ありふれた職業で世界最強withオリキャラ&ウマ娘   作:気まぐれのみった

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こんにちは。今回はオルクス大迷宮遠征編後半です。トラップにかかった一行はどう切り抜けるのか。どうぞご覧ください。



8話

檜山の暴挙によってトラップに掛かったシュウガ達は現在退路を断たれていた。橋の出入り口両方に魔法陣が現れそこから魔物が出現したのである。

 

階段側は無数の小さな魔法陣から剣を持った骨だけの魔物、トラウムソルジャーが溢れ出してきた。ざっと百体は既にいるだろう。まだ増え続けている様だ。

 

だがシュウガとハジメはトラウムソルジャーより反対側に出現した魔物の方がマズいと警戒していた。

 

通路側の魔法陣は一つだけだがかなり大きい。そしてそこから十メートルはあろう巨大な魔物が姿を現した。頭部に兜の様なものを付けたトリケラトプス似の魔物。明らかに強いと分かるその出立にこれはただでは済まないと警戒を強めるシュウガ。

 

メルドにベヒモスと呼ばれたその魔物は咆哮を上げる。

 

ベヒモス「グルァァァァァァァァアアアッ!!!」

 

メルド「ッ?!」

 

その咆哮により正気を取り戻したメルドは指示を飛ばす。騎士団員達はこの指示に従うがここでそれに従わない者が現れる。勇者光輝だ。生徒達やウマ娘達を先に逃して自分達はここに残ろうとしたメルド達を見捨てられないと命令を無視してその場に留まっていた。

 

そうこうしているうちに早くもベヒモスが仕掛けて来た。ベヒモスがメルドや光輝達に向かって突進して来たのだ。そこへメルドから指示を受けた騎士団員達が全力で障壁を張る。

 

騎士団員達「「「全ての敵意と悪意を拒絶する、神の子らに絶対の守りを、ここは聖域なりて、神敵を通さずーー"聖絶"!!」」」

 

瞬間半球状の障壁が展開されベヒモスの突進を防ぐ。

 

途端に凄まじい衝撃波が発生。石造りの橋全体が揺れるほどであり、撤退中のウマ娘達や生徒達から悲鳴が聞こえ、中には転倒する者もいた。

 

その内に今度はトラウムソルジャーの大群が押し寄せて来た。前と後ろを挟まれた恐怖に殆どの者がパニックになっていた。騎士団員のアランが必死にパニックを抑えようとしているが恐怖の感情に飲み込まれて聞こえておらず各々が無茶苦茶な戦いを始めてしまった。

 

テイオー「ど、ど、どうしよー!前も後ろもヤバいよっ!カイチョーどうするの?!」

 

ルドルフ「落ち着けテイオー!!皆んなも冷静になるんだ!!下手にばらけず固まって行動するんだ!!お互いの背中を守れ!!」

 

ルドルフ(とは言え私だってこんな状況初めてだ!どうするっ?!どうすればいい?!)

 

ルドルフがそう思案している内にトラウムソルジャー達が迫って来ていた。

 

エアグルーヴ「まずい、奴らが!」

 

ブライアン「くそっ!やるしかないか?!」

 

ウマ娘達がトラウムソルジャーと戦おうとした時、彼女達の間を縫って一つの人影が前に出た。

 

シュウガ「"火遁・鳳仙火の術"!!」

 

人影の正体はシュウガであった。シュウガはウマ娘達に迫るトラウムソルジャーに向けて鳳仙火の術を使用。口から複数の火の玉を吹き出してトラウムソルジャーを攻撃。ウマ娘達に迫っていた分のトラウムソルジャーはこれにより一掃された。

 

ルドルフ「シュウガ君!」

 

シュウガ「お前達無事か?」

 

ルドルフ「ああ、おかげで助かったよ。だが。」

 

シュウガ「ああ、殆どの奴らがパニック状態だ。このままじゃ助かる命も助からん。」

 

マヤノ「シュウガちゃん!どうするの?!」

 

シュウガ「この状況をお前らだけで切り抜けるにはまだ経験が足らない。故にここは俺が率先して敵を受け持つ。」

 

タマモクロス「受け持つって、アンタ一人でか?!あんな数の魔物とあのデッカい魔物相手に一人でどないすんねん?!」

 

シュウガ「心配ない。少なくとも数ならカバーできる。」

 

そう言ってシュウガは印を組む。

 

シュウガ「"多重影分身の術"!」

 

すると周囲に煙が立ち込める。その煙から出て来たのは五十人はいるであろうシュウガの分身だった。あまりに沢山のシュウガが現れた為、ウマ娘達は今の状況を忘れ驚愕の表情を浮かべていた。

 

スペ「しゅ、シュウガさんがいっぱい………。」

 

スズカ「忍者だから分身出来るとは思ってたけど、ちょっと多過ぎない?」

 

シュウガ「場所が場所だから今回はこれが限界だが、最高で千人は軽くいけるぞ。」

 

オグリ「君が規格外なのは承知したつもりだったが、どうやらまだまだ驚かされるな、これは。」

 

シュウガ「あの骸骨どもは分身が相手をする。本体の俺はデカブツの方を相手取る。お前達は分身が切り拓いたルートを通って階段まで行け。いいな?」

 

ルドルフ「大丈夫なのかい?あの巨大な魔物は明らかに強い。君も強いが下手をしたら……………。」

 

シュウガ「心配するな。これでも何度も死地を乗り越えて来たんだ。これぐらい慣れてる。引き際はわきまえてるさ。さぁ、分身達!骸骨どもは任せた!行くぞ!」

 

シュウガの分身達「おうっ!」

 

その言葉に動き出すシュウガとシュウガの分身達。突然現れた大量のシュウガの分身に生徒達は恐怖とは違った方向でまたパニックになる。分身達は次々にトラウムソルジャーを粉砕。ある程度押し返すと分身の一体が生徒達に声をかけた。

 

分身シュウガ「お前達!俺達分身が道を作る!その道を訓練通りの隊列を組んで進め!多少撃ち漏らしがあるかもしれんがその程度ならお前達でも対処出来る!生きたければ、訓練で培ったものを忘れずに戦え!さぁ、続け!」

 

そう声を上げた分身の言葉に生徒達は僅かながらに落ち着きを見せ始めた。そのチャンスに今度は騎士アランが声を上げる。

 

アラン「そうだっ!訓練を思い出せ!冷静になればお前らならどうって事ない!シュウガに続け!」

 

その言葉に生徒達、そしてウマ娘達は訓練での隊列を何とか組みシュウガの分身に続いて階段まで歩みを進めるのであった。

 

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シュウガが分身を出す少し前。生徒達がパニックの真っ最中の時。一人の女子生徒、園部優花が後ろから突き飛ばされ転倒していた。呻きながら顔を上げるとそこには既にトラウムソルジャーがおり、自分に向けて剣を振りかぶっていた。

 

死ぬ。優花がそう感じて恐怖したその時だった。

 

ハジメ「ダイナミック・エントリー!!」

 

バギィッ!

 

トラウムソルジャー「っ?!?!」

 

優花「えっ?」

 

ハジメがトラウムソルジャーにダイナミック・エントリー(要はただの飛び蹴り)をぶちかましたのである。トラウムソルジャーは体の骨を粉々にされながら吹き飛んだのであった。

 

ハジメ「大丈夫?!」

 

優花「え、あ、うん。」

 

ハジメは優花の手を取り立ち上がらせる。

 

するとそこへ分身シュウガ達が前に出てトラウムソルジャー達と交戦し始めた。

 

優花「な、何あれ?」

 

ハジメ「流石シュウガさんだなぁ。あんなに分身作れるなんて。君はシュウガさん達に続いて逃げて。」

 

優花「えっ、南雲はどうするの?」

 

ハジメ「多分本体のシュウガさんはあのデカブツに向かって行く。だから手伝おうと思う。」

 

優花「大丈夫なの?」

 

ハジメ「危険なのは承知の上だよ。でも僕はシュウガさんの弟子として力になりたいんだ。」

 

優花「南雲…………。」

 

ハジメのその言葉に優花は内心驚いていた。ハジメは不真面目な奴と言うイメージがあったがこの世界に来て人一倍訓練をこなして強くなり、更に誰かの力になりたいと考えている。そんなハジメを頼もしく思う優花であった。

 

優花「うん。わかった。気をつけてね!」

 

ハジメ「ありがとう!それじゃ!」

 

こうしてハジメもベヒモスに向かって行くのであった。

 

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シュウガがメルド達の元へ駆け付けると聖絶は解かれる寸前であった。シュウガは跳躍してメルド達の頭上を超えて行きベヒモスの真上から術を叩き込む。

 

シュウガ「"火遁・豪火球の術"!!」

 

シュウガの放つ豪火球がベヒモスに炸裂。突然のダメージに驚き苦しむベヒモス。更に火が体に燃え移り思わず後退する。それによって出来たベヒモスとメルド達の間にシュウガは着地する。聖絶もここで解けてしまった。

 

香織「えっ?!シュウガさん?!」

 

雫「どうしてここに?!」

 

シュウガ「後ろの奴らは皆撤退を始めた!ここは俺が引き受ける!お前達も下がれ!」

 

シュウガの言葉に驚くメルド達。すると光輝がまたしても駄々を捏ねだした。

 

光輝「なら俺も戦います!勇者として逃げる訳にはいかない!」

 

龍太郎「俺も付き合うぜ!ぶちかましてやる!」

 

シュウガ「馬鹿野郎!相手との力量差を見極めろ!お前らじゃ足手纏いだ!」

 

光輝「でもここで逃げるなんて俺には出来ない!俺もっ!」

 

シュウガ「ええい、駄々を捏ねるな!!」

 

バリバリ、ドォーン!

 

光輝・龍太郎「ッ?!?!」

 

しつこい光輝にシュウガが覇王色の覇気を放出。これにより光輝を、それとついでに龍太郎を気絶させる。

 

雫「えっ?!光輝?!龍太郎?!」

 

シュウガ「少し眠らせただけだ!すぐに起きる!メルドの旦那!ここは俺に任せてそいつらを連れて下がれ!」

 

メルド「しかし大丈夫なのか?!流石に一人は危ないぞ!!」

 

シュウガ「問題ない!少なくとも、勇者より頼りになる奴が来た!」

 

メルド「何っ?!」

 

その言葉の直後、ハジメがメルド達の元へ駆け付ける。

 

ハジメ「メルドさん!白崎さん!皆んな!」

 

香織「は、ハジメ君?!」

 

ハジメ「僕がシュウガさんを手伝います!その間に皆んなは逃げて下さい!」

 

香織「そ、そんな?!ハジメ君を置いて行くなんて出来ないよ!!」

 

ハジメ「大丈夫!必ず生きて帰る!約束するよ!」

 

香織「ハジメ君…………。分かった!絶対生きて帰って来て!」

 

ハジメ「うん、分かった!メルドさん!白崎さん達を頼みます!」

 

メルド「それはいいが、俺達が向こうに着いた頃には橋はあの骸骨どもでいっぱいだ!お前達はどうする?!」

 

ハジメ「シュウガさんと今の僕なら奴らの頭上を跳んで超えられます!その直後に皆んなの魔法で橋を攻撃して落として下さい!そうすればもう骸骨に追われる心配はないはずです!」

 

メルド「……………正直お前達が危険だが、いいだろう!必ず生きて帰って来いよ!」

 

ハジメ「はいっ!!」

 

メルド「いい返事だ!よしっお前ら!光輝と龍太郎を背負ってすぐに撤退だ!急げ!」

 

騎士団員達「はいっ!」

 

香織「ハジメ君!無茶したらダメだからね!」

 

雫「ごめんなさい!必ず帰って来て!」

 

こうしてメルド達は撤退。この場にはシュウガとハジメ、そしてベヒモスが残された。

 

シュウガ「さてと。ホントは俺一人でもいいからわざわざ付き合わなくてもいいんだぞハジメ。」

 

ハジメ「シュウガさん、さっき勇者より頼りになる奴って言ってましたよね?」

 

シュウガ「何だ?聞こえてたのか?」

 

ハジメ「はい。僕、それを聞いて嬉しかったんです。こんな僕でも頼りにしてくれる人がいるんだって。ならその期待に全力で応えたい。だからやります!二人でコイツを倒しましょう!」

 

シュウガ「カッコいい事言うねえ。よし!なら一つ、教えてやるか!どっちが強いのかをな!!」

 

ハジメ「はいっ!!」

 

二人がそう決意してベヒモスの方を向く。ベヒモスは豪火球で燃え移った火に未だに苦しんでいた。

 

二人がベヒモスに向かって駆け出す。それに気づいたベヒモスは燃えているのを我慢して突進の体制に入る。

 

ハジメ「させるかっ!錬成っ!」

 

ハジメは即座に錬成する体制になる。そしてベヒモスの足元を錬成。するとベヒモスの体が突然沈んだのだ。ハジメが錬成でベヒモスを落とし穴に嵌め込んだのである。咄嗟の事に足を取られ突進の体制が崩れる。その隙をシュウガは当然見逃さない。シュウガはチャクラを練り術を発動。印のいらない超高等忍術、そのどデカい版をぶちかます。

 

シュウガ「"超大玉螺旋丸"!!」

 

ベヒモス「グガアアァァァァーー?!?!」

 

シュウガの放つ超大玉螺旋丸がベヒモスに炸裂。ベヒモスは今まで受けたことのない威力の攻撃に苦しみの声を上げる。だがベヒモスとて意地がある。何とか穴の中で踏ん張って抵抗する。それに気づいたハジメが再び錬成を行う。

 

ハジメ「錬成っ!」

 

すると今度は僅かにベヒモスの足元が盛り上がった。その反動でベヒモスは更に体制を悪くする。加えて落ちた穴の段差を利用して踏ん張っていた為それもなくなり完全に抵抗できなくなる。シュウガは待ってましたと言わんばかりに一気に押し込む。

 

シュウガ「はあぁぁぁーーっ!!」

 

結果ベヒモスの巨体が一瞬浮いたかと思うとそのまま後方へ螺旋丸と共にぶっ飛ばされた。そのまま奥に繋がる通路の側の壁に叩きつけられた。

 

ドゴォーーーーン!!!

 

壁と螺旋丸に挟まれたベヒモスの身体はボロボロになっていた。まだ息があったがもはや動けずすぐに静かになった。どうやら絶命したようだ。

 

その様子をシュウガとハジメは見届けていた。

 

シュウガ「ふぅ。やれやれ、俺も天之川の事言えないな。」

 

ハジメ「シュウガさん!」

 

ハジメがシュウガに駆け寄る。

 

シュウガ「ハジメ、よくやった。ナイスアシストだ。これでここでの任務完了だ。俺達も撤退するぞ。」

 

ハジメ「はいっ!」

 

こうしてベヒモスを倒した二人は皆の元へ撤退する。

 

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階段側では既に安全地帯を確保する形で騎士団とウマ娘達、そして生徒達がいた。シュウガの分身達は役目を終えたと既に消えている。メルド達も合流しているようでハジメの作戦通りに魔法の用意をさせていた。光輝と龍太郎はいつの間にか意識を取り戻していた。そんな中、誰もが想像してなかった悪意が動き出していた。檜山である。自分が原因の騒動なのにも関わらず檜山はただ一心に逃げたいと思っていた。だが合流したメルドにシュウガとハジメが戦っている事を聞き、は?となった。自分より劣る奴が自分より活躍している(実際はその逆)。それが檜山の筋違いの憎悪に火をつけた。メルドの指示で魔法を用意する最中、檜山はこの状況を利用すればハジメを始末出来ると考えついたのだ。薄気味悪い笑みを浮かべながら檜山は魔法の照準をハジメに定めるのであった。

 

橋の上を駆け抜けるシュウガとハジメ。もう間も無く橋の上にたむろするトラウムソルジャーの大群である。

 

シュウガ「よしっ!跳ぶぞっ!」

 

ハジメ「はいっ!」

 

そして二人は駆け抜けた勢いそのままに跳躍した。トラウムソルジャーの頭上を超えて行く。その直後、トラウムソルジャーの大群に向かって無数の魔法が飛んで来た。トラウムソルジャーに直撃した魔法はそのまま橋を壊していく。このままならいける。誰もがそう考えた時だった。

 

グイン!

 

ハジメ「えっ?」

 

無数に飛び交う魔法の中から火球が一つハジメに向かって軌道を曲げたのだ。あまりに想定外の事にハジメは咄嗟に腕をクロスさせて防いでしまった。

 

ドンッ!

 

ハジメ「うわっ!」

 

シュウガ「っ?!ハジメ!!」

 

防いだ事によるダメージは鍛えていた事もありさほどなかった。問題は火球とぶつかった事により跳躍の勢いがなくなりトラウムソルジャーの大群の中に落ちてしまった事である。しかも魔法により橋は崩壊寸前。絶対絶命である。シュウガだけは勢いそのままに安全地帯に到達。

 

シュウガが辿り着いたのと橋の崩落は同時だった。ハジメは何とか立ち上がりもう一度跳ぼうとするがトラウムソルジャーに邪魔されてしまった。遂にハジメの足場も崩壊する。

 

ハジメ(ああ、何でこうなるかなぁ…………。)

 

そう考えながらハジメは奈落へと落ちていく。対岸では今にも後を追いかけそうな香織とそれを羽交い締めで止める光輝や雫、悔しそうな顔をするメルド達騎士団、絶望の表情をするウマ娘と生徒達。そして師匠であるシュウガが深妙な面持ちでハジメが落ちた奈落を見つめていた。

 

 

 




第8話読んで頂きありがとうございました。

ベヒモスを連携で倒したシュウガとハジメ。でも結局ハジメ君は奈落へ落ちてしまいました。この先どうなるか。シュウガはどうするのか。

また次回、よろしくお願いします。
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