プププアーカイブ   作:火野ミライ

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7.終わったわ……

今日も今日とてやって来たよアビドスに♪

元々その学園特有の料理を食べに他校の土地へお散歩しに行く事はよくあるけど、特にお祭りが多い百鬼とここアビドスは頻度が多いかな?

 

「いらっしゃい!」

 

そんな事を考えながらのんびりと歩いてたら目的の柴関にたどり着いた!店の中に響く店長の声を聞きながら席について塩ラーメンとサイドメニューを適当に頼むと足をブラブラさせ、カイザーって言う会社からもぎ取った元アビドスの土地の権利書を眺めながら商品を待つ。

 

とある会社の本社社長の友達に言われて買い取った土地なんだけ今度は何する気なんだろう?用途も聞かずに買ったけどまぁ、ぼくは土地を貸すだけだし気にしなくていいか!

 

「カービィじゃん」

 

大事な書類を口の中にしまっていると横から懐かしい声がぼくを呼んでいる。声の聞こえてきた方に視線を向けるとそこには白と黒の髪に赤い瞳を持つカヨコが友達と一緒に立っていた。

 

「お、お知合いですか?」

 

「幼馴染……みたいなものかな?」

 

「小っちゃくてかわいい子だね~」

 

おどおどとした少女がカヨコとぼくの関係を尋ねている一方、大きなカバンを持った子がぼくの隣へと座りながら頭を撫でて来た。

 

「この子もアビドスの生徒だったりはしないわよね?」

 

「違うよ、トリニティだよーー」

 

「ほっ……」

 

最後にピンク髪の子が疑問をカヨコにぶつける。その答えをカヨコが知るはずがないんで、ほっぺを突かれながら答えてあげる。すると彼女は何故かホッと一息ついていた。なんで?

 


 

「ねぇ、ねぇ、カヨコ。あの子、カービィとは何時であったの?」

 

注文を終え一息ついた頃、正面に座るムツキがいつもの笑みを浮かべながら訪ねてくる。

 

「え~~~…………」

 

天井を見上げ言葉を零しながら記憶を探っていく。そしてたどり着いた答えが__

 

「覚えてない」

 

「ま、そうでしょ、私もムツキとなんで仲良くなったのか覚えてないし」

 

「っえ、アルちゃんひっどぃ~~~!」

 

私の言葉に同意するアルの肩を掴み左右に大きく揺らすムツキ。そして解放され顔を青くしていくアルに椅子を倒しながら立ち上がり心配するハルカ。そんな彼女達の様子に小さな笑みを浮かべながら視線をカービィへと向ける。

 

彼はこちらの視線に気が付く事なく床に付かない足を揺らし、私達と同じく注文した商品を待っているようで手には箸を持ち、鼻歌を歌うその姿はハルカと同い年とは思えず見た目相応の幼児の様だ。昔と変わらないその姿に保護欲がそそられる。

 

「へいお待ち、柴関ラーメン4つ」

 

そうやってみんなと会話し、カービィの様子を見ていたら大将が人数分のラーメンを持って来た。

 

「来たぁ!いただきまーす」

 

「ひ、ひとりにつき1杯。 ……こんなに贅沢しても良いんですか?」

 

「アビドスさんとこのお友達だろう? 替え玉が欲しけりゃ言いな!」

 

以前来た時は社長の無駄遣い…… もとい大盤振る舞いで1杯しか頼めなかった事からハルカが普通の贅沢に慄いている。まぁ、その時は偶然手元を狂わせた大将が特盛を振舞ってくれたけど。

 

ラーメンから湧き上がる腹の虫を誘う匂いを堪能しながら静かな店内を改めて見渡す。視界に入るには大将が両手いっぱいにラーメンやサイドメニューの品々をカービィへと運ぶ姿に、自分の元へ運ばれてくるソレに目を輝かせるカービィ。それ以外には閑古鳥も鳴きそうな程に空白の客席……

 

「こんなに美味しいのに客がいないなんて」

 

「場所が悪いんじゃない? 廃校寸前の学校の近くだし」

 

「まぁ、美味しいからいいけど」

 

無意識に零した言葉にムツキが反応する。その言葉に納得しながら割り箸を手に取りお腹の虫が歌い出すよりも早く食べようとした。

 

_____そう、食べようとした。

 

「じゃない……………」

 

アルが静かに零した言葉に反応し、麺を救おうとした箸を止めて彼女の方へ視線を向ける。

 

「友だちなんかじゃないわよぉーーー!」

 

突然、大きな声で先びながら机を強く叩き立ち上がるアル。そんな彼女に驚いてムツキが言葉を零すがアルは気にせず不満を零す。

 

「分かった、何が引っ掛かってたのか分かったわ! 問題はこの店、この店よ!」

 

「どゆこと!?」

 

「私達は仕事しにこの辺りに来てるの! ハードボイルドに! アウトローっぽく!」

 

そこからアルは文句を言う声色でこの店をべた褒め。確かにこの店で仕事上のアビドスの生徒達と仲良くなったのは確かだけど、根本的な理由はアルの性格にあると思う。そうやってほんわかとアルの話を聞いていたのがまずかった。

 

アルの「こんな店は要らない」の一言をハルカが言葉通りに受け取ってしまい暴走したからだ。ハルカがアビドスとの戦いに備えて持っていた爆弾の起爆装置を取り出した瞬間、私が止める間もなく店は面影も無く地図から消えてしまったのだから。

 

痛む体を動かし立ち上がる私達。正直、アルの一言でハルカが思わぬ行動をとるのも、それにアルが呆然と理解が追いついてないのも、そんな彼女を煽り変な方へ思考を誘導するムツキの姿も普段の便利屋68だ。更には飲食店の爆破もゲヘナでは割と日常的。

 

タイミングが良いのか悪いのか分からないけど、駆け付けたアビドスの生徒が何か背後で何かを言っているのがどうでもいい。それよりも一番問題なのが……………

 

「_____」

 

「………あ~、カービィ?」

 

「……………」

 

真顔でこちらを見つめるカービィだ。あぁ、でも問題は終わったわ。

無言でこちらを見つめながら一歩前へ踏み出した彼の姿に、明日の自分の姿を幻視しながら愛銃を手に持つ。

 

はぁ、空崎ヒナを相手にする方がマシだった。

 


VS便利屋べんりや68しっくすてぃーえいと

きょうのお(ひる)ごはんはおいしい柴関(しばせき)のラーメン。さあいただきま…

あれれれ?いままさに()べようとしていたラーメンがお(みせ)ごと()えてしまいました。だいじな、だいじな、おいしい、おいしい、ラーメン。

きっとハードボイルドでアウトローな鬼畜(きちく)大悪党(だいあくとう)陸八魔りくはちまアルとその仲間(なかま)たちのしわざにちがいありません!ラーメンのうらみをはらすべく、カービィは()()がるのです。

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