妹にやらされていた乙女ゲー世界に転生したら序盤で死亡するクズ貴族だった   作:泡沫幻想黒衣の人

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 アルバータ、帰還す。


第8話 彼女の〝目〟が映すもの ⑦ 大魔女の帰還〜ラングの葬儀

 ラングの葬儀まであと2日

 

 

 この日、ようやっと自分のシマを片付けた大魔女、アルバータは魔女国に戻った。

 

 早速挨拶代わりに、不法侵入だと不出来な魔法を放ってきた門番らを屠り、召喚獣精、黒猫ケット・シーを引き連れて入国。

 

ケット・シーは魔力感知でも感知できない、細い魔力を対象に通し、それは生死判定にも使える。

 

 ケット・シーは、その危険察知能力の高さから虫の知らせを知らせる獣型精霊としても各地に伝わっている。

 

アルバータはこのケット・シーを使役して、ラングとラミィそれぞれに魔力を通しておいてある。

 

勿論これはラングとラミィの知るところである。

 

 ラングとの魔力は死後数日で、いつのまにか切れてしまったため、魔女国の城に戻り次第彼と繋ぎ直してみる。

 

 

 

 魔女国 古城

 

魔女王の部屋

 

 

1度魔力の繋がりを持つと、後で切れても、何度でも修復可能なのだ。

 

…が、当然死んでいるため、ケット・シーは彼の魔力に対して反応しない。

 

 取り敢えず、それでも何度も魔力を通そうとして…止める。

 

アウラウネの妨害(勝手に彼女の方に繋がってしまう)を受けたからだ。

 

 それが意図的か否かは分からない、でももし、意図的だとしたら、彼は…ラングはまだ生きている?

 

それを何らかの理由でアウラウネが隠している?

 

 ………今はそんなことを考えていても仕方ない、帰ってきて早速、まずは城の皆に【ジョイント】の魔術式を見せる。

 

魔女国では優れた魔力量や、魔術式を開発できたものが頂点、魔女王に着ける。

 

 魔術式に含まれる文字列…、それはラングのぜんせとやらの記憶から、ヘブライとルーン…古代ギリシャの文字が合わさったようなものに見える。

 

それを見たかつてからの彼女の熱狂的なファンであり、自称彼氏の女顔長髪ピンクの魔女(男)、マジカル・リント(56)氏は彼女こそ魔女王に相応しいものだと、その式を周囲の者に触れ回る。

 

 それをほんのり頬を赤くして見遣ってから、次のことを考えるアルバータ。

 

国政が殆ど王国や聖教の意向に沿ったものになっているのを、城の魔女王専用執務机の上の資料から読み解く。

 

 王国に頭を下げ、聖教にまで頭を下げ…そんな様相が、今代の魔女王の150年の歴史が、その資料に詰まっていた。

 

当然その資料達は、アルバータにとって面白くなく、瞬く間にファイアーで燃やしていく。

 

 そして今代の魔女王の臆病にもほどがある考えが透けて見える資料達を、全て燃やし尽くしたころ、リントが帰ってきて、概ねの魔女達から賛成を貰い、アルバータを魔女国の王にしたいと…。

 

 そう、彼は言った。

 

なので、ならば、賛成を貰ってこいとアルバータが言ったところ、既に約半数以上の魔女達が賛成とのこと。

 

 賛成した魔女達は皆、特異点が消えたことで魔力を取り戻したアルバータの魔力量にビビって賛成した向きもある。

 

アルバータ自身、力が戻ってくるなど、考えもしていなかった事で、結果論ではあるが、あの特異点を消してくれたラングに感謝した。

 

 そしてあの特異点に関する研究報告書のようなものも資料として開示、するとほぼ満場一致で彼女の返り咲きが決まった。

 

彼女は生まれ出でた途端、その魔力量から魔女王とされていたのだ。

 

 それを摂政…ロジェスティック、通称ロジェが100年間支え、その後は50年間アルバータが国の運営をしていた。

 

しかし、【ジョイント】の魔法を開発中…不慮の事故で特異点が発生し、アルバータが魔力を失うと…ロジェは豹変、急にアルバータを見下し、魔女国から追い出したのだ。

 

 その時、アルバータは前々から作っていた自分だけのシマに閉じこもることを決めた。

 

そこから、今までに作ったアーティファクトなどを売る代わりに、ステータスを貰い、特異点を消さんとする彼女の活動が始まった。

 

 しかしながら、貰うステータスだけでは特異点は閉じないと判断、独自に特異点を閉じるための研究に勤しんだが、途中でラング達によって解決されると、その必要は無くなった。

 

 …などと、過去を思い出しながら国政を大改造、魔女国の立場が弱かったものを強くするように様々に命じた。

 

まずは王国、皇国からの蒸気自動車の輸入はストップし、魔女国で独自に開発した空飛ぶ絨毯を逆に輸出することを決定。

 

 聖教や王国に頼る部分が大きくなっていた食糧も、自国で作る方向へ。

 

大陸の決め事(法律)等も、魔女、魔女国にとって不公平になるものがないか厳しくチェックする体制に移行。(今までしていなかった)

 

 国内に発生しているダンジョンは閉じるだけでなく、今後有効活用していくため、随時攻略隊を募集することに決める。

 

あとは戦争の際、王国側に寄ることを止めさせ、戦争を自発的に起こしたり、戦争に参加することを禁止したりした。

 

 最後に…、当分(数年)は自らの1番弟子のモリエール・ラングに悪印象を抱かないもののみ、国政での発言権を得られるようにした。

 

これには少なからず反発するものも居たが、それでも彼女の立場は少しも揺らがなかった。

 

リントはその報せが出た瞬間、裏にあるアルバータの意図を汲み、大陸に伝わるラングのありとあらゆる悪評を綺麗さっぱり忘れさった。

 

 そんなリントにアルバータは国政の大部分を任せることを決める。

 

後々リントを良い魔女に育てて魔女王にするつもりだ。

 

 それと、先代魔女王となったロジェだが………、外から見たらアルバータを追い出した悪い者に見られるかもしれない。

 

…虐められたりしないよう、アルバータは彼女には形だけの国外退去の罰を与えるように法務担当を促した。

 

 

 ・・・、

 

 

 そうして、色々やっているとラングの葬儀の日がやってきた。

 

特に招待などは受けていないが、参列するため出ていくと、国家的事業としてアルバータ魔女王の1番弟子、ラングの死に対し、喪に服す期間が1週間設けられるとの瓦版が出ていた。

 

 リントのやつの仕業じゃな…と、アルバータは察した。

 

 

 ・・・、

 

 

 帝都 葬儀場

 

Side エルフ

 

 観測網から一旦意識を外し、式場に着くと、皆さん思い思いに席についてらっしゃいます。

 

 そして………其々、棺の上に献花、その際の様子をよく見てみましょう。

 

まず目につくのは、喪主として棺の横におられる、アウラウネの澄まし顔。

 

 一緒に隣にいるケイト様とラミィは悲しそうにしていらっしゃるのに、何故でしょう?

 

悲しみより、呆れといった感情が強いように思われます。

 

 あ、ケイト様はラミィ様が生きていらした喜びの感情も少しありますね。

 

 ドラゴンバスターズのメイドら、アリサ様だけ感情が読み取れません。

 

 続いて3人娘、リール様が何を思ったか、婚約に関する誓約書を死後結婚のものに改変させたものを隠し持っておいでですね。

 

元々はドール様のものでしょう。

 

ドール様とルーン様はリール様がお呼びしたようでございますね。

 

 ………後で喧嘩などにならなければいいんですが。

 

ララー様は………、おっと、これは多分粗相のことでも思い出してる顔を………一瞬して、元に戻されました。

 

 シュタイナー様は、感情が読み取れません。

 

クエス様………悲しみの中、死後結婚を固く決意しているようです。

 

 あ、彼の奴隷だった皆様…、レオナルド様だけ彼に本物の弔意を…いえ、イオ様もでしょうか?…彼女のは微妙でいらっしゃいます。

 

でも無いよりは良いでしょうか。

 

 おや、ハーピィ様が…段々と悲しみの色が強くなっていますね、彼が特注した服がお気に召した故でしょうか。

 

 大魔女アルバータ様…は、勝手に弟子認定した旨の報告ですね、これは…、死人に口なし。

 

続いてレイア校長………はっ!!そういえば自らの権限でラングと勝手に死後結婚をなさっていました!!こ、これはどうなるんでしょうか………。

 

 シャッテ皇女様、リオン王女様、並びに他の方々、死後結婚は1人しか認められないのですから、この方達の気持ちは何処へ持っていけばよろしいのでしょうか?

 

私が心配することでもないような気もいたしますが…。

 

 あ、私の献花の番ですね、…この棺、彼は入っていませんね、本物はモリエール夫人邸地下…ですか。

 

何故かそこに隠しておいて、後で持っていく気のようですね、どのように、何処へ持っていくのかは分かりかねますが。

 

 ドラゴン娘さんたち…ゴルディ様がほんの少し愛着があったくらいで、通常運転ですね、式場別部屋に用意された料理を2人だけで平らげる勢いでいらっしゃいます。

 

 ラビラビ様…このお方は謝意だけ伝えに来たようです、彼が生きていれば…ともすれば泣き喚きつつ、謝意を伝えたことでしょう。

 

ハレルヤ様、ロルフ様に関しましては、アウラウネが発情の兆候を示しております、不謹慎にも。

 

 その間のリル様、ルル様はラング事態には興味がなかったようですが、取り敢えずいらっしゃったみたいですね。

 

サトー皇帝様…は、ともすれば勇者にもなった者を亡くしてしまったことに悔恨の念を…。

 

 あと気になる方は、ルミア様…地下ダンジョン脱出後、ラングに配下(メイド)として誘われたようですが、死んでしまったのでは…と、少し残念がっていますね。

 

ザック・リック氏、好き嫌いはともかく、彼に注目をしていたようですね。

 

 ザック・バラン様、ラングとドールの婚約時からラングを気にかけていたみたいですが、それ以降気にも留めていなかったご様子。

 

彼女が彼のことを意識しなくなったのは、恐らくは強制力の内なのでしょう。

 

 …リザードマン(♀)さん、貴女ラングと繁殖するおつもりでしたら、もう遅いですよ?それに、その爬虫類のような真緑のお面外したらどうでしょうか?

 

 こうして見ていると、色々来たものですね、彼の葬儀。

 

……………もしかすると、ラングとアウラウネが仕掛けた茶番かもしれませんが。




 尚、アルバータの姿は元に戻らなかった模様。

法律に関しては各国、大部分は大陸の法律を元にしています。

ここで永続的なキャラ投票のようなものをします(参考にするかもしれません)

  • ザック・リック
  • ハーマン・ルーン
  • キャビアス・リール
  • アウラウネ
  • モリエール・ケイト夫人
  • ドゴール・ウェット(正体は???)
  • モリエール・ラミィ
  • アサリ
  • ティア
  • ドレイモル
  • グリフィン・リアン・クエス
  • ハーピィ
  • レオナルド
  • アルニマ・ステラ
  • イザヤ
  • フェニックス・ララー
  • ウィッチ・ド・アルバータ
  • フェニックス・ドール
  • ベリアル
  • グラコス先生
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