俺はトゥ!ヘァ-!なんて言わないからな!【本編完結】 作:無限正義頑駄無
前回は作者の愚痴に付き合ってくれてありがとうございます。
皆さんのご意見、とても参考になりました。
本編と大まかな流れが同じなら、そりゃあ飽きますよね...。
番外編01を含めたら3周目ですし尚更。
それを踏まえた上で見応えのある作品にしたいと思っておりますので、これからも応援よろしくお願いします。
ラクスの身柄をザフトに返還した後。
キラは快復したアスランと共にそれぞれの機体を整備していた。
「キラ、アレックス。ちょっと良いか?」
「サイ、どうしたの?」
そんな2人の元へサイが現れる。
「何か相談事か?」
「あぁ。フレイが地球連合軍に入隊したいって言っているんだ」
「えっ...?」
「もうすぐ第8艦隊に合流できるというのにか...?」
「そうなんだ。どうやらフレイはアークエンジェルから降りるつもりが無いらしい」
「フレイはああ言っていたけど、やっぱりお父さんの復讐がしたいのかな...?」
「サイ、その時のフレイの様子はどうだったんだ?」
「ひとしきり泣いた後だったからか、落ち着いた感じだったよ。フレイなりに、じっくり考えたんだと思う」
「サイはフレイにどうしてほしいんだ?婚約者としては、やっぱり入隊には反対か?」
「本音を言えばフレイには危険な場所に居てほしくはない。でも、何もできずにただじっとしているのも......それはそれで辛いってわかっているしな...」
そう言って、ヘリオポリスの惨劇を思い出すサイ。
「フレイの決意が固いなら、入隊は受け入れて彼女をサポートする方針が良い......のかな?」
「そうだな。俺や皆でフォローすれば、早々に危険な事態にはならない筈だ」
「ごめん。キラ、アレックス。お前たちの負担を増やしてしまって...」
「気にしないで、サイ。フレイにはたくさんお世話になったし、これくらい平気だよ」
「彼女は父親を守れなかった俺を憎まないと言ってくれた。彼女の優しさにはちゃんと報いるつもりだ」
「2人とも、ありがとう...!」
☆★☆★☆
第8艦隊と合流する直前にアークエンジェルへ攻撃を仕掛けてきた3機のGAT-Xナンバー。
迎撃のために出撃するストライク、イージス、メビウス・ゼロ。
今回の戦闘でキラに与えられた役割はバスターの足止めだ。
『くそっ、金魚のフンみたいにピッタリくっついてきやがって!』
「悪いけど、射撃の隙は与えないよ」
エールストライカーの機動力を活かして、ひたすらバスターの懐に飛び込む。
近接武装を持たないバスターに反撃の手段は無く、全力で距離を取る一択となる。
そうしてストライクとバスターが一方的な鬼ごっこを繰り広げている内に、イージスがデュエルの鹵獲に成功する。
『イザーク!』
『ディアッカ、撤退です!デュエルを収容したイージスが戦線復帰してしまえば離脱も厳しくなります!』
『ちくしょう...!』
撤退していくバスターとブリッツ。
『お疲れ、嬢ちゃん』
ブリッツの足止めをしていたムウから、労いの言葉を掛けられる。
「良かった、今度は守れて...」
『良く頑張ったな。後でボウズに目一杯甘やかしてもらったらどうだ?』
「っ!? ムウさん、何を...!?」
『あれだけボウズに熱い視線を送っておいてとぼけるのか?気付いてないのはボウズ本人くらいだぞ?』
キラがアスランへ抱いている好意は、アークエンジェルの面々に筒抜けになってしまっているらしい。
恥ずかしさのあまり、キラの顔が赤く染まる。
キラはこの時、
☆★☆★☆
アスランの頼みで捕虜となった
「......という感じで、アスラン・ザラは死んだと伝えてくれ」
「う〜ん......言葉だけで信じるかな?」
「一応、こんなものも用意しているが」
アスランはそう言って、血と煤で汚れた市民IDをキラに見せる。
「アスラン、これに付いている血って...」
「もちろん俺自身のものだ。向こうで検査されれば、より信憑性が増すことだろう」
自分で切ったのか、アスランの指には包帯が巻かれていた。
「ここまでする必要ってあるの?彼はアカデミーでの同期なんでしょ?」
「同期だからこそだ。イザークには、自分を見つめ直してほしいんだ」
「......わかったよ、アスラン。頑張ってやってみる。上手くいったらご褒美をちょうだい」
「いいぞ。キラのお願いだったら何でも叶えてやるさ」
「......アスラン、僕が言うのもアレだけど『何でも』だなんて軽々しく言ったら駄目だよ」
「軽々しくなんかないさ。文字通り何でもしてあげたい相手なんて、キラくらいだからな」
「......っ」
実際、アスランはキラを守るために現在進行形で後戻りできない道を進んでいる。
プラントの過ちを正すためという理由もあるのだろうが、5割くらいはキラ個人のため......と考えているのはキラの自惚れではないだろう。
※実際は5割どころか9割です。
アスランから『
嬉しさと恥ずかしさで、思わずアスランから顔を背けてしまう。
「(......もう、アスランはすぐそういうことを言うんだから)」
ここまでアスランに想われていたら、自分が男だったとしても惚れていただろうな......と思いながら市民IDを受け取る。
「(せっかくアスランが頼ってくれたのだから、頑張って成功させなくちゃね。ご褒美は後でゆっくり考えよう)」
キラは深呼吸して心を落ち着かせると、意を決して営倉へと足を踏み入れるのであった。
☆★☆★☆
「あなたたちのせいで、アスランは死んだんです。そして僕はアスランの敵討ちのために地球軍に入りました。
イージスのパイロットも似たような理由です。ご理解いただけましたか?」
「アスランの大事な形見ですけど、それは差し上げます。
国防委員長をやっているという、アスランの父親に渡しておいてください。
それを受け取った時、アスランの父親がどんな表情をするのか見れないのが残念ですが」
相手が自分たちの
「アスラン、どうだった?」
「100点中120点。良い演技だったぞキラ」
「ありがとう。でもあんな役はもう勘弁かな...」
「キラ、お前はそれで良い。お前のその優しさを守るために、俺はここに居るんだ」
アスランはそう言うと、キラの頭を優しく撫でる。
「うん...」
その心地良さに、顔が蕩けそうになるのを必死に堪えるキラ。
だらしない表情を想い人に見られたくないという乙女心である。
「(もうこれがご褒美でいいかも...)」
アスランに撫でられながら、微笑む彼と目を合わせていると自分も彼に何だってしてあげたくなるような気持ちになってしまう。
「(ここまでしてくれる以上は、アスランは僕のことが好き......なんだよね?でもアスランが僕の本当の性別を知ったのはヘリオポリスに来てから...。
やっぱりアスランの『好き』は女の子としてのものじゃないのかな...?
いつか聞かせてほしいな、アスランの気持ちを...)」
☆★☆★☆
イザークを解放した後。
奪還したデュエルのパイロットを決めるためにシミュレータに集まるヘリオポリス組。
「あ〜やられたぁー!」
「ゲームオーバーだな。次は俺の番だ」
乗り気じゃなかったミリアリア
「ふふん。どんなものよ」
「フレイって、モビルスーツを動かす才能があったんだな...」
シミュレータの席から立ち上がったフレイが、キラとアスランの2人と向き合う。
「これでわたしもあなたたちと一緒に戦えるわね。大丈夫、足を引っ張ったりはしないわ」
アスランはキラに目配せした後、フレイに向き直って言葉を紡ぐ。
「戦闘中は俺たちやアークエンジェルの指示に素直に従うって約束できるか?」
「もちろんよ。わたしがザフトと戦いたいのは、コーディネイターに憎しみをぶつけるためじゃない。わたしのような人を、これ以上増やさないようにするためなのだから」
「......わかった。フレイが今言った約束を守っている限り、俺たちもフレイを全力で守る。約束だ」
「えぇ、よろしくね。キラ、アレックス」
☆★☆★☆
第8艦隊との合流に成功し、襲撃してきたザフト軍を撃退したアークエンジェル。
「キラ」
「アスラン...」
ヘリオポリスの避難民を乗せたシャトルがオーブの方角へ降下して行くのを見届けたキラ。
そんなキラの背後からアスランが声を掛ける。
「なんとか守り切れたな、あの子たちを...」
「うん...」
キラは自身が握っている紙でできた花に視線を落とす。
この花は、避難民の少女エルから助けたお礼にもらったものだ。
「そういえばフレイからブリッツのパイロットに正体がバレたって聞いたけど、大丈夫なの?」
「ブリッツのパイロット......ニコルはザフトの中でも良識のある人柄の持ち主だ。大丈夫だとは思うが......プラントに帰るのは諦めた方が良いかもな」
「じゃあこれからはどうするの?」
「そうだな...。キラの家に厄介になるのは駄目か?」
「父さんも母さんも事情を話せば受け入れてくれるだろうけど......っ!?(それってつまり同棲ってことじゃ...)」
「どうしたキラ?」
「な、何でもないよアスラン...」
※フレイは事前にアスランの本名を聞いています。
☆★☆★☆
アラスカ基地に無事到着したアークエンジェル。
アークエンジェルがメンテナンスと改装で動けない間、ブルーコスモス盟主ムルタ・アズラエルから仕事が与えられたキラたちモビルスーツパイロット3人。
仕事の内容は、地中深く埋まっているNジャマーを掘り起こすというものであった。
穴掘り作業を開始して数日後の朝。
アスランと同じベッドで目覚めたキラは、未だ眠ったままのアスランの寝顔を見つめる。
ちなみに現在はヘリオポリス崩壊直後とは異なり、アスランから同衾の許可を取っている。
『知らない場所で1人で寝るのは寂しいんだ...。お願いアスラン』
『あぁ、構わないぞ。腕枕と子守唄は必要か?』
『さ、流石にそれは要らないよ...』
寝る前にベッドの中で抱きしめられたり頭を撫でられたりするキラ。
嬉しいことには違いないのだが、キラとしてはもっと踏み込んだ関係になりたいと思っている。
「(う〜ん、ラクスさんよりリードできている気がしないな...。キスもまだだし、どうすれば良いんだろう?寝ている間にスるのはノーカンだよね...)」
どうすればアスランに異性として意識してもらえるのだろうと思考を巡らせていると、アスランの寝顔が険しいものになる。
「う、うぅん...」
「アスラン、どうしたの!?」
「智...樹...くん...」
「(トモキ......って誰?オーブにありそうなネーミングだけど、アスランに
その後、目覚めたアスランから話を聞くキラ。
「夢を見ていたんだ。
その夢の中で俺は......その......女性下着を素材に作られたロボットになっていてな...。
智樹くんは
彼の声が昔のキラにそっくりで、親近感が湧いて友達になったんだ。
最後は彼の幼馴染の攻撃から智樹くんを庇って破壊されたところで目が覚めたんだ...」
「やめてよね。返答に困る内容の夢を馬鹿正直に語るの」
「(じょ、女性下着がボディのロボットになる夢を見るなんて...。アスランって欲求不満なのかな...?
それなら......って一体何を考えているんだ僕は!?)」
頭の中に浮かんだ考えを、即座に振り払うキラ。
夢の中で友達と離別した余韻が残っているのか、未だぼんやりしているアスランをベッドから引っ張り出す。
「ほら、早く準備しないと遅刻してフレイに怒られるよ?」
「あぁ...」
「(あっ、コレって寝坊する旦那さんを起こしている奥さんみたいでイイかも...♪)」
アスランと少しだけ恋人らしい出来事を経験できたキラは、上機嫌で今日の穴掘り作業に臨むのであった。
☆★☆★☆
「あのねぇキラ。ドラマにおける自分の役名が『セラ・トマト』って...。適当すぎない?」
「えぇ〜?アスラン......じゃなかったアレックスに嫁入りしたら変わる苗字なんだし別に何でも良くない?」
「故郷を捨てたアレックスに婿入り以外の選択肢なんてある訳ないでしょ!? 却下よ却下!」
「ツッコミどころはそこなのか、フレイ...?」
「何よアスラン。トマトの姓が気に入ったの?」
「いや、そういう訳じゃ...」
更に数日後。
ブルーコスモスのプロパガンダ用ドラマの企画書を囲んで、ああでもないこうでもないと意見のやり取りをする3人。
そんな彼らをアズラエルは、呆れ半分微笑ましさ半分の表情で見つめるのであった。
アスランが見た夢↓
https://sp.nicovideo.jp/watch/sm12629929?ref=my_history
映画を観た後だと、パンツロボがズゴックに見えてしまう...!
本作アスランはキラちゃんに『異性としての好意』は抱いておりません。
『キラ・ヤマト』という存在に対して無償の愛を注いでいるだけです。
原作アスランも大体同じだと思います。
トリィのプレゼントから始まって、シヴァの針から身を挺してキラを守っていますからね。
本作の番外編を...
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別作品として独立させる。
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このままで良い。