織斑 一真の苦悩   作:nasigorenn

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出来ればもっと感想が欲しいです。
そして何か作品をよくするアイデアがあったら是非とも教えていただけると嬉しいですね。


第18話 織斑 一真への挑戦 その4

 盛り上がるグラウンドで白と灰の武者が今、ぶつかり合う。

 

「「おぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」

 

俺と斉藤先輩はお互いに咆吼を上げながら、突進して攻撃を仕掛ける。

リーチの差から先に仕掛けたのは斉藤先輩だ。

 

「この二槍、貴様は耐えられるかぁっ!!」

 

その叫びと共に両手の槍から激しい突きが繰り出された。

その光景は嵐そのもの。その嵐に俺は自ら突っ込み迎え撃つ。

 

「しゃぁっ!!」

 

両手に持った刀で嵐の様な突きを弾いていく。

試合では有り得ない程の殺気を纏った穂先に刀が当たる度に火花を散らし、激しい金属音が鳴り響きグラウンドに金属音の重奏が奏でられる。

 

「ふん、この突きを凌ぐとはなぁ! さすが織斑 一夏の息子ということか!」

「褒めていただけるのは嬉しいですが、父とは関係ありませんよ!」

 

そう返事を返すと共に、俺も負けじと二刀をより激しく振るう。

 

「HETAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

「ぬぅっ!?」

 

斉藤先輩の突きよりもより回転速度を上げて斬り掛かっていく。

袈裟斬り、横一閃、下からの振り上げ。それらの斬撃が斉藤先輩へと四方八方から襲い掛かっていく。

その攻撃を何とか凌ごうと斉藤先輩は柄を使って俺の斬撃を防ぐが、それでも間合いに入られたために完璧に防ぐことが出来ない。

その内何撃か当たってしまい、慌てて間合いから逃れた。

 

「真逆初撃で決められぬとは」

「伊達に鍛錬は積んでいませんよ」

 

そのまま離れた所で、再び違いに激突し合う。

武者同士のぶつかり合いによって、グラウンドに激突の轟音が鳴り響く。

何合もの剣戟が繰り広げられ、その衝撃が辺りへと走ってく。

最初こそ攻撃を当てることが出来たが、それは相手が油断していたからだ。

その油断もこの剣戟の内にもう無くなっているだろう。

それはより激しくなっていく突きが物語っている。

槍の有利な点は刀よりも間合いが広いが長いことである。

攻撃範囲が向こうの方が長い以上、此方はその間合いより更に近くに踏み込まなければならない。

さらに斉藤先輩の厄介な点は、もう一本の槍である。

このもう一本の槍により、突きの回数が二倍以上になっている。故に嵐のような攻撃が俺へと襲い掛かってくるのだ。

御蔭で間合いに入るのが難しい。

 

「ほらほら、どおしたっ!! そんなんではすぐにでもやられてしまうぞ!」

「くっ! やはり間合いを詰め辛い」

 

嵐の様な攻撃に俺は苦戦しながらも何とか防ぐが、それでも何撃も受けてしまう。

その所為で絶影の甲鉄がいくつかひび割れてしまう。

 

「確かに貴様のその二刀は脅威だ! 手の数の多さ、速度は感嘆に値する! だが、それも間合いに入らなければどうということはない! 所詮貴様は真田さんにふさわしくない!」

 

そう先輩が叫ぶとまた嵐のような連撃を俺に振るってきた。

しかも今度は突きだけではない。左右上下からの斬撃も追加されている。

ただの槍ならばそんなことはない。変幻自在の攻撃を可能とする十文字槍ならではの攻撃である。

それ故に更に苦戦をせざる得なくなる。

 

「くそ! これでは更に間合いに入れない……」

 

嵐と言うより、最早雪崩のような連撃に俺は後退をせざる得ない。

しかし、離れることを斉藤先輩は許しはしない。前に進み、さらに俺を攻め立てた。

 

「真田さんは我等が武帝校一の美少女だ! それこそ、IS学園の美女達に勝ると言っても過言ではない。まさに我等がアイドル、高嶺の花、女神だ! それが貴様のような奴の魔の手に落ちるなど、断じて許せん!」

 

斉藤先輩は激しい攻撃の傍ら、俺に向かって崇拝と憎悪の念を持って語る。

確かに灯姉さんは美人だけど、そこまで言うことなのだろうか?

 

「真田さんは誰の物にもなってはいけないんだ! あの人は全ての人に崇められる存在だ! 決して貴様の恋人になどなってよいお方などではない! 何故真田さんは貴様に告白などしたのやら。そんなことが上手くいくわけないというのに。そんなことをすれば真田さん自身不幸にしかならないのだから! 故にここで貴様は沈め!! そして二度と真田さんに近づくな!」

 

狂信者のような物言いに俺は苛立つ。

さっきから聞いていたら何だ、それは。まるで灯姉さんを人ではなく、偶像のように扱って。

まるで執念じみたその物言いに我慢が出来なくなってくる。

ただの嫉妬ならそれでいい。だが、斉藤先輩から感じるのは盲信だ。

灯姉さんをまるで神のように崇め奉り、神聖視している。

故に不浄と思われる全てを許さない。

だが………それは一方的な押しつけだ。人権と言う物がまったく存在していない。

灯姉さんは確かに美人で優しいが、泣きもするし笑いもする。怒りもするし、拗ねもする。

それを見ずに、ただ妄信的見ている斉藤先輩を俺は許せなくなった。

故に叫ぶ。

 

「それは貴方が決めて良いことでも、押しつけて良いことでもない! 誰かを好きになるのはその人の想いだけだ! それを否定して良い者など誰もいない!!」

「何だと!」

 

俺は目の前にいる討つべき敵に向かって叫ぶ。

この現状を打破するための一手を。

 

「絶影っ、絞竜!!」

 

俺の叫びを受けて、首元から伸びる紫色のマフラーのような触手が斉藤先輩に向かって飛び出し、そのまま両手の槍へと絡みついた。

 

「くっ、これでは槍が! くそ、離せ!!」

 

それを振り払おうと斉藤先輩は槍を振り回すが、決して外れない。

俺はそのまま絞竜に意識を裂いて、その槍を無理矢理斉藤先輩から引き離した。

 

「くっ、槍がっ!!」

 

そしてそのまま槍を投げ捨てると共に、合当理を噴かして斉藤先輩へと迫った。

単鋭装甲ならではの物にISの性能を取り入れた結果、とてつもない速さで一気に斉藤先輩の前まで踊り出た。きっと斉藤先輩には急に目の前に現れたように見えただろう。

 

「なっ!?」

 

先輩の驚愕の声を聞きながらも、俺は静かに先輩に言う。

 

「灯姉さんのことは灯姉さんだけの物です。誰もが口を出して良いことじゃない」

 

そして両手の二刀を振るい、先輩の胸を切りつけた。

結果、先輩の胸の甲鉄が十字に切り裂かれた。

それと共に、先輩が崩れ落ちる。

この一撃で意識を断ったのだ。

 

『勝者、織斑 一真!!』

 

その通知と共に、グラウンドは歓声に包まれた。

これでまずは一勝。

告白云々は別としても、こんな先輩が灯姉さんの近くにいるのは心配でしかたない。

故に、この試合でそれらを全て一掃しようと、俺は決意した。

 

 

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