ありふれた職業で世界最強withオリキャラ&ウマ娘 作:気まぐれのみった
では4話をどうぞ。
神エヒトによる異世界召喚の翌日。異世界生活二日目。早くも訓練と座学が始まる事になった。
シュウガ達は広い訓練施設に集められた。昨日のこともあってかシュウガの周りには自然とウマ娘達が寄っていた。出会って間もないが中々に信頼されているようだ。そうしていると手のひらサイズの長方形で銀色のプレートが配られた。不思議そうにプレートを眺めるウマ娘達や生徒達に国の騎士団の騎士団長であるメルド・ロギンスが説明し始める。
騎士団長となるとこの国でもそれなりに地位と実力があると考えられる。勇者一行を半端者に任せられないということだろう。もっともメルド本人は「面倒な雑事を副団長に押し付ける理由が出来て助かった!」と豪快に笑っていた。皺寄せのいった副団長に心の中で手を合わせたシュウガであった。
メルド「よし、全員に配り終わったな?このプレートは『ステータスプレート』と呼ばれている。文字通り自分の客観的なステータスを数値化してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だから無くすなよ?」
と、非常に気さくに話すメルド。中々に豪胆な性格のようで「これから戦友になるのにいつまでも他人行儀に話せるか!」と言い切る程である。他の騎士団員にも普通に接するように忠告もしていた。シュウガはその姿に好感を持っていた。どうやらウマ娘達に対しても偏見はあまりなさそうだ。他の騎士達も気にしてなさそうだったので腐っているのはやはり上の者達が多いのだろう。
メルドは淡々とプレートについて説明していく。どうやらプレートの一面に刻まれた魔法陣に血を垂らすことで所有者が登録され、ステータスが表示される仕組みらしい。説明を聞いた召喚組は早速プレートと一緒に渡された針で指を傷つけ血を垂らしていた。シュウガも同じように血を垂らすと一瞬プレートが輝きそこにステータスが表示される。
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うちはシュウガ 45歳 男 レベル:計測不能
天職:六道覇王神
筋力:最低値99999・最大値計測不能
体力:最低値99999・最大値計測不能
耐性:最低値99999・最大値計測不能
敏捷:最低値99999・最大値計測不能
魔力:最低値99999・最大値計測不能
魔耐:最低値99999・最大値計測不能
技能:言語理解・全知全能・全忍術適正・全属性適正・全属性耐性・物理耐性・体術・幻術・剣術・写輪眼・万華鏡輪廻写輪眼・仙人モード・六道仙人モード・六道覇王モード・六道覇王神モード・六式・武装色の覇気[+流桜]・見聞色の覇気[+未来視]・覇王色の覇気[+纏]・グルメ細胞適合者・インフィニティストーン融合者・不老・魔力操作[チャクラ操作]
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シュウガ(ふむ、こんな感じでステータスを確認するのは初めてだが計測不能と出てる時点で普通じゃないな。最低値は今現在の素の状態の俺の力を表してるんだろうな。恐らくこっちも普通じゃない可能性がある。技能は今の俺の使える力を表してるな。こうして見ると我ながらイカれたスペックだ。そして天職だが、俺神なの?いやまあシバイ倒してるしワンチャンなくもないかなと思ってたけどさ。まさか過ぎるだろ。)
メルド「全員見られたか?説明するぞ?まず最初にレベルがあるだろう?それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルとは、その人間が到達できる領域の現在地を示しているわけだ。レベル100ということは自分の潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない。」
やはり、と自分のステータスがレベルの時点でおかしい事を確信したシュウガ。現時点でシュウガは神となった大筒木シバイを倒している。つまり神を超えたとも考えられるのでこのステータスはある意味妥当かもしれない。
メルド「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔道具で上昇させる事もできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことは分かっていないが魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。それと後でお前ら用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。なにせ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大開放だぞ!」
国の宝物庫と聞いてかつての海賊としての血が騒ぐシュウガ。ルフィ達は元気にしてるだろうかと物思いに耽っていた。
メルド「次に天職ってのがあるだろう?それは言うなれば才能だ。末尾にある技能と連動していてその天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人だ。非戦系も少ないと言えば少ないが……百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持ってる奴が多いな。」
メルドの説明を聞いてかなりまずいと感じたシュウガ。恐らく自分の天職はこの世界では異色だ。六道覇王神なんて神である。エヒトという絶対神を崇めるこの世界で天職といえど神を名乗るなんてどんな事を言われるか分かったもんじゃない。いや、言われるだけならまだ問題ない。最悪なのは武力行使に出てこられた時である。その時は反撃する必要があるだろう。となると死人が出ないとも限らない。イシュタルに救う気はないと言ったがだからとてこちらからこの世界の人間を殺す理由もない。なんとか面倒事は避けなければとシュウガが考えているとメルドが更に爆弾を投下してきた。
メルド「後は……各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均が10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな!全く羨ましい限りだ!あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練の参考にしなきゃならんからな。」
シュウガは自分の事なのに頭を抱えそうになった。メルドの言う通りならこの世界の強者達は高レベルでもさほど高い数値には至らない可能性がある。自分は最低値でそれを軽く超えているだろう。これは本格的にどうにか誤魔化さなければと頭をフル回転させる事にした。
そんな中早速光輝がメルドの元へ報告に行く。そのステータスなのだが…………
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天之川光輝 17歳 男 レベル:1
天職:勇者
筋力:100
体力:100
耐性:100
敏捷:100
魔力:100
魔耐:100
技能:全属性適正・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解
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チートである。普通に考えればチートである。騎士団長であるメルドがレベル62で平均して300前後のステータス。これでこの世界ではトップクラスである。光輝はレベル1の時点でその三分の一まできている。この世界の者達からしたらとんでもない才能である。メルドも絶賛していた。が、シュウガの最低値の前では霞んでしまう。いくらなんでも強くなり過ぎたかと益々悩むシュウガ。そこへ自分のステータスを確認し終えたウマ娘達が話しかけてきた。
ルドルフ「やぁシュウガ君。君はどうだった?」
シュウガ「ん?ああ、ルドルフか。いやな、ちょっとまずい事になったからどうしようかと悩んでた。」
スズカ「まずい事?」
タマモクロス「なんや?まさか自分の思うてたんよりステータス低かったんか?」
オグリ「いや、それは無いんじゃないか?昨日あれだけの事が出来たんだ。流石に低いことはないと思うが。」
シュウガ「ああ低いわけじゃない。ただ高すぎる、強すぎるというのも考えものだな。」
マヤノ「どういうこと?」
シュウガ「こういうこと。」
そう言ってシュウガは自身のステータスプレートを見せる。
ウマ娘達「………………はっ?」
シュウガ「なっ、おかしな事になってるだろ。多分騒動になる。」
エアグルーヴ「いや、確かにとんでもないステータスではあるが………、具体的にどうまずいんだ?」
シュウガ「俺の天職に神の文字が入ってるだろ。エヒトって神が絶対のこの世界で神を名乗るなんて碌な事にならない。レベルやステータスだけでもイカれてるのに天職がこれじゃ間違いなく面倒な事になる。」
テイオー「確かにそうだね。これ何とか誤魔化せないかな?」
シュウガ「俺もそれを考えてた。なんか偽装とか出来ないかな。」
シュウガがそう呟いた時だった。
ピカァ!
シュウガ・ウマ娘達「えっ?」
一瞬ステータスプレートが輝く。すぐに光は治まった。何が起きたのかとステータスプレートを確認した。
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うちはシュウガ 45歳 男 レベル:1
天職:忍者
筋力:1000
体力:1000
耐性:1000
敏捷:1000
魔力:1000
魔耐:1000
技能:言語理解・火属性適正・風属性適正・雷属性適正・物理耐性・忍術・体術・幻術・剣術・写輪眼
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ステータスの表示が変化してした。この世界の人間からすればまだとんでもないステータスだが元のステータスを考えるとだいぶ低くなっている。技能も割と普通になっているのでこれならまだ怪しまれないだろう。
シュウガ「………‥なんかステータスが変わったな。」
スペ「変わりましたね。」
ブライアン「これは、どう言う事なんだ?」
シュウガ「俺としてはこの変化のように弱くなった気はしないな。恐らくプレートに何らかの偽装がなされたのだろう。実際はさっきのステータスのままだな。」
ルドルフ「しかし何故こんな事が起きたんだ?」
シュウガ「それについては後でプレートを調べる事にする。とりあえず今はこれで報告する。」
こうして偽装されたステータスで報告を済ませたシュウガ。やはりメルドを始め全員に驚かれたが生徒達は昨日のこともあったので何となく納得していた。因みに後にプレートを調べると偽装機能があった。身分証明書なのに大丈夫か?と疑問に思うシュウガであった。
シュウガに続いてウマ娘達も自分のステータスプレートを見せる。そのプレートを見てメルドは再び驚いた。彼女達ウマ娘は元の世界にいた頃から普通の人間よりも身体スペックは高い。それがステータスプレートにも反映されており、どの数値も勇者より高かったのである。が、メルドが驚いたのはそこだけではない。それは彼女達が魔力を持っていたからである。この世界において亜人族は魔力を持たないのは常識である。故に異世界の亜人族と見てとれるウマ娘達に魔力がある事に亜人族に偏見のないメルドも流石に驚いたのである。一応その場は神エヒトに召喚されたからと言う事で落ち着いた。
その後滞りなく報告が進んだのだが、ある生徒の時に面倒事が起きた。それはハジメが報告した時である。ハジメのステータスは次の通りだ。
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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1
天職:錬成師
筋力:10
体力:10
耐性:10
敏捷:10
魔力:10
魔耐:10
技能:錬成・言語理解
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この様にハジメのステータスがオール10であった。この世界の平均値と何ら変わらない。召喚者としてのことも考えれば物凄く弱い。加えて天職の錬成師も問題だった。メルド曰く錬成師とは言ってみれば鍛治職の事らしく、非戦系で尚且つ珍しくないありふれた天職だと言う。
その事を聞くや否やハジメに悪がらみする者達が現れた。ハジメのクラスメイトの檜山大介とその取り巻き三人である。檜山はうざい感じでハジメと肩を組みイジリ始める。周りの生徒達は止めようとせずむしろ男子に至っては同調しているのか一緒に嗤う者もいた。このクラスの歪みが可視化した様な光景である。ただそれに対して香織と雫などの一部の者は不快そうに眉をひそめていた。
ハジメは半ば投げやり気味にステータスプレートを檜山達に見せる。ハジメのステータスを見るなり馬鹿にしながら大爆笑していた。それに釣られて他の生徒達も笑い始める。この状況に我慢の限界がきた香織が動き出そうとしていた。
そしてその光景を見ていたシュウガやウマ娘達もいい気分はしなかった。
テイオー「何あれ。なんか気分悪くなるよ。」
エアグルーヴ「ああ全くだ。実にけしからん。あれではイジメだ。」
ブライアン「だがアイツ、何故抵抗しない?」
マヤノ「もしかして元の世界からあんな感じなのかな?」
スペ「じゃあずっと虐められてるんですか?そんなの可哀想です。」
シュウガ「仕方ない、動くか。」
スズカ「えっ?」
そう呟いたシュウガは一瞬でハジメ達の前に移動した。いきなり現れたシュウガに驚くハジメ達。
シュウガ「お前、檜山と言ったな。」
檜山「あ、おう。そうだけど。」
シュウガ「昨日俺が言った事を覚えていないのか?」
檜山「はっ?何の事だよ?」
シュウガ「これだけの人数がいれば戦いに向かない者もいるだろうと言っただろ。そしてその人物が最も力を出せるポジションを用意してもらうという事も。」
檜山「それが何だよ。」
シュウガ「ハジメは錬成師。鍛治職が向いているのならその技能を伸ばせばいい。つまり裏方の動きをマスターして後方支援に回ればいい。なのに何故戦う前提なんだ?」
檜山「はっ?どういう事だよ?!俺達は皆んな戦うんだぞ!!なのにコイツだけ安全な場所で楽させるつもりかよ?!」
シュウガの言葉に怒りを露わにする檜山。どうやらハジメが戦わない事が気に食わないようだ。するとそんな檜山に同調してか光輝もシュウガに意見する。
光輝「檜山の言う通りですよシュウガさん。一人だけ安全で楽に過ごすなんて許されません。ちゃんと鍛えて戦わせるべきです。」
光輝の発言にクラスメイトの男子達が頷く。女子も何人かその通りだと頷いていた。
シュウガ「………今のお前らの発言を聞いて気になったんだが、何故楽だと思うんだ?」
光輝「何故って、安全な所にいるわけですから皆んなより楽してる事になるじゃないですか。」
シュウガ「バカか?安全はともかく楽は違うだろ。そもそも前に出て戦えるのは鍛治職を含めた生産職の存在に助けられてるからだろ。」
光輝「えっ?」
シュウガ「戦う事しかできない者の為にそのサポートをしているんだ。言ったろ。適材適所だと。それでお互いの出来ない事を補い合うんだよ。当然そこにどっちが楽だとかありはしない。どちらも重要なんだよ。それなのに鍛治職が楽だとか恥ずかしい事言うな。少しは考えろ。」
シュウガの言葉にその場にいる者達はハッとさせられた。戦う方に目が行き過ぎてそれ以外の立場の事を蔑ろにしていたと。
シュウガ「そう言う事だから、ハジメは錬成師としての技能を伸ばしてお前達を支える。メルドの旦那もそれでいいか?」
メルド「ああ、問題ない。上に頼んで錬成師としての訓練ができる場所や人員を手配しよう。」
シュウガ「助かる。」
その会話に檜山達小悪党組は先程のニヤニヤした表情は何処へやら、悔しそうにシュウガを睨んでいた。どうやら納得していないようだ。そして納得していない者がもう一人。
光輝「でもっ!皆んなが危険を伴うのに自分だけ安全にしているのはおかしいです!南雲も戦わせるべきです!真面目に努力すればきっと戦えます!」
勇者である光輝であった。彼は努力さえすれば何とかなると思っているようだ。
シュウガ「俺としては努力を否定する気はない。俺の知る者達の中にも努力で大成したのが何人かいるからな。」
光輝「それならっ!」
シュウガ「だが努力と言うのはその人物が僅かにでも持っている才能を伸ばす事で意味を成す。ない才能はそもそも伸ばせない。ハジメの才能は錬成師だ。だから努力でその才能を伸ばして裏方に徹する。才能にそぐわない戦い方を訓練したところで役に立つのは稀だ。そんなリスクを負わせるぐらいなら戦わせない方がいい。」
光輝「で、でもっ!」
シュウガ「いい加減にしろっ!!」
シュウガ以外「っ?!」ビクッ
あまりに光輝が分からず屋な為とうとうキレたシュウガ。光輝だけでなくその場の全員が驚いた。
シュウガ「あのなっ!お前が言ってる事は、要はクラスメイトの仲間に死にに行けと言ってる様なものだぞ!お前はそんなにこのハジメを殺したいか?!」
光輝「こ、殺すって、そんな訳ないですよ!」
シュウガ「だったらもう駄々を捏ねるな!皆で元の世界に帰るのならばその才能をフルに伸ばす必要がある!無理矢理戦場に連れ出して才能を潰すなど愚の骨頂だ!分かったか?!」
シュウガは覇王色を放ちながら光輝にそうきつく話す。流石の光輝ももう何も言えなかった。
シュウガ「…………いきなり怒鳴った事は謝ろう。だが今後、後方支援に回る者を見下す事は許さん。覚えておけ。」
こう言い終わるとシュウガは元いた場所へ戻って行った。そしてウマ娘達に再度謝罪する。
シュウガ「すまんな。声を荒げてしまって。」
ルドルフ「いや、君の言っている事は正しいよ。何も謝る事はないさ。」
テイオー「そうだよ!むしろカッコよかったよ!」
シュウガ「そう言ってもらえると助かる。」
こうして会話を終えたシュウガ達。だがその場には異様な空気が流れていた。しばらくして何とかメルドが仕切り直し全員の報告が終了した。
その日の夜の事。召喚組は食堂で食事をしていた。そこにはウマ娘の姿もあった。昨日の晩餐会の後、イシュタルにシュウガが脅しをかけていたのだ。またウマ娘達を蔑ろにしたらその首飛ばすぞと。覇王色を滲ませながらである。かけられた幻術と相まってイシュタルはかなりビビり散らかし慌てて料理人達に厳命した。もしまた失礼な事をしたら処刑するとまで言われてしまい料理人達は渋々料理を作る事になったのである。
皆が食事を終えて部屋へ戻る時、シュウガはハジメに話しかけた。
シュウガ「すまん、ちょっと良いか?」
ハジメ「えっ?!は、はい!いいですけど…………。」
いきなり呼び止められたハジメは相手がシュウガという事もあってか少しキョドッていた。
シュウガ「今日のステータスの件だが、勝手に話を進めて悪かった。すまない。」
ハジメ「えっ、い、いや、何でシュウガさんが謝るんですか?」
シュウガ「いやな、思い返せばあの時、肝心のお前の意見を聞かずに話を進めてしまったと気付いてな。非戦系ではあるが本人がどうしたいか聞くべきだった。もしかしたらあの勇者が言っていた様に努力して戦う事をお前が考えているかもと考慮すべきだった。すまん。」
ハジメ「そ、そんな、謝る事なんてないですよ。正直あの時は助かったって思いましたし。」
シュウガ「そうなのか?」
ハジメ「はい。実を言うと僕はオタクなんで、異世界に来た事に何処か浮ついてる自分がいました。でもシュウガさんが色々現実を教えてくれたおかげでだいぶ冷静になれたんです。だから自分の天職に関しても納得してる部分がありますから。」
シュウガ「………それはつまり納得できない部分もあるって事か?」
ハジメ「え、まぁそうですね。もしかしたら僕も皆んなみたいに戦えたらって思わなくもないです。でもそれが向いてないのは自分が一番分かってますから………。」
そう言いつつもハジメは悔しそうな顔をしていた。やはり戦える自分に憧れがある様だ。
シュウガ「ふむ、そうだな…………。」
ハジメ「シュウガさん?」
何やら考え込むシュウガ。しばらく思考した後、ハジメに問いかけた。
シュウガ「なぁハジメ。もし俺にお前を強くする術があると言ったらどうする?」
ハジメ「えっ?」
シュウガ「お前は確かに現時点でのステータスは最弱だ。それを強くする事が出来ると言ったらお前はそれを望むか?」
ハジメ「そんな事出来るんですか?!」
シュウガ「ああ、可能だ。ただ決して楽な方法じゃない。当然リスクもあるし、それに見合った訓練もしなければいけない。力を手にする為の覚悟も必要だろう。それでもやると言うのなら、リスク面のサポートも含めて力を貸そう。」
ハジメ「…………あの、一つ良いですか?」
シュウガ「何だ?」
ハジメ「シュウガさんはどうしてそこまでしてくれるんですか?何故、昨日会ったばかりの僕に力を貸してくれるんですか?」
シュウガ「そうだな。一言で言えば、俺はお前が気に入った。」
ハジメ「えっ?」
シュウガ「最初に自己紹介した時から面白そうとは思ってたんだ。その後のイシュタルの話の時に、俺が見た限りじゃお前ら生徒達の中で一番冷静に事を考えている様に見えた。お前のその着眼点など色々見所がある。磨けば光る原石に思えたのさ。」
ハジメ「そんな、大袈裟ですよ。」
シュウガ「まぁ、あくまで予感だからな。だがもしその通りなら、お前は錬成師としての才能を活かしつつ前衛で戦闘もこなせる戦士になれるかもしれん。それが可能なら今日お前を馬鹿にしてきた奴らを見返せるかもしれないぞ?」
ハジメ「僕が、檜山君達を…………?」
そう言って考え込むハジメ。彼が自ら話した様にハジメはオタクである。故に異世界に関する漫画やアニメも大好きで憧れがあった。なので自分が平凡なステータスと分かった時は悔しかった。だがそれを覆せるかもしれない話を持ちかけられたのだ。彼の言う通りならリスクもあるし覚悟もいる事なのだろう。自分にそれらをクリアできるか分からない。最悪挫けてしまうかもしれない。それでもハジメは強くなりたいと思った。ここで強くなれない自分は地球に帰れないかもしれない。心配しているだろう両親の為にも自分は必ず帰ってみせる。ならば、とハジメは彼なりの答えを出した。
ハジメ「………分かりました。僕、やってみたいです。僕を強くしてください!」
シュウガ「いいだろう。ただそうなると、お前は錬成師としての訓練と俺のつける訓練を両方こなさなければならないぞ。それでもいいか?」
ハジメ「はい。天之川君の言う様な努力じゃないですけど、僕なりに頑張ります。」
そう話すハジメの目にはまだ迷いがありつつも相応の決意が見て取れた。シュウガはそんなハジメの様子にニヤリと笑うと拳を突き出した。
シュウガ「いいだろう。ならば俺もご期待に添えるように努めよう。長い付き合いになりそうだ。これからよろしくな、ハジメ!」
ハジメ「はい、よろしくお願いします!」
そう言って拳を合わせるハジメ。こうしてシュウガによるハジメ魔改造計画が始動したのである。そしてこれが、後に並行世界にその名を轟かせ、大筒木を恐怖させる最強コンビ誕生の瞬間でもあるのだが、それはまた別のお話し。
おまけ話
テイオー「そう言えばシュウガって45歳なんだね。てっきりカイチョーと同じくらいかと思ってたよ。滅茶苦茶若い姿してるよね?何で?」
シュウガ「ああ、それか。今の俺は細胞単位で肉体が進化し続けてるんだ。そのおかげで俺は常に全盛期の力を維持しつつそれを更新してもいる。今この瞬間も少しずつ強くなってるのさ。見た目が若いのは俺が力を行使する上で最も適した姿だからだろうな。」
ウマ娘達(それもう人間なの?)
シュウガの規格外ぶりに戦々恐々するウマ娘達であった。
4話を読んでいただきありがとうございます。
というわけでハジメ君にこれから色んな強化が入ります。これをキッカケにハジメ君にはシュウガと大暴れしていってもらいます。きっとイシュタルの胃に穴が開くでしょう。
では次回もよろしくお願いします。