俺はトゥ!ヘァ-!なんて言わないからな!【本編完結】   作:無限正義頑駄無

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ふと思いついたネタを投稿。
続くかは未定です。


本編
PHASE-01if 赤き盾


宇宙コロニー『ヘリオポリス』。

 

このコロニーを保有するオーブ連合首長国は、現在戦争状態である地球連合・プラントのどちらにも属さない中立国である。

ヘリオポリスの住民たちは、オーブが中立を維持している限り自分たちが戦争に巻き込まれる訳がないと信じ込んでいた。

 

今日までは。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

 

 

 

 

「始まったか...」

 

俺の眼前では、ヘリオポリスに侵入したプラント国の事実上の軍『ZAFT(ザフト)』のモビルスーツ『ジン』や歩兵がコロニー内の施設を破壊する光景が広げられていた。

彼らの目的はこのコロニー内で秘密裏に開発されている地球連合軍の新型兵器である5機のモビルスーツを奪取、或いは破壊することである。

 

何故俺がそんな事を知っているのか。

それは俺が転生者であり、プラント国防委員長パトリック・ザラの息子『アスラン・ザラ』だからだ。

コズミック・イラの世界へ生まれ変わるだけでも驚きなのに、まさか原作キャラに憑依してしまうなんてな...。

 

原作においてアスランは今回の襲撃で『GAT-X303 イージス』を強奪し、奪われなかった唯一の機体である『GAT-X105 ストライク』に乗る友人である『キラ・ヤマト』と殺し合うことになる。

 

俺はキラと殺し合うなど真っ平御免だし、原作のザフトに殆ど良いイメージが無かったので、ザフト兵を養成するアカデミーこそ卒業したもののザフト軍には入隊しなかった。

このヘリオポリスにも民間人として正規の手続きをして入港している。

 

何故ザフトに良いイメージが無いのか?

 

 

 

.........。

 

 

 

民間人が乗ったシャトルを撃墜したり降伏した敵兵をノリノリで虐殺しても特にお咎め無しの組織(笑)の一員に誰が好き好んでなるかボケェッ!!

 

正規軍ではなく義勇兵の集まりであるザフトにおいて軍規などあって無いようなものだ。

感情に任せて引き金を引くザフト兵の多いこと多いこと。

NジャマーやS型インフルエンザの件もあってプラント在住コーディネイターというだけでも評価が崖っぷちなのに、ザフト兵ですと名乗ろうものならあっという間に民間人に囲まれてリンチされることだろう。

 

『ザフトなんか、俺が大きくなったら全部やっつけてやる!』

 

そう言って、憎しみの籠った目をしながら原作アスランを蹴りつけた子供もいることだし、ザフトはいつどこで民衆の恨みを買っていてもおかしくはない。

 

そういう訳でザフトに入りたくない俺は、アカデミーにおいて突出した成績を取らないよう調整したり、父に『兵士としてではなく技術研究者として貢献したい』等と言葉を並べて説得したりした。

 

ザフトに入隊せずに済んだ俺が何故ヘリオポリスに、戦場のど真ん中に来たのか。

 

それは...、友達(キラ)に味方するためである。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

 

 

 

 

ストライクとイージスが保管されている格納庫。

そこでは2機のモビルスーツを巡って連合軍とザフトの兵士による激しい戦闘が行われていた。

銃弾だけでなく手榴弾も飛び交っており、格納庫内ではすでに火災が発生している。

 

「へへっ。この新型モビルスーツ、いただくぜ」

 

そう言って、イージスに近づくザフトの赤服隊員。

 

「ハァッ!」

 

俺は背後からの一撃でその隊員を気絶させる。

 

「連合の兵器が隠されているとはいえ、コロニー内での戦闘は度が過ぎているよなぁ。せめて出港したところを狙えば良いものを」

 

ってよく見たらコイツは原作でストライクを奪おうとして失敗したラスティじゃないか。

(アスラン)が居ないからイージスの方に来たのか。

じゃあストライクには一体誰が...。

 

パァン!

 

そう思って確認しようとした時、マリューさんの放った銃弾でストライクの近くに居た赤服隊員が倒れ伏す。

ここからだと誰かわからないな...。

原作の俺みたいに名前を叫ぶ者も居ないし。

 

マリューさんがキラと一緒にストライクのコックピットに入るのを確認し、俺自身もイージスに乗り込む。

イージスを上半身だけ起こして手の平を出し、一旦降りてラスティを載せてから今度こそイージスを立ち上がらせる。

生きている以上、流石にこの燃え盛る格納庫へ残す訳にはいかないからな。

イージスの手で直接摘み上げたいところだが、今のお粗末なOSにそんな精密動作はできない。

 

さて、先に外へ飛び出したストライクに早く追いつかなければ。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

 

 

 

 

爆発する格納庫から脱出したストライク。

しかし脱出した先で仲間を迎えに来たミゲル・アイマンの駆るジンに遭遇してしまった。

未完成なOSのせいでストライクの動きはぎこちなく、PS(フェイズシフト)装甲を起動して頭部バルカン(イーゲルシュテルン)で牽制するのが精一杯。

 

このままでは自身が乗るストライクが奪われるのも時間の問題だろう。

その結論に至って歯噛みするマリュー・ラミアスだったが、背後の格納庫から飛び出しジンとストライクの間に降り立った機体を見てその表情は驚愕に変わる。

 

「イージス!? 一体誰が乗って...!」

 

イージスはPS装甲を起動して装甲色を赤色に染めると、ジンに向かって右手を突き出す。

 

『目の前のザフト兵に告げる。君の仲間をひとり確保している。彼を返す代わりに直ちに撤収せよ』

 

そう言って、イージスは握っていた拳を開く。

ここからは見えないが、恐らくその手の中にザフト兵が居るのだろう。

 

「(今の声、もしかしてアスラン...?)」

 

『ラスティ!? 貴様ァ!』

 

『どうした、早く受け取れ。それとも、優秀なザフト軍の兵士はモビルスーツの手で人を掴むことすらできないのか?』

 

『くっ、ナメやがって!』

 

悪態を吐きながらもジンはイージスの手から器用に仲間を回収し、自身のコックピットへ収容する。

 

『確かにラスティは返してもらった。次はラスティが奪う筈だったその機体をいただく!』

 

そう言って、イージスに攻撃を仕掛けるジン。

 

『何っ!? 気絶した仲間を抱えたまま戦闘を行うだと...!?』

 

『くたばれぇっ!』

 

ジンに対して応戦するイージスだが、ストライクを庇いながらのため劣勢に立たされている。

 

「(このままじゃ、あの赤い機体はやられる。アスランかどうか確かめないと!)どいてください!」

 

キラはマリューと操縦を代わると、バルカンでイージスを援護しながらストライクのOSを書き換えていく。

 

「他に武器は...、ナイフ(これ)だけか!こんなところで、やめろぉーーーーーっ!」

 

ナイフ(アーマーシュナイダー)を構えたストライクが今度はイージスの前に立ってジンと対峙した。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

 

 

 

 

まさかミゲルがラスティが居るにも関わらず戦闘を続行するとはな...。

ストライクとの戦闘では原作通り機体を自爆させていたが、ちゃんとラスティも一緒に脱出しているんだろうな...?

 

ちなみに現在は、マリューさんが合流したキラの同級生たちを『機密情報(ストライク)に触れた者』として銃で黙らせており、俺はイージスの中からそれを見下ろしている。

マリューさんはそのまま銃口をイージスのコックピットに向けた。

 

「イージスのパイロット!貴方が敵ではないというのなら、降りて姿を見せなさい!」

 

その要求にはもちろん応じるつもりだ。

だがまずはキラと話がしたい。

 

「いいだろう。だがまずは貴女と、一緒に乗っていた少年とふたりだけで話がしたい」

 

マリューさんがそれに応じてキラと一緒に皆から距離を取ったので、コックピットを開けてイージスから降りる。

 

「アスラン...!やっぱりアスランだったんだ!」

 

「俺の名前はアスラン・ザラ。プラント国防委員長パトリック・ザラの息子です」

 

「なんですって!?」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

 

 

 

 

一方その頃、プラントにて。

 

「アスラン...。アカデミーではエザリアの息子たちみたいに高い成績を出して欲しかったが、まぁ良い。武器を握ることだけが戦いではない」

 

パトリック・ザラは自室で息子(アスラン)のことを考えていた。

 

「ユーリの元で技術を磨いているという話だし、アスランにはそっちの方が向いていたのだろう。今はヘリオポリスに住んでいるコーディネイターの友人に会いに行っているのだったな。......待て、ヘリオポリスだと?」

 

ヘリオポリスには今、モビルスーツ強奪のためにザフトの部隊が向かっているのではなかったか?

 

「アスランッ!」

 

パトリックの叫びも虚しく、彼の元へ届いたのはザフトと連合の戦闘によってヘリオポリスが崩壊したという知らせだった。

パトリックはアスランの安否を確認すべく情報を集めた。

しかし手に入ったのはアスランのヘリオポリス入港記録と、『アスラン・ザラ』の名前がどこにも記載されていない救助者リストだけだった。




ちなみに本作アスランはアカデミーで目立たないようにしていたので、ザフト兵に声を聞かれたくらいではバレないという設定です。
顔を見られたら流石にアウトですが。
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