俺はトゥ!ヘァ-!なんて言わないからな!【本編完結】   作:無限正義頑駄無

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お久しぶりです。
本作の更新は本来もうするつもりは無かったのですが、感想を読んでひとつだけネタを思いついたので投稿します。


EXTRA-PHASE おまけの日常

ラクスの妊娠をきっかけに、セキュリティのしっかりした家へ移り住んでからおよそ1ヶ月。

近所を1人で散歩していると、近くの公園からラクスの歌声が聞こえてきた。

 

『〜〜♪』

 

「ラクスの歌声...。一体どこから...?」

 

今日のラクスは家で留守番をしている筈。

しかし聞こえてくる歌声はラジオ等の機械ではなく生の声だ。

気になったので公園に入ると、そこでは黒髪の女性がラクスの曲を歌っていた。

もしかして彼女は...。

歌い終わった彼女が、俺の存在に気付いて振り返る。

 

「きゃっ!? い......何時の間に!?」

 

「すまない。つい聞き入ってしまっていた」

 

「もしかして......貴方はアスラン・ザラさんですか?」

 

「そうだが、君は?」

 

「はい。わたしはミーア・キャンベルっていいます」

 

やっぱり、Destinyでデュランダル議長が用意した『替え玉としてのラクス・クライン』を演じた女性だった。

劇中ではラクスと瓜二つの顔と声を有していたミーア。

顔こそ整形手術によるものだが、ラクスそっくりの声は彼女自身が最初から持っていたものだった。

 

俺は近くの自販機で飲み物を2本買うと、1本をミーアに渡して一緒にベンチへ座る。

 

「良い歌だったよ。俺もラクス本人かと思ってしまったくらいだ」

 

「えへへ、ラクス様の婚約者である貴方にそう言われるなんて嬉しいです」

 

「ラクスの曲を歌っていたということは、ラクスのファンなのか?」

 

「はい!ラクス様ってメディアへの露出が少ないですから、グッズがあまり無いのがちょっと寂しいですけどね...。

そういえばラクス様がいつも連れ歩いているあのハロっていうロボットですけど、アスランさんが作ったって言うのは本当なんですか?」

 

「あぁ、本当だ。何なら次会った時にプレゼントしてあげようか?」

 

「いいんですか!? ありがとうございます!」

 

原作のミーアは赤色のハロを伴っていた。

でも赤色のハロはこの世界で俺がフレイに贈ったハロの色でもあるんだよな...。

ミーアには何色のハロをプレゼントしようか...。

 

「アスランさんから見たラクス様のお話、聞かせてもらえませんか?」

 

「ラクスの話か、そうだな...。

この前仕事が長引いて帰りが遅くなってしまったんだが、ラクスがいつもの1.5倍くらいの量の夕食を作って待っていたんだ」

 

「うふふ、ラクス様もやっぱり女の子なんですね。

そんな可愛らしい嫌がらせをするなんて。

ちゃんと全部食べましたか?」

 

「あぁ。だがこれが繰り返されると体重があっという間に増えてしまうだろうな」

 

「ではそうならないように、仕事は早く終わらせないといけないですね」

 

そうして話している内に、話題がミーア本人のものへと移る。

 

「それじゃあ、君の将来の夢は...」

 

「はい、ラクス様と同じ歌手になりたいんです。でも...」

 

「......どうしたんだ?」

 

「これまで、何回かオーディションを受けたんです。だけど、全部落ちちゃって...。わたし、才能無いのかなって...」

 

「......」

 

確か原作だと審査員がミーアの歌をつまらなそうに聞いているシーンがあったな。

 

「ごめんなさい、アスランさん。愚痴みたいになってしまって...」

 

「さっきの歌を聞いた限りだと、オーディションの審査員に人を見る目が無いだけだと思うがな...」

 

俺個人としては、原作で非業の死を遂げたミーアを助けたい。

俺が彼女にしてあげられることは...。

 

「なあミーアさん」

 

「ミーアで結構です。それで何ですか?」

 

「ひと時の間だけ、『ラクス・クライン』になってみる気は無いか?」

 

「ラクス様になる?それは一体...」

 

「まず、『女神の盾』という作品は知っているか?ブルーコスモスがプロパガンダ用に制作したドラマなんだが」

 

「はい。アスランさんをモチーフにしたノンフィクションドラマで、主役をアスランさん自身が演じたのですよね?

雑誌のインタビューでラクス様が『主人公(アスラン)に婚約者がいないことになっている』と残念がっていましたけど...」

 

イザークたちから聞いていたが、よほどその部分が気になっていたんだなラクス...。

 

「あぁ。それでその『女神の盾』なんだが、シーズン2の制作が最近決まったんだ。

実は存在していた主人公(アレックス)の婚約者の視点を主軸にしたものがな」

 

「そのドラマとわたしがラクス様になることにどういった繋がりが......まさか!?」

 

「そうだ。そのドラマにおけるアレックスの婚約者......つまり、ラクスの役を君が演じてみないか?」

 

「わ、わたしがですか!? でもこういうのはラクス様自身がやりたがっているのでは...!?」

 

「その通りなんだが、ラクスが俺の子供を妊娠してしまってな。ドラマへの参加ができなくなったんだ」

 

「そうだったんですか...。

え〜と、おめでとうございます?」

 

「ありがとう。それで、どうする?」

 

「わたしがラクス様の役を...。

できるのでしょうか、こんなソバカスだらけの地味な女に...」

 

その言葉に改めてミーアの顔を見つめる。

前世でも思ったが、整形前である今の顔の方が正直言って好みである。

 

「そうか?メイク次第で十分綺麗になれる顔だと思うぞ」

 

「ア、アスランさん...。ち、近いです...」

 

「っ!す、すまない...」

 

いつの間にかかなり距離を詰めてミーアの顔を見つめてしまっていた。

これはセクハラになってしまうか...?

 

「(あ、危なかった...。今のはガチ恋距離だった...。

あのまま見つめ続けられていたら、わたしの方からキスしちゃっていたかも...。

ラクス様や第2夫人(フレイ)さんは常日頃からあの距離感で過ごしているというの...!?)」

 

「もしやってみようと思うのなら、俺の方から番組側に掛け合ってみるが...」

 

「ありがたい話ですけど、遠慮します。ラクス様の役は歌声しか取り柄の無いわたしより、もっと相応しい人が居る筈です...」

 

「声がラクスと同じなのは生まれつきだったとしても、歌唱力は君の努力の賜物だろう?

ミーア、君には君自身が思っている以上のものが秘められていると俺は思う」

 

「わたしに、ラクス様の代わりが務まるでしょうか...」

 

「俺が今欲しているのは『ラクスの代用品』じゃない。

『ラクスを誰よりも理解している女性』だ。

ファンの立場でラクスのことをあれだけ語れる君にしかできない役割なんだ。

それでも他の見知らぬ誰かに譲るか?」

 

「......わかりました、やります。ドラマでアスランさんの婚約者役を。

どうかよろしくお願いします」

 

ドラマへの出演をミーアが承諾する。

これがミーアが夢を叶えるきっかけになると良いのだが。

 

 

 

後日。

アスランを介してミーアと顔合わせをする番組スタッフ及びラクスとフレイ。

 

「(ねえラクス、やっぱり彼女は...)」

 

「(はい。わたくしのファンであると同時に、アスランへの恋心を感じますわ)」

 

アコードの精神干渉能力で相手の脳内に直接話しかけ、読心能力で相手の頭に浮かんだ言葉を読み取る。

擬似的な念話でやり取りをするフレイとラクスは、ミーアがアスランに好意を抱いていることをひと目で見抜いていた。

 

「(地味な感じの女の子が白馬の王子様に見初められる...。こんなシンデレラストーリーが現実で起こり得るなんてね...)」

 

「(わたくしやフレイさんに負けず劣らずの運命的な出会いですわね...)」

 

ミーアが第3夫人になるのも時間の問題か、と溜息を吐くフレイとラクス。

しかし後日。

フレイとラクスの予想に反してオーブからやって来たマユ・アスカが歳の差を意にも介さない猛烈なアプローチをアスランに仕掛け始め、ミーアを含めた彼女たち3人は度肝を抜かれることになるのであった。

 

こうしてミーアが参加することで本格始動した『女神の盾』シーズン2。

序盤の評価はあまり良くなかったが、ミーアは『祖国を裏切ることになっても人としての正義を貫く主人公を想い支える婚約者』の役を見事に演じきり、最終的な評価はシーズン1を越えるものとなった。

このドラマ出演をきっかけに、ミーア・キャンベルは歌手になるという夢を実現させるための階段を駆け上がって行くのであった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

 

 

 

 

「すまぬシュラ。よく聞き取れなかったようじゃ。もう1度言ってはくれぬか?」

 

某所にて。

アコードの生みの親であるアウラ・マハ・ハイバルは、電話の向こう側にいる相手に告げた。

 

『はい、母上。私はこの度、アグネス・ギーベンラートと交際することになりました』

 

アコードの1人であるシュラ・サーペンタインは、1度目と一字一句違わない内容をアウラに報告する。

 

「交際?......恋人?」

 

『はい。つきましては彼女との愛を育みたいので、母上の野望は他の兄弟に託したいと思います』

 

「なんじゃと!? シュラ、其方を欠いてどうやって...!」

 

『では母上、お元気で』

 

シュラのその言葉と共に、通話が切れる。

 

「シュラ!? 待つのじゃシュラ!シュラぁぁぁぁぁっ!」

 

アウラの絶叫が、周囲に虚しく響き渡る。

 

「シュラよ、託すといっても其方が最後の1人だったのじゃぞ...」

 

アウラは遺伝子によって管理された社会を作り、全ての人類を導く存在としてアコードたちを生み出した。

しかし、『ラクスが運命の相手ではなかったので、本当の運命の相手を探しに行く』と言って出奔したオルフェを始めとして、

 

『恋人ができた』

『叶えたい夢ができた』

『推しができた』

 

といった様々な理由で、全てのアコードが彼女の元から去って行ってしまった。

 

「い......いや、まだじゃ。まだリデラードがおる。あやつがキラ・ヤマト(ユーレン・ヒビキの作品)を連れて来れば、どうにかなる筈じゃ...」

 

キラを籠絡するために送り出したリデラードに、最後の希望を見出すアウラ。

しかし数日後。

リデラードから、『キラに本気で恋をしたからハニートラップの任務を放棄する』という旨の連絡を受け取り、アウラは目の前が真っ白になったのであった。




ミーア「ラクス様だって女の子なんだし」
(Destiny47話より)
劇場版で皆がやっと気付けたラクスの本質に20年前からたどり着いていたミーアって凄いですよね。

Q.本作のフレイとラクスはどれくらい仲が良いの?
A.カラオケに行ったら『(アスランと)愛し合う2人』として、大塚愛さんの『さくらんぼ』をデュエットするくらい仲良しです。

今夜のニンテンドーダイレクト楽しみですね。
作者は仕事の都合で基本的に20時就寝なのでリアタイ視聴はできませんが。

皆さんはどちらのミーアが好きですか?

  • 整形前
  • 整形後

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