妹にやらされていた乙女ゲー世界に転生したら序盤で死亡するクズ貴族だった   作:泡沫幻想黒衣の人

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 只今ラングは妹が話したエピソード内容をインプット中…。

その内容だけをここでは書き出しています。





ラミィ「覚えてねぇのかよ!」

現ラング「百合百合しぃシーン以外はほとんどな、見てはいるはずなんだけど」

ラミィ「…駄目だこりゃ」


第28話 ナミナミの事をよく理解する為にはまずカナリのことから教えてくれ妹

 アルニマ国西端 トンデモ町

 

 スゴイ家

 

 

カナリ「父さん、いってくる」

 

スゴイ「あぁ、行ってこい、お国のために頑張るんだぞ」

 

カナリ「獣人に対して何の差別もしない皇国の次の皇帝と目される方に声をかけられたんだ、いやでも頑張るさ」

 

ケッコウ「待って、まだ周りが起きてこないのにもう行っちゃうの?」

 

カナリ「友達とかとは…もう昨日のうちに十分話したさ、今度こそいってくる」

 

ケッコウ「気をつけるのよ」

 

カナリ「わかってるって、母さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・、

 

 それから間もなく。

 

 そうして向かった皇国で、不覚にも王国のスパイの奴隷商に捕まって、逃げおおせるためには王国のスパイになるしか道はなかった、死にたくなければ〜と、それをすることを強要されたから。

 

そんなスパイ活動中に知った王国による皇国内での奴隷貿易の実情…しかし、皇国内の奴隷商人はみんな王国のスパイなのか?

 

 そうだとしたら、皇国は獣人を次々に奴隷に落として使い潰す国だという悪評は王国側の印象操作によるものと考えていいのかな?

 

だとすると次の皇帝になる者が獣人側に歩み寄りを見せる人物だと困るはず、何故動きを見せない?或いは…もう見せている?

 

 ・・・、

 

 スパイになってから僅か半年。

 

 動き…といっていいのかどうかわからないが、第二夫人殿は獣人に対して差別的な方らしい。

 

態々あの方を王国側で用意したとは思い難いが、あの方につられて獣人に対して酷い扱いをする輩が増えたなぁ。

 

 それでも奴隷となった獣人が死なないように気を配る様子があるのは、無事現皇帝となった彼が通した法(努力義務だが)によって獣人にも生存権を与えた故だろう。

 

しかしそれ以外に獣人達に対して有益になりそうな法は第二夫人と、第二夫人と蜜月関係の婦人会(という名の皇国貴族夫人らによる烏合の衆)の連中によって通されないようにされているか出来なかった。

 

 奴ら婦人会は、何かあれば第二夫人だけ裁かれるように動くだろうな、其々実のところ自分のことしか考えていない女の集まりだからな。

 

 …やつらのお陰でか現状、焼き払われる獣人の家々や町があっても、皇国の兵や憲兵は動けない。

 

何故なら野蛮な獣人から自らを守るために排斥する行為それ自体は犯罪じゃないと、この国では昔からされているから。

 

 ………となると、案外奴隷に落ちて皇国の一部となり生存権を得た方が、獣人達の生存率は高まるかもしれない。

 

折を見て、彼ら奴隷商人の息のかかった輩たちとともに獣人の住処の破壊活動の手先ともなり、その活動の中で同族を奴隷に落とす算段を立てた方がいいか。

 

 殺すよりも奴隷として商人に渡した方が、彼ら盗賊にとっても有益に働くだろうことを懇切丁寧に言って聞かせるか。

 

俺が上手くやれば、破壊活動に乗ぜずとも同族を次々に奴隷に落とせるかもしれん。

 

風の噂で妹が産まれたとも聞いたしな、顔だけでも見たい。

 

 …多分、俺はここいらで終わるからな、その前にってやつだ。

 

振り切ったとはいえ、あいつは執念深い、他の人を使って俺を殺しにくるかもしれん。

 

 だとして、あいつは接触する人物を選ぶ為に時間をかけるだろうと見て、この実家に帰る判断でもある。

 

頼むから実家に追手を差し向けるんじゃないぞ?

 

 それが心配なら最初から行くなって話だけど、死ぬ前に家族の顔くらいみたいのが人情ってもんだろ。

 

帰ってみると…。

 

 爺さんの爺さんの、そのまた爺さんのトンデモ様が興した町、トンデモ町の周りにあった集落は軒並み焼かれていた。

 

なんでも名の通った盗賊団が獣人の人身売買を目的に襲撃したらしい。

 

 それだけではなく、最近魔王復活が噂されるようになってから魔物も増えたという…。

 

スゴイ「それで…父さんたち、3ヶ月後に来る今度の海上船で隣の大陸に行くことにしたよ」

 

ケッコウ「貴方も一緒に行きましょう?皇国での官僚としての仕事が忙しくて無理とか言わないでね?これからこの大陸で起きる事はそれどころじゃなくなりそうだから」

 

…そう、俺は両親に嘘をついていたんだった、皇国の官僚になったとかなんとか言って。

 

 本当は先の通り、皇国に入り込んだ奴隷商人兼王国のスパイ達の使いばしりだっていうのに。

 

それはそれとして、妹はナミナミというらしい。

 

 驚く事に、毛が桃色だ、しかも家族の誰とも似ていない。

 

故に拾い子を疑ったが…。

 

ナミナミ「だーれ?」

 

ケッコウ「貴女のお兄ちゃんよ」

 

「カナリだ、始めましてだ、ナミナミちゃん、俺がお兄ちゃんだぞ」

 

ナミナミ「お、お兄ちゃん!?お兄ちゃん♡」

 

スゴイ「ほう、すーぐ懐いたな」

 

「…俺たちの誰とも全然似ていない、拾い子か?」

 

ケッコウ「コレ!!カナリ!!…幼い頃に大きな病気(原因不明の高熱)してね、医者に見せても治せないというから聖教にも行ったんだが、獣人は相手にされなくてねぇ…」

 

スゴイ「それが原因か、色素異常が起きてな、結果この通りだ、顔は………こう言ってはなんだが、病を乗り切ったご褒美か何かなのか一族生まれて以来の美形になった」

 

「あ、そう…そうだ、今度の休暇は出来るだけ延ばして貰ったから1ヶ月、2ヶ月はいれそうだよ」

 

 ここは皇国や王国からは離れた場所だし、実家のことは誰にも話してないし、見つかるとしても、そのくらいの期間は開くだろう。

 

…俺の希望的推測だけど。

 

「その間この新しい家族との絆を深めようかな、お風呂なんかも俺がいれてやろう」

 

ケッコウ「いいのかい?すまないねぇ…」

 

ナミナミ「やったー!お兄ちゃんとお風呂♪」

 

 ・・・、

 

 3ヶ月後、結局俺はスパイという職務を放棄して家に入り浸り、その間で妹の俺への好感度は上がりまくったみたいだ。

 

ナミナミ「将来はお兄ちゃんと結婚しゅる〜♡」

 

「そ、それは嬉しいな」

 

 この通り…。

 

スゴイ「はっはっは、よかったな将来の嫁さんが決まって」

 

ケッコウ「馬鹿言うんじゃありませんよ、近親での結婚は余程じゃない限り許しませんし、子供の言うことですからまにうけちゃ…」

 

「分かってるよ、母さん。ナミナミ?将来は兄ちゃんみたいな人と結婚するんだぞー」

 

ナミナミ「それって…たとえばどんなひとー?」

 

「…妹を大事にするような人だ」

 

ナミナミ「んー…かんがえとく」

 

「そっか」

 

スゴイ「さて、そろそろ行くぞ」

 

「もうそんな時間か」

 

ケッコウ「急がないと乗る予約をしていた船が来てしまいます」

 

「それじゃあ、父さん、母さん、ナミナミ」

 

ナミナミ「えっ!?やーだ!お兄ちゃんもいくの!」

 

スゴイ「こらこら、お前の為に職場に無理言って休みを更に1ヶ月延ばしてもらってるんだろ?流石にもうお兄ちゃんは仕事に戻らないといかんから、また後でだ」

 

ナミナミ「む〜、じゃ、そのうちでいいから隣の大陸まできてね!こなかったらこっちからいくから!」

 

「きっとその頃にはこの大陸は魔物でいっぱいだぞ?」

 

ナミナミ「私、つよくなる!つよくなってお兄ちゃんむかえにいくもん!」

 

「そっか…じゃあ楽しみにしとくよ、今度こそじゃあな」

 

 ・・・、

 

 気づけば14年くらいスパイ活動(という名の奴隷商人達の使いばしり)に精を出している。

 

 そんな中つい、ぽろっと同じスパイ活動をしている貴族の娘に今までのスパイ活動中に見てきた光景や王国による皇国の印象操作、聖教の怪しい動きを喋ってしまった。

 

俺に対してなんでもかんでも聞きたがり、うんうん頷く仕草が、顔を含めた容姿が可愛すぎたのがいけない。

 

 その中で印象操作のことは最大の機密事項だったようで、追手がついてしまった…。

 

追手はあのギラン・ズールとかいう病魔に犯されているとは思えない暗殺のプロだ。

 

 色々と足りん全部隊の長を演じつつ真の暗殺隊長でもあるあいつは隠すことに関しては世界一とも自負していた。

 

何せ罹った病からも自身を隠せるほどだと言うから…まぁ、何処かで無理が出るかもしれんが。

 

 あいつと仲良くなんかするんじゃなかったな、あいつとお喋りするときは必ず俺の隠れ場所だったから…俺の隠れ場所ほぼ全て把握されているだろう。

 

あいつと仲良くなったきっかけはなんだったろうか?

 

 そしていつ、どちらから近付いたのか?…思い出せない、やつの固有スキル隠匿で隠されてしまったか?

 

固有スキル隠匿…本当厄介だよ、隠された事実さえ隠してしまえるんだから。

 

だが病があいつを蝕んでいるのは本当のようだ、幾らでも隠し通せるものではなかったようで、姿は見えども決して俺に追いつくことはない…。

 

 これならば振り切れるだろう、振り切った後は久しぶりに休暇を取るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「行ったか…」

 

「あー、うん…しっかし、お前が追手でよかったよ、お前は俺を殺さないだろ?ラング」

 

ラング「さぁどうだかな、こちらに不都合があれば…」

 

「そのときは遠慮なく殺ってくれ」

 

ラング「おいおい、友人に対して自らを殺すのを頼むかなぁ」

 

「話した相手が相手だから迷惑かけそうだからな、そっちにも…来てるんだろ?」

 

ラング「あー、きた、きたよズールが、んでもって秘密を厳守するなら殺さずに親子共々重用してやってもいいって」

 

「…そこで俺の抹殺をいいつけられたんだろ」

 

ラング「まぁな、俺か妹か俺の親がお前を殺せばいいんだとさ、…俺は殺せねぇ」

 

「そのくらいの覚悟はしておけ、お前の妹や親を守りたいのならばな」

 

ラング「………分かってる、必要に迫られたらそうするさ、最低でも妹だけは守る」

 

「お前が、お前がなってくれればなぁ…」

 

ラング「ん?何か言ったか?」

 

「あーいや、なんでもない」

 

 …しかしそれには彼の醜聞が障害となるか、それらの元となった行動のすべてはただの悪ガキと世間に印象付けるためだけに起こしたものなのだが…元々性根が腐ってる方だからどの道妹を任せられんか。

 

印象付けのための行動にも遠慮や躊躇が無くなって来ている辺りコイツはいずれいくとこまでいくんじゃないか?それこそこの大陸に名が轟くほどの大悪党になってもおかしくないな、うん…。

 

 それと仲良くしてる俺はおかしなやつだ。

 

ラング「さて、この後はそうだなぁ…暇潰しに盗賊団にでも入ってみようかな?」

 

 おいおい、暇潰しで入る所じゃないだろうそこは…。

 

後々彼のこの行動のお陰で助かることになるとは、このときはまだ思いもしなかった。




 二話に分けるつもりだったものを一話に纏めたのでまた書き溜めさせてください。
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