ゼロの絶望神   作:一般デーモンコマンド

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後攻8ターン目

 

「美味い!流石アルビオンへと行くための街だ。ご飯が美味い!」

 

 

 

「本当に、君は食事が好きだね。まぁ、確かに屋台のご飯とは思えないほど美味しいが」

 

 

 

 ルイズ、そしてワルドより先にラ・ロシェールへとDOOMドラゲリオンに乗ってやって来たサガとギーシュ。ルイズ達が来るまで、たまたま出ていた屋台巡りをしていた。

 

 

 

 

「しかし、アルビオンが空飛ぶ大陸とは。港町と聞いて勝手に海を想像していたぞ」

 

 

 

「まぁ、知らないヤツはそう思うだろうね。...おぉ、あそこにもなにかあるよ」

 

 

 

 

「あれはスイーツか?すまない、店主殿。これ、1つ...いや、2つくれ」

 

 

 

 

「はい!新作スイーツ、『チョコっとハウス』2つね!」

 

 

 

 

 家型のスイーツを2つもらい、ギーシュと食べていると...向こうからルイズとワルド、そして何故かキュルケとタバサがやって来た。

 

 

 

 

「ルイズ、ワルド殿。遅かったな...で、何故お前達2人もいるんだ?」

 

 

それにルイズが腹ただしげに答えた。

 

 

「勝手についてきてたのよ。全く、こっちはお忍びだってのに...」

 

 

 

 

「別にいいじゃない。ね、タバサ?」

 

 

 

 

「...無理矢理つれてかれた」

 

 

 

タバサの声は何処か沈んでいた。

 

 

 

「成る程ね、だから君、ちょっと服が乱れてるのか」

 

 

 

 そうやってわいのわいのと喋っていると、ワルドが皆に向けて言った。

 

 

 

「取り敢えず皆合流できたようだし、宿に行こう。良いところを取ってあるんだ」

 

 

 

 ワルドがルイズの手を取り歩き出す。それにサガ達もついていくのだった。

 

 

 

 

 

 

その日の夜。

 

 

 ラ・ロシェール最上級の宿『女神の杵』亭にやってきた一行は、一階の酒場でその疲れを癒していた。

 

 

 すると、桟橋へ乗船の交渉に行っていたワルドが、困ったように席に着いた。

 

 

 

 

「聞いてくれ。どうやら、アルビオンに渡る船は明後日にならないと出ないようだ」

 

 

 

「急ぎの任務なのに...タイミングが最悪ね」

 

 

 

 ルイズは口を尖らせるが、サガは明日も遊べるとワクワクしていた。それはそれとして、サガはワルドに質問した。

 

 

 

「何故明後日じゃないと駄目なんだ?」

 

 

 

「明日の夜は月が重なる『スヴェル』の月夜だ。その翌日の朝、アルビオンがもっともラ・ロシェールに近づく」

 

 

 サガは良くわからなかったが、取り敢えず船を出すには環境が悪いのだろうと思っておいた。

 

 

 

 そう考えていると、ワルドは鍵束を机の上に置いて、皆に部屋割りを告げた。

 

 

 

「まず、キュルケとタバサで相部屋だ。次にサガとギーシュで相部屋、最後に僕とルイズで同室だ」

 

 

 

 

ルイズがぱっとワルドを見て言った。

 

 

「そんな、ダメよ!まだ私たち結婚してるわけじゃないじゃない!」

 

 

 

 

「婚約者だからいいだろう?...それに大事な話があるんだ。二人きりで話したい」

 

 

 

 

 真剣な顔で見るワルドにルイズは渋々納得することにした。

 

 

一方、サガはというと。

 

 

 

「よかった...久々にまともな寝床で寝られる...しかもルイズの監視がない。自由だ...!」

 

 

 

 

「そこまで言われると逆にルイズが君にどんな事してるのか気になるよ...」

 

 

 

             ◇

 

 

 

 分かれて部屋に入ったサガとギーシュ。すると、何故かタバサも入ってきていた。

 

 

 

「えぇ...?何で君も入ってきたんだい?」

 

 

 

 ギーシュが聞くと、タバサはサガの方を向いて答えた。

 

 

 

「サガの世界の話を聞くため...あと」

 

 

 

 

「あと?」

 

 

 

 

「...友達だから。仲良くしたい」

 

 

 

 恥ずかしそうに言うタバサに、ギーシュはまるで子どもの成長を感じる親のような気分になった。サガはやれやれという感じで首を振っていたが、その表情はどこか嬉しそうだった。

 

 

 

「どこに行ったかと思えば...本当に、こいつのこと好きねぇ、タバサ」

 

 

 

 キュルケも部屋にやってくる。タバサが心配だったようだ。

 

 

 

 

「よし。せっかくだから、来たときに買ったお菓子でもつまみながら話でもするか」

 

 

 

「良いね」

 

 

「あら、じゃあせっかくだしいただこうかしら」

 

 

 

「...いただきます」

 

 

 

こうして、この日の夜は更けていくのであった。

 

 

 

 

 

             ◇

 

 

 

「...ん?何だ、ここは」

 

 

 

気付けばサガは、中庭らしきとこに立っていた。

 

 

 

 

「おかしいな。さっき私は久々のベッドへとダイブした筈...」

 

 

 

 サガが辺を見渡していると、見慣れた顔を見つけた。

 

 

 

 

「...ルイズ?」

 

 

 

 彼女は、小舟の中で泣いていた。理由はわからない。ただ、とても悲しそうだった。

 

 

 

 サガはルイズの元へと歩いていく。ふと水面を見ると、その身体は白い、創造神の姿へと戻っていた。

 

 

 

「ルイズ」

 

 

 

「...?あなた、だぁれ?」

 

 

 

 小舟にいたルイズは、サガの知るルイズより幼かった。サガはルイズの涙を拭き取って言った。

 

 

 

 

「私はサガ。今日たまたまこの世界に散歩しに来ていてな。何故泣いていた?」

 

 

 

「...だって、誰もわたしのことをほめてくれないもの。おとうさまも、おかあさまも。わたしのこと、みんなきらいなのよ。...だれも、わたしをたすけてくれないわ」

 

 

 

そう言って下を向く幼きルイズ。

それに対し、サガは言った。

 

 

 

「なら、いつか私が君のところに助けに行ってあげよう」

 

 

 

「...?いまはたすけてくれないの?」

 

 

 

「あぁ。悪いが、助けるのは今ではない。君が大きくなって...そうだな、誰を呼んでも来ないような時に行ってあげよう」

 

 

 

「ほんとう?」

 

 

 

「本当だ。約束する」

 

 

 

「...ありがとう、しろいきしさん」

 

 

 

「...私は白騎士ではないぞ?」

 

 

 

その時、ルイズを呼ぶ声が聞こえてきた。

 

 

 

「ルイズー?ワルド様が来られましたわよー?」

 

 

 

「ワルドさま!」

 

 

 

 ルイズは小舟から降り、声のする方へと駆けて行く。それをサガは見送りながら、自身もミロクが作った試作品のテレポート装置の中へと姿を消していった。

 

 

 

 

 なんてことのない、双方から忘れ去られた出来事である。

 

 

 

 

 




そろそろ9ターン目か...9と言えばザオヴァナイン・カイザーですね。
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