俺はトゥ!ヘァ-!なんて言わないからな!【本編完結】   作:無限正義頑駄無

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連日投稿です。
8話の感想を見た感じ、今の状態のまま更新間隔を空けるのマズいと感じたので大急ぎで書き上げました。
短めですし粗も多いと思いますが、本作をこれからもよろしくお願いします。


PHASE-09if 地上の光と宇宙の闇

スコップを装備したモビルスーツでNジャマーを掘り起こすという任務を受けた俺とキラ、フレイの3人。

 

「地中にあるNジャマー、何メートル掘れば出てくるんだろう...?」

 

「確かにモビルスーツは重機としても使えるのでしょうけど、とんでもない力技よね」

 

俺たちは現在、Nジャマーのひとつが埋まっている場所に来ている。

勿論、モビルスーツも一緒だ。

 

「1〜2基でも掘り出して解析すればNジャマー影響下でも稼働する核エンジンを作れるって話だけど、そう上手くいくのかな...?」

 

キラは疑問に感じているが、ニコルの父親がNジャマーキャンセラーを開発中なんだよな...。

 

そういえばプラントでは、今頃フリーダムやジャスティスの開発が始まっているのだろうか...?

この世界ではイージスが奪われず、デュエルもアサルトシュラウドを装備する前に奪還された。

バスターとブリッツのデータだけであれらの機体を造るとなると、原作よりも開発が遅れるかスペックがダウンすると思われるが...。

 

理想はお互いに核を使わずに戦争を終わらせることなんだけど、難しいよな...。

 

「それでアスラン、わかっているのでしょう?最新鋭のモビルスーツとそのパイロットであるわたしたちが、どうしてこんな仕事を与えられたのか...」

 

「あぁ、ムルタ・アズラエルは俺のことを試しているんだろうな。

もし俺がスパイなら......そうでなくとも地球軍に非協力的なら、地味で過酷な単純作業をしている内にボロを出すと踏んだんだろう」

 

「アスランはスパイなんかじゃないのに...」

 

「良いんだキラ。本当なら俺は正体がバレた時点で拷問されてもおかしくない立場なんだ。

それにプラントの過ちを正すと決めた以上、Nジャマーとはいつか向き合わなくちゃいけない。

彼の信頼を勝ち取るためにも、やりきってみせるさ」

 

「アスラン...」

 

「それでも俺1人だと厳しいものになるだろう。キラ、フレイ、俺に力を貸してほしい」

 

俺が2人にそう頼むと、2人はきょとんとした表情を浮かべる。

 

「どうしたんだ2人共?」

 

「いえ、ずいぶん素直にわたしたちを頼ってくれるのねって思ったから...」

 

「今までのアスランなら、『巻き込んでしまってすまない』から始まって僕たちの分まで頑張ろうとしていただろうからね」

 

俺はそんな風に見られていたのか...。

 

「ラクスが人質になったあと、『謝罪よりも感謝がほしい』って言っていたからな。とりあえず無闇に謝るのはやめることにした」

 

「うっ......、婚約者のあの子ね。次に会った時は謝らないと...」

 

ラクスが話題に出たことで一瞬だけ気まずい表情になるフレイ。

 

「大丈夫だよアスラン。

僕はアスランの力になるために地球軍に入ったんだ。

それがたとえ戦いだろうと穴掘りだろうとね。

僕たちが力を合わせれば、きっとどうにかなるよ」

 

「わたしもアズラエルさんには、

『アスランと一緒なら何でもやるので彼から引き離さないでください』

って伝えてあるからね。

宇宙の果てでも、地面の底でも、とことん付き合うわよ」

 

俺の頼みを笑顔で引き受ける2人。

 

「キラ、フレイ。......ありがとう」

 

こうして俺たちは、Nジャマーを掘り起こす作業を開始した。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

 

 

 

 

一方その頃、プラントにて。

 

「(パトリック・ザラ、まさかあそこまで堕ちていたとは...。そのおかげで首が飛ばずに済んだ以上、何とも言えんが...)」

 

ラウ・ル・クルーゼはパトリック・ザラにアスランの件を報告した帰り道で内心呟いた。

 

自分たちがヘリオポリスで行った戦闘で、国防委員長の息子が死亡した。

現場で指揮を執っていた自分の立場も流石に危ういと思っていたが、報告を終えてからパトリックが最初に放った言葉は、

 

『アスランはコーディネイターの友人を庇って死んだのだろう?

ならばそれを強調する形で、アスランの死亡を報道するまでだ』

 

パトリックの頭の中は自身に対する処罰よりも、アスランの死をどうすれば最大限に利用できるかという考えが支配していた。

普通なら、彼の言動は息子の死を乗り越えて合理的な判断をする父親に見えるだろう。

しかし...。

 

「(あの表情は『アスランの死を足掛かりに評議会で発言力を高めることができるようになった』というものだった。

アスランのことを『息子』ではなく『道具』として見ていなければ、あんな表情はできない)」

 

クルーゼは自分を生み出した存在(アル・ダ・フラガ)を思い浮かべながら、その結論に至る。

 

実際にはアスランは死亡しておらず、地球軍でモビルスーツのパイロットになっている。

何故それに気付いたクルーゼがパトリックに報告せず、ニコルたちにも口止めをしているのか。

それは...。

 

「(アスラン、君は私によく似ている...)」

 

親に道具として生み出されていながら、親の意思に背いて己の道を進む。

クルーゼはアスランに自身の過去を重ね、彼を庇うことにした。

 

歪んだ正義と醜い悪意が渦巻くこの世界で、アスランはプラントの過ちを正すためにプラントと敵対することを選んだ。

裏切り者の誹りを受けても戦い続けるアスランの覚悟は、目にした者たちに少なくない影響を与え始めている。

 

今までは世間知らずのお坊ちゃまという表現が似合う言動だった、イザークをはじめとした赤服隊員。

プラントの犯した罪と向き合う努力を始めた婚約者(ラクス・クライン)

 

次代を担う若者たちが自分にできる最善を探し始めている。

これでもし、コーディネイターに対する差別意識で凝り固まっていた少女(フレイ)の心を溶かしたことを知れば、クルーゼはアスランに拍手を贈っているだろう。

 

「アスラン・ザラ。君がどこまでやれるのか、私に見せてくれたまえ」

 

コロニーの天井が見せる人工の夜空を見上げながら、クルーゼはそう呟いた。




アズラエル的にはアスランが途中で投げ出せばパワハラする理由ができるし、最後までやり遂げればNジャマーの現物が手に入るのでどちらに転んでもOKな感じです。

貴重なモビルスーツを使い潰しているという点に関しては、最も必要な戦闘データの提供は済んでいるし穴掘り作業で得たデータも何かの役に立つかもしれないという理由でスルーしています。
コーディネイターに対する私怨も2割くらい混じっていたり。

本作アスランは1度だけトゥ!ヘァ-!を...

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