妹にやらされていた乙女ゲー世界に転生したら序盤で死亡するクズ貴族だった 作:泡沫幻想黒衣の人
まずはひでり自らが生み出した熱によって発生した気流を上手く使い、空中を自由自在に駆け始めた。そのひでりを殴り飛ばそうと構える。
ユウ「今普通に殴りに行くのは愚策、霊弾撃つまで待って」
霊弾、霊力を超凝縮して撃ち出す弾。
対象に到達後、霊力が対象を包み込み妖力のベールを一時的に剥がす。
その結果、一時的にとはいえ妖にも普通に物理攻撃が通るようになる。
「じゃあそれまでの時間、フェリル頼める?」
フェリル「なに?暑くてきっついわ!まぁ、やるがな」
言うや否や雷を纏いひでりの狙いを撹乱しにいくフェリル。
そこにひでりの放った炎の襟のようなものが幾つも飛んできて、フェリルを捕らえようとするも、ある程度余裕を持ってそれらを避けていくフェリル。
そうしている間にもまた少し周囲の気温が上がったような…。
「これは早期に決着をつけないと全滅かも、どんどん気温があがってってる!」
アサリ「私には、何か出来ることはありますか?」
「何か出来ることって、討伐手伝ってくれるんです!?」
アサリ「え、えぇ、そんなに驚く事?」
「正直ここは放ってどっか行くかと思いました…」
アサリ「………そうしてもいいのですが、貴方にとって私は驚異や敵ではないと今ここで示そうかと思い」
「…そうですか、なら近くに掘っ建ての、つまりは急造っぽいワイルド感溢れるトイレがないか探してきて、見つけたら報告に戻ってきてください」
アサリ「………この場面で催したんですか?」
「違います、いいから探してきてください」
さてと…霊弾の準備は終わったかなっと。
ユウ「装填完了、霊弾はいつでも発射できる…けどその後が問題よ、私が突っ込んで一人で終わらす」
「そ、それは駄目だって、俺が決める」
ユウ「…ごめんなさい、魔力もあんまり感じられないし、弱そうなのにどうやってやるの、ここは私に…」
「俺に決めさせてよ、魔力のことはそうね…MPだけ無駄に多くて1度に出せる魔力量はそんなに…って感じだけど、それも固有スキルを使えば!」
ユウ「そ、じゃあ達者で」
霊弾が、撃たれた。
それと同時にフェリルが引きつけているひでりに向かってかなりの速さで突っ込むユウ………と、それを超えるか超えないかのスピードで俺も突っ込む。
ユウ「!!?身体強化系の固有スキル?!!」
「それは残念ながら違う、俺の固有スキルはサポート系だ」
その固有スキルでいまやっている身体強化(魔法)に身体強化を重ね掛けしているとは思うまい。
・・・ちょっと回想。
…この方法は最初、ゴブリンの巣に落とされたときに使おうとして、身体が保つか分からなかったために断念。
闘技場の対リザードマンで初使用となった。
リザードマン「ニンゲン…コロス!」
あの時、リザードマンは俺より一回りくらいは強い魔物だった。
ラング「ま、待って、待てって!くそ…」
なので万に一つも勝てる可能性が浮かばなかったので、破れかぶれで身体強化に身体強化を重ね掛け…付与することを決意し、結果引き分けにまで持っていけた…。
ラング「やるしかないか………階段を上るように慎重に、重ねるぞ、身体強化に身体強化を!一段目!」
リザードマン「剣がお前を捉えたぞ!………ぬ?」
ラング「後ろだっはあっ!?(尻尾ー!?)」
リザードマン「分かっていた、だがいきなり強くなるとはな、舐めてかかるといけないニンゲンのようだな…」
ラング「くっ、尻尾がある分相手の方がまだちょっと有利か?それでも…!!仕掛けまくれば勝機はある…(はず)!!」
リザードマン「やってみろォ!!」
両手と尻尾がある分、手数自体は向こうの方が上だったけど、身体強化重ね掛けで丁度とんとんだった。
数十分後…
ラング「…」
リザードマン「…」
引き分け、か。
そこで俺はまずったなと思った。
重ね掛けしてもリザードマンととんとんじゃ、ララーには勝てないと思ったから。
闘技場 医務室
ラング「まだ完全には治ってないけど、今のうちに試しておくか?」
…そこで更に身体強化の重ね掛けを試みたけど、その時点ではまだ身体がどうなるか分からないという恐怖で実行するまでには至らなかった。
ラング「やっぱりやめとこ、怖いし」
その試みが実行されたのは…、あの3人娘達に囲まれた時だ。
魔術堂
ラング「なんのつもりだ?」
リール「あんたみたいな悪童、痛い目見ればいいと思ってね」
ドール「更に消えない傷を刻んでやろうか」
ルーン「女の敵…いえ、将来の帝国の癌をいまここで取り除きます!」
ここで試しにやってみようという軽い感じでやってみたら、ギリギリ身体を保ちつつ更に重ね掛けができ、喜ぶのも束の間、襲い掛かってくる3人娘の動きが超スローに見えてきて…。
リール「っ!!」
ドール「えっ…」
ルーン「な…!?」
あとは鳩尾や、所謂首トン(神経への攻撃)で気絶…というか、気を遠くさせた。
…よく創作物で首トンとかで気絶するって描写あるけど、実際は気を遠くさせる程度で気絶まではいかない…と思ってたら実際そうだった(その後すぐに意識を取り戻した)。
これ実はどちらも加減を間違えれば死ぬ行為だが、最近だと一部の中高生が軽率に試したりしているらしい…というのは前世でのことだったな。
回想終了。
最初のリザードマン相手のは一段、3人娘相手には二段、今は…三段目!
三段目ともなると流石に身体が保たなくなるが、そこは1度死んだことや死の国を満たす妖しげな空気を思い出すことによって得た妖気を用いて身体を保たせる。
妖力…それはこの世ならざるところから流れてくる気を練り上げて力にしたもののこと。
妖と云われるものは皆この力で実体を得ているところがある。
そこを同じ妖力で乱すことも考えたのだが、ユウの存在のおかげで大分やりやすい、彼女が霊弾で妖の肉体を保たせる為の妖力を剥いでくれれば此方は妖力を攻撃にも使うことはなく、身体を保たせることだけに使って、ただ殴りに行けばいいだけだから。
「奥の手、身体強化三段…からの渾身のパンチを喰らえぃっ!!どうだっ!!」
ひでり「っつ!!!っっ!!!」
ひでりの体勢が一瞬揺らいだ!
「ちっ、一瞬だけ体勢を崩しただけか」
フェリル「だが我の追撃もあり、それなりにダメージを与えたぞ」
あまりにも早いフェリルの蹴撃、見逃したら勿体ないカッコよさ。
ユウ「よし、トドメ!…っと!?」
何かしらの攻撃でユウがひでりにトドメを刺そうとしたそのとき、ユウの足元から複数の青白い手が出てきて、ユウの足を捕らえる。
「取り敢えず割とダメージを与えたからか、暑さは和らいだものの、次の手(奥の手)を出してきたようだ、文字通り」
そう言っている間にも、次々と手が地面から伸び出てユウ、俺、フェリルを捕らえていく。
その様子を見て腹部(ラングによる傷)と胸部(フェリルによる傷)に傷を負ったひでりが蓄熱を始める。
あれを放置してるとまた暑くなりそうだ…さて、まだまだ行くぞ!
力任せに手を引き剥がし、ひでりに向かってタックル!!
ひでりは遠くまで吹っ飛んだ!
ユウ「すごい…けど、まだまだ手が、これどれだけ出てくるの?」
こんなときに悪いけど、数多の手に掴まれてるユウ…なんかえちぃ。
って、そんなことよりさっさと地下の奴らをどうにかしないとな、さて…どうするか。