妹にやらされていた乙女ゲー世界に転生したら序盤で死亡するクズ貴族だった   作:泡沫幻想黒衣の人

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 かなしがなしのあめがふる


第27話 悲悲の雨が降る

 早速フェリルにアパート周辺に召喚門を開いてもらって…。

 

っわ!裏の林が焼失してるし、雨っ!

 

 でも、傘より何よりとにかく、ラビラビと敵対者の確認を。

 

 

 ・・・、

 

 

 林の焼失跡には首から大量に出血しているラビラビと、2つの炭の塊と、全身に火傷を負った獣人娘があった。

 

ラビラビの息を一応確認…していない。

 

 けれど、なんとか、なんとか、…なんとかしよう。

 

彼女の血液型なんだっけ、それすら知らないから、輸血は危険が、ならばさっさと傷を塞…ごうにもこれほど傷が深いと難しいか?

 

 考えてる暇はないな、取り敢えず動かなきゃ。

 

ランプは持っている、中に入れよう。

 

 ランプの中は願いのエネルギーが詰まった空間…故か俺の望むままの現代的病院といった様相になっているけど、設備などは殆どなんにもない。

 

要するにがわだけ現代的病院の、なんちゃって感が強い[病院(笑)]みたいなもんだ。

 

 設備としては今のところ顔はめパネルを参考に色んな種族に対応した診察ベッド、手術台(無影灯付き)がある。

 

そのうちのひとつに急いでラビラビを寝かし、ピペットを持ち出してランプの外に出て流れ出た血の回収を試みる。

 

 けれど…激しい雨ですべからく流されていた。

 

それと、この雨はおかしい。

 

 当たれば当たるほどにつらく、悲しい気分になっていくようだ…。

 

これ以上雨の影響を受ける前に、桃色の毛をすっかり失くし、うすだいだいいろの肌に所々黒ずんだところがある肉塊もランプに。

 

 一気に全身に火傷を負ったからか、恐らくはそれが原因でのショック死か何かしたのだろう、こいつは死後1〜2分ってところかな。

 

ラビラビを乗せた手術台の隣に回収した遺体を2つ並べる。

 

 一方はほっといたら人間だけで暮らしている街や村々を次々と滅しにかかる元桃色もふもふ狼獣人、ナミナミの遺体。

 

 もう一方は村娘のもので、結核菌拡散防止のための処置(気管に詰め物)を施した遺体だ。

 

このどちらかでもいい、血液型が一致していれば輸血できるんだけど。

 

 輸血用の管は用意してあったっけ?

 

ところで、先程の手術台などの設備はどこから持ってきたものなのか、気になるところだろう。

 

 …誰が?とも思うけど、今一度思い出すと、ドラゴン娘たちが倒した魔物の素材を卸しに行ってるオラクル製鉄所製作のもので、素材をあげる代わりに製作を依頼したものだ。

 

俺がちょっと指示しただけで、ちょちょいと作ってくれた。

 

 そこには何故かあのドワーフ姉弟もいたけど、お互いに特に反応を示すことは無かった。

 

…それよりも大変だ、輸血用の管が無い。

 

 先にカテーテル手術用の管をお願いしたんだっけか。

 

それよりも太い輸血用の管からなんでお願いしなかったかな自分…。

 

まぁ無いものは無い!故に次のプランを実行に移す。

 

 それでもダメなら次、次と、間に合わなかったらそれはそれで受け入れよう。

 

そもそも人生はいっさいかいく、ダメで元々精神で行こう。

 

 ラビラビを助ける理由…なんてものはない、強いていうなら自身の手術スキルのスキルアップ目的かな。

 

さて…次のプランを実行に移すとは言ったもののどうするか、実は次のプランなど何にもない。

 

 畑とかにいるであろう南瓜を連れてきても、頸動脈だなんて再現できるのか、出来たとしてかかる時間は?

 

考えるより前に連れて来いって話か。

 

 

〜それから数分後〜

 

 

猫南瓜:(=^ェ^=)?

 

 気の抜ける顔しやがって、今は一大事だ。

 

「頸動脈ぅ…彼女の首の欠けてるところ再現して生成できる?」

 

猫南瓜:o(=`ω´ )o

 

 難しいらしいけど、やってくれるみたい。

 

「なるはやで頼む」

 

猫南瓜:(= ̄^ ̄)ゞ

 

 その間俺は…ある方法で輸血を試みる。

 

俺が死なない程度に俺の血を…彼女に付与し続ける!

 

 そう頭の中で思った瞬間体がだるくなっていく。

 

血が、失われていくのを感じた。

 

 そうだ、村娘やナミナミの血なんて必要ない、俺のを付与して与えればいい。

 

今もまだラビラビの首からの出血は止まらない、いつまで持つか…。

 

フェリル「連れてきた!」

 

ラミィ「あーーーーー!!!!!ラビラビちゃーーーーーんっ!!!???」

 

「煩いわ」

 

ラミィ「これでも抑えたつもり、けどラビラビちゃん、どうしたの?うぅ…」

 

「泣くな」

 

ラミィ「えっえ?あ、兄貴こそ…」

 

「はぁ?」

 

 妹に指摘され頬を触ると、結構な量の涙が…自覚すると途端にどんどん悲しくなって…って、あの雨のせいか?!?!?!

 

どんどん悲しくなる雨をふらす妖怪に心当たりはある…何処の資料にも乗ってなさそうなどマイナー妖怪、或いはゲームオリジナルとしての妖怪のアメフラシ。

 

 その正体は10mを超える巨大なカタツムリorナメクジとされていて、現実(前世)に伝わるところではその姿を見た人はいないため想像図だけ何処かに残っているという…うん、どマイナー妖怪だね。

 

みんなもやつの降らす雨には要注意だぞ!なんて、俺は誰に言っとんねん。

 

 まぁ、涙を流すことは別に悪いことじゃあない、ストレスも洗い流してくれるからね。

 

猫南瓜:(=^ェ^=)

 

 と、頸動脈の部分が出来たらしい、お前は野生のiPS細胞生成機的なやつなん?

 

「よし、なら出来たやつを………くっついた!あとは必要なら他に負っている傷を縫うか?」

 

ラミィ「足先に集中して深そうな傷があるよ」

 

「じゃあそこ、縫おう」

 

体の線、細胞の並びにそって、処置後に出来るだけ目立たないように縫合していく。

 

 しっかし………大量の涙で手元が見え辛すぎ。

 

 

〜数十分後〜

 

 

 慎重に最後の縫合を終え、ふと横を見遣ると、猫南瓜が焼けた肉塊となったものに覆いかぶさって、何やらその表面に膜を広げているところだった。

 

そして、それを放っていたらうすだいだいいろのゴムを纏ったような、言うなれば肉の繭みたいなものが出来上がった。

 

 それに触れてみると微かに心臓の鼓動も再開されてきている様子。

 

蘇生されたのかな?だとしたら、このまま安置後奴隷にでも落として再生した肉でも剥いでやったりしようかな、そんでもって生かさず殺さず〝やき〟いれてやるわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・、

 

 数日後。(それまでの期間にリィンは墓に入った)

 

そんなことを思っていたこともあったなぁと思いながら、まだ動くには時間が必要そうな、産毛程度にか毛が再生したナミナミを、甲斐甲斐しく世話する俺。

 

ナミナミ「テメェッ!!風呂くらい1人でいれさせろォ!!」

 

「駄目だね、てめぇは 徹 底 的 に 虐めぬいてやる」

 

ナミナミ「ッ………!!!!!これだから、ニンゲンはっ」

 

 アサリとかが私がやりますと言う中で、俺がやつの世話を焼く行為に至った訳は、ヤツの思い通りにしたくなかったから、かな。

 

ヤツなら、人間に捕まった!きっとこの後酷い拷問やら何やらが待っている!…と思うだろうから、その逆をやることで、人生は思う通りに行かないぞってところを教えてやるんだ。

 

 隷紋を既に刻んであるから今までのような事(人間排斥運動)はできないし、よ〜し、コイツはこのまま飼い殺しコースで行くか。

 

つまりは俺の〝ペット〟(性的な意味は無し)を頑張れってこっちゃ。

 

 

 ・・・、

 

 

 夜

 

 ラングの部屋(急遽用意)

 

 助けてやったラビラビはあの日から、俺から今までより距離を置くようになった(今までを1mとしたとき3mくらい)。

 

でも、そんなことはどうだっていいんだ。

 

 …人生は一切皆苦。なら(俺が想像するに)正義は敗れ、願いや夢は叶わぬまま、思い通りに行くことは稀も稀で…殆ど無いものと思い、努力も報われず、善意で何をしても感謝されることはない…。

 

それが当然だ!…と、いうことを前提に生きていけば…うん、すっごく楽かもしれないぞこれ!

 

 期待なんてするだけ無駄なんだって思ったら…逆にスッとするな。

 

肩の荷が降りるというか…件との邂逅は俺にとって〝救い〟だったかも。

 

 あの邂逅は、一切皆苦の人生の中で差したちょっとした光…かもね、なんて。

 

ところで………件の最期の言葉、あれ、どういう意味だったんだ???

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・、

 

 ラビラビの部屋

 

 Side ラビラビ

 

 

 彼、わ、私のためにあんなに、泣いて…っ?///あ、あれっ




 ラ、ラビラビちゃん?
 
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