俺はトゥ!ヘァ-!なんて言わないからな!【本編完結】 作:無限正義頑駄無
1度下がった平均評価が少しずつ上がってきているので、とても嬉しいです。
完結まであと少しですが、皆さん応援よろしくお願いします。
「キラ・ヤマト、ストライク行きます!」
「アスラン・ザラ、イージス出る!」
イージスとストライクに乗り換えて、アークエンジェルからキラと共に発進する。
「キラ!」
『うん!』
モビルアーマー形態に変形したイージスを、ストライクが後ろから掴んで振り回す。
それに合わせて
原作のアスランはバカスカ撃っていたスキュラだが、俺はこれまで片手の指で数える程しか使用していない。
味方が少ない状況で燃費の悪い武器は無闇に使えないからな...。
「イザーク、ディアッカ、ニコル!」
ひとまずの安全を確保し、イザークたちに呼び掛ける。
『何だアスラン?』
『どうしましたか?』
「俺たちでヤキン・ドゥーエを制圧する。プラントの不始末はプラントの者たちで片を付けるんだ」
『......そうだな。それが筋ってモンだよな』
『いいだろう。母上の安否も確認せねばならんからな』
『えぇ、行きましょうアスラン』
『プラント在住じゃないけど、僕も付き合うよ』
「ありがとう、キラ。......よし、行こう!」
アークエンジェルたちの護衛を戻って来たムウさんやクルーゼさんと交代し、俺たちはヤキン・ドゥーエに向けて飛び立った。
☆★☆★☆
「5機のGが、肩を並べて飛んでいる...」
デュエル、バスター、ブリッツ、ストライク、そしてイージス。
全ての第1期GAT-Xナンバーが隊列を組んで進む様を、マリュー・ラミアスは感慨深げに見つめていた。
ヘリオポリスで5機中3機が強奪され、兄弟機でありながら敵対することになったXナンバーたち。
それが奪還や敵陣営からの離反を経て今この瞬間、1機たりとも欠けることなく全てが揃ったのだ。
『こんな光景を目にすることになるとは...。ヘリオポリスでザフトに襲撃されたあの日には思いもしませんでした...』
ドミニオンの艦長に抜擢されたナタル・バジルールの呟きが聞こえてくる。
「わたしもよナタル。この光景が実現できたのはきっと、アスラン君のおかげね」
彼が友人であるキラを守るためにモビルスーツのパイロットに志願したところから始まり、奪還したデュエルのパイロットを通してザフト内に変化を齎した。
彼がいなければこの場にたどり着く前にGが撃墜されていたり、未だ敵陣営で猛威を振るっていたことだろう。
「(アスラン君、キラ君、最後まで頼りきりの駄目な大人でごめんなさい。でも、あなたたちならきっとこの戦争に終止符を打てる。
だから、必ず無事に帰ってきて...!)」
アスランたちの無事を祈るマリュー。
一方、彼女の居るアークエンジェルを護衛しているムウ・ラ・フラガとラウ・ル・クルーゼは...。
「クルーゼ!後ろから撃ってくるんじゃねぇぞ!」
「フフフ。せいぜい隙を見せないことだな、ムウ」
ライラット系で活動する、
☆★☆★☆
「撃滅!!」
レイダーの
物理攻撃のためPS装甲には傷ひとつ付いていないが、強い衝撃によって内部に損傷が発生する。
「オラァッ!」
「はぁぁぁぁぁぁっ!」
そうして動きが鈍ったジャスティスに、カラミティのフルバーストとフォビドゥンの
ビーム兵器で装甲を貫かれたことによって、爆散するジャスティス。
ちなみにフリーダムはフルバーストがフォビドゥンの
「......これで終わり?」
「弱くない...?」
「サンドバッグにすらならねぇのかよ...」
アスランとキラの乗る連合製ジャスティスとフリーダムとの模擬戦を繰り返したオルガたち。
機体とパイロット、両方の質が大きく下回るザフト製ジャスティスとフリーダムに拍子抜けする3人であった。
☆★☆★☆
「アスラン...」
エターナルのブリッジからイージスを見つめるラクス。
あの機体には、アスランだけでなくフレイも乗っている。
ラクスはアスランの恋人の座を賭けて、フレイと論争をした時のことを思い出していた。
『わたしはモビルスーツに乗って、戦場でアスランの隣に立てるんだから!』
これを言われた時、ラクスは人生で初めて『嫉妬』という感情を抱いた。
自分にはできない方法でアスランとの距離を詰めているフレイ。
ただの一般人だった彼女が、モビルスーツのパイロットという命の危険がある職に就いてまでアスランの傍に居たいと願う程にアスランを愛していた。
もしプラントが一夫多妻制を導入していなければ、身を引かなければならないのは自分の方だったろうとラクスは感じている。
「(それでもやっぱり、わたくしはアスランが好きですわ)」
アスランを想う気持ちはフレイと一緒。
ラクスはアスランを支えるためにも、フレイと争うのではなく手を取り合う道を選んだ。
「アスランを頼みましたわよ、フレイさん」
☆★☆★☆
ヤキン・ドゥーエの管制室にて。
「ヤキン・ドゥーエ内部に5機の敵モビルスーツが侵入!
デュエル、バスター、ブリッツ、ストライク、イージスです!」
ジェネシスが破壊され、最後の砦であるヤキン・ドゥーエに王手がかけられたことで兵士たちは動揺し浮き足立っていた。
そんな中でパトリック・ザラは...。
「議長、一体何を...?」
「このままではヤキンは堕ちる。そうなるくらいなら...!」
そう言って、自爆シークエンスを進めるパトリック。
「自爆!?ヤキン内部には大勢の兵が居るのですよ!?連絡も無しに実行すれば脱出に間に合わない者達も...!」
「我らの勝利が望めなくなった以上、ナチュラルを1人でも多く道連れにするまで!」
そう言って、最後のボタンを押そうとするパトリック。
そんな彼を見て、何としても止めなければならないと特務隊隊長のレイ・ユウキは懐から銃を取り出す。
しかしその瞬間...。
バァン!!
管制室の扉が爆弾によって吹き飛び、煙の中から飛び出す人影。
「父上ぇ!」
「アスラン!?」
「このっ......馬鹿野郎ッ!!」
パトリックを殴り飛ばすアスラン。
そして彼に続いて管制室に入ってくるキラ、フレイ、イザーク、ディアッカ、ニコルの5人。
「現時刻を以って、このヤキン・ドゥーエ要塞は我らクルーゼ隊が制圧した!
全員直ちに降伏せよ!」
ざわめく兵士たちを、イザークが天井に向かって銃を発砲することで黙らせる。
「アスラン...」
「父上。もうやめましょう、こんなこと...」
「連合が核の力を手にした以上、またユニウスセブンのような悲劇が起こる。そうなる前に、ナチュラルは滅ぼさねばならんのだ...!」
「連合はNジャマーキャンセラーを地球の原子力発電所に優先的に回しています。
核ミサイルなんて持って来ていません。
核動力を搭載していた連合製のジャスティスとフリーダムも、ジェネシスと共にこの世から消えました。
父上が懸念するような事態にはなりません」
「......」
「終わりにしましょう、父上。コーディネイターの未来のためにも、憎しみの連鎖を俺たちの世代で断ち切りましょう」
「アスラン...」
ピッ、ピッ。
「うん?」
室内に突然響き渡る電子音。
「ア...アスラン、あれ...!」
フレイが指差す先にあるモニターに表示されている数字。
それが1秒ごとに1ずつ減っていく。
まるで何かのカウントダウンを表しているかのように。
「ヤキンの自爆システムが作動している!?」
「何だと!?俺が父上を殴り飛ばしたのが原因か!?」
「とにかく全員脱出だ!急げ!」
「クソッ!父上と殴り合いの親子喧嘩とかしてみたかったのに!」
「こんな時に何を言っているのだお前は!」
やや締まらない結末になりながらも、アスランたちはヤキン・ドゥーエの制圧及び破壊を成し遂げたのであった。
☆★☆★☆
自爆するヤキン・ドゥーエから脱出する大量の艦艇やモビルスーツ。
その内の1機であるイージスのコックピットの中で、パトリックは操縦者であるアスランに訊ねる。
「アスラン」
「暴れないでください、父上。もし何らかの拍子でコックピットハッチが開いてしまったら、宇宙服を着ていない父上は死んでしまいますよ?着替える時間なんて無かったのですから」
「いや、そうではなくてだな...。お前と一緒に行動しているこの女は一体何なのだ?」
そう言って、フレイを指差すパトリック。
「彼女は俺の恋人です」
「何だと?婚約者は......シーゲルの娘はどうした!?」
「ラクスとの関係も良好ですよ」
「プラントは一夫多妻制になったってラクスが言っていたわよ?なら問題無いじゃない」
「確かにそうだが...」
よりにもよって息子が重婚をすることに、複雑な心境になるパトリック。
「フレイ、父上に自己紹介をしてくれ」
「わかったわ。わたしはフレイ・アルスター。
生まれはナチュラル、育ちはブルーコスモスだけどアスランを愛する気持ちは本物よ。
よろしくね、お・義・父・さ・ま?」
「なぁっ!?」
衝撃の事実に、開いた口が塞がらないパトリック。
「ただいま、ラクス」
『お帰りなさい、アスラン』
ちょうどイージスがエターナルに到着し、帰還の挨拶を交わすアスランとラクス。
その後。
ザラ派によって監禁されていたシーゲル・クラインが穏健派の者たちによって解放され、彼が停戦の申し入れを行い連合側が受諾。
ヤキン・ドゥーエでの戦いは、こうして幕が閉じられたのであった。
次回、最終話。