俺はトゥ!ヘァ-!なんて言わないからな!【本編完結】   作:無限正義頑駄無

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こんにちは。
原作の人物が本作時空を見た時の反応が気になる読者様がそこそこいるみたいなので書いてみました。

この番外編には、
・導入が『本編で自爆したジャスティスとフリーダムが原作時空(劇場版後)に転移する』というご都合展開。
・本編で描写されなかった会話シーンの追加。
・どう足掻いてもキラ虐になってしまうのでキラは登場しませんし、後に1人で記録映像を見ることもありません。
の要素がございます。
それでも良ければ見ていってください。


番外編01 原作時空から見た本作時空
ANOTHER-PHASE もしもの世界(01if〜03if)


世界平和監視機構コンパス。

その主力艦であるスーパーミネルバ級宇宙戦艦『ミレニアム』の中では、とある2機のモビルスーツの解析が進められていた。

 

「そっちはどう、シン?」

 

その内の1機であるZGMF-X09A『ジャスティス』のコックピットから、ルナマリア・ホークが隣の機体に乗っている人物に呼び掛ける。

 

「う〜ん...」

 

ZGMF-X10A『フリーダム』のコックピットの中で、解析に悪戦苦闘するシン・アスカ。

 

数時間前。

とある宙域で正体不明のエネルギー反応を観測したコンパス。

ミレニアムが現場に到着するとそこには、この世界では既に失われた筈のフリーダムとジャスティスが漂っていた。

それら2機を回収して現在に至る。

 

「やっぱりフリーダムのことはフリーダムのパイロットに聞くのが良いのかしらね?」

 

「仕方ないよ、隊長は出張中なんだから」

 

かつてこの機体に乗っていたパイロットであり、シンとルナマリアの隊長であるキラ・ヤマトは出張のため今は不在である。

 

「機体のOSは......えっ、地球連合軍?」

 

ザフト製のモビルスーツなのに地球連合軍のOSが使用されていることに驚くシン。

しかし驚くことはそれだけではない。

 

「『製作者 キラ・ヤマト』...!?」

 

「著作権のマークまで付いてるわよ...!?」

 

キラがプログラミングを得意としているのは2人とも知ってはいたが、地球連合軍がキラの作ったOSを軍内で正式採用しているという事実に茫然としてしまう。

 

「どうする?通信で隊長に聞いた方が良いんじゃ...」

 

「いや、隊長の手はできるだけ煩わせたくない。隊長にお伺いするのは戦闘記録を確認してからでも遅くはないと思う」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

 

 

 

 

フリーダムとジャスティスに記録された映像を確認するため、ひとつの部屋に集まるコンパスのメンバーたち。

総裁のラクス・クラインを始めとしてマリュー・ラミアス、ムウ・ラ・フラガ、アグネス・ギーベンラート。

そして偶然用事があってミレニアムを訪れていたアスラン・ザラ、メイリン・ホーク、カガリ・ユラ・アスハ。

以上の7人が集まった。

 

「それでシン、ジャスティスとフリーダムの記録というのは?」

 

アスラン・ザラが代表して、準備中のシンとルナマリアに尋ねる。

 

「もうちょっと待ってください。2機のデータをひとつの端末に纏めないと再生できないようになっていたんで......よし、できた!」

 

記録映像の再生が始まり、全員が着席する。

最初にスクリーンに映し出されたのは、炎に包まれる格納庫と2機のモビルスーツであった。

 

「ストライクとイージス!?」

 

「もしかして、ヘリオポリスでザフトがG兵器を強奪した時の映像か!?」

 

驚愕の声を上げるマリューとムウ。

映像では、マリューがキラと共にストライクのコックピットに乗り込んでいる。

 

「あら?」

 

「どうしましたラミアス艦長?」

 

「わたしは確かこの時、ザフト兵の銃撃で負傷していた筈...」

 

無傷のままストライクに乗り込む自身に疑問を抱くマリュー。

その疑問に答えるかのように、映像の視点がイージスに切り替わる。

そこでは、民間人の服装をしたアスランがザフト赤服隊員を気絶させているところであった。

 

 

 

『連合の兵器が隠されているとはいえ、コロニー内での戦闘は度が過ぎているよなぁ。せめて出港したところを狙えば良いものを』

 

 

 

「俺がザフト軍じゃない...!?」

 

「これは本当に過去の記録映像なのか...?」

 

「......並行世界、ってやつなんじゃないですか?」

 

カガリの疑問に、アグネスが答える。

 

「どういうことだよアグネス?」

 

「パラレルワールドよ。これは『アスラン・ザラがザフトに入隊しなかった世界』の映像で、フリーダムとジャスティスはその世界から流れて来たものってコト」

 

「あり得るの?そんなことが...」

 

「並行世界、か...。フィクションの中だけの話だと思っていたが...」

 

「アグネスさんの言う通りなのかどうか、それはこの映像を見続ければわかると思いますわ」

 

ラクスの言葉に、皆は再びスクリーンに集中する。

映像ではジンを撃破した後にモビルスーツから降りたキラとアスランが再会していた。

この辺りから『誰がどうやって撮ったんだ』と言いたくなるような視点の映像になり始め、アグネスの並行世界説に信憑性が出てきた。

 

 

 

『アスラン...!やっぱりアスランだったんだ!』

 

『俺の名前はアスラン・ザラ。プラント国防委員長パトリック・ザラの息子です』

 

『なんですって!?』

 

『アスランはザフトじゃないの?』

 

『あぁ。ザフト兵を養成するアカデミーには入っていたが、ザフト軍に入隊はしていない。俺は歴とした民間人だよ』

 

 

 

「本当にこの映像の俺はザフトじゃないんだな...」

 

映像のアスランはマリューに偽名を名乗る許可を貰うと、トールたちと合流する短い間でキラと会話をしている。

 

 

 

『アスラン......じゃなかったアレックスは軍の学校に通ったのにどうしてザフトに入らなかったの?』

 

『キラ、学校とか会社とかで組織ごとのルールってあるだろう?

軍隊なら《民間人に被害が発生するような作戦をしてはならない》とか、《軍務に私情を持ち込んではならない》とかだ。

だがザフト兵を養成するアカデミーでは戦闘に関わること以外は何も教えてくれなかった。

在学中に確信したよ。

ザフトに入隊したら、いつか人として大切な何かを失う......とな』

 

 

 

「え......マジ?」

 

「アスラン、当時のザフトはそんなに危ない組織だったのですか?」

 

「あぁ、本当だ」

 

映像の中のアスランの台詞に正規の軍人であるムウは開いた口が塞がらず、ラクスは目の前のアスランに問い詰める。

彼もアカデミー時代に軍人としての心構えの類は特に教えられなかった。

 

そして自分は、ストライクに乗っているキラを説得するためとはいえ中途半端な気持ちで戦場に立ってしまっていた。

その結果友達(キラ)友達(ニコル)を殺され、友達(キラ)友達(トール)を殺して最終的に友達(キラ)と殺し合うことになった。

映像の中の自分の言う通りになってしまった訳だ。

 

「当時のザフトが地球に住んでいる人たちにテロリスト呼ばわりされてたのって、むしろ当然だったんじゃ...」

 

「あたしたちが正規軍を名乗れるような教育カリキュラムが組まれるまで、デュランダル議長は物凄く頑張ったんじゃないかしら」

 

もし自分よりも前の世代の教育を受けてしまっていたらという想像をして、身震いをするルナマリアとアグネス。

そして映像はアスランとマリューがイージスに乗って武装や予備パーツを回収する場面に移っていた。

 

 

 

『......何も言わないのね』

 

『まあ、状況的に俺のことをスパイだと疑う気持ちもわからなくはないですからね』

 

『ごめんなさい。あなたが本当に民間人なら、わたしは軍人失格だわ』

 

 

 

自分がアスランに銃を突き付けているシーンを見て、マリューが顔を覆う。

 

「キラ君の友達と合流した時もそうだけど、わたしって最低だわ...。いくら機密情報(ストライク)に触れたからって、民間人を銃で脅すなんて...」

 

ムウに慰められるマリューを見つめるアスラン。

彼としても、キラをストライクに乗せ続けたマリューに思うところが無い訳ではない。

しかし、元はといえば自分たちザフトがヘリオポリス内で暴れたのが原因だ。

映像の中の自分の言う通り、コロニー外で強奪作戦をすれば済んだ話だ。

当時の自分はそんなことにすら思い至らない人間だった。

 

その後の戦闘でヘリオポリスが崩壊し、戻って来たキラとアスランの会話が始まる。

 

 

 

『アスラン、僕......人を殺しちゃったんだ。それも、アスランの故郷の人たちを...』

 

『キラ。お前はついさっき俺を、俺が乗ったこの艦を守ってくれたんだぞ?守られた側の俺がそのやり方に文句を言う筈がないだろう。

ありがとう、キラ』

 

『(もしそんな(文句を言う)奴がいるなら俺の手で殺してやる...!)』

 

 

 

映像の中のアスランの心情が、テロップで表示される。

 

「いきなり『殺す』って、そこは殴るんじゃないのかよ!? こっちのアスランより物騒じゃないか!?」

 

「それだけキラさんのことが大事なのよ。ね、アスランさん?」

 

「あぁ、もちろんだ」

 

アスランに殴られた経験のあるシンの驚愕を、メイリンが諌める。

そんなメイリンの言葉に応えながら、アスランは考える。

4年前の自分は同じ状況でちゃんとキラに感謝の言葉を述べることはできるだろうか、と。

 

 

 

『それでも俺は、キラを守ると決めたんだ!』

 

 

 

映像の中のアスランは地球連合軍に入隊し、決意の言葉と共に奪われたG兵器と対峙する。

 

「こっちの俺はプラントと敵対する道を選んだのか...」

 

「民間人としてヘリオポリスの惨劇に対面したら、この選択も納得だがな...」

 

当時ヘリオポリスを訪れていたカガリが呟く。

アークエンジェルがアルテミス要塞に入港したところで映像が終了する。

この記録映像はチャプター分けがされており、たった今3番目のチャプターが終わったところだ。

チャプター選択画面に切り替わったところで、皆が小休止に入る。

 

「アスランが地球連合軍に......かぁ」

 

「連合のパイロットスーツも思いの外似合っていましたわね」

 

「キラとお揃いだったな、アスラン」

 

「やめてくれラクス、カガリも。まぁ、全く羨ましくないと言えば嘘になるが...」

 

「ストライクのパイロットって、この世界でもヤマト隊長だったんですか?」

 

「そういえば機密だったわね、その情報...」

 

「『中立国(オーブ)のコーディネイター』が、『連合の新兵器』で『ザフトと戦う』...。全ての勢力の地雷を踏み抜いた出来事だったからなぁ......」

 

遠い目をするマリューとムウ。

自分たちはこの頃からずっとキラに負担を掛け続けてしまっていた。

アスランが一緒に居るとはいえ、この世界と同じようなことになってしまうのではないかと不安な気持ちになる。

 

「チャプターは全部で20個か。これは長丁場になりそうだな...」

 

皆の休憩が終わったのを確認したアスランは、4番目のチャプターの再生を始めた。




いかがだったでしょうか。
本作が本格的に原作から逸れていくのはアラスカ基地からなので、原作時空の人たちのリアクションはまだ控えめです。
最後までやるとしたら大体5〜6話くらいになると思います。

マクドナルドのハッピーセットがカービィだったので買ってみたのですが、1/4の確率なのにワドルディが当たってしまった...。
ですが思っていた以上に可愛い出来だったのでOKです。

このシリーズの続きを...。

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