妹にやらされていた乙女ゲー世界に転生したら序盤で死亡するクズ貴族だった   作:泡沫幻想黒衣の人

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第31話 砂漠のオアシスと怪盗

 たぬ坊住居

 

 

 Side アウラウネ

 

 と、いうわけで、まだお昼前に早速メンバーを集めてみたんだけど、たぬ坊には私から会いに行くことにした。

 

到着………どうしてこうなっている?

 

たぬ坊「」

 

 今度はドアから両腕だけが突き出ているホラースタイル、こわっ。

 

取り敢えず…

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

たぬ坊「え!?えぇ、なんとか…でも民達は怖がって離れて行きました…」

 

(多分民達もこんな姿を見てみぬふりして気をつかったんだと思うよ、それより助けろって話だけども)

 

「それより、この地域の人達が使う数日分の水のありかと持ち運ぶ方法について話したいんですが…」

 

たぬ坊「ええっ!?丁度そのことを民達に頼まれていて、困っていたところなんです、水のありかについては私にも心当たりがあるんですが…そちらは?」

 

「多分おんなじ、北の砂漠のオアシスの水を…と」

 

たぬ坊「同じです!しかし、どうやって運んだらいいか…グレードの高い魔法の鞄でもあれば話はべつなんですけどねぇ」

 

「それなら此方、とあるお得意様のところから200tは物質が入る魔法の鞄借りられるから、それを持ってオアシスに行こうと思ってるラングたちと一緒に北の砂漠まで行ってくれます?」

 

たぬ坊「寧ろこちらから頼みたいです!」

 

「なら決まりですね、馬車なんかの手配も此方のお得意様がやってくれるので、足のご心配も無用ですよ」

 

たぬ坊「準備のいいことですね、本当に…助かります」

 

「いえー(さてと、これで事が済んだら功績とかはラングではなくて、たぬ坊に被って貰おう)」

 

 あと帰りはレオナルドに迎えに行かせようかな、すぐそこだもんね、彼1人で大丈夫でしょ。

 

 

 ・・・、

 

 港

 

 さて、用事は終わらせたので、買い物買い物♪

 

「ペット(スライム)の服とかも作ってみよう、良さそうな布ないかなー」

 

 ・・・、

 

 半日後

 

 Side ラング

 

 北のロースト砂漠

 

 

 見える範囲で遠くに召喚門開けばショートカットは容易。

 

現在率いている小隊メンバーは…たぬ坊にナミナミ、ユーリンだ。

 

ユーリン「日にあたることは健康にとって大切だ〜って言ったって、いきなり日差しの強いところに出されても困る」

 

「ごめんだけど、何か用事でもないと出不精になっちゃうでしょ君」

 

ナミナミ「私は強制?」

 

「アウラウネがいるとはいえ、部屋で1人にするのは不安だったからね」

 

ナミナミ「隷下の私が何かするとでも?」

 

「いやー、逆かなー」

 

ナミナミ「逆?」

 

 ある人物の動向が予測できないから、最悪のことも考えてね…成り代わる時にナミナミが邪魔だと真のズールが感じたら何処かで消されかねない。

 

たぬ坊「あー、オアシスです〜」

 

 すぐに見えてきたオアシス…ハジマリー村とも近い。

 

気をつけなければいけないのは強力な魔物のデスワームくらいだけど、あいつはアプリを立ち上げたてのチュートリアルも前に出てきて、普通のプレイしてたら倒せるようなやつじゃないからチーターチェッカーのような存在だったんだよな。

 

 実際こいつをどうにかして倒したら即座に垢BAN対応されたし。

 

そいつに遭遇せずにオアシスまで半日くらいで辿り着けたのは幸運かな?

 

 今のところ順調だね?ただ…オアシスにアプリ版主人公アイリがいないのが気になるところ。

 

やっぱりうちらが彼女のお株奪ってるからかな?…知らんけど。

 

「じゃあ早速水をいーっぱい魔法の鞄に入れるよー」

 

たぬ坊「はいー」

 

 ゴォッ!!と、鞄をオアシスに向けて傾けると一気に水が吸い込まれる。

 

そして数分という短時間でとんでもない量の水が入ったような気がするけど、オアシスの様子は微塵も変わった気配がない。

 

 相当な水をたたえたオアシスなんだなぁ。

 

ちなみにオアシス周辺には聖なる力のようなものがあって、それが結界のようにオアシスを覆っているので、デスワームなどの邪な存在には荒らされないようになっている。

 

 もし無理やり邪なものがオアシスに入ろうものなら、その邪な存在は誕生時の姿にまでその姿を遡らされることになるだろう。

 

それがこのオアシス周辺に漲る聖なる力の効能だ。

 

 …ん?なーんか引っかかったような気がするが、それが何かわからない、後で考えよう(そして忘れる)。

 

「さてと、水の回収もできたし、帰るか!」

 

ナミナミ「私の役割とか何か…何もないの?なら来る意味なっ!」

 

「そういうなって、癒し要員としては見た目完璧だったぞ」

 

ナミナミ「癒し要員として見た目完璧…?(どういう意味だ?可愛いって言いたいなら…嬉しくないぞ人間なんかに言われても)」

 

たぬ坊「あ、あのー私は?」

 

「わたくしはオアシスの水回収のための役割を担う要員です」

 

たぬ坊「?それは私ではなく、貴方が…」

 

「いいえ、僕は貴方に言われて護衛としてついてきただけです………そうですね?(有無を言わさない雰囲気)」

 

たぬ坊「あ、ハイ…(ここは、言い返さない方がいいみたい…?)」

 

ユーリン「わ、私は?」

 

「小説のネタとして、リアリティのある体験をするためでしょう」

 

ユーリン「まぁ…確かにそんな感じでいくと有益な体験です」

 

「さて、暑すぎるな、水分補給に入ろう、みんなー、空になった水筒出して、オアシスの水追加するよー」

 

 ここに来るまでに皆水筒空にしちゃったもんね、回収して帰る時の飲み水にしないと。

 

回収後、オアシスには2度と来れないかもしれないことを予感しつつ、オアシスから離れる。

 

 それもそのはず…このオアシス、所謂〝移動するオアシス〟で、伝説にもなっているオアシス、そうそうまた辿り着けるような場所じゃない。

 

アプリだとこの時期ハジマリー村付近に来ることを知っていたから辿り着けた場所だ。

 

 今後の発生場所はランダム、まず辿り着けるものじゃないだろう。

 

 

 夜 帰路の途中

 

メガロニカ(メガラニカ・メガロ)「きゃっほー♪その水特別なものだねい?いただくようっ♪」

 

一同「っ!?」

 

 突然風が吹いたかと思うと、今まで見たどんなピンク色より柔らかい印象のピンク色の髪をしたザ・怪盗といった風貌の少女が俺らの前を駆け抜けた…直後消えた其々の水筒。

 

「あんのアマッ!命綱全部持って行きやがった!…この先皆大丈夫?どっかから水持ってこよっか?」

 

ユーリン「!?」

 

 なんで驚くの、そこで…?

 

ユーリン(今まで気にかけてくれたようなこと、そんなになかったような気がするから吃驚した…)

 

 もう俺にも周りを見る余裕が出来てるんだ、こういうことも俺に任せとけって。

 

前の大陸ではなんだかんだ巻き込まれてたからなぁ…周りを見る余裕なんて殆ど無くて、自分(と生き返った妹)中心だった気がする。

 

 それもこれも、できれば原作キャラに関わらずに傍観者でいたかったのに、最初から原作キャラだったのがなあ…。

 

その時点で〝原作キャラに関わらない〟が無理ゲーだったから色々さっぱり諦めてた向きがある、どうせどっかで死ぬとも思ってた。

 

 それがなんだかんだでまだ生きてるんだけど…こりゃ死ぬかもね。

 

50℃を超える灼熱の世界で命綱とも言える飲み水が快刀乱麻の少女に盗まれてしまった!

 

たぬ坊「水、水が…そうだ!魔法の鞄の中にある水を!」

 

 あいつ、目利きはある方だったよね?これを見逃すとは…しかし…。

 

「駄目だ、これに手をつければ信用問題だぞ」

 

ナミナミ「バレないって!帰り飲もう!」

 

「駄目だって…」

 

ユーリン「じゃあこれからどうするの?日差しから守るためにこんな厚着してるし、失われる水分は半端じゃない、その水を魔法の鞄から補給できないとなると…」

 

「空気中の水分を集めるような器具は今ここでは作れないし…魔法で出す水はそんなに渇きを潤せるものでもないし…どうしようか、あの方法がいいかな?でもなー…」

 

フェリル「んーーーー、早くしろっ小僧っ!今ラクダ代わりに幌付き荷車引っ張ってやってるこのフェリルが1番きついんだぞっ!!!!!」

 

「ラクダも盗まれてた!?…いやー気が効くねぇフェリル、ありがとう」

 

フェリル「礼はいいから、何かあるなら早くっ!!でないと水分補給に小僧を喰うぞっ!!」

 

「はい…(この形態のときあたり強くない?怖いんだけど)」

 

「じゃあこういうときの最終手段を教えとくよ…それはね、体から出る水分をとるんだよ」

 

ナミナミ「な、舐めるのか!?」

 

ユーリン「舐めるって…容れ物用意すれば…あっ、その容れ物も水筒以外特に無かったね」

 

「いや、容れ物に入れたらその中で細菌が繁殖して不味いことになる、直接摂取した方がいい」

 

たぬ坊「それでは、な、舐めるんですか!?汗を…」

 

「それは非効率かもしれないな、舐めてる間に舌から水分が蒸発してしまう」

 

ナミナミ「な、なら何処からどうやって水分を…」

 

「………しょうがない、手本を見せてやろう、と、いってもあんまり見るなよ、ユーリンは目を瞑って「怖いです!!」………じゃあそのままでもいいからじっとして」

 

ユーリン「はいぃ」

 

 まずは水魔法で集めて…と。

 

「それで水魔法で薄まったこれを口に………そして飲んで、いいね?」

 

ユーリン「はい!………え、はいぃ!?!?!?///」

 

ナミナミ「」

 

たぬ坊「!?!?!?///」

 

 …何故か彼女は飲む姿が異常にエロくて、別のものを飲ませたくなってしまった…そして後に、俺はフェリルにも同じことをしてあげて、ユーリンにも飲ませた。

 

 ユーリンとナミナミは…帰る途中に迎えにきたと思われるレオナルドの汗から補給した。

 

たぬ坊「本当にす、すいません…げ、限界で…///」

 

ナミナミ「どうせなら同族のから…」

 

レオナルド「えっ、えっ!?!?!?///」

 

 

 ・・・、

 

 

 帰宅後

 

アウラウネ「おかえり!何か…あったみたいね」

 

ラング「うんまぁ…でもいやー、あいつがいるとは思わなんだ、いるとしたらヘラクレスみたいな大都市でしょうが」

 

アウラウネ「本当にね」




 緊急時は原則自分から出されたのもの(水分)を摂りましょう。
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