ありふれた職業で世界最強withオリキャラ&ウマ娘   作:気まぐれのみった

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今回からハジメ君強化開始です。




5話

ステータス確認を行なった翌日。朝食を終えたウマ娘達と生徒達は訓練場へと来ていた。

 

マヤノ「そういえばシュウガちゃん、朝ごはん食べに来てなかったね。」

 

ブライアン「ああ、寝坊でもしたか?」

 

香織「シュウガさんもですか?ハジメ君も来てなかったんですよ。何かあったのかな………?」

 

その会話通りシュウガとハジメだけ朝食に来ていなかった。香織はハジメの心配をする。その様子を面白くなさそうに檜山は見ていた。

 

その後メルドの挨拶で訓練が始まろうとした時だった。

 

ハジメ「すみません!遅くなりました!」

 

シュウガ「すまん。待たせたな。」

 

そう言ってシュウガとハジメの二人が訓練場へとやって来たのである。

 

メルド「遅いぞ二人とも!訓練初日から遅刻するな!これから気をつけろよ!って、ん?」

 

メルドが遅刻した二人に注意をしたのだが、メルドは二人、正確にはハジメの異変に目がいった。その異変はハジメを知る生徒達や会って間もないウマ娘達も気になった。

 

ハジメの身体がどう見ても一回り程ガタイが良くなっている。雰囲気もなんだか変わった様に見える。

 

香織「えっ?は、ハジメ君なの?」

 

ハジメ「え、あ、うん。僕は南雲ハジメだよ。」

 

雫「にしては何だかガタイ良くなってない?どうしたの?」

 

ハジメ「実は、シュウガさんに訓練をつけてもらったんだ。」

 

テイオー「えっ?シュウガに訓練を?どうゆう事?」

 

シュウガ「ああそれはな、昨日ハジメと色々話をしてな。ハジメは錬成師としての腕を磨くと同時に戦う為の力をつける事を選ぶ事にしたんだよ。」

 

その話を聞いた生徒達は一様に驚きの表情を浮かべていた。彼らにとってハジメは不真面目な奴という印象があった為非戦系の天職なのに戦う事を選んだハジメにびっくりしたのだ。すると、

 

光輝「そうか南雲!お前は分かってくれたんだな!」

 

光輝が何やら嬉しそうに話しかけてきた。どうやら自分の考えが受け入れられたと思っている様だ。だが当のハジメは微妙な顔をしながら光輝の言葉を否定した。

 

ハジメ「あーいや、そういうのとは少し違うかな。」

 

光輝「え、何がだ?」

 

ハジメ「僕はシュウガさんに強くなる手段があると聞いてそれに乗ったんだ。」

 

エアグルーヴ「強くなる手段?」

 

シュウガ「そうだ。ハジメはステータスが最弱だった。それを戦える様にするには普通に訓練するだけじゃダメだ。だから俺が手を貸したのさ。」

 

メルド「ほう、一体何をしたんだ?」

 

シュウガ「ハジメの体にグルメ細胞という特殊な細胞を移植した。それがこれからのハジメの強化の基礎となる。」

 

シュウガとハジメ以外「グルメ細胞?」

 

シュウガ「ウマ娘達にはこの前少し話したろ。食材に捕獲レベルを定めている世界のこと。グルメ細胞はその世界の深海に生息するグルメクラゲから発見された細胞だ。このグルメ細胞を人間の体細胞と結合させる事で特殊な体質に変化させることが出来る。その体質がハジメを強くする。」

 

タマモクロス「何や?その体質っちゅうんは?」

 

シュウガ「簡単に言えば、美味い物を食えば食う程進化する体質だ。」

 

シュウガとハジメ以外「はい?」

 

ハジメ「あはは、まぁそうなるよね。僕も最初は何かの冗談かと思ったし。」

 

シュウガ「言っとくが俺は大真面目だ。グルメ細胞を移植した者は能力が飛躍的に高まり超人的な力を得る。更にグルメ細胞にはそれを取り込んだ生物が美味い物を食べると生物として進化する性質があるんだよ。この性質によりハジメの肉体は生物として進化していける。」

 

メルド「な、なるほど?正直何言ってるかよくわからんが…………。それで、具体的にどれぐらい進化するんだ?」

 

シュウガ「そうだな。ハジメ、ステータスプレートを見せてやれ。」

 

ハジメ「はい。メルドさんどうぞ。」

 

メルド「お、おう。どれどれ。……はっ?」

 

ハジメから渡されたステータスプレートを確認したメルドは思わず素っ頓狂な声を出してしまった。というのも、

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南雲ハジメ  17歳 男 レベル:1

天職:錬成師

筋力:250

体力:250

耐性:250

敏捷:250

魔力:250

魔耐:250

技能:言語理解・錬成・グルメ細胞適合者

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この様にハジメのステータスがとんでもない事になっていたからである。天職の錬成師は変わらないが技能にグルメ細胞に関する記載がされており、何よりステータスの数値が昨日に比べ異常なほど跳ね上がっている。

 

メルド「な、何だこりゃ?!勇者である光輝の2.5倍の数値になってやがる!」

 

その言葉に誰もが驚愕する。

 

シュウガ「さっき軽くだが美味いもん食わせたり少し訓練したからな。その分の進化が反映されたんだろう。見た目の雰囲気が変わったのもその結果だ。そんな感じでハジメはこれから進化していく。」

 

こうしてシュウガは説明していたがこれに納得のいかない物達が声を上げた。勇者である光輝や小悪党の檜山である。

 

光輝「ちょっと待って下さい!それってつまり、南雲は美味しい物を食べるだけで強くなると言うことですよね?!そんなの卑怯ですよ!なんの苦労もせずむしろ特になる事で強くなるなんて認められません!」

 

檜山「そうだぞっ!南雲だけそんな強化するなんてエコ贔屓だ!俺らにもその細胞寄越せよ!」

 

二人の抗議に頷く生徒達。確かにこのままではハジメが楽をしている様だろう。そこでシュウガは説明を続ける。

 

シュウガ「まぁ待て。まだ話は終わってない。今話したのはいわゆるメリットだ。これほどの力の元になるのだから当然デメリットもある。」

 

ルドルフ「ふむ、そのデメリットとは?」

 

シュウガ「そもそもグルメ細胞は一種の劇薬でもある。故に細胞を直接注入すれば適合する可能性は高いが絶対ではない上に、取り込むのに失敗すれば死ぬ危険性がある。」

 

香織「し、死ぬ?!」

 

シュウガ「安全に馴染ませ適合する事を選ぶならグルメ細胞を含んだ食べ物を経口摂取、つまり食べればいい。が、この方法は馴染まなければ一生かけても何の変化も起きないし、適性があっても変化に時間がかかってしまう。更に適合しても細胞にとある存在が宿っていた場合、その存在の覚醒に体がついていけずそれにより死亡することもある。」

 

シュウガのグルメ細胞のリスクの話をされた生徒達は死ぬ危険性を示唆され顔を青ざめさせていた。

 

香織「あっ、で、でもハジメ君は生きてるから適合はしてるんだよね?なら安全に馴染ませた訳だね?」

 

ハジメ「ううん。僕は直接注入してもらったよ。」

 

香織「ええっ?!」

 

なんとハジメは死ぬ危険性のある直接注入する方法を選んでいた。

 

香織「ハジメ君なんでっ?!なんでそんな危険な事を?!」

 

ハジメ「ま、待ってよ白崎さん。確かに危険は承知してるよ。でも僕は、それでも強くなりたいって思ったんだ。リスクを乗り越えて、強くなって、戦って、そして地球に帰りたいんだ。」

 

香織「ハジメ君……………。」

 

ハジメの決意に思わず言葉を失う香織。

 

シュウガ「話を続けるぞ。さっき細胞にとある存在が宿っていたらと言ったな?」

 

スペ「はい。それって一体なんですか?」

 

シュウガ「グルメ細胞の悪魔だ。」

 

雫「悪魔っ?!」

 

シュウガ「ああ、グルメ細胞の中に潜む食欲の悪魔だ。非常に強力なパワーと旺盛な食欲を持っていて様々な種族が存在する。その正体はグルメ細胞の食欲エネルギーが具現化したもので食欲そのものだ。宿主の人間が死んでも他の誰かの食欲として蘇れるから実質不滅の存在だ。ただグルメ細胞を持つ人間全てに宿っているわけじゃなく生まれつき住み着いているものもいれば後天的に宿ることもある。

問題はここからだ。悪魔にとってグルメ細胞を持つ人間はていのいい乗り物に過ぎない。その為悪魔はその気になれば宿主を乗っ取る事が出来る。加えて特定の条件を満たすと完全に独立した存在になり、最終的に宿主を食う事で宿主から解放される。つまり最後は殺されるかもしれないって事だ。今はまだいないが、いずれハジメにも悪魔が宿る可能性は充分にある。

更に適合した者達の中には人間離れした異形の姿になった者もいる。文字通り怪物の姿に。そうなれば元の人間社会で生きていくのは難しいだろう。」

 

シュウガの説明を聞いた者達はあまりのリスクの大きさに恐怖した。そんな危険を冒してまで強くなりたいとは思わない。だがハジメはその道を選んだ。ほとんどの生徒がハジメを異様な者を見る目で見ていた。

 

シュウガ「とりあえずそんな所だな。ハジメは決して楽な道を選んだ訳じゃない。リスク承知で強くなる事を選んだ。そこは認めてくれよ。」

 

光輝「うっ、で、でも訓練なしに強くなるのはやはりおかしいです!」

 

シュウガ「何も特訓しないとは言ってないだろ。ハジメは基本的に錬成師としての訓練を受けて空いた時間に俺との戦闘訓練をする。細胞による変化を見極める必要があるからな。俺が戦闘訓練を受け持つ。メルドの旦那もそれでいいか?」

 

メルド「まぁ別にいいが。しかしそうなると南雲は錬成師としての訓練と戦闘の訓練のダブルワークだ。大丈夫なのか?」

 

ハジメ「それについても既に了承済みです。大変でしょうけど僕はやってみたいです。」

 

シュウガ「勿論そこについても俺がフォローする。任せてくれ。」

 

メルド「うーむ。よし分かった。なら上には俺から言っておく。頑張れよ南雲!」

 

ハジメ「はいっ!」

 

シュウガ「という訳だ。天之川と檜山。これで文句はないな?」

 

光輝「うっ、分かりました………。」

 

檜山「くそっ!」

 

シュウガ「そうそう。グルメ細胞はまだストックがあるからもし覚悟があればいつでも言ってくれ。その時は協力しよう。」

 

生徒達「は、はぁ………。」

 

シュウガの言葉に微妙な感じの返事をする生徒達。こうしてハジメの魔改造が本格的にスタートした。

因みにハジメ並みに覚悟を決めた相手になら死なない様に手助けするつもりでいるシュウガ。それを言わなかったのはそれを聞いて緩んだ気持ちで力を手にして欲しくないからと言う考えからであった。

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あれからニ週間が経過した。ハジメはシュウガの元で戦闘訓練を、そしてメルドから紹介された工房で錬成師としての訓練をしていた。

基本的には昼間は錬成師の訓練を優先しておりシュウガの訓練は夕方か就寝前の時間にシュウガの有する時空間で行われた。この空間は時間の流れが調整されており、中での一週間が外での一時間となっている。更にこの空間で経験した事や肉体的な成長はそのままに歳は取らないと言うなんともご都合主義な空間である。ハジメはその空間で一日に二時間程度、つまり二週間分訓練している。それを更にニ週間続けているのでシュウガによる訓練は既に約七ヶ月となる。この間ハジメは弱音こそ吐くものの諦めはしなかった。

因みにこの空間の事をメルドに説明すると他の生徒達やウマ娘達の訓練にも使えないかと打診された。だがこの空間はまだ調整中の部分があり、入れる人数が限られている。加えて一度使うと最低半日のインターバルが必要になるので今はまだ無理だと伝えた。少し肩を落とすメルドにシュウガはお詫びとしてハジメが錬成師の訓練をしている間はウマ娘達や他の生徒達の訓練を手伝う約束をした。そして今は訓練の一環として光輝と模擬戦をするところである。因みにお互い木剣である。

 

メルド「では両者構えて…………、始めっ!」

 

メルドの合図を切っ掛けに模擬戦が始まる。早速動いたのは光輝。縮地を使用して一気にシュウガとの距離を詰めて斬撃を繰り出す。

 

光輝「てやぁーっ!!」

 

シュウガはその斬撃を後ろに動いて難なく躱すと自身の木剣を前へ突き出す。光輝は慌ててそれを体を捻って回避。シュウガは攻撃の手を休めず突き出した状態から斜め下に剣を振り払う。それをバックステップで躱した光輝はシュウガから距離を取り体制を立て直す。

今度はシュウガから距離を詰める。その速度は縮地を使った光輝と同等であった。シュウガはある程度の距離まで来るとその場で跳躍した。まさか跳んで来るとは思わなかった光輝は驚き一瞬思考を止めてしまう。当然その隙を見逃さないシュウガ。光輝の前に着地しつつ光輝の持つ木剣に向かって自身の木剣を振り抜く。結果光輝はその手から木剣を叩き落とされてしまった。そのままシュウガは光輝の首元に木剣を突きつける。

 

メルド「そこまでっ!シュウガの勝ち!」

 

メルドがそう宣言した事で模擬戦は終了した。シュウガは息を吐きながら楽な体勢になる。光輝は悔しそうな顔をしていた。

 

メルド「いやぁ見事だった。やはり強いな。」

 

シュウガ「何、これぐらい大したことない。」

 

メルド「俺が目で追うのにキツイ速度で動いておいて何を言うか。光輝、残念だったな。お前の動きも悪くなかったが、想定外の動きにまだ弱いな。常に冷静に判断する様にな。」

 

光輝「……………はい、分かりました。シュウガさん、またよろしくお願いします。」

 

そう話す光輝の顔は何やら不満げなものであった。

 

シュウガ「おう、いつでも挑戦待ってるぞ。それで?次は誰が相手かな?」

 

ルドルフ「では私の相手を頼みたい。」

 

シュウガ「OK。それじゃ始めよう。」

 

こうして次々と模擬戦の相手をこなしていくシュウガであった。

 

 

一方ハジメはと言うと工房で錬成師としての訓練に今日も励んでいた。シュウガとの訓練と錬成師の訓練。非常に忙しいがハジメはやり甲斐を感じていた。そして訓練の成果は着実に出ていた。

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南雲ハジメ  17歳 男 レベル5

天職:錬成師

筋力:1080

体力:1170

耐性:1030

敏捷:1170

魔力:1200

魔耐:1200

技能:言語理解・錬成[+鉱物系鑑定]・グルメ細胞適合者・体術

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見ての通りステータスの数値が異常なほどに成長している。まだレベル一桁代なのにどの数値も既にこの世界トップクラスであるメルドを軽く超えている。技能に関しても錬成の派生技能に加え体術の技能が追加されている。派生技能は毎日工房で指南役の錬成師の説明を受けながらあらゆる鉱石を錬成していた事で手に入れた。グルメ細胞でハジメの錬成師としての能力が強化されたのが大きいだろう。体術に関してはシュウガとの訓練でハードな筋トレに加えシュウガなりの体術の基礎を教わった為に手に入れたと思われる。

そんな中ハジメはシュウガと相談して錬成師の技能も戦闘に活かせないか考えていた。色々試行錯誤した結果、幾つかの方法を編み出すことに成功。これによりハジメは益々やる気がみなぎるのであった。

そして極め付けはシュウガの用意する美味しい食材である。これをシュウガとの訓練中に食す事で確実に肉体が進化しているのである。そんな感じに成長していくハジメ。鍛えているシュウガもこの成長に嬉しく思っていた。

因みに七ヶ月程訓練してまだレベル5なのはハジメの肉体が進化し続けていることによりその分伸び代ができステータスは上がるがレベルは上がりにくい状態になっているからである。

 

シュウガ自身はこの世界の情報を色々と集めていた。忍法・影分身の術を使い本体がハジメ達に訓練をつけている間の分身達が国中を駆け回り情報収集していた。国の図書館から一般市民の会話など、いろんな所から情報を集めて本体に還元するを繰り返していた。ハイリヒ王国とは違う国の事や魔人族や亜人族、魔物についてなど様々な情報がある中、気になるものがあった。それが七大迷宮である。七大と称されているが現在はっきりと存在が確認されているのは三つだけであり残り四つはあると信じられているが場所が不明なのだと言う。シュウガはこの迷宮に何かあると感じていた。

 

シュウガ「大抵こういった場所には拍子抜けな物か或いはとんでもない秘密のどちらかがあるもんだ。時間を見つけて直接調べるのも手だな。」

 

こうしてシュウガは大迷宮に目を付けるのであった。

 

 

その日の訓練中のこと。ハジメは工房での訓練がいつもより早く終わったので偶には顔を出そうと思い皆んなのいる訓練場へと向かっていた。訓練場の近くまで来た時のこと。突然誰かが後ろから攻撃してきたのである。ハジメは咄嗟にその攻撃を躱すとその勢いのままに裏拳を相手に叩き込んだ。

 

檜山「グアッ!」

 

小悪党組「檜山?!」

 

攻撃してきたのは檜山だった。取り巻き達の姿もある。確か、中野、斎藤、近藤だったとハジメが考えていると裏拳をくらって軽く吹っ飛んだ檜山が難癖をつけてきた。

 

檜山「痛えなっ!何すんだ南雲!」

 

ハジメ「え、あ、ごめん。身の危険を感じたから咄嗟にやっちゃった。でもなんで僕に攻撃してきたの?」

 

檜山「そんなのサボり魔のお前に俺らが特訓つけてやる為だろうがっ!碌に鍛えてないくせに!生意気なんだよ!」

 

なんとも理不尽な言い分である。恐らく工房に籠っているのが気に入らないのだろう。それを偶々訓練場に向かっているハジメを見て憂さ晴らししようとしたのだとハジメは思った。かつてのハジメなら萎縮したり面倒くさがって無視する所だが、シュウガとの訓練で心身共に鍛えている今のハジメは檜山に真っ向から反論する。

 

ハジメ「いや、ちゃんと話聞いてたの?僕は錬成師として鍛えつつ戦闘をシュウガさんに学ぶって。だからサボっているどころかむしろ君達より忙しいはずだけど?」

 

檜山「っ?!うるせぇ!!南雲のくせに生意気言ってんじゃねえよ!どうせ美味いもん食うしかしてねえんだろ!ずるしてんじゃねえ!」

 

ハジメ「なら君もグルメ細胞を移植してみる?」

 

檜山「え?」

 

ハジメ「要は羨ましいんでしょ?だったら君も僕と同じになればいい。そうすれば君も強くなれるよ。」

 

ハジメの思わぬ提案に言葉が詰まる檜山。魅力的な誘いだが檜山はすぐにグルメ細胞のリスクについて思い出した。

 

檜山「そんなの失敗したら俺が死ぬじゃねえか!ふざけんな!」

 

ハジメ「やっぱり怖いよね。」

 

檜山「何だと?!」

 

ハジメ「僕が言うのもあれだけどさ、怖いことは悪いことじゃないよ。僕も怖かったし。でも決意した。君は普段見下している相手より決意がないの?」

 

檜山「っ、ぶっ殺してやるっ!!」

 

ハジメの問いかけにブチギレた檜山は腰に携えていた剣を抜きハジメに斬りかかった。流石にまずいと感じた取り巻き達が止めようとしたが間に合わず、檜山の剣はハジメに振り下ろされる。しかし、

 

パシッ!

 

檜山「何っ?!」

 

その剣がハジメを斬り裂く事はなかった。なんとハジメが剣を指先で挟んで止めたのである。しかもかなりの力で挟んでいる様で剣を引き抜けない。檜山が想像以上の力の差に愕然としていると、

 

香織「何やってるの?!」

 

突如として香織の声が聞こえてきた。声のする方へ顔を向けるとそこには香織と雫、更に光輝と龍太郎がやってきていた。

 

檜山「えっ、あっ、いや、その。」

 

ハジメ「えっと、見ての通り檜山君が僕に斬りかかってきたから防いだんだよ。たぶん僕を殺そうとしたんじゃないかな?」

 

雫「なんですって!!」

 

檜山「な、何言ってやがる!デタラメ言ってんじゃねえよ!」

 

シュウガ「そうか?さっき『ぶっ殺してやるっ!!』て聞こえたが?」

 

香織「やっぱりさっきの大声はそうだったんだ。って、え?」

 

香織が振り向くとそこにはいつの間にかシュウガが来ていた。更に騒ぎを聞きつけてメルドや騎士団員、ウマ娘に他の生徒達と全員集合であった。

 

シュウガ「理由は知らんがハジメに真剣を振るった様だな。ハジメ、何故こうなった?」

 

ハジメ「どうも檜山君達は、僕が昼間に錬成師の訓練をしている事が気に食わないみたいなんです。ちゃんと戦闘の訓練もしているのに難癖をつけられたので反論したらこの有様です。」

 

ハジメはさっきあった事を説明する。檜山は誤魔化そうとするが焦りから何も言葉が出てこない。するとそんな檜山に助け船を出す者がいた。そう、勇者光輝である。

 

光輝「それは南雲が悪いだろ。檜山に謝れ。」

 

シュウガとハジメ「いやなんでやねん。」

 

タマモクロス「いやツッコミ担当とらんといてっ!」

 

オグリ「タマ?何やってるんだ?」

 

タマモクロス「えっ?あ、すんません。失礼しました。」

 

タマモクロスのツッコミで微妙な空気になったのをシュウガが立て直す。

 

シュウガ「えっと?とりあえずなんでハジメが悪いのか教えてくれないか?」

 

光輝「なんでも何も、南雲は皆んなが頑張って力をつけている間何もしてないんですよ。檜山が怒るのも当然ですよ。」

 

光輝の言い分にシュウガはコイツ大丈夫か?と言わんばかりの視線を浴びせた。

 

光輝「な、何ですかその目は?何か変な事言いましたか?」

 

シュウガ「むしろ変な事しか言ってねえよ。お前まさか、錬成師としての訓練がサボりとか言うんじゃないだろうな?」

 

光輝「えっ、そうですけど?」

 

シュウガは頭を抱えながら大きくため息をついた。シュウガ以外の光輝の言い分を聞いた者達、メルド達騎士団やウマ娘達も何言ってんだコイツとなっていた。

 

シュウガ「お前さあ。俺がこの前言った事忘れたのか?」

 

光輝「何のことですか?」

 

シュウガ「お前達が錬成師達生産職の存在に支えられてる事と、その人達を見下すなって事。今のお前の言い分じゃ錬成師達は何もしてないって事になるぞ。何でそんな考えになるんだ?」

 

光輝「その事なら忘れてませんよ。でも彼らは戦いから逃げてる様なものです。そんな人達との訓練なんて何の意味があるんですか?サボりと同じですよ。」

 

シュウガ「( ゚д゚)」

 

一体どんな思考回路をしていればそんな考えができるのかシュウガには理解できなかった。光輝が何を言ってるのか全く分からないのだ。シュウガは相手にするのも馬鹿らしくなった。

 

シュウガ「はあ、もういい。メルドの旦那。この小悪党組の処分は任せるぜ。」

 

メルド「あ、ああ分かった。」

 

光輝「なっ?!何でそうなるんですか?!悪いのは南雲ですよ!処分は南雲にするべきです!」

 

ハジメ「だからなんでやねん。」

 

そんなこんなで檜山達は問題行動を起こしたとして処分が言い渡される事になった。すると、

 

光輝「南雲!!俺と勝負しろ!!」

 

ハジメ「えっ?!」

 

光輝「俺が勝ったら罪を認めてお前が処分を受けろ!そして真面目に訓練するんだ!いいな!」

 

なんと光輝がまたしてもとんでもない事を言い出したのである。流石に光輝がおかしいと普段からハジメを毛嫌いしている生徒達も思い始めた。だがシュウガはむしろいいチャンスだと考えていた。

 

シュウガ「ハジメ。この勝負乗ってやれ。」

 

ハジメ「えっ、シュウガさん?」

 

シュウガ「いい機会だ。お前をサボりとか言うコイツに俺達の訓練の成果を見せてやれ。」

 

そう話すシュウガの目は「この勇者をぶっ飛ばせ!」と言っている様だった。その意図を理解したハジメはシュウガにニヤッと笑い返した。

 

ハジメ「分かりました。天之川君。その勝負受けて立つよ。」

 

光輝「よし、いいだろう。俺がお前を正してやる。」

 

シュウガ「ところでお前が負けたらどうする?」

 

光輝「えっ?」

 

シュウガ「お前は今、自分が勝った時の条件を提示したな。なら逆にお前が負けた時はどうするんだ?」

 

光輝「っ!!俺が南雲に負ける訳ないです!!馬鹿にしてるんですか?!」

 

シュウガ「いや、ハジメが絶対負けると思っている時点でお前がハジメを馬鹿にしてるだろ。」

 

光輝「俺は当たり前の事を言っているだけです!」

 

シュウガ「いや思いっきり馬鹿にしてるやん。もういい。ハジメが勝ったら二度とハジメの訓練をサボりとか言うな。そして錬成師を始めとする生産職の人達に謝れ。それが条件だ。」

 

光輝「何でそんな無駄な事を言うんですか?俺は負けません!」

 

シュウガ「ハイハイ、分かった分かった。と言う訳だ、メルドの旦那。すまんが先に二人の勝負がしたい。小悪党共の処分はその後でいいか?」

 

メルド「あ、ああ。別に構わんが。」

 

シュウガ「よし、それじゃあ場所を移そう。審判はメルドの旦那に任せる。」

 

こうしてハジメ対光輝の決闘が決まった。

 

 

 




第5話読んで頂きありがとうございます。

ハジメ君にグルメ細胞による強化が入りました。いきなり覚悟キマリ過ぎかなとも思いましたが魔王化前の優しさの強いハジメなら本編中の考え方の元決意するのではと思い書いてみました。今後このグルメ細胞がハジメ君を良くも悪くも強くしていく事になるのでどうなるかご注目ください。

そして最後は檜山達を返り討ちからの勇者との決闘です。果たしてどちらが勝つか、是非見届けてください。(多分速攻で終わると思うけど)

ではまた次回、よろしくお願いします。
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