ありふれた職業で世界最強withオリキャラ&ウマ娘 作:気まぐれのみった
前回からいきなり突飛な展開ですが楽しんでもらえたら嬉しいです。
では、3話をどうぞ。
イシュタル達の亜人族への偏見によって起きたウマ娘捕縛騒動は彼らの気絶によって幕を閉じた。ちなみにこの部屋以外にいる使用人なども神殿騎士達の時に気絶済みである。なので今ここで起きているのはシュウガとウマ娘達、そしてハジメ達だけである。
シュウガ「さて、とりあえずこんなもんだな。今のうちに今後のことについて話し合おうぜ。って、ん?」
シュウガ以外「……………。」アングリ
シュウガ「あらら、ちょっと刺激が強すぎたかな?おーい、聞こえるかぁー?!」
シュウガ以外「ハッ?!」
シュウガ「おう大丈夫か?」
光輝「え、あ、はい。」
ルドルフ「え、ええ。あまりに衝撃的だったものだから呆然としてしまった。申し訳ない。」
シュウガ「気にすんな。今まで平和な世界で生きてきたんだろ?ならあんな光景見慣れてなくて当然だ。配慮が足らなかった。すまんな。」
ルドルフ「いえ、それよりも感謝します。貴方がいなければ私達は死んでいたかもしれない。助けてくれて本当にありがとうございます。」
そう言って頭を下げるルドルフ。それに続いて他のウマ娘達も頭を下げてお礼の言葉を述べる。
シュウガ「なに、俺がやりたいようにやっただけだ。そんなに気にすることじゃない。さて。」
シュウガは光輝の方へ向く。
シュウガ「これで分かっただろ。俺が断った理由が。自分達の都合で勝手に呼び出した初対面の相手を問答無用で殺しにくる奴らなんて俺は救いたくないね。」
光輝「はい………。でも、この世界の人々が困っているのは事実です。イシュタルさんは間違ったことをしたかもしれませんが、だからと言ってこの世界の人間全員を見捨てるのは酷じゃありませんか?」
シュウガ「その事なんだがな。お前達さっき戦争に参加する雰囲気だっただろ。特にお前のあの宣言とかさ。正直なところツッコミたくて仕方なかったぞ。」
光輝「?どう言うことですか?」
シュウガ「あのな。お前達がやろうとしてる事。物凄く端的に説明するとな、人殺しをするって事なんだぞ。」
シュウガ以外「ッ?!」
シュウガの言葉にその場の全員が息を呑む。
光輝「ひ、人殺しって?!何を言ってるんですか?!」
シュウガ「何って、戦争って事は相手を、つまり人を殺す事なんだぞ。何かおかしいか?」
このシュウガの発言により全員が現実を突きつけられた。
ルドルフ(確かにその通りだ!そんなの考えるまでもなく分かる事じゃないか!理解の及ばない状況に流されてとんでもない決断をするところだった!)
光輝「でも、相手は魔人族と言って人間じゃ無いんですよ!」
シュウガ「いや。魔人族は恐らく『魔の人』と言う意味だろう。ならば少なくとも人と同じ姿や文明を持った存在と考えるべきだ。お前らはそんな存在を殺せるのか?」
光輝「そ、そんな事皆んなさせません!それに人と同じ存在なら言葉で分かり合えるじゃないですか!なら戦争なんてしなくても大丈夫じゃないですか!」
シュウガ「バカ言うな。話し合いだけで解決するならとっくにこの世界の戦争は終わってる。それが無駄だから争ってるんだろ。この世界が同じか知らんが、この世にはどうやっても分かり合えない者達はいる。悲しいがこれは現実だ。」
光輝「け、けど、魔人族は人々に散々酷い事をしてきたんですよ!なら何とかしないと!」
シュウガ「なら逆はどうだ?」
光輝「え、逆?」
シュウガ「そうだ。人族が魔人族に酷い事をしてないとは言い切れんだろ。戦争をしている以上お互いに殺し合い憎しみが溜まっているのは明白だ。その中で恨みを晴らそうと、これまたお互いに酷い事をしていると考えてもおかしくない。魔人族だけを悪と決めつけるのはいささか早計だぞ。」
光輝「で、でも、イシュタルさんの話ではそんな事一言も言ってないですよ!」
シュウガ「当たり前だ。奴はあくまで人族側の視点で話したに過ぎない。魔人族側の話を聞いていないだろう。一方の側面だけを見聞きしただけですべて分かった気になるな。世の中には、あり得ないような真実が隠されている事もあるんだ。(イタチの時のようにな)」
光輝「そんな、でも、イシュタルさんは…………。」
シュウガ「なあ、俺は言ったよな。あの爺さん達を信用し過ぎるなと。召喚にされて直ぐでそれなのに、今さっきのウマ娘達に対する愚行。それを考えればあの爺さんの話を鵜呑みにするのは危険だ。違うか?」
光輝「で、ですけど、それじゃあ帰る方法はどうするんですか?!あなただって確実に俺達を送っていける訳じゃないんでしょう?!それなのにここで戦わなかったらそれこそ帰れないじゃないですか!」
シュウガ「それは一理ある。だからこそ俺はここで全員に問う。」
そう言うとシュウガは光輝含め周囲の者達を見渡しながら問いかけた。
シュウガ「今、お前達には二つの選択肢がある。今の話を聞いて尚、帰るための確率を上げるためにと割り切って戦争するか。それとも俺と一緒にここを出て旅をするか。戦争するなら最悪その手を血で染める事になるやもしれん。俺と旅をするなら俺が戦いを全て引き受ける。ただ、こうして騒ぎを起こした以上お尋ね者として追われる身になるだろうな。碌な目に遭わないかもしれん。人数が増えればその分な。つまりどっちの方法を取っても決して楽な道ではないと言うことだ。故に問う。どっちの道がいい。帰る確率を上げたいなら俺もここに留まろう。戦う覚悟があるのなら、戦争と言う狂気の沙汰を乗り越えられるよう力を貸そう。俺とエヒト、両方の帰還方法に賭けるか、俺だけを頼るか。いずれにしても俺は手を貸すつもりだ。さぁ、どうする?」
その問いかけに対し、問われた者達は暫くの間沈黙した。果たしてどちらを選択すべきか。帰る方法の幅を広げるのであれば戦争する事になる。最悪人殺しをしなければならないかもしれない。ならばシュウガと旅をした方が安全かもしれない。だがそうすると方法は限定され更に追われる身になるかもしれない。戦う覚悟か、逃げる覚悟か、ほとんどの者達が答えを出せずにいた。
数分か、はたまた数十分か。幾分かの時が経った頃。最初に口を開いたのはルドルフだった。
ルドルフ「シュウガさん。一つお聞きしたい。貴方の先程の言葉。力を貸してくれると言うその言葉に嘘偽りはないと、そう考えてもよろしいのですね?」
シュウガ「ああ、誓って嘘はない。イシュタルの件で不信に陥っているだろうが、最後の賭けだと思って俺を信じて欲しい。」
ルドルフ「……………分かりました。皆んな。私は彼を信じた上で戦おうと思う。現時点で、既に彼は私達の恩人だ。私としては充分に信頼できると考える。その彼が力を貸してくれるのであれば心強い。戦争は確かに恐ろしいが、帰るための確率を上げるにはやはり戦うべきだと思う。最悪人殺しをしなければならないかもしれない。だがそんな状況も、彼が居てくれたら乗り越えられる気がするんだ。私は彼に賭けたい。皆んなはどうする?」
ルドルフの言葉に考え込むウマ娘達。だが直ぐに答えが出たのか皆顔を見合わせて頷いた。
エアグルーヴ「会長。私達も彼を信じてみようと思います。戦争を乗り越え、必ず元の世界へ帰りましょう。」
エアグルーヴの言葉にウマ娘全員が頷いた。その顔にはわずかながらに覚悟の片鱗が見えた。
ルドルフ「私達の方針は決まりました。シュウガさん、貴方に賭けます。そして戦います。」
シュウガ「OK。その想い受け取った。なら。」
そう言いつつシュウガは拳をルドルフに向かって突き出した。
シュウガ「拳を合わせろ。俺達はこれから一つのチームだ。チームの仲間として俺達は対等だ。共に立ち向かおう。よろしく。」
ニヤリと笑いつつシュウガは言葉を紡いだ。それはシュウガの心からの想いだった。
その言葉にルドルフもニッと笑いながら拳を合わせた。
ルドルフ「ええ、よろしくお願いします。」
シュウガ「敬語はいらねえ。対等なんだ。お前達の話しやすい言葉で構わない。呼び捨てでもいいぞ。」
ルドルフ「ふふ、では改めて、よろしくシュウガ君。」
こうしてウマ娘達はシュウガと共に戦う事を決意したのであった。
シュウガ「さて、ウマ娘達は己の道を示したぞ。お前達はどうする?」
シュウガの問いかけに生徒達は未だ迷っていた。すると、
光輝「皆んな、へこたれちゃいけない!俺達なら必ず帰れる!その為に戦えるはずだ!今の俺達には大きな力があるんだ!この力があれば乗り越えられる!頑張ろう!」
光輝がそう生徒達を鼓舞する。ただ光輝はさっきの話を理解しているのか微妙な様子であった。光輝の呼び掛けに生徒達も次第に戦う方向でまとまっていった。愛子はダメですよ〜と言っているがもはや意味を成していなかった。
光輝「シュウガさん。俺達はやります。必ず世界を救ってみせる。そして元の世界へ帰ります。」
シュウガ「……………いいだろう。ま、これから一つよろしくな。」
そう言って再び拳を突き出すシュウガ。ただどことなく光輝に対して不信があるのか紡いだ言葉は短かった。
光輝「はい、よろしくお願いします!」
こうして生徒達も戦う事になった。
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全員が戦うと言う方向で決まり何やら妙な高揚感に包まれる中、ルドルフはふとシュウガの言っていたある事について質問した。
ルドルフ「そういえばシュウガ君。きみは確か目的があって旅をしてるんだったね。この世界にもその目的の為に来たと。私達に協力するにあたってその目的とやらは大丈夫なのかい?」
シュウガ「ああそれか。それなら暫くは情報収集に努めるつもりだ。元々速攻でカタが付くとは思ってないからな。確実に事を成せるよう今は情報を手にする事を優先する。」
エアグルーヴ「そもそも目的とはなんなんだ?」
シュウガ「物騒な物言いになるが、とある一族を打ち倒すことが俺の目的だ。」
ブライアン「とある一族?」
シュウガ「大筒木一族と言ってな、星の命を食らうことを目的に様々な世界や星に降り立つ奴らだ。降り立った星の命を吸い上げチャクラの実というものを実らせそれを収穫。命を吸い上げられた星は当然滅びる。そんなプロセスを繰り返している迷惑な宇宙人だ。」
テイオー「何それ。星が滅びるって尋常じゃないよ。」
シュウガ「ああその通りだ。俺の故郷の世界も大筒木に狙われてな。大きな争いに発展した。最終的には勝利したが、大筒木には派閥がありその戦いから生き残った大筒木も少なくない。そいつらは今も星を滅ぼしている。それを食い止め、大筒木一族を殲滅するのが俺の目的だ。どうやらこの世界にも大筒木がいるようでな。その気配を追ってここまで来たって訳さ。」
光輝「殲滅って、そこまでしなくてもいいんじゃないんですか?」
シュウガ「俺だって出来ることなら平和的に事が済むならそうしたいさ。だが大筒木は話の通じない奴等ばかりだ。悲しいがそういう存在もいるって事だ。加えてやってることの規模が異常だからな。あまり慈悲をかけるわけにもいかないのさ。この世界も今狙われている可能性がある。その脅威からもお前達を守る。成し遂げて見せよう。」
オグリ「貴方は、シュウガはそんな存在を相手に戦ってきたわけか。それなら部屋がこんなになる力も納得だな。」
そう言って部屋を見渡すオグリ。皆もそれに釣られて部屋を見渡す。イシュタル達は気絶。部屋は建物ごと切り裂かれ崩れ落ちている。
マヤノ「そういえばこれ、どうするの?」
タマモクロス「こんな状況ほっとくわけにはいかんやろうけど、やからってどないすんねん?」
シュウガ「そうだな。とりあえずまずは建物を直すか。」
そう言うとシュウガは顔の横で拳を握った。すると拳から緑色のオーラが立ち込める。
シュウガ「フンッ。」
シュウガが力を込める。途端にオーラが部屋全体に広がっていく。すると切り落とされた建物がまるで時間が巻き戻ってるかのように動き出した。数秒すると部屋は切り裂かれる前の状態に戻ったのである。
香織「へ、部屋が直った?」
雫「えっと、シュウガさん?一体何をしたんですか?」
シュウガ「簡単に言えば時間を巻き戻したのさ。俺には時間を操る術があるからな。」
そう、シュウガは本当に時間を巻き戻したのである。シュウガと一体化したインフィニティストーンの一つ、タイムストーンの力である。
シュウガ「さて、お次は爺さんだな。このまま起こしてもまた難癖つけてくるだけだからな。少し釘を刺しておくか。」
そう言った直後、シュウガの瞳が変化した。うちは一族の秘伝『写輪眼』である。
スペ「目がっ?!」
シュウガ「写輪眼と言ってな、俺達うちは一族に伝わる目だ。こいつには強力な幻術をかける力がある。この幻術で爺さんにちょっとした催眠、暗示をかけるのさ。」
スズカ「暗示?」
シュウガ「ああ、このまま放っておけばまた同じ事をやらかす。それを防ぐ為に幻術でこの爺さんの深層心理を弄るんだ。亜人族は嫌いだがお前達ウマ娘は受け入れる、と言う具合に幻術をかける。そのぐらいのバランスが丁度いいだろう。」
愛子「あの、それって洗脳のような事じゃないですか?そんな悪い事をして大丈夫なんですか?」
シュウガ「悪いかどうかはその時の状況や相手によって変わる。今回は問題ないだろう。」
そう言うとシュウガは気絶しているイシュタルの目を軽くこじ開ける。そして写輪眼と視線を合わせる。
シュウガ「幻術・写輪眼!」
そしてイシュタルに幻術をかける。数秒するとシュウガは視線を外す。目も写輪眼から戻っている。
シュウガ「よし、これで完了だ。奴らのトップであろうこいつがウマ娘に手を出させなければ他の連中も簡単には動けないだろう。取り敢えずはこんなところだな。さて、そろそろコイツら起こしますか。」
そうしてイシュタルを皮切りに気絶していた者達を起こしていく。案の定起きた神殿騎士達がウマ娘に襲い掛かろうとしたがそれをイシュタルが制止する。亜人族なのは気に食わないがエヒト様に召還されたのなら受け入れると発言した。さっきと違う指示に困惑する神殿騎士達。意見する者もいたがやはりイシュタルには逆らえないようである。結果仕方なくウマ娘を受け入れることに収まったのであった。
シュウガ「さて爺さん。正直な話、俺達はアンタらを信用しちゃいない。だがこちらの出す条件を呑むというのなら戦争してやってもいい。」
イシュタル「……………その条件とは?」
シュウガ「まず第一にウマ娘達に今度こそ危害を加えない事を約束してもらおう。お前達からすれば亜人族に見えるかもしれんが、この娘達は別の世界の存在。お前達の常識を強要していいわけがない。客人としてちゃんと受け入れてもらおうか?」
イシュタル「……………分かりました。受け入れましょう。他には何か?」
シュウガ「見ての通り俺達はそれなりに大所帯だ。ならば表立って戦うのが向かない者も出てくるだろう。そうなった時にその人物を無理矢理戦わせない事だ。何事も適材適所。その人物が最も力を出せるポジションを用意してもらおう。」
イシュタル「いいでしょう。ただあまりに非戦闘者が多い時は出来る限り戦ってもらいますぞ。」
シュウガ「その時は俺がサポートしよう。傲慢かもしれんが俺はこの中で一番強い。余程のことがない限り他の者へのサポートは可能だ。さて、次で最後だ。」
イシュタル「はい、何ですかな。」
シュウガ「俺達の一番の目的は元の世界への帰還。それが大前提である事を忘れるな。」
イシュタル「………………分かりました。その条件を受け入れましょう。」
納得がいかない様子ではあったが先のシュウガの異常性を見たことから事を荒立てるべきではないと判断したようだ。
こうして幾つかの条件をイシュタル達に呑ませた上で、戦争への参加が決定した。
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戦争の参加が決まったシュウガ達はその後イシュタル達の案内で聖教教会の総本山である神山の麓にあるハイリヒ王国の王城に移動する事になった。移動中イシュタルが魔法でシュウガ達の乗った台座を動かしてみせた。本来はここで生徒達がはしゃいだりするのだが、既にシュウガの力を目の当たりにしていたからか反応は薄かった。
そうして辿り着いた王城でシュウガ達を出迎えたのはこのハイリヒ王国の国王であるエリヒド・S・B・ハイリヒ、王妃のルルリアナ、第一王子のランデル王子、ランデルの姉の王女リリアーナであった。
シュウガはその光景に厄介な国だと考えた。何故なら国王であるエリヒドが玉座に座らず立って待っていたからである。更に隣にイシュタルが来た際に国王はその手を取り軽く触れない程度にキスをした。完全に立場がイシュタルの方が上である。このことからこの国の力関係が宗教>国であることが分かる。つまり神の意思次第で簡単に国が滅びかねない状況なのである。
シュウガ(事実上宗教に支配された国か。この世界で活動するなら国に頼りすぎず個人の基盤を築くべきかな。)
そう考えているうちに謁見は終わりを迎えたのだが、謁見に立ち会っていた高位の身分の者達が侮蔑の表情を浮かべていた事にシュウガは気づいていた。やはりここでもウマ娘達は歓迎されていないようだ。
その後、神の使徒であるシュウガ達を歓迎する晩餐会が開かれる事になったのだがここでも問題が起きた。料理人達がウマ娘達に料理を作る事を拒否したのだ。暗示をかけられたイシュタルが受け入れを宣言したとはいえそれはそれ、これはこれと抗議を受けたのだ。そこでシュウガは早速行動に出た。
シュウガ「そういう事ならウマ娘達の食事は食材からなにから全て俺が用意しよう。それなら文句はないだろう。」
シュウガ以外「え?」
シュウガ「国王様よ。この城で今空いてるそこそこ広いスペースはどこかにないか?外でもいい。」
国王「あ、ああ、それなら今は中庭が空いていたと思うが………。」
シュウガ「了解。ならそこ借りるぞ。騎士の誰かに案内をお願いしたい。」
そんなこんなでウマ娘達を連れて中庭へやってきたシュウガ。案内人の騎士はすぐに戻って行った。
シュウガ「やれやれ、あまりいい国とは言えないな。明らかに宗教に支配されている。これじゃ人の意思がないも同然だな。っと、そんな事よりいきなり連れ出して悪かったな。お前達の食事は俺が用意しよう。」
ルドルフ「それはありがたいが、どうやって今から用意するんだい?ああ言った手前、この城の食材は融通してもらえないだろうし。」
シュウガ「問題ない。そもそも食材自体は既に確保してある。この世界に来る前にありったけの食材をかき集めてそれを持参したんだ。」
マヤノ「えっどこに?」
シュウガ「仕舞ってあるんだ。今取り出す。」
するとシュウガは再び写輪眼を発動。だが今回は更に変化があった。写輪眼の模様が展開していき白目の部分を含めて目全体が紫色になり、そこに波紋の様な模様と複雑な手裏剣の様な模様が重なり合っていた。写輪眼以上に異様な目にざわつくウマ娘達。
スペ「えっ?!また目が変化しましたよ?!」
シュウガ「俺の持つ力の中でも最上位の力を秘めた俺の切り札の一つ。『万華鏡輪廻写輪眼』だ。色々な能力があるがそれはまたの機会に教えよう。この目を通して俺は幾つかの特殊な時空間を保有している。その中に収納した食材の時間を停止させ、いつまでも新鮮に保存できる時空間があるんだ。そこに以前旅をした世界の食材を年単位分備蓄してある。今日はそれを引っ張り出して食おうと思う。」
タマモクロス「いや、なんやそのご都合主義満載な空間。めっちゃピンポイントな空間やんけ。」
シュウガ「そりゃそうなる様に自分で調整して創ったからな。」
ブライアン「空間を創る力まであるのか………。アンタ、知れば知るほど規格外だな。」
シュウガ「俺も色々あったからな。その結果、物語やゲームで言うエンドコンテンツに辿り着いた様なもんだ。今の状況はRPGの序盤に終盤の力を持って乗り込んでる感じだな。」
テイオー「何それ超チートじゃん。」
シュウガ「確かにな。さて、話はこのぐらいにして、食材を出しますか。」
そう言い終わると同時に、シュウガは食材を保存している空間への入り口を開く。空間が歪み白みがかった薄いオレンジ色の穴のような大きなゲートが開かれる。
シュウガは「ちょっと待ってろ。」と言うとゲートの中に入って行く。しばらくすると皿に乗った巨大な何かを引き摺り出して来た。ざっと見ても20mはありそうだ。
あまりの大きさに驚くウマ娘達。だが本当の驚きはここからだった。その何かをよく見た彼女達はそれが何なのかに気づく。
オグリ「これは、まさかっ?!」
スズカ「ワニ?!」
そう、その正体は巨大なワニであった。テレビで巨大なワニのニュースを見た事があるがその比ではない。もはや恐竜だ。
シュウガ「コイツは『ガララワニ』。俺が旅した世界の中に、美しい食、美食が世界的流行となっているグルメ時代と呼ばれる時代を謳歌している世界があった。世界中に未知の食材が溢れ、たった一つの食材に億単位の金が動く事も珍しくなかった。」
ウマ娘「億?!」
シュウガ「その世界は食材に対して捕獲レベルというものを定めていてな。レベルが高ければ高いほど捕獲が困難な食材だ。簡単に手に入るレベル1以下の食材もあればありえないレベルの食材まで幅広く存在する。んで、このガララワニは捕獲レベル5が基本的に知られてる。因みにレベル1で猟銃を持つプロのハンターが10人がかりでやっと捕獲できるレベルだ。」
エアグルーヴ「は?レベル1で?ではレベル5とは?」
シュウガ「戦車引っ張り出してくるレベル。」
ウマ娘「( ゚д゚)」
シュウガ「ただそれは普通のガララワニの場合だ。コイツはレベル8はある。」
テイオー「えっ、ホントに?でも何で?」
シュウガ「ガララワニは長寿でな。レベル5は150年生きた個体だ。だがその個体はせいぜい10mしかない。俺が捕獲したコイツはその2倍、300年は生きた個体だな。だから推定でレベル8ぐらいだそうだ。」
スペ「す、凄いですね。そんなに生きるなんて………。ん?」
シュウガ「どうした。」
スペ「あの、今、俺が捕獲したって言いませんでしたか?」
シュウガ「おう言ったな。」
スペ「レベル8を?」
シュウガ「レベル8を。」
スペ「罠とか使ったんですか?」
シュウガ「殴って倒した。」
スペ「( ゚д゚)」
あっさりと話すシュウガだが、それはつまり戦車引っ張り出してくるレベルより強い相手より更に強いという事になる。普通に考えれば規格外過ぎる。
シュウガ「こんなんで驚いてたら身が持たねえぞ。あの世界の旅の後半はレベル100越えなんて当たり前だったからな。しまいには万超えの奴まで出て来たしな。食材かき集める時に骨折れたぜ。」
タマモクロス「いやインフレ凄まじいなぁ!どないなってんねんその世界のパワーバランス!」
ルドルフ「取り敢えず深く考えるのはやめておこう。そしてこの話はここまでにしよう。」
これ以上はこちらの身が持たないと判断したルドルフがやや強引に話を切り上げる。その後シュウガはガララワニを豪快に捌き、いつの間にか用意した巨大な焚き火で豪快に焼いた。
シュウガ「よし、それでは、全ての食材に感謝して、いただきます。」
ウマ娘達「い、いただきます。」
そう言って恐る恐るガララワニの肉を口にするウマ娘達。まさか異世界の食材をいきなりワニから食べる事になるとは、と思いつつ食べた彼女達だったが次の瞬間その考えが一気に吹き飛ぶ事になる。
ウマ娘達「っ!!美味しい!!」
そう美味かったのである。驚く程に美味。今まで食べた肉の中でも最上級である。
シュウガ「そうだろ。何せkg単価50万する程の部位がある奴だからな。美味くて当然だな。」
テイオー「滅茶苦茶高級肉じゃん!」
ブライアン「どこだっ?!その部位はどこだっ?!」
シュウガ「確かモモ肉だったな。ちょうどそこで焼けてるぞ。」
ブライアン「頂く!」
オグリ「私も頂く!」
テイオー「あっずるい!僕も!」
マヤノ「マヤも食べる!」
そう言ってモモ肉の争奪戦が始まった。その光景にルドルフは苦笑いしつつシュウガにお礼を言っていた。
ルドルフ「ありがとうシュウガ君。助けてもらった上にこんなに美味しいお肉を食べさせてくれて。いつかきちんとお礼をさせてくれ。」
シュウガ「気にすんな。俺は自分がやりたい事を勝手にやってるだけだ。勝手だから礼なんていらないさ。」
ルドルフ「優しいんだな君は。」
シュウガ「そうか?イシュタルの時みたいに物騒なことする奴だぞ。」
ルドルフ「だがあれも、私達の事で怒ってくれたのだろう?なら充分優しいさ。」
シュウガ「そうか。ならそういう事にしておこう。」
ルドルフ「ああ、そういう事にしてくれ。」
こんなやり取りをしつつ食事を楽しんだシュウガ達。余談だがウマ娘達の食事量、特にスペシャルウィークとオグリキャップの大食いにちょっとばかし驚くシュウガがいたとか。結果としたガララワニは骨になるまで食べ尽くされた。
その後は晩餐会を終えた光輝達と合流しそれぞれに用意された部屋へと案内された。ウマ娘達への視線は相変わらずだがイシュタルが言い含めたようで一応それなりの部屋が用意された。ただ個室ではなく皆んな纏めての大部屋のようだ。生徒達は個室なのでやはりあまりいい扱いではないようだ。ただシュウガはと言うと、
シュウガ「バラけているより纏まってくれていた方が守りやすい。」
との事らしい。そんなこんなで異世界怒涛の一日目を終えたのであった。
が、シュウガだけは行動していた。シュウガは皆が寝静まる深夜に城のテッペンに登りそこで意識を集中させていた。シュウガは自身の周囲から自然エネルギーを取り込み体内で『仙術チャクラ』を練りそれを行使できる姿、仙人モードを発動。そして見聞色の覇気と合わせてハイリヒ王国の人々の、正確にはこの世界の人々が持つ魔力について感知していた。
シュウガ「……………やはりそうだ。イシュタル達が魔力と呼ぶエネルギー。これは厳密にはチャクラだな。差や違いは少なからずあるがエネルギーとしては同じだ。チャクラが広く使われているということはこの世界にもその始まりがあったはず。俺の世界における大筒木カグヤの様な存在がチャクラを広めた可能性があるな。となると考えられるのはカグヤと同じ大筒木一族か。恐らく俺が感知した大筒木だろうな。一体何が狙いなのか。色々と調べないとな。」
こうしてシュウガはこの世界に大筒木一族の影響を見出すのだった。
読んでいただきありがとうございます。
ここでトリコ要素も出してみました。トリコの世界の食材、一度食べてみたいです。ウマ娘達の食事量にちょっとだけしか驚かなかったのは麦わら海賊団時代にルフィの大食いに見慣れていたからです。
最後にかなりのオリジナル要素を入れてみました。これが物語に今後どう影響するか、その後の展開を楽しんでもらえるように頑張ります。
ではまた次回、よろしくお願いします。