ゼイユの幼馴染は発明家 作:ゼイユ好き好き
楽しんでいただけると幸いです
コンコン、とノックの音が響く。
とある日の夜、あたしはスイバの家にやって来ていた。
過去に
『暇だったらいつでもおいで。朝でも夜でも、大体起きてるから』
と言われてから、おおよそ一週間に一度のペースで、あたしはここに訪れていた。
あまり健全じゃないと自分でもわかってる。
それでも、夜の静けさと寂しさでアイツと出会った夜を思い出して、気がつけば足を運んでいた。
だけど、今夜はノックしたのに反応がない。
合鍵を出して鍵を開けて、ドアノブを回して中に入る。
一階の広いリビングの、壁側のテレビを見つめる位置のソファでスイバは目を閉じていた。
しかし、眠ってない。きっと何か考え事をしているのだろう。
だけど、この姿勢で考える事は大体碌なことじゃない。
「ねぇ、スイバ!目を開けてココアでも作ってよ」
「…ん?あぁ、ココアね、わかった。少し待ってて」
スイバはソファを立ってキッチンへと向かっていった。
スイバが置いていった数冊の本を見てみると、内容は大体が並行世界や、自分だけがいない別世界、と言った内容。
先ほどの考え事を遮ってよかったと思いつつ、足元のエーフィを抱き上げる。
このエーフィはゲットされていない。
ボールに入ってないのにスイバに懐き、寄り添っている。
エスパータイプであるエーフィはきっとアイツのことを深く理解しているのだろう。
それこそあたし以上に。
嫉妬で奥歯をぎりりと噛み締める。
でも、こいつはあたし以外で唯一アイツに寄り添ってる存在だとわかってるから、何もせずに床に戻す。
「ゼイユ、お待たせ。ご注文の一品でございます」
「ふふっ、何それ似合ってない。……ありがと」
ふざけた様子でココアを差し出すスイバに少し笑いながら感謝を告げてココアに口をつける。
初めて会った日から、スイバの作るココアはなんだか温かくて特別な気がした。
あたしにとって思い出の味。忘れない、初恋の味。
「ねぇ、スイバ?」
「なんだい、ゼイユ」
「あたしは、あなたのことを大切に思ってるから。居てもいなくても同じなんてこと、絶対ないからね」
口を突いて出たのはそんな言葉。
「そうか……そう言ってくれてありがとう。とても、とても嬉しいよ。」
それを聞いた彼は、心底嬉しそうに笑った。
でも、何故そんな言葉を彼に言ったのだろう?
先ほどの本を見たからだろうか、それとも常に今にも消えそうな雰囲気を纏う彼の瞳を久しぶりに正面から覗いたからだろうか。
それは、あたし自身にもわからない。
ただ、私とスイバの間にはゆっくりとした温かい空気があって、ゆったりとした時間だけが過ぎていく。
いつも通りの夜だった。
DLC前編はすでにクリアしたのですが……
キタカミ図鑑150匹って言ってくる人居ませんか!?
アレを頑張ってます