ゼイユの幼馴染は発明家   作:ゼイユ好き好き

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今年も本格的に始まってリアルも忙しくなってきましたが
また少しずつ書き始めようと思います。
楽しんでいただけたら幸いです


再会の約束

いつも通りにスイバの家のドアをノックして、彼の家に入った私は、言わなきゃいけないことを言い出せないまま、静かに彼の作業を眺めていた。

 

「…………ね、ねぇスイバ!」

「ん?なんだい?」

「あたし、ここを離れるの。スグリと一緒に」

「知ってるよ、スグリくんが教えてくれた。ブルーベリー学園だろう?」

 

あたしが思い悩んでやっと口にした一大事は、どうやら弟がすでに伝えていたらしい。帰ったら締め上げてやろうと頭の片隅で考えたが、それよりも今考えるべきなのはスイバのことだ。

あたしはもうここを離れてしまう、そうしたらこいつは……

 

「俺もそろそろここを離れるつもりなんだ。オレンジアカデミーにお呼ばれしてね?どうやら俺の研究に興味があるらしくて、ありがたい限りだよ」

「……え?あ──えっと、それはよかったわね。けどアンタ一人で生活とかできるの?」

 

咄嗟に口を突いて出たのはそんな言葉。

何も良くなんてない。アンタはずっとあたしの隣にいると思ってたのに、遠くに行くなんて一言も聞いてない。

感情の整理すらついてないあたしにスイバは答える。

 

「大丈夫、コイツもいるし……新しく俺の補助のための機械をいくつか作ろうと思うんだ。いいだろう?」

「……そうね」

 

あたしはこの里から……スイバから離れることをこんなに思い悩んで决めたのに、アンタは何も思ってなかったの?

そんな疑問が頭を埋め尽くす。

あたしはアンタのことが好きだった。アンタも、好きまでいかずともあたしとの関係を大切に思ってくれてると信じてたのに。

心がごちゃごちゃして、混乱するあたしの前でスイバはスマホロトムを取り出す。

 

「だからほら、連絡先交換しよう?なんだかんだしてなかっただろ」

「……え?あぁ、うん」

「それでさ、お互い成長してまた会おう。それまでに色々なことをして、愚痴でもなんでも、笑って話せる話題を持って帰ってこよう」

 

そうやって健やかに笑ったスイバは、昔に戻ったみたいで、思わず惚けてしまった。

 

「─────うん、約束。破ったら許さないからね」

「あはは、ゼイユのそれは怖いなぁ。忘れないようにしておくよ」

 

笑って小指を絡める。

スイバもここを離れるのは意外だったけど、それでもスイバはまだあたしを必要としてるんだ。

だって、連絡先の交換までしたんだからそのはずだ。

胸に立ち込めていた不安感がスッと消えていく気がした。

 

そしてあたしとスグリが、そしてスイバがキタカミの里を離れる日がやってきた。

同じ日に里を出ると言っても、飛行機は別だからそろそろお別れだ。

また会おうって約束してるのに、なんだか泣きたくなってくる。

 

「ね、ねーちゃん、泣いてる?」

「うっさい!別になんともないから!」

「ははは、二人は元気だね。それじゃあ俺はそろそろ行くよ。またね」

 

いつも通りの何を考えてるかよくわからない顔で、スイバは行ってしまった。

涙はついに溢れてしまったけれど、アイツに見せずに済んだのだから良いだろう。

今はただ、アイツとまた会った時に話題を欠かさないためにもブルーベリー学園へ向かおう。




読んでいただきありがとうございます
ポケモンSVはDLCだけでなく本編も好きなので少し絡ませたくなりました。
次回ものんびりとお待ちください
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