妹にやらされていた乙女ゲー世界に転生したら序盤で死亡するクズ貴族だった 作:泡沫幻想黒衣の人
ラングらをヘラクレスに送り出して3日…私、アウラウネはラングに可能なら拾ってきて欲しい人物がいることを伝えたことを思い出しては後悔する。
前の大陸では思いっきりストーリーに突っ込んでしまったが、今回はスローライフのためにも、できればストーリーには関わりたく無いものだ。
…そう思っていたけど、やっぱり気になってしまうキャラは気になってしまう。
私が無意識に彼を好いている可能性もあるけど………。
アプリ版はそもそもが声で操る物語だったため、行き当たりばったりで、ストーリーなんて、あってないようなものだったけど、大筋はちゃんと存在していた記憶。
そのストーリーだけど、これが殆どの場合、スキップしていたため、分からない。
女キャラとの百合ストーリーだけ読み込んでいたからなぁ…。
でも基本、各地で魔物や妖怪に困ってる人を助けろとかいうストーリーだった気がする、ラスボスなんかも無く。
………だったら、1つくらい私たちがどうにかしたっていいじゃない、ここでストーリー改変云々なんて考えてる方が馬鹿らしいわ。
厄ネタ1つ背負い込むくらい、今の私達ならなんてことはないはず…。
それに、主人公がちゃんと主人公するかも現時点では怪しいしね、プレイヤーの声もなく、誰が導くの?って話。
………そう考えると、尚のこと、彼のことはこちらの好きにさせてもらいたいと思える。
大都市 ヘラクレス某所
裏道
深夜
Side 人喰い
捕まえた年端もいかないドワーフの腸を裂き、そこから溢れる肉をただただ貪り、胴体を食らうと、残りの四肢と頭部も残さず食らう。
またも人を喰らったこの身は、最近鈍り気味なれど、10の齢に似合わぬ成長を遂げる…。
全てが始まったのは、港に流れてきた綺麗な魅惑的な刀から…、思えばいい拾い物をしたものだ。
………本当にそうだろうか?
うーん………まぁいい、今はもうちょっと食べたい気分だ。
次の獲物を探すため、また他の裏道に入る…。
「ここら辺にいないかなぁ、厄い雰囲気纏ってるから見たらわかりそうなもんだけどなぁ」
「な、何を探してるの?ま、まさかアウラウネが言っていた人喰い…?」
………何故だか体が、刀が、危険信号を放つ。
男女の声はまだ幼く、簡単に屠れるはずの相手………ではないのか?
取り敢えず俺は裏道の中でも細い道に入り込み、奴らが通り過ぎるのを待ってみる。
………1人はオレンジっぽい金髪で、碧眼、もう1人はうさ耳を持った兎獣人だ。
俺の中ではとびきり美味い兎獣人………ここで見かけるのは久しぶりだ、前回の太っちょには逃げられたからな、どうにか仕留められないか?
俺は頭を巡らす………確か人参や自然薯を用意して、切り株や大岩にはりつけていれば自動的に兎獣人はそこにぶつかるようにして、気絶し、簡単に食せたはずだ………となれば。
とある民家の畑
…ふっ、あった、人参だ。
いただいていくぜ、おまけに数本余分に持って行こう。
とある広場
ここは人目が昼間でも少ないから、物色にも丁度いいんだよなぁ。
それはさておき、人参を大きな切り株に結びつけておく。
これで準備は完了だ、あとはさっきの兎獣人がここを通りかかってくれるかだが…できれば1人で来て欲しい。
男の方は相手するのが面倒そうだからな…、っと、早速か!?!?!?
「人参?!?!?!こんなところに放置されてるなんて…誰か捨てたってことよね?なら、私がいっただっきまーす♪」
ゴチンッ☆
「きゅ〜…」ばたっ
よし…こうも上手くいくとは、前々回成功した時も目を疑った覚えがある。
周りにあの男の気配はない…切り株の陰に兎獣人の体を運び、隠れるようにして彼女を食す。
まずは頭からだ………あ、むっ?!
「手術道具になりそうなものを漁ってたら…離れるなと言ったのにアイツは…」
思いっきり頭を丸かじりしようとしたところで、先程の男が兎獣人と入れ替わるように俺の目の前に現れる、どうなってる?!
俺の牙は奴の持つ紅い剣にがちがちという硬そうな音を立てて当たる。
「取り敢えず手短に済ませよう」
どうやら…相当なやり手らしい…、下手をしなくても瞬殺されるかもしれない予感がしたので、ここは逃げの一手だ。
俺は砂嵐を呼び、その身を隠すと、暗闇の都市の中をかけて、途中先程の兎を視認、あの男に見つからないように複雑な経路を辿って気絶したままの彼女を回収。
………よく見ると彼女の目は開いたままだ………なんだか気持ち悪い、さっさと根城に帰って、食そう。
っ!!
そう思った瞬間…、凄まじい殺気を感じる。
それに呼応するように、俺の心臓は早鐘を打つ。
それを振り切るように、俺は先程よりも早く、速く、地をかけ、壁を蹴り、空へ舞うと、また砂嵐を呼び、暗闇の中で見えにくいだろう景色を更に見えにくいものにする。
それでも追手の気配は消えない。
試しに話をつけることはできないか試みる。
この兎をくれたら、何かしら其方が困った事態に陥ったとき、助けてやる、と語りかける。
人間と獣人の組み合わせだ、ワンチャン差別意識や敵対感情からこの兎獣人を見放してくれるかもしれない。
「駄目だ、そいつは…そのぅ…パーティや、家族…だから」
背後を見ると既に手が届きそうなくらいの位置に奴は来ていた。
こいつは、獣人に対して情けをかけるタイプ…どころか、パーティや家族だと宣う。
俺は…人間を見下し、今やただの食料にしか見えなくなってきている…。
人間は妖や特殊な固有スキルでもないと、獣人に勝てない弱小種族だからな…。
だがその妖…、俺に…正確には俺の持つ刀に憑いてやがった!
九十九噛み(※ゲーム内原文ママ)の人喰い刀「マサムラ」だとよ…、そいつを手に入れて…それからだ、無性に人を、人形(ひとがた)を食いたくなったのは…。
そんなことを思い出している場合じゃないな、少しでも隙を作り、この男から逃げ切る!今は…それだけだ。
俺はカゲロウ…取り敢えず名乗ってみる。
「こんな時に自己紹介かよ、灰色オオカミくん余裕だねー、俺は………っと、………グレーテル、グレーテルだ」
………直感で本名ではないとあたりをつける、とすると多分この姿もまやかしか何かだろう。
そんなことをするということは、船などによって半年遅れでこの大都市に運ばれてきている、スカウト氏著の記事に書いてあったラングなどの隣の大陸の大罪人が正体かもしれない…。
そこで、ラングか?と試しにカマをかけてみると、面白いように彼の動きが止まったので、これ幸いと、俺は隙ありと一撃を放ち、根城への帰還に成功するのだった。
エリヤの港町が一望できる浜辺の丘
カゲロウの地下アジト
さて、持ち帰った彼女を見てみよう…、どっからどうみても美味しそうな、幼さが残る兎獣人だ。
ただ、気になるのは…意識もないだろうに、何故かこっちを見続けているその瞳だ…。
まぁ…もう食すんだから、気にしていても仕方ない、さっきは頭から食べようとしたが、ブリッブリで美味しいだろう下から…あ、むっ?!
まただ!!!?と思う間も無く、俺の意識は闇に沈んだ。
「なんとなくラビラビの片目に自分の視界(網膜に映る像)を【一時付与】しといてよかったよ、彼女が気絶後も目を開いていてくれて助かった」
「気絶しても目を開き続ける………というのは、彼女の体質なのかなぁ?」
ラビラビアホの子なん?
ここで永続的なキャラ投票のようなものをします(参考にするかもしれません)
-
ザック・リック
-
ハーマン・ルーン
-
キャビアス・リール
-
アウラウネ
-
モリエール・ケイト夫人
-
ドゴール・ウェット(正体は???)
-
モリエール・ラミィ
-
アサリ
-
ティア
-
ドレイモル
-
グリフィン・リアン・クエス
-
ハーピィ
-
レオナルド
-
アルニマ・ステラ
-
イザヤ
-
フェニックス・ララー
-
ウィッチ・ド・アルバータ
-
フェニックス・ドール
-
ベリアル
-
グラコス先生