妹にやらされていた乙女ゲー世界に転生したら序盤で死亡するクズ貴族だった   作:泡沫幻想黒衣の人

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第35話 冒険者ギルドでの手続きと砂漠の異常な暑さの原因

 ギルドに着くと早速受付嬢を見に行く。

 

…嬢は非番だった、残念。

 

 まぁ…受付嬢は別にいいか、もう美女はお腹いっぱいって感じだし。

 

それでいうとアサリは変に意識しなくて楽。

 

「アサリ」

 

アサリ「なんです?」

 

「俺に敬語は使わないでいいよ(別にお付きのメイドでもないんだ

し、逆にこっちが使うべきかな?)…そういえばアサリの固有スキルって、何か代償とかあるもの?」

 

アサリ「隠し続ける限りは精神や生命エネルギーを使う」

 

「うぇっ、キツそう…」

 

アサリ「実際病気とかもあってどんどんときつくなってきていたところだから、解いて正解、心身ともに軽くなった」

 

「それは良かった」

 

 と、大勢の冒険者の有象無象の中にイケおじはっけ〜ん!

 

ダビドデだ、今日は1人みたい。

 

 おっと、彼に気を取られている場合じゃない、冒険者登録を済ませないと。

 

受付男「こんにちは、今日はどのような用件で来られましたか?」

 

「冒険者登録をしに来ました」

 

受付男「お2人で?」

 

「はい、もう1人はちょっと今日来れないんで、後日改めてになりますが」

 

受付男「はい、では後日見られましたら簡単にこちらで登録しますね」

 

「ありがとうございます」

 

受付男「ではあちらの記載台にて冒険者登録用の書類に必要事項を書いてこちらに持ってきてください」

 

「はい」

 

 必要事項…名前はグレーテル、家系は分かんない、魔法はちょっと使える、採集か討伐かどちらの依頼を主に受けたいかは討伐で、特記事項として妖怪退治得意です!…っと。

 

パーティ名はヘンゼルとグレーテルと。

 

 …いやー、前世で見たヘンゼルとグレーテル(歌劇)はよかったなぁ、姉妹が(キャストの関係で姉妹だった)協力して危機を乗り越えていく姿は涙を誘って、勇気も沸かせてくれるよね。

 

自分的にはさらに百合の波動も感じた。

 

 さてと、書類を提出しに行きますか。

 

「書けました、お願いします」

 

受付男「はい、確かに、では冒険者仮免許カードを配布しますね」

 

「はい」

 

 実は冒険者は免許制で…高ランクの冒険者免許カードがあると、場合にもよるけどある程度自由に、どこぞの勇者様御一行のように他人の家や敷地に特に許可なく入りこむことができる。

 

鍵がかかってたりして入れないなんてこともあるにはあるかもしれないが…基本この世界、平民の家の扉に鍵なんてない、貴族でもないと鍵は付けられない、高すぎて。

 

 鍵1つで金貨数枚とかなり値段がはるのは、金持ち貴族達がみんなこぞって家にそれを付けたいと大量に買い求めたからだ。

 

「よし、炭石級だ!取り敢えず薬草集めのクエストを受けてさっさと次の錫級だ」

 

 ちなみに…ギルドの冒険者に対する評価基準がAランクとかじゃないのは〜ランクに対する逆張り的なもので、個人の冒険者で金級ならその実力は大体Aランクの脅威度の魔物に対応できるレベルだったはず。

 

対応できるだけで勝てるとは限らないんだけどね。

 

アサリ「薬草集め手伝うよ?」

 

「………やっぱり(アサリは)敬語がいいですね(癖出)、では彼方も(こっちも敬語を使おう、多分かなり年上だろうし)」

 

アサリ「そう…ですか(な、何か距離を開けられた…何故そっちも敬語?)」

 

 薬草…この近くには無いな、砂漠だもの。

 

拠点に戻って周辺探せばあるかな?

 

 早速フェンリルを喚び出す。

 

「フェリル、頼んだ」

 

フェリル「フェリル、行きます!」

 

アサリ(…隠れて乗る必要無くなった)

 

フェリル「…って、2人はちょっと重いぞ」

 

アサリ「行きの時は平気でしたよね?」

 

フェリル「行きの時も乗ってたか!?」

 

「さぁ?」

 

アサリ「?………ってことは、かまかけたんですか?!」

 

「えっ………(かまかけとはちょっと違う気がするけど)まぁそんなところです、あとここのところ何故か貴女を見かけないことに言い知れぬ違和感をどこか抱いていたのかもしれません」

 

 その違和感が何処から来たのかは…分からない、けどきっと俺が本来理外の存在だから彼女のことに気付けたとか、そういったところもあるかも。

 

アサリ「そう…ですか…(もしかして、彼、私に淡い想いを抱きかけているんじゃ?…いや、逆かも、だから…だから見つかった、私が無意識下で見つけさせた…?)」

 

 俺の言葉を受けて何やら考えているのか少し顔を俯かせた彼女を特に意図せず覗き込む。

 

アサリ「(或いは両方ともあって、惹かれあいつつあると?)…っ!!な、なんでしょう?」

 

「?…あ、な、なんでもない…です」

 

アサリ(………うーん、おかしい、私はどうしてかいつか乙女だった頃に戻っていっているらしい、彼に病気を治されたからかな………)

 

 ジリジリ………

 

「それにしても暑い、幾ら砂漠とはいえこれは…摂氏60近いんじゃ?」

 

アサリ「(せっし?)気温のことなら…確かに」

 

フェリル「なんか嫌な予感がするぞ」

 

?「奇遇、私もそんな予感がして…」

 

「うん?………(ユウちゃんじゃないか!!?アレェエエエ!!?なんで!!?なんでここにいんの!!?)」

 

魃(ひでり)「……………私は私の存在を父に知らしめるため」

 

「だまらっしゃい!!やっぱり妖怪ひでり、お前か!!こんな暑くしたの!!もう気温70いってるんじゃ!?あっちーわ!!!…というわけで倒させていただきます、覚悟ぉっ!!!」

 

ユウ「ここは私に全部任せて、その後は…お願い、あの山の麓に私と瓜二つの子がいるの、守ってあげてね」

 

「(俺が言うのもなんだけど)その言は…いや生き急ぐなよ…まだ出会って間もないというのに、急になんか託されても頭にはてなしか浮かばないよ?」

 

アサリ「喋ってる暇あります?」

 

フェリル「我の協力は必要か?(暑い…さっさとここを離れたい…)」

 

ユウ「私は既に亡き者、ここにいるのがおかしい、あの時一緒に空へいけていたなら…」

 

 幽霊族が皆妖魔(かつてのこの世界での妖怪の呼び名)として退治された時のことを言っているのかな?

 

考えるにユウはその時なんらかの方法で肉体を捨てて、空へと消えゆく幽霊族と運命を共にしようとした…のかも?

 

 でも出来なかったから死に場所探して(もう死んでるけど)彷徨って、アイリに憑く…と、本来ならそうなっているはずだったんだ。

 

折角生き返ったんだから今の生を精一杯生きればいいのに…と思うのは独善かな…。

 

 ごめんね、自分勝手に生き返らせたこと悪いと思ってる、もう取り返しがつかないけど、どうか強く生きて。

 

 さてと、今俺たちの前に立ちはだかるは妖怪魃(ばつ)またはひでり、中国神話で父である皇帝にいない子扱いされた不憫な子が妖怪になったと家の資料に書いてあったことを記憶している。

 

ゲームがその設定を基にしているかは分からない。

 

 容姿は猿の毛皮を首元に纏わせた紅のチャイナドレス着用黒い長髪の中華美人で、その目には小さな太陽が覗く。

 

ここで妖怪相手にアプリ内でどんな攻撃が通る設定だったか思い出してみよう。

 

 まず斬撃や打撃などの物理攻撃は×、全く効かないし、効いたところで瞬時に再生されてしまう。

 

魔法は△、人や魔物相手の時のように効く訳じゃないけど、一応ダメが通るっちゃあ通る。

 

 妖力は○で、妖力は扱い方さえ覚えればそれなりに一般人でも使える、この世の理から少し外れた場所(死の国とか)にあるエネルギーからなる力。

 

霊力は◎、霊験あらたかな神性を自らの内に感じることができれば使える力で、妖怪に対して効果は抜群だ!

 

 以上をふまえて、さあどう動こうか…。




 そもそも彼女(ユウ)は…
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