妹にやらされていた乙女ゲー世界に転生したら序盤で死亡するクズ貴族だった 作:泡沫幻想黒衣の人
さて、Aクラスの生徒達の確認は済んだ。
このあとは先生達がいない間に親睦を深める為に、それぞれ自己紹介でもするんだろう。
あ、ちなみに私はこの後、どうすればいいかグラコス先生に相談するつもり、拠点が無くなって戻るところもないしね。
あと昨夜は馬車に置いたランプの中で過ごした、人間を憎悪するピンク狼獣人が煩かった、まる。
…そのグラコス先生とのお話は…勇者騒ぎが収まらないと出来ないかな〜…っと、自己紹介する生徒達を只見ててもつまんないなぁ、ラングファミリー(仮)の様子でも見に行こうかなー、あの人達強くなってる実感無くて、実技で他の子に怪我でもさせないか心配だわ〜(他人事)。
・・・、
ウィザードルィはモン・サン・ミシェルみたいな構造の、ダンジョンに建てられた遺跡の真上にある学園都市の中でも天辺に建っている建物なので、一度廊下に出て窓から外をみるとそれはそれは素晴らしい青々とした木々が茂った森林と、澄んだ水を湛えた古池がある峡谷といった景色が目の前に広がる。
教室内から外を見ようと思ったら中庭方面にしか窓がないため、この絶景は教室内からは見えない。
そんな絶景を時折視界に収めつつ、階層を降り、1年のクラスを廻る…そこにラングファミリー(仮)のメンバーはいなかった。
3年…にはまさかいないだろうから、そうなるとあとは特別補習部…色々と扱いが難しかったりする問題児が入れられるこれまた特殊なクラスだ。
…そーっと教室入り口の引き戸を少し開けて中を覗いてみると、ラビラビ、リル、ルル、フェレ公、ユーリン、ステラとショコラ第二王子って、ピーカブー(こと)が許されて、このメンツがここなのは何故だ?最早基準が分からない。
ここにいないウトちゃんは…普通に行けば港町の文芸文化推進室にでも住処の相談しに行ってるのかなー?
…よし、気になってたラングファミリー(仮)の様子も取り敢えず見れたし、どうせだから今どんな風になってるか、アイリちゃんの元に行ってみようか。
・・・、
と、思っていたんだけど、途中いい匂いがしたから、食堂に寄り道。
アーン「今日は試験的な開業だけど、明日から本格的に開業するから、宜しく頼むわよ?店長♪」
ティア「あ、あはは…緊張するなぁ、急に学校の食堂に開店する猫龍仙、ウィザードルィ店の店長だなんて…」
ソルト「ティアさんのお料理スキルは結構高いから、大丈夫!自信を持って!」
何故重度のファザコン姉妹がここにいるのか?それにティアが店長?気になったので、声をかけてみる。
「こんにちは、ティアちゃんここでお店開くのー?」
ティア「え、えーっと、そうみたいで…あっ、でも手続きとかは…?」
アーン「私がやっといたわよ、英雄ロトの娘だってことですいすい話が進んでね…」
ソルト「嘘、私がやったの、アーンはいっつもこう、私の手柄を横取りするの、嫌な姉」
アーン「…でもティアちゃんに了承は貰ってなかった。…ソルトの悪い癖、それは確認せずにどんどん事を進めようとすることよねー」
ティア「はぁ…で、でもありがとうございます!これでまたウェイターさんなんかもやれたらいいな」
「是非やって!ティアちゃんのウェイターぶり可愛すぎて…」
脳内にティアのウェイター姿が浮かび上がる…可愛い、可愛すぎんだろJK(常考)。
ティア「………でも貴女に見られるってことは、ラングにも見せることに………」
「そこ気にしちゃうんだ…グレ(ーテル)の時はひっつき虫だったのに…」
ティア「そ、それは知らなかったから!!」
どのぐらいひっつき虫だったかというと、もう、あとほんの少しでティアを滅茶苦茶にしたいって、アイリ推しのあのラングが思っちゃう程にはひっつき虫だった。
流石にそうなる前にネタバラシしたけど、良く考えたらグレーテルの姿で色々やれただろうに…勿体ないことしちゃったかな〜、本体。
アーン「それより…何か食べて行きます?そうなら急ぎで何か作りますが?」
「あー、実はちょっと用事があってさ、また今度食べにくるね?」
アーン「そうですか、ではお待ちしておりまーす!」
ソルト「まーす!」
ティア「来店してくれたら、アウラウネ様は特別に2割引にしてあげるね?」
「あっはは、定価でいいよ…(アウラウネ様て…ラングと扱い違いすぎるね、私も中身同じなんだけど?言うなれば私はTS転生枠…?)」
TS転生…(百合れて)いいねぇ、でもTS転生したらしたで自分自身が凄い可愛かったらこの子に如何わしいことできないじゃん!!!!って1週間寝込む自信あるわ〜、うん…………………うん?!?!?!
_______っ(絶句)。
…………………………そんなこと思い付くって事は少なくとも元からそういう考えがあったと言う訳で、そうなると……………………………うん、やめとこ、これ以上は。
アウシュビッツ「…おや?」
アイリ「いい匂い…」
グラコス「ここにいらしたのですね!さぁさ、職員室へどうぞ…」
何故こっちまで来た、職員室は逆側だろ、ティアちゃんを見んな糞ジジイ!あと、奴はアプリではナミナミとは逆の立場だった故に要警戒である………まぁ自分を律せられる大人だし、学園内で何かするとも思えないが。
「じゃあ私も…」
グラコス「アウラウネさん…?ラングの代わりというなら、大人しく教室にいてくれないかしら?」
「そ、そんなこと言わないでください…(最悪も最悪…アウラウネ=ラングがバレるから)」
「一応同席をここで希望します!」
グラコス「それは……………アウシュビッツ様、アイリ…様、双方に自分で確認してくれる?」
「生徒に様付けはいかんでしょ…あぁ、それと、分かりました、わたくし、アウラウネと申します。有識者としてこの度の会議に参加させていただきたく…」
アウシュビッツ「私は勇者様のご意向を尊重します」
アイリ「え、じゃあどうしようかな…」
さっさとして、こっちは貴女に学徒のまま大都市ヘラクレスの近衛兵団の団員になる展開をなぞらせるつもりなんだから。
アイリ「よし、同席許可ー」
「ありがとう(ございますっ!!!!!)、アイリ(ちゃんっ!!!!!)」
アウシュビッツ「貴様、勇者に対して馴れ馴れしいぞ」
その勇者様と手を繋いでるお前が言うか?っていうかアウシュビッツとの出会いから始まるチュートリアルで置いていかれたであろうコルトくん可哀想、後でちょっと相手…というか、様子見てみようか。