ありふれた職業で世界最強withオリキャラ&ウマ娘 作:気まぐれのみった
ではどうぞ。
シュウガが光に突入してしばらくすると急激に光は治まった。即座に自身の体に異常がないか確認した。
シュウガ「体に異常は無さそうだ。力も問題なくたぎってる。さて、此処はどこだ?」
そう言って周囲を見渡す。すぐに目に飛び込んできたのは人だった。それもかなりの人数が居るようだ。全員何が起きたのか分からないようで放心或いは軽くパニックになっている。
どうも二つのグループに分かれているようで一つは高校生ぐらいの男女がおよそ一クラス分の人数固まっていた。そして自分を含むもう一つのグループ。シュウガはこのグループのメンバーに大いに興味をそそられた。何故ならそのメンバー全員が獣耳と尻尾がついた少女達であったからだ。並行世界を巡り宇宙人にも会ったシュウガだが何やら不思議な魅力を彼女達に感じていた。
マヤノ「えっ?ここ何処?」
テイオー「僕達生徒会室にいたはずだよね?」
オグリ「だが明らかに違う場所だぞ。」
エアグルーヴ「会長、これは一体?」
ルドルフ「………‥分からない。まるで瞬間移動した気分だ。何が起こったんだ?」
どうやら彼女達も困惑しているようだ。
シュウガ「おう、アンタら大丈夫か?」
ウマ娘達「えっ?」
そこでウマ娘達は自分達のそばにシュウガがいる事に気づく。
タマモクロス「なっ、何や?!誰やアンタ?!」
シュウガ「俺はうちはシュウガ。とりあえず、しがない旅人とだけ言っておこう。どうやらこの状況はお前さん達も理解してないようだな。」
そう言いつつ更に周囲を見渡す。気配で気づいていたが、どうやら困惑している者達の他にも人がいるようで自分達を囲むように並んでいた。その中からこちらに向かって一人歩み寄って来た。シュウガはウマ娘達の前に出てその人物を制止した。
シュウガ「おっと、そこで止まってくれ。」
その言葉に止まる人物。どうやら中々の老人のようだ。その場の全員の視線がシュウガに向けられる。
シュウガ「見たところアンタらは現地人のようだな。ここが何処で何が目的か教えて貰おうか?」
その問いに老人はこう答えてきた。
???「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎いたしますぞ。私は聖教教会にて教皇の地位に就いております『イシュタル・ランゴバルド』と申すもの。以後、よろしくお願い致しますぞ。」
その老人、イシュタルは好々爺とした様子で語りかけてきた。だがシュウガには胡散臭い印象が残るのだった。
イシュタルの言葉に更に困惑するウマ娘達と子供達。それを察したシュウガは即座にイシュタルに話しかける。
シュウガ「勇者ねぇ。とりあえず詳しく話を聞きたいが、その前に一つ確認したい事がある。」
イシュタル「何ですかな?」
シュウガ「俺はともかく、この子達にとっては今起こっていることは理解しかねるようだ。そんな状況じゃ安心出来ないだろ。とりあえずアンタの口から聞きたい。ここにはこの子達に危害を加える奴らはいないな?」
イシュタル「ええ、それは勿論。ここに皆様を害する者はおりません。」
シュウガ「その言葉、嘘はないな?」
イシュタル「はい、当然です。」
シュウガ「………‥良いだろう。ひとまずその言葉を信じよう。という訳だ。勝手に仕切って悪いがここは一つ話を聞こうじゃないか。反対意見はあるか?」
そう言って二つのグループに問いかける。
ブライアン「どうするんだ。正直何を信用していいか全く分からん。」
ルドルフ「だからと言って無闇に行動するのはもっと危険だ。ここは彼の言う通り話を聞かせて貰おう。」
ルドルフの意見に他のウマ娘達も頷く。もう一つのグループも話を聞くという方向でまとまったようだ。
イシュタル「では説明致しますので我々について来てください。場所を移します。」
シュウガ「あっ、悪いが少し待ってくれ。」
イシュタル「おや、まだ何かありましたかな?」
シュウガ「いやな、この状況を見るにどうもここには違う場所から来てる者同士がいるようなんだ。だから話を聞く前に、とりあえずこっちの自己紹介を済ましておきたいと思ってな。少し時間をくれないか?」
イシュタル「そう言うことなら構いません。我々がいると気が散るでしょうから外で待っています。終わったら声をかけてください。」
そう言うとイシュタル達は部屋から出て行った。その際シュウガはハッキリと感じ取った。ウマ娘に対するイシュタル達の侮蔑の感情と見下した視線を。
イシュタル達が部屋から出たことを確認したシュウガは即座に見聞色の覇気で隠れている者はいないかを調べる。ついでに盗聴されない様に部屋全体をチャクラで薄くコーティングした。隠れた者がいないことを確認したシュウガはまず自分から挨拶していく。
シュウガ「さて、まずは俺から自己紹介といこうか。俺はうちはシュウガ。こっちの子達には話したが、とりあえず今はしがない旅人とだけ言っておく。勝手に仕切って悪かったな。」
そうしてシュウガの挨拶を皮切りに二つのグループが自己紹介していく。どうやら一クラス分の人数いるグループは本当に学校のクラスメイトらしく、お昼の時間に突然魔法陣が教室の床一面に広がって光に包まれたと思ったらここにいたらしい。ちなみに子供ばかりと思っていたが教師も一人いた。だがその見た目が明らかに幼かった。そこで驚かれたことに教師の畑山愛子は傷ついていた様だった。この自己紹介だけでも、ある程度クラスの主要人物は把握できた。正義感の強いのが丸わかりのリーダーポジションにいる天之川光輝。その光輝の幼馴染の坂上龍太郎、八重樫雫、白崎香織などのクラスの中心的メンバーが率先して挨拶をしていた。そんな中一人気になる人物がいた。南雲ハジメと名乗ったその少年。目立つ感じでは無さそうだが何やら面白そうなものを彼から感じたシュウガであった。
ルドルフ「ふむ、私達は生徒会室にいる時、同じ様に魔法陣が現れ光に包まれたと思ったらここにいた。どうやら経緯は同じみたいですね。」
愛子「そうみたいですね。えっと、シュウガさんでしたか?貴方もそうなんですか?」
シュウガ「いや、俺は自分の意思でここに来た。」
シュウガ以外「えっ?」
シュウガ「俺はある目的のために旅をしていてな。その目的に関することでここまで来たんだ。」
スペ「えっ?!それじゃあ、えっと、シュウガさんはここが何処だか知ってるんですか?!」
シュウガ「ここがどういう所かは俺も分からん。だがここがお前達にとってどういう所かは検討がつく。」
光輝「どう言うことですか?」
シュウガ「俺は旅をしていると言ったな。信じがたいかもしれんが、俺の旅は規模が並行世界レベルなんだよ。」
並行世界ということを聞いたウマ娘達と生徒達は反応が二極化していた。並行世界について知っている者と知らない者に分かれている様だ。そこでシュウガは並行世界について説明を行った。
シュウガ「_______と言うのが並行世界についてだな。」
マヤノ「マヤ知ってる。パラレルワールドとかそういうのだよね。」
スズカ「その話が本当なら、貴方は別の世界から時空を超えてこの世界に来たということですか?」
シュウガ「そうだ。俺はあらゆる世界が泡の様に浮かんでいる空間を移動して来た。そしてこの世界に降り立とうとした時、二つの光がこの世界に向かって飛んで来たのが見えた。恐らくそれがお前達だ。俺はその光の一つに混ざってこの世界に突入したって訳だ。」
雫「待ってください!その話通りなら私達もこの世界に来た存在ってことですか?!」
シュウガ「そう言うことになるな。つまりここはお前達にとっても異世界ということになる。お前達は自分の意思でこの世界に来た訳ではないというのはさっきの話でわかる。恐らくお前達は何者かに無理矢理この世界に呼び寄せられた事になるな。ある意味、時空を超えた誘拐の様なものだ。」
シュウガの言葉に再びパニックになる者達が出始めた。無理もない。自分の常識を超えた誘拐事件の被害者になったのだから怖くて当然だ。
光輝「皆、落ち着くんだ!シュウガさん、あんまり怖い事を言わないでください。」
シュウガ「すまんな。だがこれは現実だ。さっきのイシュタル達はお前達を呼んだ実行犯、或いはその関係者と見た方がいい。どんな理由があるか知らないが、少なくとも全面的に信用するべきではない奴らと考えるべきだ。気をつけろ。」
そんな話をしていると一人の生徒がシュウガに話しかけてきた。シュウガが気になっていたハジメである。
ハジメ「あの、シュウガさん。少し良いですか?」
シュウガ(この少年、ハジメだったか。何だか知らんが面白そうだな。)「おう、いいぞ。」
ハジメ「シュウガさんは自分の力で自由に世界を行き来出来るんですよね?」
シュウガ「ああそうだ。」
ハジメ「それなら僕達を元の世界まで送り返すなんて事できませんか?」
ハジメの言葉を聞いて皆がハッとする。確かにありえない話ではない。自由に時空を移動できるシュウガにならこのまま送ってもらえるかもしれない。そんな希望が芽生えたのだ。皆が期待を込めた視線をシュウガに送る。
シュウガ「そうだな。可能かどうかで言えば可能だ。いい着眼点だ。」
テイオー「ホントに?!やったぁ!これですぐに帰れる!」
シュウガ「ただし問題がある。」
シュウガ以外「えっ?」
シュウガ「並行世界は無限に存在する。そのどれがお前達の世界か俺が知らないってことだ。世界が分からなければ送りようがない。」
シュウガ以外「あっ!」
シュウガの言葉に再び空気が重くなる。せっかくの希望が消えてしまったのだから仕方がない。
シュウガ「すまないな。だが逆に言えば世界さえ特定できれば直ぐにでも送っていけるということだ。初対面でこんな状況ではあるが、俺を信じてくれるなら必ず送り届けられる様に力を貸そう。」
ルドルフ「………‥分かりました。正直まだ混乱していますが、ひとまず貴方を信じます。皆もそれでいいか?」
ルドルフの言葉に少し考えてから頷くウマ娘達。ハジメ達生徒側も光輝の呼びかけでシュウガを信じる事にした。
話し合いがひと段落したところで香織がずっと疑問に思っていた事をウマ娘側に質問した。
香織「あの、シンボリルドルフさんでしたか?少し良いですか?」
ルドルフ「ん?ええ、構いませんよ。確か白崎さんでしたね。何でしょう?」
香織「えっと、皆さんのその耳と尻尾はコスプレなんですか?何だかすごくリアルですけど。」
香織の言葉にハジメ達も頷く。皆んな気になっていた様だ。その質問に対しルドルフを始めウマ娘達は不思議そうにしていた。
ルドルフ「いや、リアルも何もこれは私達の体の一部だ。コスプレではなく本物の耳と尻尾だよ。」
ハジメ達「えっ本物?!」
テイオー「何驚いてるのさ。僕達はウマ娘何だから当然でしょ。」
雫「あの、そのウマ娘って何ですか?」
マヤノ「えっ知らないの?」
愛子「知りませんよ!あんまり大人を揶揄わないでください!コスプレじゃなかったら何なんですか?!」
ブライアン「失礼な奴だな。揶揄ってなんかないぞ。私達はれっきとしたウマ娘という種族だ。それもここにいるメンツはウマ娘の中でもそれなりに有名どころだぞ。何故知らないんだ?」
愛子「何故って、それはウマ娘なんて居ないからですよ。」
タマモクロス「ウマ娘がおらん?現にここにおるやないけ。ウチらはそれこそ全国規模のTV取材やって受け取るんやで。ニュースとかで見た事ないんか?」
龍太郎「マジかよ。見た事ねえぞ。」
ウマ娘達・ハジメ達「ん〜?」
どうやらお互いの認識に違いがある様だ。ここでシュウガが気づいた事を話す。
シュウガ「成程。そう言うことか。」
スペ「何かわかったんですか?」
シュウガ「ああ、どうやらお前達はそれぞれ違う世界の住人のようだな。」
シュウガ以外「え?」
シュウガ「恐らくお前達は、ウマ娘という種族が存在する世界と存在しない世界の二つからこの世界に呼び寄せられたんだ。」
スズカ「だからお互いの認識に違いがあったんですね?」
シュウガ「そうだな。つまりウマ娘側の話も先生含む生徒達の話もホントって事だ。」
愛子「そんなことがあるなんて………。あっ、す、すみません!知らなかったとは言えあなた方に失礼な事を言ってしまって!ごめんなさい!」
ルドルフ「いえ、分かって頂ければそれで結構ですから。」
シュウガ「とりあえずここでの話はここまでにしよう。続きは奴らの話を聞いてからだ。もう一度言うが全面的な信用はしない方がいい。詳しいことが分かるまでな。」
そう言いながら扉に向かって歩き始めるシュウガ。ウマ娘達と生徒達もそれに続く。シュウガが扉を開けて外にいるイシュタルに声をかける。イシュタルは怪訝そうな顔をしていた。
シュウガ「すまん、待たせたな。ひとまず終わったぞ。」
イシュタル「え、ええ、分かりました。では、案内致しますのでついて来てください。」
少し挙動不審なイシュタル。恐らく盗聴でもしようとして失敗したのだろう。シュウガのチャクラのコーティングが上手くいったようだ。
シュウガ(やはり信用するのは難しいな。果たしてどんな話が聞かされるやら。)
そう考えつつシュウガはイシュタルの後ろを歩いていくのであった。
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イシュタルに案内されたシュウガ達はテーブルが並ぶ大広間の様な場所に通された。所々に凝った装飾がなされており観賞用の小魚が泳ぐ水槽も置かれていた。テーブルの上座にはシュウガを始めウマ娘側からルドルフとエアグルーヴが、生徒側からは光輝と愛子先生が座った。
皆が座ったタイミングで部屋の扉が開かれる。すると飲み物を用意したメイド達が入って来た。本格的なメイドの登場に何やらわき立つ男子数名。そんな男子を冷ややかな目で見る女子達。ウマ娘も何人かジト目である。ちなみにシュウガはというと、
シュウガ(分かりやすいハニトラだな。)
と至って冷静に分析していた。飲み物が全員に配られているところでシュウガは鼻にチャクラを集中させる。これにより嗅覚が非常に鋭くなる。そして飲み物に毒が入っていないか確認する。シュウガレベルになればこの時点で行き渡った全ての飲み物を確認できる。すると、
シュウガ「っ!」
何かに気づいたシュウガ。そして、飲み物が行き渡った事を確認して話し始めようとしたイシュタルの言葉を遮った。
イシュタル「では早速説明を「待てっ!」?何ですかな?」
シュウガ「ウマ娘達!その飲み物を飲むな!」
ウマ娘達「えっ?」
シュウガ「理由は後で説明する。とにかく今は、その飲み物を飲まないでくれ。頼む。」
そう言って頭を下げるシュウガ。その姿を見て困惑するウマ娘達だが一応信じると決めた相手が頭を下げてまで頼んでいるのでその言葉に従う事にした。
シュウガ「感謝する。遮って悪かったな。話を進めてくれ。」
イシュタル「………‥分かりました。ではご説明致します。」
そう話し始めたイシュタルは、微かにシュウガに対して忌々しそうにしていた。
こうして始まったイシュタルの説明。ここはシュウガの言う通り異世界の様であった。この世界(正確にはこの星)の名はトータスと言い、人族、魔人族、亜人族の三つの種族が存在するとのこと。
人族が大陸の北側を、魔人族が南側を勢力圏としており亜人族は東の樹海でひっそりと暮らしていると言う。人族、魔人族、亜人族の違いについての話しもされたが、魔人族と亜人族のことを一方的に罵っている様な内容でシュウガはこの世界の歪みを見た気分になった。
人族と魔人族は数百年に渡る戦争を続けており、数で勝る人族と個の力で勝る魔人族とどんぐりの背比べな状態のようだ。今は小規模な小競り合いを繰り返しており拮抗した状況だと言う。
ところが最近になって魔人族は、魔力を吸収して異形化した生物である魔物を使役し始めた。そのため人族に有利であった数でも危なくなったのだと言う。そんな状況を打開するために聖教教会が崇める神エヒトによってこの世界に召喚された勇者がシュウガ達だと言うのだ。つまり自分達は危険な戦いに身を投じなければならないと言うことである。その話を恍惚とした表情で語るイシュタル。かなり狂信的な様相である。
すると愛子がイシュタルに対し強く反論した。教師として自分の大切な生徒達に戦争などさせたくないのだろう。そのまま元の世界に帰してほしいとも主張した。だがイシュタルからの返答は非情なものであった。
それはイシュタル達では無理ということであった。帰るならば再びエヒトの力が必要になるだろうとの事。
途端に今日何度目かのパニックが起き始めた。無理もない。無理矢理連れてこられた上に戦争しろ、帰れないぞ、などと言われれば平和に生きて来た子供には耐えられるものではない。ウマ娘達も強いパニックは起こしてないもののかなり顔が青ざめている。先にシュウガから帰れる可能性を示唆されているとはいえ、それも今はまだ未確定。故にこの恐怖は正常である。
しかしその様子をイシュタルは軽蔑する様な目で見ていた。まるで『エヒト様に選ばれたのに何故喜べない?』とでも言っているかの様である。
シュウガ(やはり狂信的だな。あまり期待しない方がいいな。ん?)
そう考えつつ周囲を見渡すと一人の生徒が目につく。ハジメである。ハジメも青ざめた顔をしているがそれと同時にイシュタルに対して訝しげな視線を向けていた。
シュウガ(ふむ。さっきの質問といい見る目がある奴だな。やはり面白そうだ。)ニヤリ
その目の付け所から早くもシュウガにお気に入り指定されてきているハジメであった。
そうこうしているうちにもパニックは続いていた。するとバンッと言う大きな音が聞こえた。生徒の一人である光輝がテーブルを叩きつけながら立ち上がったのである。パニックになっていた者達を含めた全員の視線が光輝に集中する。
そこで光輝は何と戦争への参加を高らかに宣言したのである。イシュタルから力があると聞いてそれなら大丈夫と何とも楽観的に世界を救うと言い放ったのである。その発言と様相にシュウガは嘘だろと驚愕していた。
対して生徒達は何故か希望を見出し始めていた。どうもクラスの中心人物なだけあってかなりのカリスマ性がある様でそのせいか光輝を見る生徒達の目は何やら輝いていた。そしてその光輝に賛同する言葉を次々に口にし始めたのだ。
シュウガは頭を抱えたくなった。今まで沢山のバカや無鉄砲な人間を見てきたが、彼らは彼らなりに現実を知り、理解した上で無茶苦茶やっていた。だが光輝は正義感のみに突き動かされ自分達が何をやらされるのか見えていないようだ。何でこんなのにカリスマがあるんだと疑問に思うシュウガ。
エアグルーヴ「どうしますか、会長。」
ルドルフ「…………現状帰れる可能性を高めるなら、やるしかないのだろうな。」
テイオー「カイチョーがやるなら僕も頑張るよ!」
ウマ娘達の方もそんな感じにまとまり出していた。これは何とかしなければとシュウガが思案していると、
光輝「シュウガさん。貴方も戦いますよね?俺達の帰還に力を貸してくれるのであれば、一緒に戦いましょう!」
光輝にそう話しを振られてしまった。周りの視線が一気にシュウガに集まる。既に参加決定のムードである。当然参加するよね?的な空気の中、シュウガははっきりと答えた。
シュウガ「断る!」
シュウガ以外「えっ?!」
シュウガの発言にその場の全員が驚きの声を上げた。
光輝「な、何故ですか?!俺達を元の世界に帰すのに力を貸してくれるんじゃなかったんですか?!それに滅亡しかけている人々を見捨てる気ですか?!」
シュウガ「まぁ待て。何も理由がないわけじゃない。俺としては、お前達が帰れると言う事に絞って考えれば俺が率先して戦っていいと思ってる。」
光輝「ならっ!」
シュウガ「ただそこにイシュタルの爺さん達が絡んでくると話は別だ。イシュタルの爺さんは言ったよな。ここに害する者はいないと。だがその言葉を早速裏切ってきた。そんな奴らのために戦うのはごめんだね。」
光輝「裏切ったって、何を言ってるんですか!俺達は何もされてませんよ!酷い言い掛かりはやめて下さい!」
光輝のその言葉を聞いたシュウガは徐に立ち上がり、そのまま置いてある水槽の元へ向かう。
光輝「何をしてるんですか?」
シュウガ「まぁ見てろ。この水槽ちょっと借りるぞ。中の子達は返せそうにないがな。」
シュウガは水槽の一つを持ち上げるとテーブルまで持ってきた。そして今度はルドルフの為に淹れられた飲み物を手に取る。
ルドルフ「?何をするんですか?」
シュウガ「魚達を見てろ。もしこれを飲んでいたら、こうなっていたかもしれないぞ。」
そう言って飲み物を水槽に注ぐ。すると変化はすぐに起きた。
召喚組「っ?!」
水槽の魚達がいきなり苦しそうに動き回ったかと思うと、今度はすぐに動かなくなった。しかもそれだけでなく、よく見ると魚達の体面が溶けているのだ。あっという間に跡形もなく全て溶けてしまった。
シュウガ「身体を溶かす作用を持った毒薬だろうな。それがウマ娘達の飲み物にだけ混ぜられてた。もし飲んでいたら内側から溶かされて死んでいたな。」
その話しを聞いたウマ娘達は顔を青ざめさせ恐怖していた。当然だ。もしシュウガに止めてもらわなければ自分達はあの魚の様に死んでいたかもしれないのだから。
光輝「そんな、こんなことって………。」
シュウガ「俺は嗅覚を鋭くする術があってね。そのおかげで毒の匂いを嗅ぎつけたってわけさ。さて。」
そう言うとシュウガはイシュタルの方へと体を向ける。イシュタルはシュウガのことをまるで親の仇かと言わんばかりに睨みつけていた。
シュウガ「おうおう怖い顔だねぇ。だがその顔をしたいのはこっちの方だぜ爺さん。この毒はアンタの差し金だろう。害する者はいないと言っておきながらこれはなんだ。ご説明願おうか?」
静かに、しかし確かな怒りを持ってイシュタルに問いかける。その場の全員がイシュタルに視線を向ける。
イシュタル「………………。」
光輝「イシュタルさん!嘘ですよね?!こんな残酷なことするなんて!」
ルドルフ「イシュタルさん。お答え願おう。返答次第では私達は戦争への参加を考え直す必要がある。どうなんですか?」
二人にそう発破をかけられるイシュタル。しかし尚もダンマリを決め込む。するとシュウガが口を開いた。
シュウガ「亜人族だな。」
イシュタル「っ!」
その言葉に動揺を見せるイシュタル。
ブライアン「どういう事だ?」
シュウガ「さっき亜人族について軽く説明があっただろ。その時周りにいる騎士どもがチラチラとウマ娘達に向かって視線を送っていた。まるでお前達のことだぞと言わんばかりにな。」
雫「確か亜人族はエヒトって神様に見放された存在だって言ってましたよね。」
シュウガ「そうだ。恐らくこの世界はエヒトへの信仰が絶対だ。それに加えて亜人族に関する説明。つまり亜人族はこの世界の嫌われ者であり、少なくともこの爺さん達には生かす理由のない存在なんだろうな。そしてその亜人族と同じ扱いをウマ娘達にした訳だ。それで間違いないな?」
イシュタル「……………ええ、その通りです。」
召喚組「っ?!」
そこまで言い当てられ観念したのか、イシュタルはシュウガの推理を肯定した。
タマモクロス「ふざけんなやっ!!ウチらは無理矢理ここに連れてこられたんやで!!それで何で殺されなアカンねん?!」
イシュタル「口を慎め亜人族。世界が違えどエヒト様に見捨てられた醜い存在。そんなお前達を殺して何がおかしい。」
ウマ娘達「なっ?!」
もやは開き直ったのか、イシュタルは最初の好々爺な様相はどこえやら傲慢で高圧的な態度でウマ娘達を殺して当然と言い切った。これにはウマ娘達は勿論ハジメ達も愕然としていた。
光輝「そんな………。どうしてこんなことを?」
シュウガ「価値観の違いだな。人ってのは個人個人で価値観が違う。全く同じ価値観を持つ奴はいない。それが今回は異世界規模だ。俺達の常識が通用しない価値観で生きている人間達もいる。この世界がまさにそうなのかもな。」
イシュタル「こうなっては仕方ない。この亜人族供を捕縛しろ。後日、神聖な勇者召喚に紛れ込んだゴミとして処刑する。」
その言葉が発せられた瞬間、控えていた神殿騎士達が一斉に剣を抜きウマ娘達を取り囲んだ。
エアグルーヴ「正気か貴様!!確かに私達は人間ではないが、だからと言って殺される様な生き方をした覚えはないぞ!!」
イシュタル「黙れ。この世に生まれた時点で罪なのだ。お主達の存在そのものがエヒト様への侮辱。許すわけにはいかない。」
スズカ「嘘でしょ………。言ってることが何も理解できない。」
イシュタル「常識を理解できぬとは哀れな奴らだ。処刑はせめてもの慈悲。ありがたく思え。捕縛せよ。抵抗するならその場で殺しても良い。」
神殿騎士「そう言うことだ。悪く思うなよ。」
そう言ってウマ娘達に迫る神殿騎士達。
テイオー「ピエッ!ど、どうしようカイチョー!!」
ルドルフ(どうする?!いくらウマ娘のパワーがあっても剣を持つ本職の騎士には勝てない!何とか逃げなければ!)
光輝「イシュタルさん!!やめて下さい!!こんなこと間違ってます!!」
イシュタル「勇者様方、ご安心なされよ。すぐにゴミ掃除致します。」
もはや会話が成立しなくなっていた。あまりに異常なイシュタル達の行動。もう誰にも止められないと思われたその時。この男が遂にブチギレた。
シュウガ「はぁ………。とりあえずさぁ……………、黙れよっ!!」
バリバリバリッ、ドーン!!
シュウガ以外「ッ?!?!」
それは一瞬の出来事であった。部屋全体が突如として強い圧を受けたかのように感じたのである。
香織「な、何今の?」
雫「分からないわ。まるで強い威圧を受けた気分だわ。」
今起きた現象に誰もが疑問に思っていると、オグリキャップがある異変に気付いた。
オグリ「ん?なあタマ。私達を囲んでいる騎士達の様子がおかしくないか?」
タマモクロス「はぁ?こんな時に何言うてってホンマや。何か棒立ちしてるで。」
すると、
ドサッ
スペ「えっ?」
神殿騎士の一人が倒れたのである。それを皮切りに他の神殿騎士達も次々に倒れていく。遂には全員が倒れてしまった。
イシュタル「い、一体何が?!」
シュウガ「俺がやった。」
愛子「え?シュウガさんが?」
シュウガ「いい加減頭に来るものがあったんでな。ぶちかましちまったよ。ちゃんとコントロールした筈だったが対象以外も感知しちまったか。悪いな、冷静さを欠いた。」
この異様な現象を引き起こしたのがシュウガという事が本人から明かされた。だが彼はさっきから同じ場所に立ち続けており、神殿騎士達が倒れた時も一歩も動いていなかった。一体どうやって制圧したのか。誰もが混乱する中、シュウガはイシュタルに向かって歩き出す。
イシュタル「く、来るなっ!」
そう言うとイシュタルは魔法の詠唱を始めシュウガに向かって魔法の光弾を撃つ。
香織「危ない!」
シュウガに向かう光弾。しかしシュウガは避けようとしない。光弾が直撃する寸前、
シュウガ「ッ!」
バシューン!
イシュタル「何?!」
光弾はシュウガに当たる前に何かに弾かれたように散布してしまった。訳のわからない事が立て続けに起きてもはやパニック状態のイシュタル。そのイシュタルの前にシュウガが辿り着く。そして語りかける。
シュウガ「爺さんよぉ〜。アンタらがこの世界でどんな常識を持って生きようが、それはアンタらの自由だ。そこに文句はねえ。けどな、それを別の世界の者達にまで押し付けるのはお門違いじゃないか?」
イシュタル「な、何を言って?!」
シュウガ「大方、エヒト様には他の世界の奴らも従って当然とか思ってんだろ。バカ言っちゃいけねえよ。少なくとも俺はエヒトなんて神初めて聞いた。そんな奴に従う義理も義務もないね。権利はあるが、そんな権利はドブに捨ててやるよ。ハッキリと宣言しとこう。俺は、お前らを救う気はない!」
そう宣言したシュウガは即座に腰に携えていた草薙の剣を抜刀。勢いよく振り抜きその場で一回転した。
キィーン!ズガァーン!
イシュタル「へっ?」
斬撃はイシュタルを掠めそのまま波動のように飛んでいき大広間を切り裂いた。結果建物そのものが切り飛ばされ、天井もろとも地面に崩れ落ちた。青いお空が丸見えである。
シュウガ以外「っ?!?!?!」アングリ
あまりにとんでもない光景に皆空いた口が塞がらなくなっていた。イシュタルに至っては、
イシュタル「おっ、おっ………。」ブクブク
泡を吹いて気絶していた。こうして理不尽にウマ娘達を殺そうとした愚か者供に天罰が降ったのである。
第二話をご覧いただきありがとうございます。
初っ端からかなりとんでもないことをやらかしました。ただ亜人族への偏見が強い上に勇者召喚で一緒にウマ娘が現れたらこうなるんじゃないかと思います。いきなりフルスロットルな展開ですが楽しんでもらえたら嬉しいです。
ではまた次回、よろしくお願いします。