ゼロの絶望神   作:一般デーモンコマンド

7 / 29
感想、お気に入りありがとうございます!


さて、決着です。


後攻3ターン目

「サガが、増えた!?」

 

 

 その光景は、ここ最近の中でも特に異常な光景だった。

 

 

 

「『偏在』、だと!?さっきの風といい、まさか風のスクウェアなのか!?」

 

 

 

 偏在という風のスクウェアにしか使えない魔法をサガが使った。それにギーシュは驚く。

 

 

 

「「違うが」」

 

 

 

「違うのっ!?」

 

 

 

違った。では、この状況はなんだというのか。

 

 

 

 

 

「説明は後でしてやろう。さて、絶望神サガ()の能力発動。カードを引き、手札を一枚捨てる」

 

 

 

 

「そして、墓地にクリーチャーが3体以上いれば、コスト5以下のゴッドまたはオリジンを蘇生できる。そうしたならば...このクリーチャーを、破壊する」

 

 

 

 そうして、最初のサガが崩壊していく。その様子に、周りの観衆達はさらに驚く。

 

 

 

「さて。復活した(絶望神サガ)も同じ能力を使えるのだ。能力で、私を再び復活」

 

 

 

そして、崩壊するサガ。

 

 

 

 

蘇生され、崩壊していく。

 

 

 

蘇生され、崩壊していく。

 

 

 

蘇生され、崩壊していく。

 

 

 

蘇生され、崩壊していく。

 

 

 

 

 

 何度も何度も何度も。サガの生と死が繰り返され続ける。

 

 

 

そのおぞましい様子に、観衆達は恐怖する。

 

 

 

 

「もう止めなさい、サガ!そんなことして、何になるのよ!」

 

 

 

 思わずルイズが止める。しかし、サガは聞く耳を持たない。生と死を、繰り返し続ける。

 

 

 

 

 その様子を見て、観衆の1人が、ぽつりと言った。

 

 

 

 

「サガが繰り返す。繰り返す...ループ」

 

 

 

 

「サガのループ。『サガループ』だ!」

 

 

 

 

 

 

「その通り。これで、ループ証明完了だ」

 

 

 

 サガがループを辞める。そして、サガではない者を出した。

 

 

 

 

「蒼狼の大王イザナギテラスを出し、能力発動。呪文、『コダマダンス・チャージャー』。これでマナを伸ばす」

 

 

 突如現れる亜人。その亜人が何か唱えると、サガの杖からツギハギの人形のようなオーラが放たれる。

 

「さぁ、フィニッシュだ。1マナを支払い...

顕現せよ!」

 

 

 サガが杖を掲げる。そして、凄まじい闇のオーラが巻き上がる。

 

 

 

「闇に染まりし不死鳥!超神星DOOM・ドラゲリオンを超無限墓地進化で召喚!」

 

 

 

 

 

 一瞬の静寂。そして、誰かが上を向いた。つられて、周りの観衆も見上げる。

 

 

 

 

 

 そこにいたのは、禍々しき龍の姿をした不死鳥。禍々しさを感じるが、一方でどこか神聖さを観衆に感じさせた。

 

 

 

ォォォォォォ!

 

 

 

 

 不死鳥が咆える。それに満足そうな顔をして、サガが言った。

 

 

 

「これで終わりだ!ドラゲリオンでゴーレムに攻撃!その時、メテオバーン発動!」

 

 

 

 

 不死鳥の中心からカードの形をした光が一つ現れる。それは、サガの持つ杖に吸い込まれた。

 

 

 

「ドラゲリオンの能力発動。もう一体のゴーレムのパワーをマイナス9000し、更に、

水上第九院シャコガイルを墓地から出す!」

 

 

 

 

 ドラゲリオンから極太の光線が放たれ、全てのゴーレムが光へと呑み込まれる。光が晴れる頃には、ギーシュのゴーレム達は跡形もなく消滅していた。

 

 

 

「なんて、ことだ...」

 

 

 

何故、こんなことになったのだろう。

 

 

 

 眼の前に居た自身のゴーレム達が次々に崩壊していく様を見て、ギーシュは思った。

 

 

 

ギーシュは少し上を向く。

 

 

 

 ドラゲリオンは、相変わらず此方を見下ろしている。その時、ギーシュは気づいた。

 

 

 

 

 ドラゲリオンの後ろに、それ以上の体躯を持った二枚貝の怪物が居たのを。

 

 

 

 

貝が開く。そこから、大量の水が溢れ出して...

 

 

 

 

そこで、ギーシュの意識は途切れた。

 

 

 

 

 

          ◇

 

 

 

「はっ!?」

 

 

 

 

 次にギーシュが目覚めたのは、それから数時間後のことだった。自室のベッドまでいつの間にか運ばれたらしい。

 

 

 

「...負けたのか、僕は」

 

 

 

 サガの見せたあの魔法の数々。どれもギーシュは初めて見るもので...とても、恐ろしかった。しかし、何処か清々しさも覚えていた。

 

 

 

 

と、ドアがノックされる。

 

 

 

 

「どうぞ」

 

 

 

「失礼する」

 

 

 

入ってきたのは、サガだった。

 

 

 

 

「君か。どうしたんだい?負けた僕を、バカにしに来たのか?」

 

 

 

「違う。これを、持ってきた」

 

 

 

 

それは、揚げたパンのようなものだった。

 

 

 

 

「これは?」

 

 

 

「カレーパンだ。カレーをパンで包んで、揚げたものだ」

 

 

 

 一口かじる。中から、香ばしいドロリとしたスープらしきものが溢れ出してきた。

 

 

 

「辛い...が、美味しいな」

 

 

 

「だろう?」

 

 

 

 

 暫く、沈黙が続いた。カレーパンを食べ終わった頃、サガが口を開いた。

 

 

 

 

「いい、デュエルだった」

 

 

 

「デュエル?」

 

 

 

「決闘のことだ」

 

 

 

「あぁ。...そうでもないさ。僕は、君の魔法に圧倒させられた。ゴーレムだって全て壊された。君の、勝ちさ」

 

 

そして、小声で呟く。

 

 

「僕は、弱いな」

 

 

 

 

それに、サガは言った。

 

 

 

 

「いや、ギーシュ。お前は強い」

 

 

 

「何故?」

 

 

 

「あのゴーレム、というのか?あれを操るのはかなり難しそうに見えた。一体でも難しそうなのを複数操っているのだ。それだけで私はすごいと思う」

 

 

 

 シールドも全てブレイクされてしまったしな。とサガが笑いながらいう。それを見て、ギーシュもつられて笑う。

 

 

 

 

「君は、変なヤツだな」

 

 

 

「そうか?」

 

 

 

再び、2人で笑う。

 

 

 

2人の間に、奇妙な連帯感が生まれていた。

 

 

 

 

          ◇

 

 

時間は、少し遡る。

 

 

 

 オスマン氏とコルベールは、『遠見の鏡』で一部始終を見終えると、顔を見合わせた。

 

 

コルベールは、震えながら声を絞り出す。

 

 

 

「オールド・オスマン」

 

 

「うむ」

 

 

「あの使い魔、勝ってしまいましたが」

 

 

「そうじゃな」

 

 

「ギーシュは1番レベルの低い『ドット』のメイジですが、それでもただの使い魔に遅れをとるとは思えません。そしてあの魔法!あんなの見たことない!やはりあれは『ガンダールヴ』!」

 

 

「...」

 

 

 

 

 

 オスマン氏は、フーッとため息をつくと、手を顔につけた。そしてゆっくりと顔を撫で、続いて白い髭をなでる。

 

 

そして呟いた。

 

 

 

「確かに、そうかもしれんな」

 

 

 

「やはり!私の目に狂いはなかった!」

 

 

 

 はしゃぐコルベールを後目に、オスマン氏はサガの姿を思い出す。

 

 

 

 

「まさか、な」

 

 

 

 髭を弄りながら、ありえないというように首を振ったオスマン氏なのだった。

 

 

 

 

 




決闘決着!


しかし、サガの異世界生活はまだまだ続きます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。