妹にやらされていた乙女ゲー世界に転生したら序盤で死亡するクズ貴族だった   作:泡沫幻想黒衣の人

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ぁ…


第4話 彼女の〝目〟が映すもの ③ クエスの初恋

 まだ足りない…彼の起こした波紋の観測は…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サトー城 クエスの部屋

 

 

Side クエス

 

 あの人が死んだあの日から、私の…忌々しいと思っていた初恋を思い出す…。

 

 あれは確か、拾われた翌日のことだった………。

 

 

・・・、

 

 

 7年前………ベル村壊滅の翌日

 

 

 私は絶望のあまり、泣くことも出来ず、お花摘みと言って、ガトー皇子達の監視から逃れ…、その途中拾った、尖った木の枝で自ら命を………と思った。

 

でも、それは叶わなかった。

 

 何処から嗅ぎつけたのか、火事場泥棒よろしく、盗賊フェレットが私を拐ったから。

 

木の裏にいた私は声も出せなかった…すぐにフェレットに猿轡を噛まされたからだ。

 

 足の速いフェレットはみるみるうちに、ガトーと数人の護衛がいた場所から離れていく。

 

私は暴れに暴れた…といっても、当時は何の力も無いただの子供…大人の力には敵わないと思って、天啓に頼った。

 

天啓(この運命は予定されていた通りです、数日以内に助けが入るでしょう)

 

 天啓に従い、私は助けを待ってみた。

 

1日…2日…3日…、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 モリエール領内

 

 

 4日目、フェレットが持つモリエール領内のアジトに私はいた。

 

 そして………助けがきた。

 

 …と思ったけど、皆が寝静まる深夜、なにかを探しに来たような男の子がたった1人アジトに入って来ただけだった………。

 

 何しに………と思ったところで、彼は盗賊達が奴隷にと、捕まえておいた者たちの中からオオカミ獣人を連れ出す。

 

確か、カナリとかいう獣人………。

 

 彼らの話に、私はフェレット達や見張りが寝ているのを確認してから耳を欹てる。

 

男の子は、末端でも捕まったら駄目だろう…とカナリに言う。

 

 それに対してカナリは、ヘマ踏んだところをありがとう、其方モリエール殿で?…と、

 

 私には分からない話をし、2人は、そのまま去っていく。

 

………と思いきや、男の子が縛られて転がされている私に気づくと、近づいてきて、その私と変わらない小さな体躯で、私を担ぎ上げる。

 

カナリは良い女を…皇女様???と驚いている様子。

 

 男の子は、それを受け、それなら早く皇族や皇族関係者に渡さないとな、報奨金がっぽり頂くぜ!と言う。

 

私は、そんな事になっても、なんとなく寝たふりを続けた。

 

 

・・・、

 

 

 モリエール領内 モリエール邸

 

 

 あくる日、男の子の従者が駆る馬車がモリエール邸に着いたのか、蹄の音が止まる。

 

父様に見つかったらまずいかもしれない………よし!俺1人で憲兵まで行ってくる!…と男の子。

 

 そう言うや否や、馬車の幌の内に入り、私を起こそうと試みる男の子。

 

 私はそれに応え、起きる………と、目の前に男の子の顔。

 

吃驚して後ずさると、悪い、驚かせるつもりはなかったと男の子。

 

 その後ガトー皇子と同じように、男の子が馬車をひく馬を駆り、憲兵の詰所への道を行く。

 

その間、男の子は何も喋ることはせず、ただ前を見ていた。

 

 そこに馬車の中から声をかけてみる、名前を聞いておいた方が良いと、その時の私は思ったからだ。

 

 するとただ一言、ラングと、男の子は言った。

 

モリエール・ラング………私は彼がモリエール家の子と判断して、その名前を頭の中で組み立て、反芻する。

 

 そんな中で…、

 

ラング………その言葉には、確か共有財産的な意味があったはず………と、その名前に要らぬ知識を付け加える。

 

 男の子、ラング…を見るに、けちそうな感じは受けないが、多分自分のためにしかお金を使わない人種なのだろうと、馬車の比較的豪奢な内装や、従者と思われる男性の服装などからあたりをつける。

 

 

 

 帝都までの道中にあるお食事場

 

 

 そのうち、憲兵の詰所に着いたのか馬車が止まると、違ったようで、道中のお食事場(※此方で言うとレストラン)に馬車を止めて、私に馬車の中の黒衣を纏うように勧めてくる。

 

私はそれを纏って、彼と共にお食事場へと足を運ぶ。

 

 すると早速注文を聞いてくる店員さん…に対して警戒からか少し訝しむような目線を送った後、豪勢な食事と普通の食事を頼むラング。

 

少し待った後、豪勢な食事が私に対して運ばれてくる。

 

 ラングはそれにほんの少し面食らったようにすると、その食事を食べるように私に勧めてくる。

 

しきりに、しょうがない…しょうがないと言いながら。

 

 ???………やっぱり彼はけちなお方で、他人にこういうことは基本したくないんだなと、私は彼の言葉の後、思い至る。

 

 そんなけちな方が、私のために豪勢な食事を頼んだのだと思うと…嬉しかった…。

 

それだけで…、ちょろいと言われても仕方ないかもしれないけれど、当時の私は、彼に小さな恋心を抱いてしまった。

 

 それが私の初恋。

 

 

 お食事場を後にすると…、

 

 彼と一緒に過ごす時間も詰所までの後少し………と残念な気持ちが湧き上がる。

 

 

 

 帝都 憲兵詰所

 

 

 あ、着いた。

 

私は彼に、申し訳程度の感謝を述べて、憲兵に引き渡される。

 

 今思うとそっけないとも思える態度を彼に対してとってしまった…が、恥ずかしさから来たこの態度であって、決して彼を軽んじた訳ではない。

 

彼は憲兵に何かを言っているよう………そこまで見て、私は憲兵の1人に詰所の奥へ引っ込まされる。

 

 と、憲兵はラングに乱暴されていないかと聞いてくる、まさか!と私。

 

聞くと彼は最近頭角を現し始めた貧民街の盗人子供集団と、盗みを繰り返している素行の悪い人物だと言う。

 

 だから憲兵は彼が私を拐ったと思った…?…それは違うと否定しつつ、私の初恋の気持ちはそこで急速に冷めていった。

 

その後、彼はその集団と袂を分かち、個人で盗みを働き始めた…、主に女子供の持っている菓子に対して…。

 

そこから彼の転落は始まる…。

 

 

・・・、

 

 

 …初恋を思い出して、そのあとは、彼の悪い印象を得た話ばかり思い出しそうになったところで、思考を切る。

 

 …初恋を意識した部分、食事場でのことだけを再度思い出し、反芻する…。

 

何度も、何度も……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは、葬儀の場まで続いた。

 

その間の事は、皇国に降ってこようとした兵らを蹂躙したこと以外は、ろくに覚えていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぁ…




 製作陣は当初、モブ顔のラングを主人公にギャルゲを作るつもりだったんだけども、社内でモブ顔主人公は売れないと批判が殺到し、泣く泣く路線変更した末、最終的に乙女ゲーになりましたとさ。

最後のはエルフ様の反応です。

ここで永続的なキャラ投票のようなものをします(参考にするかもしれません)

  • ザック・リック
  • ハーマン・ルーン
  • キャビアス・リール
  • アウラウネ
  • モリエール・ケイト夫人
  • ドゴール・ウェット(正体は???)
  • モリエール・ラミィ
  • アサリ
  • ティア
  • ドレイモル
  • グリフィン・リアン・クエス
  • ハーピィ
  • レオナルド
  • アルニマ・ステラ
  • イザヤ
  • フェニックス・ララー
  • ウィッチ・ド・アルバータ
  • フェニックス・ドール
  • ベリアル
  • グラコス先生
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