織斑 一真の苦悩   作:nasigorenn

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今回は束さんの出番です。
有り得ない展開ばかりですが、二次だから許されると、そう信じて……。


第66話 織斑 一真は囁かれる

 姉さん達に弄くられること約30分。

何かもう、男として色々と駄目な気がしてならないことをされたような気がする。

二人は満足したのか俺を解放すると、少し疲れたから休むと言って二人でシートで横になっていた。その際に張りよく突き出された胸に視線がいってしまった俺は男子として間違っていない……はず……。

そう赤面しながら思ったが、それ以上考えると悶々しそうだったので止めた。

とは言え一度火が付くとなかなか消えないらしく、俺はそんな目を皆に向けたくないので少し離れた岩場の方に向かった。

基本砂浜ばかりのIS学園のビーチだが、一部では岩場が作られている。

そこは砂浜と違い生物の宝庫となっていて、多種多様な生物の姿がちらほらと見えていた。

 

「はぁ~………何か疲れた……」

 

近場の岩に腰掛けると、そんな言葉が口から漏れていた。

可笑しいなぁ。俺は確かに皆と遊ぶために海に来たけど、身体を休めるためにも海に来たはずなのにどうしてこんなに疲れるんだ?

普段慣れないことをしたり、皆の新しい一面を見たりして精神的に興奮しているのかもしれないからか?

そう思うと改めて思い出してしまう。

夏耶の危うい艶気を、葵さんの真っ白な背中とうなじを、アリシアさんの綺麗なお尻を、灯姉さんの母性溢れる身体を、颯姉のグラビアアイドル顔負けの胸を、束さんの妖艶な肢体を……。

皆途轍もない美女ばかりだ。

だから男としては気になって仕方ないというのはわかる。

でも、それでも、やっぱりそういう感情を彼女達に向けたくはなかった。

今まで自分自身、そういった感情はあるとは思っていたが、まさかここまで酷いとは思わなかった。それだけ俺が駄目な男ということなんだろうか………。

 

「何考えてるんだ、俺は!」

 

さっきから頭に過ぎったいやらしい妄想に嫌悪を感じながらそう叫ぶ。

だが、そう思えばそう思い出すほど蘇ってきてしまうのが思春期故の若さだろうか。

そのジレンマにあーだこーだと苦しんでいると、突如目の前の海が盛り上がった。

そしてそこから出てきたのは……。

 

「やっはろ~、かずくんだけのアイドル、束さんだよ~!」

 

束さんだった。

相も変わらず大切な所が隠せるのか分からない過激なヒモ水着で、ポーズを取った途端にぶるんと揺れた胸が目に毒である……思春期的な意味で。

いつの間にか持っていた銛を掲げ、如何にも漁にいってきましたと言わんばかり束さんは俺の前まで来ると、腰に下げていた網の中身を広げて俺に見せてきた。

 

「みてみて、かずくん! 大量大量~!」

 

網の中には色々な魚が入っており、未だに動いていることから鮮度の良さが窺える。

それを見て俺は少し驚いてしまった。何せ束さんといえば確かにアグレッシブな人ではあるけど、どちらかと言えば室内にいるような人だと思っていたから。

 

「凄いですね、これ!」

「うんうん、そういう反応してくれると束さんは嬉しいよぉ~!」

 

束さんは笑顔で喜ぶと、取ってきた魚をその場で広げ始めた。

 

「えぇ~とねぇ~、鯵に鮎並に~石鯛に色々と取れたよ~! あ、後コレも、どう、大物大物!」

 

そして一番の大物らしい者を真上に掲げて見せた。

それはとても大きなタコである。サイズは足を合わせて五十センチくらいだろうか。明石のタコとも引けを取らないくらい立派な上物。

それを嬉しそうに掲げる束さんは何やら無邪気で子供っぽく、そんな所が可愛く見えた。

だが、これでそのままよかったですねと言ってそれを昼に食べようで済めばよかったのだが、そうはならないらしい。

生きているのだから仕方ないのだが、突然タコが動き出したのだ。

 

「あれ? あれれ?」

 

タコが動き出すと、束さんは慌てて捕まえなおそうとするが、ぬめりぶよぶよしているタコはその身体を掴ませない。それどころか束さんの身体に絡まっていき……。

 

「って、いや~ん、胸に絡まってる~!」

 

胸辺りにへばり付いた。

そして束さんの胸を嬲るかのように絡みつき、その感触に束さんが恥ずかしさかもあって顔を真っ赤にする。

 

「あ、やめ……んぁ……吸盤で吸っちゃ……だめぇ~~!」

「って何してるんだ、このタコ!」

 

その光景に呆然としてしまったが、俺は急いで束さんを助けるためにタコを掴む。

確かにぬるぬるして掴み辛いが、それでも思いっきり絞め上げればいくらタコとて掴めなくはない。

 

「やぁ、かず…くん、もっと、優しく……んあぁっ!……」

 

束さんが妙に艶っぽい声を上げる度にドキドキしてしまうが、それどころではない。

 

「いい加減に離れろ、このエロダコ!」

 

これ以上こんな声を聞かされたくないので、俺は力の限りタコを締め上げた。

すると息絶えたのか、動きが緩慢になってきた。

そのまま一気にごぼう抜きする。

 

「やぁん……かずくんの……エッチ………」

「た、束さんっ!?」

 

タコを引っこ抜いた先には束さんの綺麗で大きな胸があった。

それも何も付けていない、『中心部』もくっきりはっきり見える状態で。

その事実に思考がフリーズしかけ、何も考えられなくなる。ただ、目の前の束さんの胸に目が行ってしまう。

どうやらタコと引っこ抜いた時に、タコが最後まで水着をを離さなかったようだ。

そのせいで水着が引っ張られ、こうして束さんの胸から外されてしまった……らしい。

束さんは顔を真っ赤にしつつも俺に笑みを向けるが、その笑みは恥じらいが見て取れて何やら可愛らしかった。

すると束さんはそのまま俺に抱きついてきた。

 

「こんな恥ずかしい姿を見られたんだから、もうかずくんには責任とってもらわないとねぇ~」

 

硬直する俺に束さんは猫のように身体をすりつける。

胸に押しつけられた感触に身体は動かないくせに、胸の鼓動を加速させる。

むにゅむにゅと動くやわらかく大きなものが俺の胸を這いずり、その中心にある硬いナニカが余計に意識させた。

沸騰しかける頭。余裕など一切なくなる心。

そんな俺を見越してか、束さんは俺の耳元に甘く囁いた。

 

「かずくんになら……このおっぱい、いくらでも触らせてあげるよ……」

「っ!?」

 

その妖しい誘惑に心臓が跳ね上げる。

このまま流されたら本当に『そういう事』へと発展してしまいそうな、そんな魅力に溢れていた。

喉が渇いて仕方ない。身近に束さんの身体の体温を感じ、タコのせいで生臭くもどこか興奮してしまいそうな妖しい香りを感じた。

 

「あ……あ……」

 

言葉が出ない。

今まで束さんの事はお姉さんだと思っていた。灯姉さんでも颯姉でもない、大人の人。よく巫山戯ているから気にし辛いけど、好意を素直に表す人。

だからこそ、こんな風に誘惑されると、俺はどう返して良いのか分からなくなってしまう。それが悪ふざけではないと分かっているから。

そんな風に困っていると……。

 

「「「「「あぁあああああああああああああああああああああああああ!!!!」」」」」

 

そんな大声が俺と束さんに叩き付けられた。

目だけを其方に向けると、そこには顔を真っ赤にして怒る5人の姿があった。

 

「束さん、何お兄ちゃんに抱きついてるの!」

「一真様を誘惑するなんて……抜け駆けなんてずるいです」

「お兄様から離れて下さい、篠ノ之博士!」

「かずくん、お姉さんの胸も負けてないわよ」

「篠ノ之センセー、あたいにも一真を抱きしめさせてくれよ」

 

怒る5人に束さんはあちゃ~、見つかっちゃった~と言って、てへっと笑う。

そして仕方なく皆に分かるように俺から離れると、別れ際に俺にだけ聞こえるように小さな声でこう言った。

 

「かずくん、束さんはいつでも待ってるからね。かずくんになら、本当に何でもしてあげたいしさせてあげたいんだからさ。だって束さんは……かずくんがだぁいすきだから」

 

それはたぶん、本音のなのだろう。

何故か分からないが、その言葉から巫山戯た気配は感じられなかった。

 その言葉を聞いた俺は、しばらく顔が赤いままであった。

 

 

 

 この後、皆で楽しく束さんが取ってきた魚を調理してお昼に食べた。

取り立てだけあってとても美味しく、皆笑顔になる。

そして午後は皆で遊ぶよう話し合っていた。

 だからこそ、気付かなかった。

この後、俺は『奴』と再び会うことを………。

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