ありふれた職業で世界最強withオリキャラ&ウマ娘   作:気まぐれのみった

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こんにちは。気まぐれのみったです。

また投稿が遅くなってしまい申し訳ありません。なんとか時間を見つけては少しずつ進めてようやく投稿できました。

今回はユエを含めた探索隊の迷宮攻略の様子です。どうぞご覧ください。


20話

ユエを仲間にした探索隊はその後ユエと出会った階層から数えて十階層ほど探索を進めていた。その間も基本的な戦闘はシュウガとハジメがフォローにまわりそれ以外のメンバーがメインで行っていた。現在はそこにユエが加わっているのだがそのユエの活躍が凄かった。

 

ユエは魔力操作に加えて全属性に適性があり様々な魔法をノータイムで撃ち込むことが出来る。しかもその魔法の威力が桁違いに強力。魔物肉や十尾チャクラでパワーアップしたメンバーの魔法も充分強力だがまだ発展途上と言ったところ。それに対してユエの魔法は非常に完成度が高い。純粋な魔法の威力だけなら素の状態ではあるがシュウガともやりあえるぐらいに強力である。流石最強の一角に数えられただけはある。

 

ただ近接戦闘は苦手なようで一人で戦う時は身体強化した状態で逃げ回りつつとにかく魔法を連射するしかないのだと言う。もっともその魔法が強力なので大抵はそれでどうにかなるそうだ。

 

しかしユエは攻撃系の魔法は得意だが回復系や結界系の魔法は得意ではないらしい。自動再生の固有魔法がある為にユエ自身が無意識に不要と判断している可能性があるようだ。その為探索隊の回復役はこれまで通り香織が務めている。

 

そんな感じで欠点がありつつも高い実力を持つユエが加わった探索隊は順調に探索を進めていた。

 

そんな探索隊が現在いる階層は一言で言えば樹海であった。十メートル超えの木々が生い茂り湿っぽい空気をしている。ただ気温はさほど高くないのでそこはありがたかった。

 

探索隊はこれまで通りに階層を探索するために歩みを進めていた。すると見聞色の覇気である程度の範囲を感知していたシュウガが巨大な魔物の気配を感じ取った。その直後ズズンッという音の地響きが響き渡る。どうやら感知した魔物がこちらに向かって来ているようで地響きが近づいてくる。探索隊は何が来てもいいように戦闘態勢に入る。その魔物はすぐに姿を現した。魔物は巨大な爬虫類を思わせる見た目をしており言うなればそれはティラノサウルスであった。そのティラノサウルスを見た探索隊は思わず呆気に取られてしまった。何故なら、

 

 

フリフリ、ピョコピョコ

 

 

タマモクロス「いやなんで頭に花咲かせてんねん?!」

 

そう、そのティラノサウルスは何故か頭に一輪の花を咲かせていた。花はフリフリピョコピョコ動いている。明らかに強いとわかる見た目なのに頭部の花がそれを台無しにしていた。

 

なんともシュールな光景に緊張の糸が切れた気分になるメンバー達。そうしているうちにティラノサウルスが咆哮を上げて探索隊に向かってきた。

 

メンバー達は気を取り直して戦闘態勢に入る。と、その時ユエが一歩前に飛び出すと手を掲げて魔法を行使した。

 

ユエ「"緋槍"!」

 

するとユエの手元に渦巻く炎が現れそれが今度は円錐状の槍の形となりティラノサウルスの口の中にめがけて飛んでいく。槍はあっさりと貫通してティラノサウルスを絶命させる。ティラノサウルスは力無く横倒しになる。

 

ポトリ

 

それと同時に頭の花も地面に落ちた。そのなんとも言えない光景に色んな意味で苦笑いするメンバー達であった。

 

シュウガ「やはり流石だな。総合的な火力の高さは俺に次ぐな。ハジメ、お前も負けてられないぞ。」

 

ハジメ「はい!僕ももっと頑張ります!」

 

テイオー「でもユエ。ちょっと張り切り過ぎじゃない?」

 

マヤノ「あんまり無理しちゃダメだよ?」

 

ユエ「………私、皆んなの仲間。………役に立つ。」

 

雫「けどそれで前に魔力使い過ぎた事あったじゃない。あの時はびっくりしたわよ。」

 

エアグルーヴ「全くだ。戦闘中なのに突然血を吸わせてくれと言われて驚いたぞ。」

 

ルドルフ「私達の事を想ってくれるのは嬉しいが、それでユエが倒れたら元も子もない。あまり前に出過ぎるのもよくないよ。」

 

ユエ「………あの時は、不覚を取った。………次は、上手くやる。」

 

ブライアン「本当に大丈夫なんだろうな?」

 

優花「まあやる気がないよりはいいんじゃない?」

 

そんな感じで和やかに会話するメンバー達であったがここで再びシュウガの感知に魔物の気配が引っかかった。それも複数いるようで自分達の周囲を囲むように近づいてきているようだった。

 

シュウガ「全員聞け!複数の魔物が俺達を囲むように近づいて来ている!完全に囲まれる前に一点突破で抜ける!走るぞ!続け!」

 

そう言ってシュウガは動き出す。メンバー達とお供の二尾狼達もそれに続いて走り出す。

 

生い茂る木の枝の合間を駆け抜けた探索隊はそこから飛び出す。するとその先に自分達を囲もうとしていた魔物のうちの一体がいた。

 

 

フリフリ、ピョコピョコ

 

 

魔物「キシャァァァァァァァッ!」

 

それはティラノサウルス同様に頭に花を咲かせている二メートル程のラプトルのような魔物であった。

 

またしてもシュールな光景を目の当たりにした探索隊は心の中で『だからなんで?!』とツッコミをいれていた。そんな中ユエだけは、

 

ユエ「…………かわいい。」

 

テイ・マヤ「「えっ?」」

 

と言いつつほっこりしていた。

 

ラプトルは探索隊を認識すると飛びかかってきた。それをシュウガは即座に印を組んで術を発動し迎え討つ。

 

シュウガ「"土遁・山土(サンド)の術"!」

 

ドゴォン!!

 

ラプトル「キシャァァァァァァァァァッ?!?!」

 

途端にラプトルの両側から三メートル程の大きさの半球状の岩がせり出してきてラプトルを挟み込んだのである。そして僅かな抵抗の後、ラプトルはそのまま岩に潰された。

 

シュウガ「よし、こんなもんだな。」

 

ユエ「…………かわいかったのに。…………残念。」

 

テイ・マヤ「「ええ〜………。」」

 

そんなやり取りをしている間にも魔物の包囲網が狭くなってきているので探索隊は急いで移動する。

 

少しすると直径五メートルはあるであろう太い幹をした樹々が無数に伸びている場所へと辿り着く。太い枝同士が絡み合い空中回廊のようになっていた。

 

探索隊はその枝の上に登りそこで自分達を狙う魔物達を迎え討つことにした。ハジメを筆頭に魔物肉を食べたメンバーや二尾狼達は技能の空力で、ユエは風魔法で枝の上に向かう中、ウマ娘達はシュウガと一緒に太い樹の幹に対して垂直に立って二足歩行で木登りしていた。これは足の裏にチャクラを集中させてチャクラを吸着させる事で垂直な崖や木を登ったり天井に足で張り付いたりする技術である。十尾チャクラを取り込んだ事でチャクラを行使可能になったウマ娘達はシュウガにこの技術を学んでいたのである。他にも集中させたチャクラを逆に放出する事で沈む事なく水の上に立てる水面歩行術も学んでいる。

 

スペ「やっぱり不思議な感覚ですね。」

 

オグリ「まさか歩いて木登り出来るようになるとは思わなかったな。」

 

スズカ「でもおかげで水の上も走れるみたいだから楽しそうだわ。」

 

そんな会話をしつつ一行は枝の上に到着。それから5分もかからずに先ほどシュウガが倒したのと同じラプトル型の魔物が次々に姿を現した。

 

フリフリ、ピョコピョコ

 

例に漏れず、頭に花を咲かせてである。

 

今日三度目のシュールな光景にメンバー達はもはやツッコむ気も起きずちょっとした無の境地に至りかけていた。するとまたしてもユエが、

 

ユエ「…………お花畑。かわいい。」

 

などとほっこりしていた。

 

ラプトル達を視界に収めた探索隊は気を取り直して各々の遠距離攻撃を用意する。そして、

 

シュウガ「一斉攻撃!」

 

というシュウガの合図を皮切りに足元のラプトルの群れに向けて攻撃を開始する。

 

シュウガは起爆札を結びつけた苦無を手裏剣影分身で数を増やしてラプトル達に打ち込む。無数の苦無がラプトル達に突き刺さる。そして起爆札を起動。苦無と一緒に増えていた起爆札は一斉に爆発。結果シュウガが狙った分のラプトル達は全身を焼かれて絶命した。

 

他のラプトル達も探索隊のメンバー達や二尾狼達の遠距離攻撃によって殲滅されていた。

 

香織「ふう、とりあえずなんとかなったかな?」

 

タマモクロス「せやな。いやぁいい汗かいたわ。」

 

テイオー「君達もお疲れ様。」

 

二尾狼達「ワウゥゥー!」

 

マヤノ「ふふ、いい子いい子。」

 

そんな感じで一息つく探索隊。だがそんな中、シュウガとハジメの二人は何やら腑に落ちない顔をしていた。

 

シュウガ「………ハジメ。今倒したラプトル共だが、何か妙じゃなかったか?」

 

ハジメ「はい。なんて言うか、動きがわかりやすくて、パターンを読みやすい気がしたんです。」

 

シュウガ「だな。俺の知る限り、ラプトルと呼ばれる奴らは基本的に狡猾で高い連携力のある知能犯だ。それを思えば、今倒した奴らはそんな姿とはかけ離れた動きをしていた。この世界のラプトルが同じかは知らんが、どうにも気になる。」

 

ハジメ「僕も同意見です。それともう一つ気になる事があります。」

 

シュウガ「あの花だな?」

 

ハジメ「はい。ティラノとラプトル。種が違うはずなのにどちらも頭に花を咲かせていた。どちらかだけならその種の特徴と考えられますが、どっちも咲いているのがなんとなく引っかかるんです。この階層の魔物共通の特徴と言われればそれまでかもしれませんが、それでも。」

 

シュウガ「そうだな。これは何か裏があるかもしれん。」

 

そんな会話をしていた時だった。

 

シュウガ・ハジメ「「ッ?!」」

 

なんと三度シュウガの感知に魔物の大群が引っかかったのである。それは念の為にと気配感知の技能を使っていたハジメにも感知できた。今のハジメはシュウガの見聞色ほどではないがそれでも中々の感知範囲と精度を誇る。そんな二人の感知範囲に既におびただしい数の魔物が現れ自分達を取り囲むかのように接近してきている。

 

ハジメ「これはっ?!」

 

香織「っ?!どうしたのハジメ君?!」

 

シュウガ「俺とハジメの感知に魔物の大群が引っかかった!それも今倒した奴らの比じゃない数だ。既に50以上はいる!俺達を囲むように全方位から向かってきている!」

 

優花「嘘?!今倒したばかりなのに!」

 

エアグルーヴ「どうする?!逃げるか?!」

 

シュウガ「いや、この分じゃどの方位に向かっても必ず魔物に出くわす!下手に地上で戦えば挟撃されて面倒な事になる!ここはより高い場所に陣取ってそこから広範囲攻撃で殲滅する!ユエ!俺とお前で半分ずつ担当して奴らを打ち倒す!いけるか?!」

 

ユエ「ん!特大の……ぶつけてやる!」

 

シュウガ「よし!ならば!」

 

そう言ってシュウガは辺りを見渡す。すると今より高い位置に伸びている太い枝を見つける。その枝を指差しながらシュウガは指示を出す。

 

シュウガ「全員あの枝の上に向かえ!全員が到着したら魔物の足場になりそうな枝を全て落とす!行くぞ!」

 

探索隊メンバー達「了解!」

 

シュウガの指示に返事をしたメンバー達は急いでその枝に向かう。全員が到着した事を確認すると各々の遠距離攻撃で足場になりそうな枝を落としていく。こうして迎え討つ準備を整えた探索隊の前に魔物の大群が姿を現す。

 

大群はラプトルに加えティラノも数頭混ざっていた。異なる種の捕食者同士がまるで共通の敵を攻撃しにきたように見えるその様にシュウガとハジメはやはりおかしいと疑惑を強める。

 

ティラノとラプトルはそれぞれ行動を開始する。ティラノは樹に体当たりをして探索隊を落とそうとし、ラプトルは鉤爪を使って器用に樹を登り始めた。

 

それを見ていたシュウガはメンバーに指示を出す。

 

シュウガ「全員ラプトルが登ってこないように撃ち落とせ!感知に引っかかった奴らをまとめて討つ為にこの場でしばらく耐えるんだ!ユエは今のうちに広範囲攻撃魔法の用意を!俺も術の発動に備える!頼むぞ!」

 

探索隊メンバー達「了解!」

 

力強い返事をしたメンバー達はそれぞれの遠距離攻撃で登ってくるラプトルの迎撃を始める。ユエも指示通り魔力を収束させていつでも魔法を放てるように準備する。そしてシュウガも術を行使するためにまず自然エネルギーを吸収して仙人モードを発動。それから印を結び術を放つ態勢に入る。

 

しばらく迎撃を続けていると感知した魔物が全て現れシュウガとユエの射程範囲に収まった。本来の物語では五十体ぐらいなのだがこの世界ではその倍の百体ほどが集まっていた。だがこちらにも本来はいないシュウガがいる。シュウガはユエに合図を出す。

 

シュウガ「今だ!ユエ!」

 

ユエ「んっ!"凍獄"!」

 

シュウガ「"仙法・火遁龍導の術"!」

 

シュウガの合図をキッカケにユエは魔法を発動。シュウガも仙術として強化されたオリジナル火遁忍術を放つ。

 

ユエの放った魔法は指定したポイントを基点に50メートル四方を凍りつかせる氷結魔法。これによりラプトルの群れやティラノ達を一切抵抗させずに凍りつかせ氷の中に閉じ込めてしまった。凍った魔物達はそのまま絶命した。

 

そしてシュウガの火遁忍術。これは火遁・豪龍火の術をヒントにシュウガが修得したものである。豪龍火とは比べ物にならないほどの大きさの龍を模った火炎を放出し敵を焼き尽くす術となっており更にある程度敵を追尾できるように操作ができる。豪龍火ほど連射はできないがその分一度に広範囲を攻撃できる利点がある。今回はそれを仙人モードで使用。素の状態で使うよりも威力の上がった龍導の術は探索隊の眼下に集まっていた魔物達を瞬く間に飲み込み一瞬にして焼き尽くした。シュウガが術を止めるとそこには灰と化した魔物の死体があるだけであった。こうして魔物達は殲滅されたのである。

 

シュウガは撃ち漏らした魔物がいない事を確認すると仙人モードを解いて軽く息を吐いた。

 

シュウガ「ふぅ。とりあえずこれで終わりだな。皆んな、よくやってくれた。お疲れ様。」

 

エアグルーヴ「あ、ああ。シュウガもお疲れ様だ。しかし凄い術だったな。見てるだけでこちらも焼かれてしまいそうだった。」

 

シュウガ「あれは俺が普段から行使する術の中ではトップの威力と規模を誇るからな。参考にした術の時点でかなり会得難易度が高いから並大抵の修行じゃ身につけられない俺の十八番だな。」

 

メルド「なるほど。それは凄いな。やはりお前は底がしれないな。」

 

シュウガは賞賛の言葉をかけるエアグルーヴやメルドに術の解説をしていた。側から見ればかなりの大技を使ったにも関わらずシュウガはあまり疲弊した様子はなかった。

 

対してユエはかなり疲れたようでぐったりしながら肩で息をしていた。

 

ユエ「はぁ………はぁ………はぁ………。」

 

スズカ「ユエちゃん。大丈夫?」

 

オグリ「ユエの魔法も凄いな。皆んなガチガチに凍ってしまった。」

 

ユエ「ん………。最上級、ぶつけてやった………。流石に、もう無理………。」

 

香織「とりあえず終わったし、私の血でよければ吸血して回復して。」

 

ユエ「ん………。ありがとう、香織………。」

 

そう言ってユエが香織の首筋に噛みついて吸血しようとしたその時であった。

 

シュウガ「ッ?!何っ?!」

 

ハジメ「ッ?!嘘でしょ?!」

 

ルドルフ「シュウガ君?!ハジメ君?!」

 

雫「その反応はまさか?!」

 

ハジメ「うん!また魔物の大群だ!しかも今の倍はいる!」

 

テイオー「冗談でしょ?!」

 

マヤノ「いくらなんでも、こんなに何度もおかしいよ!」

 

シュウガ「ああその通りだ。たった今全滅したばかりなのに間をおかず直ぐに突っ込んでくるなど明らかに普通じゃない。まるで全滅したのを把握しているかのようだ。」

 

ハジメ「全滅したのを把握………。まさかっ?!」

 

そこでハジメはある一つの可能性に辿り着く。

 

優花「何か気づいたの?」

 

ハジメ「たぶんだけど、あの魔物達は何かに操られているんだ。」

 

ブライアン「操られてる?」

 

シュウガ「ッ!成程!そう言うことか!」

 

スペ「シュウガさんも何かわかったんですか?」

 

シュウガ「ああ。恐らくなんらかの魔物が俺達を倒す為に他の魔物を操り襲わせてるんだ。だから間髪入れずに次の戦力が現れてるんだ。操っている事で先に送り込んだ戦力がやられたのを把握できるから直ぐに次の戦力を送り込めるって寸法だ。つまりこの状況を引き起こしている本体がどこかにいるわけだ。」

 

タマモクロス「やからこんなに襲撃されたんか。」

 

香織「でもどうやって魔物を操ってるんですか?」

 

シュウガ「それに関係するのがあの花だろう。」

 

エアグルーヴ「あの花が?」

 

シュウガ「あの花は本体が魔物を支配して操作するために植え付けたアンテナのようなものだろう。つまり寄生の一種だ。」

 

メルド「成程な。ならばその本体を叩けば。」

 

シュウガ「ああ、この襲撃の連鎖を止められるだろう。」

 

テイオー「よーし!ならその本体を探し出して倒しちゃおう!」

 

マヤノ「でもこの階層のどこにいるんだろう?」

 

シュウガ「そうだな……。よし、それならば。」

 

そう言うとシュウガはユエの凍獄によって凍った魔物達の元へ枝から飛び降りる。その際シュウガは再び仙人モードになる。一体何をするのかとメンバー達もシュウガの後に続く。

 

降り立ったシュウガは凍ったラプトルの一体から草薙の剣で頭部の花を斜めに鋭く切り落とす。そしてラプトル同様にガチガチに凍っている花の茎を自分の手のひらに突き刺した。

 

ハジメ「ッ?!シュウガさん?!」

 

ルドルフ「何をっ?!」

 

シュウガ「心配するな。この程度の傷ならすぐに治る。これからこの花を介して逆探知をする。ちょっと待て。」

 

そう言うとシュウガは目を閉じて意識を集中させる。そして仙人モードの感知力を応用して突き刺した花を介して逆探知を行う。数秒してシュウガは目を開ける。

 

シュウガ「よし、捕らえた。あちらの方角に探知できた。」

 

そう言ってシュウガは一つの方角を指さす。そしてメンバー達に指示を出す。

 

シュウガ「いいか皆んな!ここで迎撃を続けても埒が開かない!本体の大まかな場所は掴んだ!今度はこちらから打って出る!悪いが作戦を考えてる時間はない!敵を迎撃しつつ全力で駆け抜けろ!いいな?!」

 

探索隊メンバー達「了解!」

 

シュウガ「ハジメ!すまんがお前はユエを背負ってやってくれ!余裕があったら血を吸わせて回復させるんだ!頼んだぞ!」

 

ハジメ「はい!わかりました!」

 

ユエ「ん………、申し訳ない………。」

 

シュウガ「よしっ!行くぞ!続け!」

 

こうしてシュウガを筆頭に探索隊は本体を倒すために動き出した。

 

 

 

 

それから数十分後。探索隊はゆうに四百体はいるであろう魔物の大群を背にこの階層を駆け抜けていた。

 

現在走っている場所は背の高い草むらでありその草の影に隠れて併走してくるラプトル達が探索隊の四方八方から襲いかかってくる。そのラプトルを迎撃しつつ後ろの大群に追いつかれないように全力で走っていた。そんな中々に危険な状況で意外な活躍を見せたのがウマ娘達である。

 

彼女達は元々走りに関してのプロのようなものである。故に走るためのスタミナは勿論走っている時の体の動かし方などが他のメンバーより秀でている。それによりこの状況でも比較的余裕を持って走れているのでその余力を使って自分達に襲いくるラプトル達を率先して迎撃していたのである。おかげでユエを背負って走っているハジメは余裕を持ってユエに血を吸わせる事ができた。

 

しばらく草むらを駆け抜けているとその草むらの向こうに見える迷宮の壁の中央付近に縦割れの洞窟があるのをシュウガは確認した。ここだ!とシュウガは本体の居場所としてその洞窟に狙いを定めた。そしてメンバー達に指示を出す。

 

シュウガ「全員聞け!前方に洞窟らしき場所を確認した!恐らくそこに本体がいる!俺が殿を務めるから皆んな先に入れ!ハジメ!最後に俺が洞窟に入ったら入り口を錬成で塞げ!いいな?!」

 

探索隊メンバー達「了解!」

 

こうして指示を出したシュウガは走っている探索隊の最後尾につきメンバー達が洞窟に入るための時間稼ぎをする事にした。と言うのも縦割れの洞窟は入り口が狭くよくて二人ぐらいしか同時に通れそうにない。その為メンバー全員が入るには少し時間がかかる。なのでシュウガはその時間を稼ぐために自ら殿を務め後方から迫り来る魔物の大群を一時的に抑えようとしているのである。

 

シュウガが指示を出してからそう時が経つことなく探索隊は洞窟の前に辿り着く。それと同時にシュウガは魔物の大群に向き合い迎え討つ準備をする。

 

シュウガ「"多重影分身の術"!」

 

シュウガは即座に多重影分身の術を使用。すると周囲に煙が立ち込めそこからおよそ二十人のシュウガの分身が現れる。そしてその分身と協力して魔物の大群に対して大規模な土遁忍術を行使する。

 

シュウガ・分身シュウガ達「"土遁・大地動核"!」

 

その瞬間シュウガ達と魔物の大群の間に巨大で深い穴が形成される。この術は対象の地面を上げ下げする土遁・地動核の広範囲版。その気になれば本体のシュウガ一人でも行使可能だが今回はより確実に巨大な穴を作りたかったので分身と協力しての発動となった。

 

魔物の大群は突如現れた穴に次々と落ちていった。ただある程度大群の後方にいた魔物達はギリギリ落ちるのを回避して穴を迂回し始めた。だが穴が巨大な為迂回するには時間がかかる。それによりメンバー全員が洞窟に入る時間は充分に稼げた。シュウガはユエを背負ったハジメを最後にメンバー全員が洞窟に入った事を確認すると分身を消して自分も洞窟に飛び込んだ。

 

シュウガが洞窟に飛び込んで来た事を確認したハジメは即座に錬成で入り口を塞ぐ。こうして探索隊は魔物の大群から逃げ切り目的の場所へと到達したのだった。

 

ハジメ「これでよしっと。上手くいきましたねシュウガさん。」

 

シュウガ「ああそうだな。だが本番はここからだ。ここに本体がいるのなら俺達は既に相手の懐に入り込んだようなものだ。散々走って皆んな疲れているだろうが、油断せずもう一踏ん張りしてくれ。ここからは気配感知の技能を持つ者は全員感知を行ってくれ。俺も仙人モードで感知力を高める。さぁ、行くぞ。」

 

メンバー達にそう指示を出したシュウガは今日三度目の仙人モードを発動。そして探索隊は薄暗い洞窟の通路を警戒しながら歩みを進めて行く。

 

しばらくすると開けた場所へと出られる通路の出口が見えた。探索隊の先頭を行くメルドとルドルフその出口から出ようとした時だった。

 

シュウガ「ッ?!待て!そこから出るな二人とも!」

 

ルドルフ・メルド「「え?」」

 

シュウガ「仙人モードの感知に引っかかるものがあった。俺がさっき逆探知したのと同じものだ。その出口のおよそ反対側にいる。不用意に出ていくのは危険だ。」

 

優花「えっ、でも私の気配感知には何もないですよ。」

 

シュウガ「仙人モードの感知は気配よりもチャクラや魔力と言ったエネルギーの方が対象になる。恐らく相手は気配を誤魔化しているんだろうな。だが魔力までは誤魔化せてないみたいだ。おかげで割と直ぐに気づけた。」

 

ハジメ「成程。それなら僕も魔力感知で。」

 

そう言うとハジメは魔力感知の技能を使う。するとシュウガ同様に魔物の魔力を感知した。

 

ハジメ「よし、僕も魔力をとらえました。それで、これからどうしますか?」

 

シュウガ「そうだな。よし、ここは俺に任せてくれ。」

 

そう話したシュウガは印を組み術を発動。

 

シュウガ「"仙法・土遁泥地獄"!」

 

シュウガは土遁忍術である泥地獄を仙術として発動。この術は敵の足元を泥に変えて体を包み込みそのまま固めて動きを封じる術である。シュウガはこれを仙人モードと組み合わせる事で離れた位置にいる感知した魔物の足元を泥にして飲み込み封じ込めようとしているのである。

 

術を発動してから数秒ほどしてシュウガは術の体勢を解く。

 

シュウガ「よし、これで魔物は拘束できた。念の為周囲の警戒を怠らずに先へと進もう。」

 

そうして探索隊はシュウガの言葉通りに先へと進む事にした。

 

通路の出口の先は大きな広間のようになっておりその先には更に縦割れの道が続いているようであった。シュウガとハジメの感知によれば魔物はその縦割れの影に隠れていたらしい。シュウガを筆頭に探索隊はその影を覗き込む。そこにいたのは、

 

魔物らしき物「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ?!?!」ビクビク!

 

恐らく魔物が中に閉じ込められているであろう泥の塊が苦しそうにビクついていた。泥に飲み込まれて窒息寸前なのだろう。

 

シュウガ「よし、拘束が上手く決まってるな。このまま放っておいても死ぬだろうがここは確実に始末しておくか。」

 

そう言うとシュウガは草薙の剣を抜刀して泥の塊に対して素早く一閃。

 

ズパァン!!

 

一刀のもと斬り伏せられたそれは見事に真っ二つとなり地面に倒れた。するとまとわりついていた泥が落ちていき拘束されていた魔物の姿があらわになる。その見た目は醜悪な顔つきをしたアルラウネ似の魔物であった。

 

シュウガ「よし、始末完了。」

 

テイオー「………なんか今更だけどさ、シュウガってホントに万能だよね。」

 

メルド「そうだな。直接戦う力だけでなく、時空を移動する術や相手を感知する能力、更には拘束技まであるとは。一人でこれらをこなせる奴はまずいないぞ。」

 

シュウガ「一応言っておくが全ての忍びが俺みたいじゃないからな。自分で言うのもアレだが俺はたまたまあらゆる術に精通できる素質があったからであって本来は感知専門だったりとそれぞれの分野に特化するのが普通だ。」

 

エアグルーヴ「それはまあ、そうだろうな。」

 

スズカ「それを思うと、私達が出会ったのがシュウガさんで良かったわ。」

 

スペ「確かにそうですね。」

 

シュウガ「さて、とりあえずこれで危機は去ったと考えていいだろう。見たところこの先は次の階層へと繋がってそうだ。ここまで来たわけだし、このまま先へ進もう。」

 

探索隊メンバー達「了解。」

 

こうして魔物の大群による襲撃を引き起こしていた本体を倒したシュウガ達は次の階層へと進んでいくのであった。

 

 




第20話読んでいただきありがとうございます。

今回は主な探索の様子がどんな感じか書いてみました。逆探知のシーンはナルトがペイン戦で六道の杭を介して逆探知したシーンを参考にしてみました。やっぱり仙人モード万能ですね。

次回はいよいよラスボス戦へと突入していく予定です。また是非読んでみてください。
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