プププアーカイブ   作:火野ミライ

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8.アビドスで大乱闘?!

砂舞うアビドスの一角。そこでは現在、混戦が起きていた。事故で柴関ラーメンを爆破した便利屋68と彼女達が雇った傭兵、先生と呼ばれる大人の指揮の元で戦闘を繰り広げる3人のアビドス生、そして不思議な力を持つ本作品の主人公なカービィ。

 

鉛が飛び交う中で瓦礫からとび出したカヨコが放つ回し蹴りをバク転で回避、そのまま空いた距離を使用し地に積もった砂を巻上げながらカービィはスライディングを放つもその場で跳び上がる事で躱した。そのまま体勢を直したカヨコは自身の銃で空を舞うドローンを破壊。

 

「ん!?」

 

ドローンを操っていたイヌ科の耳を持つアビドス生が驚愕し僅かながら動きが止まる。その隙狙い傭兵が攻撃を仕掛けるも、すぐさま意識を戦場へと戻し躱しては反撃の一撃を放つ。放たれた弾丸が額へと命中した傭兵が背中から地面へ倒れ込み、その上を黄色の羽織を着たアビドス生のもつミニガンから放たれて弾幕の嵐が駆け抜ける。

 

無数の鉛が向かう先にはカービィの姿が!彼は口を大きく開き周囲に転がる瓦礫ごと迫りく来る弾丸を吸い込むと【星型貫通弾】吐き出し、遮蔽物ごと傭兵を吹き飛ばし黒い猫耳を生やしたアビドス生へと命中する。一方、ホログラム通信でアビドスの仲間をサポートしていた赤いメガネの少女が驚きの声を荒げた。

 

「きゃっ!!」

 

『えぇ!?銃弾を吸い込んだのも驚きですが、なんで吐き出したら星になってるんですか!?』

 

「ッホ……」

 

地面を転がる黒猫アビドス生を後目にホッと一息ついたカヨコ。彼女自身もまたアビドス生や先生と同じくどういう原理でカービィが身体以上の物を吸い込み、吐き出す際に星になるのか分かっていない。それでもこのキヴォトスにて最も相手取りたくない人物なのは確か。特に食事や睡眠を妨害された時の彼と戦うなんて持っても他だ。

 

つまり現状はカヨコにとって最も避けなければいけなかった事であり、他の便利屋メンバーが居なければアル社長の様に白目をむいて叫び散らしていたかもしれない…… と言うか既に心の中で悲鳴を上げた。

 

(取り合えず現状はアビドスの銃弾やグレネード…… 周りの瓦礫が岩判定を受けるならそれに気負付けて置けばいい。ここまで戦ってコピーの元を使わない所を見るに現状の最悪は異なる二つの属性を持つ物を吸い込まれてマイクやそれに匹敵するコピー能力を纏われること)

 

ここまで一人でカービィの相手を務めていたカヨコが一際大きな瓦礫の影で息を整え、再び銃口を怒りの収まらぬ彼へと向ける。そして息を整えるためとはいえ目を離した事を後悔した。その赤い瞳にしっかりっと何かを呑み込む身体を輝かせる彼の姿が映り込んだのだから。

 

突然だがここは皆さまもご存じ、キヴォトス内にある砂漠都市アビドスだ。ここでは風が躍るたびに少なくない砂が宙を舞う程に、そしてあたりを見渡すと地平線の彼方まで砂一色に染まっている程に、砂と言う物質と斬りたくても切れない縁で結ばれている。

 

そしてカヨコは知らなかった自分達が使う武装や周囲に転がる瓦礫と言う名の岩だけでなく、時の流れと共にアビドスに積もった砂もまたカービィに力を与える事を……

 

「っふ!」

 

身体を盾に回転させながら天高く上昇すると無数の砂粒子がカービィの元へと集まり一つの球体へ。カービィを押しつぶさんと圧縮していく砂であったが力一杯に四肢を広げたカービィによって弾き飛ばされる。彼の周囲を舞う砂のベールが晴れる時、その姿は砂に押しつぶされる前には着ていた私服からまったく面影も無い衣装へと変化していた。

 

「ハァ!」

 

上半身には淡い水色に現在のコピー示す星形エンブレム刺繍が入ったポケットを持つスモック、下半身はピンク色の半ズボンに素足まま履いた赤い靴。最後に常時黄砂が溢れ続ける冠を被りポーズを決める。

 

「ん!?」

 

「着換え早や!? と言うかあの砂の帽子どうなってるのよ!」

 

「わぁ~、カービィちゃんが幼稚園児になっちゃった♪」

 

「どどど、どうなってるのよカヨコォォオオオオ!?!?!?」

 

彼の変化に狼は思わず二度見し、猫は微妙にずれた言葉を零す。室長はいつもの様子で素直な感想を告げ、社長は予想外の現象に白目をむきカービィの幼馴染へと理由を尋ねる。そんな彼女の声を確かに聴いたアビドス生達を指揮する大人もまたカヨコへと視線を向けた。

 

「知らない」

 

帰ってきた言葉はたった一言。だがその返答には僅かなすれ違いが起きている事をこの場の者達は知らない。アルの質問はカービィの姿が一瞬で変化した事について、カヨコの答えはその身に宿した能力についてだ。

 

(…とは言ってもあの波打つ砂の帽子にポケットの刺繍に描かれた砂の模様から見て、ストーンやウォーターの様な自然の力を操るコピー能力のはず。名付けるのならサンドカービィってところかな………)

 

果たしてどんな動きをするのやらと思考をまとめたカヨコは愛銃を握りなおすと軽く身体を解し、周囲を舞う砂を固めて宙にいる間に撃ち抜こうとした傭兵達へ向けて【サンドボール】を投げつけたカービィへ銃口を向けるのだった。

 


サンド

サラサラ ざらざら

ペタペタ ぎゅっぎゅ

すな(あつ)めて完成(かんせい)(ゆめ)のお(しろ)!!

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