俺はトゥ!ヘァ-!なんて言わないからな!【本編完結】 作:無限正義頑駄無
皆さん応援ありがとうございます。
13話を読む前に、皆さんに知っておいてほしいことがあります。
作者は別にアスハアンチという訳ではありません。
しかし
どう足掻いても『中立を掲げる国が他国の戦火に油を注いでいる』という絵面になってしまうので、擁護のしようがありませんでした。
そして時はザフト軍によるオーブ襲撃へと戻る。
「ウナト様。連合......いえ、義勇軍の艦からモビルスーツが出撃しました」
「そうか。通信を繋いで『救援に感謝する』と伝えろ」
「はっ」
「(アスハめ、父娘揃ってとんだ疫病神だったな。ウズミをもっと早く追い落とすことができていれば、義勇兵どころか正規軍を受け入れられたというのに...!)」
☆★☆★☆
アークエンジェルから出撃した俺たちに、早速マリューさんから通信が届いた。
『ザフト軍がオーブの市街地を攻撃し始めているという情報が入ったわ!
オーブ軍はマスドライバー周辺の守りを固めていたため後手に回ってしまっているのが現状よ。
すぐに向かってちょうだい!』
『嘘でしょ!?市街地!?』
『マスドライバーが目的じゃなかったのかよ!?』
『チッ、急ぐぞお前ら!』
『了解!』
ムウさんの言葉と共に、皆が機体の速度を上げる。
皆と手分けして街の防衛をすることに決めたあと現場に到着した俺が最初に見たものは、2機のディンの内片方が街を破壊している光景だった。
「ハァッ!!」
ビームブーメランを投擲し、ディンの首を刎ね飛ばす。
「うおおおおおっ!」
そのまま急降下からの蹴りで海に叩き落とす。
「くそっ、なんて酷いことを...。
......っ、あれは!?」
破壊された街の方を振り返ると、瓦礫で逃げ道が塞がれた4人組の家族が目に入る。
どうやら先程のディンはあの家族を攻撃しようとしていたらしい。
間に合って良かった...。
「早く乗るんだ!」
家族の元へ向かってジャスティスの手のひらを差し出す。
4人が乗ったことを確認し、その場から離脱する。
もう1機のディンは、最後まで何もしてこなかったな...。
俺が来る直前にもどうやら暴れていたディンを止めようとしていたみたいだし。
ザフトがあの機体のパイロットみたいにまともな人物ばかりだったら、俺も原作みたいにザフトへ入隊するのも
ありえないifの話をしても仕方ない。
ってこの家族、よく見たらアスカ一家じゃないか?
黒髪赤目が特徴の少年がいる。
彼がDestinyの主人公、シン・アスカで間違いない。
妹のマユ・アスカが立ち上がり、笑顔でこちらに手を振っている。
「危ないぞ。座っているんだ」
俺がそう言うと、マユはそれに従って腰を低くする。
シンはマユの肩を押さえると、申し訳なさそうな表情でこちらに会釈する。
殺される1歩手前の経験をしたばかりなのに、2人とも意外と元気そうだな。
逆にアスカ夫妻は助かったという実感が未だ湧かないのか、茫然としている。
『そのままアークエンジェルに連れて来てください。ザフト軍がマスドライバー以外の地域も襲っている以上、オーブ領内で安全が保証される場所など存在しませんからね』
アズラエルさんにアスカ一家をどうするか尋ねると、そのような答えが返ってきた。
オーブにもシェルターはあるのだろうが、モビルスーツが地上で暴れ回ることを想定した造りとは思えないしな...。
そのままアスカ一家をアークエンジェルに降ろし、オーブに戻る。
早く復帰して、抜けた穴を埋めなければならない。
一方、アークエンジェルに保護されたアスカ兄妹はと言うと...。
「ねぇお兄ちゃん。わたしたちを助けてくれたあのモビルスーツ、イージスだよね?『女神の盾』に登場していた...」
「あぁ。でもテレビで観たイージスより強そうな見た目だったし、新しく開発されたイージスⅡとかだったりするんじゃないのか?」
「パイロットの声、アレックスそのまんまだったね...」
「アレックスは他の登場人物と違って、本職の俳優じゃなくアレックス本人が演じているっていう話、本当だったんだな」
「自分の国の悪行を止めるために、わざわざオーブに来てくれたんだね...」
「あぁ、格好良いよな...」
「......」
「マユ?どうしたんだ?」
「えへへ、アレックス様ぁ〜」
「マユ、目を覚ませ!アレックスにはフレイというパートナーがいるんだぞ!?」
その後。
アークエンジェルの格納庫で予備の機体として持って来ていたイージスを見たマユが大はしゃぎし、シン共々マードックから怒られる羽目になるのであった。
☆★☆★☆
『連合のモビルスーツ...!?やはりオーブは連合と手を組んで...!』
「ハッハッハッ、残念だったな!俺たちは地球連合軍じゃねぇ!」
「フフッ、僕たちは義勇兵...」
「お前たちザフトの蛮行から罪なき市民を守るため、立場や国境を越えて助けに来たのさ!
そらぁ滅殺!!」
オーブの港エリアに到着したオルガたち3人。
クロトはノリノリな台詞と共に
その時、オーブの避難民を乗せた船がザフトの潜水艦が放った魚雷の直撃を受ける。
「必殺!!」
クロトはレイダーをモビルアーマー形態に変形させると、機体の下部に付いているクローで沈没寸前の船を掴み上げる。
「ちょっと乱暴だけど、沈むよりはマシでしょ」
「クロト、人助けする時まで物騒な単語を言うんじゃねぇよ」
「トドメを刺すのかと思った...」
レイダーが地上に降ろした船に飛んできた攻撃をフォビドゥンの盾で庇いながら、シャニが呟く。
「しっかしコイツら、本当に訓練されたコーディネイターの軍人なのか?機体性能を差し引いても最初の頃のフレイの方がよっぽど強かったぞ?」
カラミティがロールアウトした際、フレイと初めてシミュレータによる模擬戦を行った。
機体性能やPS装甲とTP装甲の燃費の差など理由は複数あるが、勝ったのは自分だ。
それでもフレイはデュエルの装甲がダウンするまで、撃墜されずに戦い抜いた。
それからフレイは自分やアスランたちに追いつこうと、努力を重ねて結果を出している。
フレイがストライクルージュに乗り換えてからは、初めて黒星を付けられてしまった。
今放ったビームも、フレイが相手なら避けられていただろう。
「だよね。コーディネイターの軍っていうからアスランやキラみたいなのがゴロゴロいると思っていたのに、拍子抜けだよ」
「民間人を守らなきゃならない以上、相手が弱いのはありがたいけど」
そう言いながらシャニは、足元の壊れた船から出てくる避難民を見つめる。
彼らの処遇をどうするのか、アズラエルに聞かなければならない。
面倒だなと思いながらも、シャニはアークエンジェルへと通信を繋げた。
☆★☆★☆
ジンの体当たりを、シールドで受け止めるストライク2号機。
「くっ、これ以上奥へ行かせる訳には...!」
場所はオーブの市街地。
ムウの背後では、避難をしているオーブ国民の自動車が渋滞を起こしてしまっている。
目の前のジンをここから先に進ませてしまうと、大勢の死者が出るだろう。
ムウはシールドを突き出してジンを押し返すと、ビームサーベルを抜刀する。
本来、ジェットストライカーはエールストライカーと違ってビームサーベルが付属していない。
しかしムウとフレイのストライクが装備しているジェットストライカーは、ビームサーベルを2本装備している特別仕様のものであった。
「せぇいっ!」
ビームサーベルでジンを一刀のもと切り伏せる。
「......ふぅ。街に入り込んで来たのは今のが最後のようだな」
背後を確認すると、オーブ国民の何人かが車の窓から顔を出して手を振っている。
ムウはストライクの手を振ることで返事をすると、海の方へ向き直る。
「さて。『お替わり』が来ないところから察するに、嬢ちゃんは敵をしっかり足止めできているみたいだが...。
いっちょ加勢しに行きますか」
フレイと合流するため、ストライクを飛び立たせるムウ。
その頃、当のフレイはと言うと...。
「まるでモグラ叩きをしている気分ね。簡単すぎて何か見落としているんじゃないのかって不安になっちゃうくらいだわ」
海岸に佇むストライクルージュのライフルから放たれたビームは、海から姿を現した水中戦用モビルスーツ『グーン』や『ゾノ』、グゥルに乗って空からやって来るジンを的確に撃ち抜いていた。
フレイが防衛を始めてから、オーブの陸地に上がれたザフトのモビルスーツは1機もいない。
「今日の射撃はやけに命中するわね。アスランやキラには普通に避けられちゃうのに...」
アスラン、キラ、オルガ、クロト、シャニ。
この世界でトップクラスの者たちとしか戦ったことが無い彼女が自分の実力を正しく把握し、『
☆★☆★☆
飛翔するモビルスーツの軍勢を前にして、キラはフリーダムのマルチロックシステムを起動する。
「ハイマットフルバーストモード。アスランたちが相手だと隙が多すぎる形態だけど、これなら...!」
敵モビルスーツに照準を合わせながら
「オーブから出ていけぇぇぇぇぇっ!」
頭の中で何かが弾ける感覚と共に、キラは引き金を引く。
フリーダムの斉射によって、次々と海に沈んでいくザフトのモビルスーツ。
射撃が止んだ後、宙に浮いている機体はフリーダムのみとなっていた。
「大丈夫、今回も僕たちが守ってみせるよ。だから安心して」
デュエルを取り返した戦いに出撃する直前に避難民の少女・エルから貰った、紙で作られた花。
潰してしまわないよう加減をした力でそれを握りしめながら、キラはそう呟いた。
☆★☆★☆
ビームライフルでグゥルを撃ち抜く。
ジンは破壊されたグゥルから飛び降り......ようとして間に合わず爆発に巻き込まれる。
「なんとか巻き返せたみたいだな...」
市街地に侵入した敵モビルスーツは全て撃墜。
大挙して襲い掛かっていた敵もかなり数を減らしている。
マスドライバー周辺に固まっていたオーブ軍も前線にやっと到着し、リニアガン・タンクが防衛線を構築し始めている。
やはり
『その機体、もしかしてアスランですか?』
一息吐いていると、懐かしく感じる声の持ち主から通信が入る。
「ニコル...?」
レーダーを確認するとグゥルに乗ったブリッツとバスター、そしてディンが近付いて来ていた。
ニコルやディアッカと一緒に居るということは、ディンのパイロットはイザークか?
もしかして最初のディンも...。
「まさかニコルもこの戦闘に参加していたとはな。後ろの2機は...」
『乗っているのはディアッカとイザークですよ』
『元気そうだなアスラン。俺たちは最近ちっとも良い気分になれないから羨ましいぜ』
「羨ましい?どういうことだ?」
『フン。お前が昔から感じていたであろうプラントの歪み。それを俺たちも目の当たりにしたというだけだ』
俺の問いに答えたのは、ディアッカではなくイザークだった。
この世界でもザフト軍はパナマ基地で虐殺行為に走っている。
原作と違って生存者はそこそこ多かったが、ザフトもといプラントが地球全体から恨まれる理由が増えたことに違いは無い。
恐らくイザークたちはそれを直接目にしてしまったのだろう。
『アスラン、貴様とは話したいことが山程ある。だがそれはやるべきことを済ませてからだ』
やはりマスドライバーを破壊するつもりか。
そう思ってビームライフルを構えた俺に対する3人の返答は、モビルスーツの両手を挙げて無防備な姿を晒すことだった。
『俺たち3人は投降する。どうか受け入れてほしい』
困惑する俺に向かって、イザークはそう宣言した。
アスハについてはこれまでのやらかしが表沙汰になった結果、権力を完全に失いました。
この作品にカガリの出番はあるのか、それはまだ未定です。
そしてイザークたち3人。
パナマで味方が虐殺行為をした後に投降するのは、とても勇気が必要だと思います。
キラは原作ほど死線を潜り抜けた訳ではありませんが、アークエンジェル内が原作のようなデバフ環境ではない上にアスランが一緒に居ることで成長にプラス補正が掛かっています。
よって時系列が同じなら原作の自分自身よりも強いです。
映画の入場者プレゼントはイモータルジャスティスと月光のワルキューレでした。
来週の特典も楽しみですね。