貴方が拾いたいのは最強ですか、親友ですか? 作:かりん2022
一年生を前にして、五条先生は手早く説明をした。
「ということで、完全非術師なのに術師希望の夏油悟君です! ちなみに僕との血縁関係はなし! これ夏油傑の家族写真ね」
ペラリと写真を見せる。そこにはハロウィンのコスプレだろうか、五条悟と夏油傑にそっくりの魔女コスプレの2人と美々子と菜々子、利久、夏油傑が写っていた。
「血縁関係がないとかゼッテー嘘だろ」
「これで五条先生がこの写真に入れば家族写真だな……両親男だけど」
「嘘でしょ、こんなにそっくりなのに非術師なの? 明らかに異能ありますよって言ってるような目はどう説明すんのよ」
「六眼には全く反応なし! むしろ呪力が避けてる感じすらするかな」
五条先生の断言に、なおも訝しげな3人。
「嘘でしょ」「嘘だろ」「そんなに綺麗なのにな」
「呪霊とかは眼鏡を使って見えるようにします。皆さんとは級が違うので単独任務になるでしょうが、よろしくお願いします!」
頭を下げる夏油悟に慄く伏黒恵。その顔で殊勝な態度やめろ。
「悟くんの家族は皆術師なんだけど、全員行方不明でさぁ。死亡するとわかる呪具を使ってて、それによると全滅、プラス親友が行方不明らしいんだよね。それで、友達だけでもどうしても助けたくて情報を探してるんだってさ。僕も傑の任務を洗ってるところ。あいつめちゃくちゃ仕事受けててさぁ。これから本格的に調査するんだ。そんなわけで、この子の事はお願いね」
そして、サクッと転移をして行ってしまった。
「ちょっと! 一年生に一年生任せるんじゃないわよ! しかもあからさまに年上だし!」
「焦ってるんだろ。夏油さんは五条さんの親友だし。あの人が死んだなんてありえないと思うが……」
「あ、と。元気出せ、とはいえねーけど……俺らと絶対友達助けようぜ!」
「ありがとう」
その後、自己紹介などして、質問攻めにしたりされたりして、翌日。
特級呪霊からの人命救助任務が入った。
素人2人を連れて行くことになった伏黒は、任務を心配するが、一介の術師にはどうにもできない。
「特級呪霊って強いのか? ずっとイギリスにいたから、日本語もよくわからなくて」
「端的に言って一番強い分類だ」
そうして、伊地知などにレクチャーしてもらう。
入り口に入る前、夏油悟は立ち止まる。
「怖気付いたか? 外で待っててもいいんだぞ。っていうかそのトランク中まで持って行くのか?」
「これ、傑パパのくれたお守り。入る前にみんなにつけてほしくて」
「夏油さんの? っていうかお前、その歳でパパって呼んでんのか」
「いいだろ別に」
「可愛いじゃない。貰ってあげるわよ」
「貸すだけだから」
そして、中に入る。
玉犬にもお守りをくくりつける悟。嫌がってるぞ玉犬。
そんなこんながあり、中に入ると、肉塊を見つけた。
「置いて行く」
「そんなわけにはいかねーだろ!」
「そんな喧嘩してる場合じゃないでしょう!」
話していると、ガラスが割れた音がして、悟は構えた。
「なんだ!?」
「わっ」
再度、ガラスが割れた音が、二度。それと同時にお守りが砕けた。
釘崎と夏油はそれぞれ、激しい音に身を竦ませる。
事ここに至って、お守りが攻撃を防いでくれたのだと一年生は悟る。
「特級呪霊……!」
「呪具で殴ればいいんだよね?」
「う、うわあああああああああああああ!!」
虎杖が呪霊を襲い、呪具を壊してお守りもカウンターを防いだの時控えに壊れてしまう。
「これ!」
トランクから、明らかにそれより長い棒を取り出し、夏油は虎杖に投げた。
「特級呪具!?」
「使って、虎杖!」
「さ、さんきゅ! 夏油!」
そして、遊雲の一撃は特級呪霊にダメージを与えた。
呪霊は壁に吹き飛ばされた。
「無茶だ、ひとまず逃げるぞ!!」
「そうね!」
「行くぞ、夏油!!」
3人は走る。
夏油は、杖を取り出した。
「アバダ・ケダブラ!!」
「なんだ、領域が消えていく!?」
「どういうこと?」
「あの呪霊が倒されたのよ」
「倒された?」
小首をかしげる夏油悟。
死の呪文を去り際投げつけたとは思えぬ自然な演技だった。
結果、当然の如く、揉めたのだが、肝心の五条は必至の捜索をしていた。
呪術界の重鎮たちも、不確定要素が多すぎるということで、手出しに慎重になる。
その間に、軽めの依頼をこなしたり、夏油 悟の聞き込みを手伝ったりする一年生だった。