妹にやらされていた乙女ゲー世界に転生したら序盤で死亡するクズ貴族だった   作:泡沫幻想黒衣の人

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閑話 空船にのりこめー

 モリエール夫人邸

 

 Side ティア

 

 

 ラングの葬式…あれからずーっと、ハーピィは空を無秩序に、なにかを振りきるかのように飛び回っている。

 

…イメージトレーニングってやつ?

 

私ももっと敏捷性やスピードを上げないと………そう、特訓に打ち込まなければ、正気を保っていられなさそうで………。

 

 なんでだろう、なんでなんだろう、周りのラングへの気持ちが急上昇したのは………。

 

今やラングはこの大陸の英雄…いや、勇者並みの扱い…私はこの大陸の人達の心の中の動きを、理解できない。

 

 あんなに、嫌いだっただろう奴を、こんなにも………好きになるものなのか?

 

今日も街に出れば、私を羨望の眼差しで見てくる人、人、人…。

 

 …奴隷から解放されても、結局はラングの影響下から脱することができないのかと、今の状況に私は怒りと戸惑いを覚える。

 

ハーピィは戸惑い一辺倒だけみたいだけど。

 

 ハーピィがこんな風に飛び回っても、魔物だーっ!て、撃ち落とされたりしないのは、一重にスカウト氏の記事のおかげだったりする。

 

その記事の内容によると、私達はラングによって奴隷という形で保護されていた、ということになっている。

 

 …そんなはずはないと思うんだけどなぁ…。

 

私は集まってくる人々の目線から逃げるように、久しぶりにあの店に向かう。

 

 そう…前にウェイターに行っていたあの店だ。

 

 

 ・・・、

 

 猫龍仙

 

 

 名前が…変わってる。

 

 厨房を覗くと、宮廷調理師のトロンベ(愛称ロト、トロだととろいを連想させるため名の頭のところを反転させてこの愛称)の娘達、アーンとソルトの姉妹がいた。

 

姉、アーンは流れるような紺色の長髪、妹は茶髪の短髪で、2人とも天使のような可愛さ…だけど、重度のファザコンなのが玉に瑕。

 

 そんな2人とは顔見知りだったから、私はなんの気兼ねもなく厨房に入り、2人はここでなにをしているのか聞いてみる。

 

アーン「貴女のお手伝い」ソルト「しようかと思って」

 

 ???よく分からないので、更に詳しく聞いたら、ここにいた男たちは追い出され、私がこの店のオーナーになっている…らしい。

 

何処の誰がそうなるように手を回したんだろう?

 

 ………アウラウネ様か、ラング?

 

アウラウネ様曰く、優しい人だそうだから。

 

 ………でも、ここで店をやっていくのは無理かも、だって逐一羨望の眼差しに晒されることになるもん。

 

と、来客………ウェイターをまたやれる………♪

 

エルフ「失礼、お邪魔します」

 

「お客様ー!?ここは厨房で…」

 

エルフ「皆に聞いて回っております、空船に乗船希望の方はおりませんか?」

 

「え、空船!?なにそれ、すっごい乗ってみたい!!」

 

アーン&ソルト「オーナー!?!?!?」

 

 店はどうするのかって?分かってる分かってる、新天地に新しく建てよう、この大陸にはいづらくなったしね。

 

他に誰か誘おうかな、空船に…。

 

 

 ・・・、

 

 港町モーセ 桟橋

 

 

 あの後、みんな(イオら元ラングの奴隷)に声をかけてみたけど、ハーピィくらいしか空船に乗って向こうに行きたいって言う人はいなかった。

 

みんな羨望の眼差し達に耐えられるんだ…すごいなぁ。

 

ウト「あと2人、それで満員です」

 

 やばいっ!急いでチケット買わないと。

 

アーンとソルトにもらった新天地行きのためのお金の一部をチケット売り場のお姉さんをやっているスカウト氏に差し出す。

 

 すると、ウト氏から乗船のためのチケットが私に渡される。

 

やった、これで新天地に…店を構えることができる!

 

 ハーピィも間に合ったようで、よかった…ん、何か揉めてるような声が聞こえる…。

 

 

 チケット売り場

 

クエス「はぁ〜???なんで、私の分のチケットは〜???ないの???乗せなさいよ〜!!」

 

ウト「そんなこと言われてもですね…」

 

エルフ(非常に心苦しいかぎりですが、今の貴女様に空船のことを教えたら必ず乗ってくることは明白でしたから)

 

エルフ(わざと魔女国にレイア校長がいるのをバラして時間稼ぎした甲斐がありました、そこでアルバータ様に空船のことを聞いたようですが…一歩遅かったようですね、ふふっ)

 

 

 ・・・、

 

 空船内部

 

 Side ハーピィ

 

 

 

 がやがや…ざわざわ…

 

 

 中は多くの人と荷物でいっぱい!!

 

ウト「押さないでください、押さないでー!」

 

 ティアと一緒にこの空船に乗れて良かった…。

 

 ………向こうに行ったら、魔物の自分も差別されないような場所に………ん?

 

 そんな場所ってあるかなーー?

 

エルフ「ティア様、ハーピィ様、少しよろしいでしょうか?」

 

 あら………確か、ラングの葬式にいた………。

 

エルフ「こちらエルフと申します」

 

 エルフ…あー遠い記憶で、お父さんに聞いたことがある神話の…?

 

 そんなエルフの話なら聞こ………。

 

 エルフが言うには、これから行くオーリア大陸の東の果てに、どんな差別も殆どない国があるとか…その名もヒノモト!!よし、そこに行こうっと。

 

ティア「私、そこに店移そう♪」

 

 ティアも!?ヒノモトに行くことを決めたみたい♪やったー!

 

「そこまで一緒しよう!」

 

ティア「え、いいのっ!!?うんっ♪」

 

エルフ「途中まで私もご一緒します」

 

 それはなんだか心強い!

 

 

 空船外

 

それはそれとして、空船の構造に興味が………外に出てみると、巨大な船の側面にペガサスの羽が所々織り込まれたこれまた巨大な鳥の羽が………これで飛んでるの?

 

 凄いけど、私の方が速…置いていかれる!!!?

 

 

 空船内

 

 ふぅ………あ、危なかったぁ………この調子だと、3日くらいで向こうに着きそう。

 

で、着いたその日にはヨシュア国の真ん中ぐらいまでティアを鉤爪で掴んで飛んで行こう。

 

そこでちょっと休んだら、また東に向かって飛んで………食べ物はどうしよう。

 

ティア「そうそう、1週間分の食べ物を持ってってって、ソルトからよじげんミニチェストってやつもらったから、一緒に行くなら食べ物には困らないよ♪」

 

 そりゃあいいや☆ティアの友達?に感謝だー♪

 

 

 3日後…

 

 夜

 

 アパート「グレーテル」前

 

エルフ「本当にアウラウネ様に挨拶などはよろしいのですか?」

 

ティア「うん、東に急ぎたいし」

 

ハーピィ「ちょっと休めたから飛んで行こう♪あ、エルフ…様、捕まって」

 

エルフ「あ、私はここでやることがあるので、すいません…」

 

ティア「やること?」

 

エルフ「ラング様にちょっとした嫌がらせを…いやいや、当然の報いを…」

 

 ラング…?生きてたの?

 

ティア「なら一応…挨拶…」

 

 していかないと………。

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