞ、自分を大事にできない者が他を大事になど出来るか」

 

 その、他を大事にしてもお返し(見返り)は来ない…前提で動く…うん…これからはそう思って行動しよう、きっついけど。

 

それでこの前世の記憶持ち人生がちょっとでもより良いものになるのなら…。

 

件「うーん、やる気が全然感じられないが、よいよい、お前なりにやってみろ」

 

 ゆっくりゆっくり、エンジンかけていくさ…。

 

件「あと、お前、妹がいなければきっとDVに走るような奴だ」

 

 え、それはいくらなんでも心外。

 

件「男女関係で思い通りにいかないと、すぐ異性の相手に手を出すだろう…思い当たる節は全く無いか?無いなら問題だ」

 

 あー、それでいうと異性に一回盛大に裏切られて手を上げた事が…アウラウネのことじゃないよ?…いや、それも含もうかな。

 

前世では1人思いっきり蹴飛ばしてやった…蹴飛ばしてしまった女性が1人…5股してたからね彼女。

 

 こっちはなし崩し的にとはいえ18股してたのに、それを棚にあげて5股してた事を知った瞬間、彼女呼び出して蹴飛ばしちゃった。

 

それで…すぐ別れて、んで、DV彼氏だのなんだの学校で噂が一瞬広まったっけ。

 

その直後に、俺自身は非公認の俺のファンクラブが噂の火元を消しに行ったっぽくて、すぐに噂は収まったんだ。

 

 どう消したのかは大体想像つく、例のその彼女、その噂が消えてから学校に来てないからね、何かしらで脅して追い詰めて、不登校にしたんだろう。

 

件「不登校どころか彼女は自s…(いや、彼女の魂はここに来ておらなんだし、伝えなくともいいか、伝えて余計な精神的負荷を今掛ければ急に暴れ出すかもしれんし)」

 

 自?

 

件「自分で自分の道を選んださ、学校なんぞに行かなくともいい時代だろう?そっちの世界は」

 

 まぁね、つくづくいい時代に生まれたよねぼくら。

 

てか、いつまで喋ってればいいんだろう。

 

件「ん、お前ん家の方、火が上がったぞ、死際の焔かな?」

 

 死際の焔…発火の個性で死際に出るやつか…。




 まさか、ラビラビちゃん…?
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